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2007年4月

今宵の鍋は煮込み豆腐 … 立ち飲み「うなぎや」(横浜・屏風浦)

会社の帰りにふらりと「うなぎや」です。

京急本線・屏風浦(びょうぶがうら)駅のすぐ近くにあるこの店は、うなぎの串焼きや蒲焼、うなぎ弁当のほか、焼き鳥などを店頭で販売しているほか、店内で立ち飲みすることもできるのです。

店内の立ち飲みカウンターは“_| ̄|”という形(下側が入口)に配置されていて、全部で12~3人ほど入ることができるでしょうか。以前は右側の“| ̄|”こうなった部分だけだったのですが、左側にあったお茶屋さんも一体となって、店が広がったようです。

ホッピー(400円)は、通常は氷入りで出してくれるのですが、「氷無しでお願いします」と注文すると、純正のホッピージョッキの上の★マークまで焼酎が注がれ、それとは別に瓶入りのホッピーが出される正統派スタイルのホッピーが出てきます。焼酎も、冷やしてポットに入れられているのです。

今日の立ち位置は| ̄|の右側。この店は| ̄|の内側に人が立つのです。| ̄|の下が入口、右が厨房スペースで、店主夫婦がふたりで切り盛りしています。

まずは鳥皮(60円)をタレ・塩で各1本ずつ、うなぎ頭焼(80円)を1本焼いてもらいます。

焼き鳥はレバー、肉、皮、ネギ間の4種類がそれぞれ1本60円。おまかせ5本盛り(300円)もあります。うなぎは頭焼(1本80円)、うなぎ肝焼(1本120円)、蒲焼(1串800円)の3種。うなぎ肝焼は早々と売り切れてしまうらしく、今日も売り切れでした。

鳥皮2本とうなぎ頭焼1本で200円、これにホッピー(400円)を加えると、都合600円で「うなぎや」をサックリと楽しむことができるのです。

しかし| ̄|の右側に立つと、ちょうど目の前が大鍋(寸胴)。定番のメニューに加えて、いつも日替わりの大鍋料理(400円)があるようなのです。「鍋はなに?」と聞いてみると「今日は煮込み豆腐だよ」とのこと。さっそくそれをもらって、氷なしホッピーもおかわりです。

煮込み豆腐は大根や筋肉などといっしょに大きな豆腐が煮込まれていて、まずその豆腐をドカンと小鉢に入れた上に、煮込みをたっぷりとかけ、その上に刻みネギを散らしてくれます。今年の春は天気が不順で、今日も最低気温が9度と肌寒い。こんな日にはあったかい煮込みがおいしいですよねぇ。

| ̄|カウンターは、背中(お尻のあたり)をカウンターにつけて、内側に向いて立つのが正しいスタイル。常連さんのほとんどはこうして立って、他のお客さんたちとの会話を楽しんでいるのです。

私もひとしきり煮込みを食べたところで、くるりと後ろを向いて立つと、向こう側に立っているおじさんが、話の最後に「な。にいさんもそう思わないか」とこちらにも話をふってくれて、会話に加わります。

こうやってみんなとの会話も楽しみたいときは内側に向かって立ち、今日はひとりで静かに飲みたいなぁと思うときはカウンター(外側)に向かって立てばいい。なかなか便利なカウンターの造りなんですね。

約1時間半の立ち飲みタイムは1,400円でした。どうもごちそうさま。みなさんお先に!

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「うなぎや」 / うなぎ頭焼 / 煮込み豆腐

店情報前回

《平成19(2007)年4月12日(木)の記録》

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相似形・美人母娘が営む … 立ち飲み「小鉢(こばち)」(横浜・上大岡)

横浜転勤となったにっきーさんと「鳥佳」を出て、京急本線の上大岡駅へ。ここで帰りの時間を確認します。にっきーさんと私の自宅はすぐ近く。私が近距離単身赴任をしているのに対して、にっきーさんは自宅からの通勤を選ばれているので、これから西武線方面まで帰らないといけないのです。

現在、午後10時20分。ここからだと11時31分発の特急・品川行きに乗れば帰りつけそうですが、安全を見て11時12分発に乗ることにして、それまでの時間を利用してもう一軒!

やってきたのは「鳥佳」から見ると駅の反対側にある立ち飲み屋「小鉢」です。ここは相似形・美人母娘で営む人気の立ち飲み屋なのです。

「こんばんは」と店に入ると、御影石っぽい高級さのL字立ち飲みカウンターはゆるやかに満席状態。しかし、そこは立ち飲みのうれしさ、ゆるやかに立っていたお客さんたちがちょっとずつ詰めてくれて、入口近くにふたりが立てるくらいのスペースを作ってくれました。ありがとうございます。

さっそく生ビール(アサヒスーパードライ中ジョッキ、420円)をもらって乾杯します。このほかの飲み物はたとえばビンビール(キリン一番搾り大瓶)が525円のほか、燗酒(菊正宗)やグラスワイン、ウーロンハイ、緑茶ハイが315円、レモンサワーやグレープフルーツサワーなどは365円です。

カウンターの中はスチュワーデスさんのように、髪を上にひっつめたスタイルの美人母娘のほか、手伝いの女性もひとり加わって3人で切り盛りしているようです。最初に相似形・美人母娘と書いたとおり、このふたりはとてもよく似ている。この若い娘さんが、そのままきれいに年を重ねるとこういう姿になるんだろうなぁ、という姿で横に立つお母さん。まるでひとりの役者さんが、見かけの年齢だけを変えて見せるメイクをしたかのようなのです。

御影石のカウンターに美人母娘と、なんだかカウンター割烹のような風情ながら、ずらりと50品ほど並ぶ料理の大半は315円、そうでないものも420円というリーズナブル・プライスなのです。たとえばホウレン草やウルイのおひたし、肉じゃが、もずく酢、いわしの塩焼、うにくらげ、鶏の唐揚げ、塩辛、冷奴、冷しトマトなどが315円で、マグロの中トロ、〆サバ、カキフライや、ざるそば、焼きそばなどが420円です。

そんな中からポテトサラダ(315円)と自家製ぬか漬け(315円)をもらうと、ぬか漬けはなんと大根、キュウリ、ナス、ニンジンの盛り合わせ。これで315は安いよなぁ。

お客さんは美人母娘に引かれたおとうさん族ばかりかと思いきや、これが女性客もけっこういます。女性だけで切り盛りしている店なので、女性客も入りやすいのかもしれませんね。男性客も若い人から年配客まで幅広い。

日本酒や焼酎も何種類かの銘柄が置いてあって、日本酒(地酒)は一合630円からで、焼酎は470円均一。カウンターの上にも何本かの一升瓶が並んでいて、その中の珍しそうなのをにっきーさんが1杯、ロックで注文します。私も横からいただいたのですが、残念ながら銘柄を失念。そのとき写した写真の背景に芋焼酎「宝山」と黒糖焼酎「あまみ珊瑚」の瓶が写っているので、そのうちのどっちかなのでしょうか。

そうこうするうちに、すぐに電車の時刻やってきてしまいます。お勘定はふたりで1,940円(ひとりあたり970円)でした。どうもごちそうさま。

070410p 070410q 070410r
「小鉢」 / 生ビール中ジョッキ / ポテトサラダ

070410s 070410t 070410u
自家製ぬか漬け / 本日のおつまみメニュー / 焼酎ロック

店情報前回

《平成19(2007)年4月10日(火)の記録》

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ボトルを入れて、おまかせセット … 焼き鳥「鳥佳(とりよし)」(横浜・上大岡)

4月から横浜勤務となったにっきーさんと向かう、上大岡の2軒目は「鳥佳」です。横浜地区は、東京に比べるともつ焼きの人気がそれほど高くないのか、あまりもつ焼き屋は見かけません。純粋な焼き鳥屋(鶏肉や鶏もつの店)は多いのですが…。私の知っている数少ない横浜地区のもつ焼き屋の中でも、屈指のクオリティを誇るのが、ここ「鳥佳」なのです。

「鳥佳」は、店に向かって右と左の両側に入口があり、右から入るとカウンター席とテーブル席。左側はテーブルだけの席。真ん中に厨房があるので、右と左を行き来することはできません。

右側の入口から「こんばんは」と店内に入ると、まるでとってつけたようにカウンターの焼き台前あたりにぽっかりと空席がふたつ。ラッキー! もちろんそこに座って、まずは飲み物の選択です。

「にっきーさん、この店も飲み物は標準的な横浜価格なので、チューハイやウーロンハイ(各420円)なんかが、東京下町価格と比べるとちょっと高いんですよ」と話しかけると、メニューをじっくりとながめていたにっきーさんは「チューハイなどを比べるとそうかもしれませんけど、焼酎(銘柄もの)などはむしろ安いですよ。いいものが安いというのはうれしいですねぇ」という返事。そうだったのか。地酒や銘柄ものの焼酎を研究的に飲むことが少ないので、そういうところに気づかなかったですねぇ。

「焼酎のボトルも比較的安いので、ボトルをいただいて飲みましょうか」とにっきーさん。なにしろにっきーさんはウイスキーにはじまって、ワイン、焼酎と研究を重ねてきているので非常に心強い。「海」「蔵の師魂」「和助」「島美人」「大正の一滴」「池の露」「龍宮」と並ぶ焼酎リストの中から「蔵の師魂(くらのしこん)」を選択してくれます。ちなみに、これらの中では「龍宮」だけが黒糖焼酎で、残りは芋焼酎。キープ期間は4カ月で、どれも1本(720ml)3,150円。ふたりともロック(氷代160円)でいただきます。

食べ物もにっきーさんが初回なのでセットメニューをお願いすることにしました。この店のセットメニューは小腹セット(700円)、おまかせセット(1,200円)、鳥佳セット(2,000円)の3種類があります。小腹セットは焼き鳥7本ほど、おまかせセットはそれに、もつ皿(単品なら400円。以下、括弧内は単品価格)などが加わり、鳥佳セットは「鳥佳」のフルコースなのだそうです。

これら3つの中から、おまかせセットを2人前を注文すると、まず登場したのはレバ(130円)タレ。店主自慢の若焼きで出されたレバは、タレ越しにもキリッと立ったエッジがよくわかるほどの鮮度で、まさにプリップリです。「これはすごいっ」とにっきーさんも1品目から気に入ってくれたようです。

追い討ちをかけるようにシロとツクネのタレ焼き(各130円)。ここのシロはクルクルと巻き込んで棒状(賞状を丸めたようなイメージ)になったものが何個か串に刺されているのが特徴。シロそれだけでも、とてもいい弾力感なのに、それが丸まってるのですからその弾力感たるや! 下ごしらえも大変なんだろうなぁと、くるりと巻いたシロに、まさに舌を巻く一品です。

ツクネは丸い団子ではなくて、切りたんぽのように、串に円筒状になったスタイル。これとは別に月見つくね(400円)というメニューもあります。

長方形のお皿の、シロとツクネが置かれているところとは反対側に盛られている白菜の漬物も、いいつまみです。この店で「おばあちゃんのお新香」(350円)というメニューで出している、屋台時代から続く自家製お新香も注文する人が多い人気の品。この白菜も、その中の一品なのでしょうか。

そして「もつ皿」(400円)。「もつ皿」は、もつ煮込みのことなのですが、この店では「もつ煮込み」(530円)というと「もつ皿」とは別のメニューになります。「もつ皿」が煮込みを小鉢に盛ってくれるのに対し、「もつ煮込み」では煮込みが小鍋に盛られ、さらに煮豆腐も入るのです。どちらもオプションで「辛いの」と呼ばれる赤唐辛子系の調味料をトッピングしてもらえるのですが、これが本当に辛いのなんの! クセになる辛さに焼酎も進みます。

ひとしきり「もつ皿」を楽しんだところで、おもむろに出されるのが塩焼きの3本。鳥ネギ、ナンコツ、カシラ(各130円)です。定番のナンコツ、カシラもさることながら、鳥ネギのしっかりとした肉もいいですねぇ。

しばらくして、表面がカリリと焼きあげられた厚揚げ(420円)が出されて「これでコース終了です」と声がかかります。厚揚げは大きく切った二切れ。最後に豆腐系というのもさっぱりしていていいですねぇ。

1時間半ほどの滞在。残ったボトルに名前を書いて、大満足のお勘定はふたりで5,870円(ひとりあたり2,935円)でした。どうもごちそうさま。

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「鳥佳」 / 芋焼酎「蔵の師魂」 / 今日の黒板メニュー

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レバー(タレ) / シロ、つくね(タレ) / 白菜漬

070410m 070410n 070410o
もつ皿 / 鳥ねぎ、なんこつ、かしら(塩) / 厚あげ

店情報前回

《平成19(2007)年4月10日(火)の記録》

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上喜元240円! カブぬか漬50円! … 立ち飲み「成田屋酒店(なりたやさけてん)」(横浜・上大岡)

近所の酒友・にっきーさんが転勤で、なんと横浜勤務となりました。転勤早々はなにかとバタバタするだろうと、お誘いするのは遠慮していたところ「今日、ポッカリと空き時間ができました」という連絡。おぉ、それはそれは。さっそく歓迎会をしましょう!

すでにお仕事が終わっていたにっきーさんが近くまで来てくれるということで、京急本線の上大岡(かみおおおか)駅で待ち合わせることにして、急いで仕事を終えます。

こちらから「上大岡に向かい中」と連絡したときには、すでににっきーさんは上大岡駅に到着済み。「『じぃえんとるまん』の近くで待ってます」という返事を受けてカミオ(駅前ショッピングビル)の裏手に回ると、そこに立っているにっきーさん発見。

「『じぃえんとるまん』もいいですけど、この店も渋そうですねぇ」とにっきーさんが指差す方向を見ると、そこは酒屋の立ち飲みゾーン。大きな酒場の(カミオ側から見て)左手の一角に店をズドーンと縦に貫く立ち飲みカウンターがあって、ポツリ、またポツリとお客さんが立ち飲んでいる。屋号がないなぁ、と思いながら店に近づいていくと、角のショーウインドウのところに「成田屋酒店」と書かれた小さい木札が置かれています。なんと! ここが「成田屋酒店」でしたか。G.Aさんの「陸ボケ日記」にときどき登場していて気になっていたのです。さっそく入りましょうよ!

平日(火曜日)午後7時半の立ち飲みカウンターは、先客が10名程度。しかしなにしろカウンターが長いので、その人数でもポツリポツリと感じるほどです。我われもその一角に立つと、どこから見ていたのか女将さんと思しき女性がやってきて注文を受けてくれます。

にっきーさんはアサヒスタウトの小瓶、私はアサヒ熟撰の小瓶を注文すると、ポンッと栓が抜かれたビールとともにグラスが出され、それと引き換えに支払い(キャッシュ・オン・デリバリー)です。ここのビールは大瓶350円、中瓶300円、小瓶220円という、ほぼ市販と同じ価格ですが、スタウトも熟撰もちょっと高い価格設定のビールで、熟撰は240円でした。

最初に熟撰をグラスに分けあって乾杯し、今日1杯目となるビールをゆっくりと飲(や)りながら、店内を観察します。

酒屋さんとして営業している部分と、こちら側、立ち飲み部分はおつまみの缶詰や乾き物がずらりと並んだ棚や、先ほどビールを出してもらった大型冷蔵庫などが並ぶことによって仕切られていて、こちら側はすっかり普通の立ち飲み屋さんといった風情です。

お客さんたちは、それぞれひとり客で間隔を空けて立っていることもあってか、みなさん無言でストイックに飲んでいる。ときどき「焼酎、半分ね」なんて注文をする声だけが店内に響きます。そうそう。こちらの酒屋の角打ちでは、「半分」という注文をよく聞きます。

つまみのほうは棚に並んでいる缶詰や乾き物が主体のようでのりピー60円、柿ピー50円、うにせん30円、チーズかまぼこ50円といった張り紙が見えます。缶詰はサンマ缶の130円くらいからはじまって、やきとり缶が160円、サバみそ煮缶は180円、コンビーフが240円と言ったところ。カウンターの上にもゆで卵やラッキョなどが置かれていて、それぞれ50円ほど。

そんな中からにっきーさんがニンニク醤油漬(50円)を注文すると、小皿にきっちりと5粒のニンニクを入れて、爪楊枝を刺して出してくれます。となりのおじさんが注文したタクアン(10円)は、1センチ角くらいの拍子木に切ったものを1切れ爪楊枝に突き刺して「はいどうぞ」と差し出されます。ニンニク醤油漬やラッキョも1粒あたり10円という計算で、1皿5粒が50円なんでしょうね。

そのタクアンのおじさんはキューッと冷酒を2杯ほどやっつけて、スッと帰っていきます。そう。かなり頻繁にお客さんはやってくるんだけど、みんなサクッと飲んだらスッと帰っていく。平均滞在時間は15~20分ほどではないでしょうか。粋ですねぇ!

さてスタウトも分けあって飲み終えた我われは、どちらからともなく「もうちょっと飲んでいきましょうか」という話になります。入るときには「小瓶のビールでも1本ずつ飲んで、次に行きましょうか」なんて話してたのに、いざ飲みはじめてしまうと、まだまだこの店の風情に浸りたい気分。いや、まったく粋じゃないなぁ。(爆)

女将さんに「燗酒は?」と聞くと「もうやっていない」という返事。「もう」ということは、もっと寒い時期にはやってたんでしょうか。壁のメニューを見ると日本酒はそれぞれ200mlで上撰240円、普通220円、合成180円(ちなみに焼酎も180円)と書かれている。「上撰(じょうせん)をお願いします」と注文すると、ちょっと黄色く感じるお酒をグラスにたっぷりと注いでくれます。

クイッとひと口含み、ゴクンと飲み込むとこれがまたおいしい。「銘柄はなんなんですか?」とたずねてみると「上撰は日によって違うんですよ。今日はなんだったかな」と先ほどの一升瓶を取り出す女将さん。「今日はこれ」と見せてくれたのは「上喜元(じょうきげん)」。なんとまぁ、この値段で地酒を出してるんですね。

「上喜元」のお供に漬物を注文すると「今日はカブのぬか漬です」と小皿にきれいに盛りつけたカブを出してくれます。このカブのぬか漬がなんと50円。うーむ。やるなぁ。今がちょうどカブの季節なのか、女将さんは手が空くとカウンターの奥のほうで、たくさんのカブをザクザクと4分割していきます。これが明日の漬物になるのかな。カブのぬか漬はけっこうな人気で、あちこちから注文が入っています。

スッととなりに入ってきたジャンバー姿のおじさんは、小瓶のビール(220円)と焼酎半分(100円)、トマトジュースにつまみ2品ほどを一気に注文して、支払いは500円ほど。トマトジュースは焼酎を割るのかと思いきや、ビールを半分くらいついだグラスの中に! しょえーっ。レッドアイですね! にっきーさんと二言三言、言葉を交わしているうちに、もう「ごちそうさん」の声。見ればもう焼酎もつまみもすっかりなくなっている。はやっ。店に入ってから5分とたってないんじゃないかなぁ。

そうこうしているうちに、お客さんが次々に帰りはじめます。そして新たに入ってこようとするお客さんに、女将さんが「8時半までです。ごめんなさい」と声をかけている。なるほど、閉店時刻になったからみんな帰りはじめたんですね。それじゃ、我われもボチボチと次に向かいますか。どうもごちそうさま。

各自それぞれの支払いで、私の分は530円でした。安っ!

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アサヒ熟撰 / 店内の様子 / にんにく醤油漬

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アサヒ・スタウト / 「上喜元」とカブぬか漬 / にっきーさん注文のコマイ

店情報

《平成19(2007)年4月10日(火)の記録》

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店情報: 立ち飲み「成田屋酒店(なりたやさけてん)」(横浜・上大岡)

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  • 店名: (有)成田屋酒店
  • 電話: 045-842-0878
  • 住所: 233-0002 神奈川県横浜市港南区上大岡西1-13-28
  • 営業: 11:00-20:30(中休みあり)、日祝休
  • 場所: 京急・上大岡駅南口を出て「上大岡駅前」の信号交差点を渡ったところにあるカミオ(CAMIO)の裏通り、向かい側角。
  • メモ: 酒屋の一角が、うなぎの寝床のように細長い立ち飲みスペースになっている。ビール大350、中300、小220、エビスビール大370、中310。日本酒は200mlで上撰240、普通220、合成180。焼酎は180。日本酒、焼酎とも半分もあり。つけもの:かぶぬかづけ50。缶詰:さんま(ゆず・マスタード)130、サバ煮・みそ煮180、コンビーフ240、やきとり缶160など。乾物:のりピー60、柿ピー50、うにせん30、チーズかまぼこ50など。

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家族で焼肉のその前に … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

今週16歳の誕生日を迎えた長女は、3月末に中学校の卒業式、そして昨日は高校の入学式と身のまわりでおめでたいことが続き中。お祝いをしようと「何が食べたい?」と聞いてみると、わが家の近くにある焼肉屋「スタミナ苑」のテッチャンが食べたいという返事。うーむ。これぞまさに小さいころからのモツ焼き英才教育のたまものか!(爆)

「それじゃ、開店時刻の午後5時半に現地集合ね」と家族に伝えて、おとうさんはひとり「よじかわ」(=開店時刻の午後4時に「川名」で飲むこと)。なにしろわが家はカミサンもお酒を飲まないので、私以外は食事時間がとっても短い。したがって、食事の終わり時間を家族と合わせようとすると、私がひとりフライング気味にスタートして、そろそろ仕上げというところで家族の夕食に合流するというのがいいのです。

午後4時ジャストの「川名」。7人座れるカウンターにはすでに先客が3人ほど入っていて、ど真ん中の席で店主がホワイトボードメニューを書いているところです。「こんにちは」とあいさつしながら、店主のとなりに座ると、逆どなりは中央線の酒場通・ろっしさんです。

今日はこの後が焼肉なので、「川名」では魚を食べる予定。だから飲み物も最初から燗酒(大徳利504円)を注文します。

目の前のネタケースには立派な真鯛が1尾と、これまた大きなカワハギが数尾。今が旬の真鯛の刺身(399円)をもらうことにして、そのできあがりを待ってる間にとイワシ団子串(168円)も1本、塩焼きでお願いします。

お酒が出てくるころには店主もホワイトボードを書き終わり、カウンターの中へと入ります。口開けと同時に流れ込んだ人たちが、一斉に料理を注文しているので、これからしばらくの間は大忙しの状態になるのです。

予想どおり、まず出てきたのはイワシ団子串。焼き物は表の焼き台で、焼き物担当のアルバイトのおにいさんがつきっきり焼きあげているので、比較的早くできあがるのです。

イワシ団子串は、イワシのツミレを串に刺して炭火で焼いたもの。ホクッと熱々の団子をかじるとイワシの旨味が口いっぱいに広がります。イワシもこのところ高級魚になってきましたもんねぇ。安く食べられてたころもおいしかったけど、高いとなるとひときわおいしく感じるのはクジラや、このところのマグロなどと同じ感覚でしょうか。「イワシも高くなったんだなぁ」と感じるのは、イワシ団子串の団子がまん丸ではなくて半分(半球)のものが使われていること。クルっと丸いのが3個じゃあ、値段に合わないんでしょうね。

そして登場したのは真鯛の刺身! どうよ、この飴色に輝く美しい身! まさに桜鯛の季節ならではのつややかさです。横にチロッと添えてくれてるのは、もしかすると真鯛のエンガワかな!? っくぅぅ~っ。うまいもんじゃのぉぉ。これで399円はいかんでしょう!!

ろっしさんのところに出てきたのはカワハギの刺身(399円)。真鯛と並べてみると、カワハギの身の透明なまでの真っ白さがよくわかりますねぇ。

と、そこへ登場したのは毎週日曜日のこの時間帯には必ず現れる大常連の熊さん。すでにカウンター席はもとより、うしろに3卓(各4人掛け)あるテーブル席もいっぱいで、店主から「じゃ、3人で奥に移ってもらっていいかな?」と声がかかります。了解、了解。さっそく移りましょう。奥の座敷はまだ2卓ほど空いている状態で、そのうちのひとつにろっしさん、熊さんと3人で腰を落ちつけると、「悪いね、移ってもらって」と店主が温泉玉子を出してくれました。

3人でワイワイと話しているうちに、残念ながら私はそろそろタイムアウト。「ごめんね。お先に!」と席を立ち入口横のレジカウンターへ。今日のお勘定は1,071円でした。

大急ぎで「スタミナ苑」(03-3330-0914、杉並区阿佐谷北4-24-3)に行くと、私以外の家族3人はすでに到着済み。まずはタン塩などの塩焼きものを注文しますが、娘はなんとレバ刺しが食べたいという。子供のころからモツ好きな子だったけど、いい娘に育ったもんじゃと喜びながらレバ刺しをゴマ・塩で注文すると、ひと口食べて「マズイ!」だって。

なんでも好きなアイドルグループの男の子が「レバ刺しが好き」と言ってるのを聞いて、食べてみたかっただけなんだそうな。カミサンも一切れ食べて「ウワッ。口の中全体がレバーっぽい!」と終了。残りを息子(中2)と分けあって食べたのでした。私自身、とっても久しぶりの牛レバ刺しだなぁ。

ホッピー(氷入り、380円)のナカ(焼酎おかわり、200円)を注文すると、別のグラスに氷とともに入れられたナカを持ってきてくれて、その場でジョッキに入れてくれます。これがまた氷がある分ボリュームたっぷりで、ホッピー(ソト)の入る部分は半分以下くらい。ソト1、ナカ3でいけますね。

そしていよいよテッチャン(600円だったかな?)です。テッチャンは牛の腸なんですが、これがまた裏側の脂肪分がたっぷりで旨味抜群なのです。今日もまた何度もおかわりです。

この店には上ホルモン(シマチョウ、790円かな?)もあるのですが、家族にはテッチャンのほうが大人気。上ホルモンは弾力感は勝るものの、脂肪分が少ないですからねぇ。旨味という点で負けてしまったようです。

家族4人で8,100円ほどの焼肉タイムでした。

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「川名」のホワイトボードメニュー / いわしだんご串 / 真鯛刺身

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「スタミナ苑」のレバ刺 / テッチャン / 脂たっぷりの焼きあがり

・「川名」の店情報前回

《平成19(2007)年4月8日(日)の記録》

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和服に割烹着の美人女将 … 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)

ポンと届いた近所の酒友・巨匠さんからの携帯メール。「開店1年4ヶ月の小料理屋、『燗酒屋』に居ます。和服に割烹着の美人女将(35歳)がひとりでがんばっています。来ませんか?」なにしろキレイ好きなもので、和服に割烹着の美人女将と聞いては見逃すわけにはいきません。「すぐに行きます!」と即答です。

JR中央線・阿佐ヶ谷駅北口の商店街を荻窪方面に進んだ左側に、目指す「燗酒屋」はありました。ここはかつて「桃園」があった場所。この近く数軒は、以前の店はなくなって、新しい酒場になっているのです。

さすがに開店1年4ヶ月(2005年末開店)ということを感じさせる真新しい縄のれんをくぐって店内に入ると、「桃園」のころと同じく縦に長い店内は、入口すぐのところにL字7人分ほどのカウンター席があり、その奥左手に二人ほどがやっと座れそうな小上がりがあるのも「桃園」のころのまま。しかし、「桃園」と同じなのは基本的な配置だけで、店内はきれいに改装されています。小上がりも「桃園」では荷物置き場の色合いが強かったのですが、今は本当に隠れた座敷席といった感じで楽しめそうです。

先客は3名。カウンターの手前と奥、そして真ん中に、それぞれひとりずつ、均等割り付け的に座っていて、真ん中に居るのが巨匠さんです。

「こんばんは。お久しぶりです」とあいさつをしながら巨匠さんのとなりに腰をおろすと、噂の和服に割烹着の美人女将が「いらっしゃいませ」とおしぼりを手渡してくれます。

「お飲み物は何にしますか?」と眼鏡美人の女将さん。なにしろ「燗酒屋」というくらいだから、まずは燗酒にしましょうか。「燗酒は、今日はこの4種類があります」と出してくれたのは「米鶴・特別純米」「鶴の友・純米」「天穏・純米」「白鷹・上撰」という4本の一升瓶。飲んだことのない「天穏」をいただくことにします。

後ろの壁にあるメニューによると日本酒は本醸造(小)が550円、純米(小)が620円とだけ書かれています。もしかすると、他にも銘柄ごとの詳細なメニューがあったりするのかな?

お通しは小鉢に盛られた豆腐サラダ。豆腐のほかにレタス、トマトなどが入っています。

食べ物のメニューは黒板に書き出されています。たとえば活〆チダイ刺(880円)、北海蛸刺(780円)、活ホッキ貝刺(580円)といった生もののほか、海老・イカと春野菜の天ぷら(650円)や地鶏の竜田揚(650円)などの揚げ物、さらにカレイの煮付け(700円)、蛤とウドの酒蒸(650円)、カニと百合根の玉子とじ(680円)、菜の花おひたし(480円)などの季節物、珍味の自家製このわた(480円)などなどと、まさに小料理屋と呼ぶにふさわしい品々がざっと20品ほど。ここの女将さんは神楽坂の小料理屋で修業をして、この店を開いたのだそうです。

入口引き戸が開いて入ってきたのは大常連さんらしき男性ひとり客。女将さんや巨匠さんと親しげにあいさつを交わしながら、巨匠さんの向こう側に座ります。さっそく巨匠さんにご紹介いただくと、この方はみんなから大将と呼ばれている、この地域の酒仙で、なんと私と同郷の大先輩なのだそうです。

大将は「春の新酒呑み比べセット」という三種類の地酒をそれぞれ50mlずつ冷酒で飲めて800円というセットから入ります。今日は「浪の音」「黒龍・垂れ口」「鳳凰美田・生酒」という三種類。なるほど、これもいい企画ですねぇ。

「大将もきたからアレを出してもらおうかな」と巨匠さん。出されたのは店内の冷蔵庫でよく冷やされた「スキー正宗・大吟醸」です。この店では持ち込み料を払えば、自分の好きなお酒を持ち込むことができるのだそうです。さっそくその「スキー正宗・大吟醸」のおすそ分けをいただきます。

北海蛸(たこ)刺(780円)の注文が2つくらい入ったところで、「はい。タコはこれで終了。○○君、悪いけどのれんをしまってもらえる」と、入口近くに座る若いお兄さんにお願いする女将。お刺身がなくなると、早い時間でももうのれんを片づけてしまうそうなのです。

大将や巨匠さんとともに、それじゃ私も最後のシメにと「おむすびと潮汁のセット」(450円)を注文すると、まず出された潮汁(うしおじる)が、鯛カマのあたりの身もおいしい絶妙の品。うーん。これは飲まないわけにいかない。燗酒をもう1本いただきましょう。

その場でにぎってくれるおむすびは、巻かれた海苔もパリッとおいしくて、思わず笑みがこぼれます。

ゆっくりと2時間半ほど過ごして、お勘定は巨匠さん、大将と3人で1万5千円ほど。美人女将に見送られながら、3人で店を後にしたのでした。

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「燗酒屋」 / 「天穏」を燗で / お通しの豆腐サラダ

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「スキー正宗」大吟醸 / 潮汁で燗酒 / おむすび

店情報

《平成19(2007)年4月7日(土)の記録》

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店情報: 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)

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  • 店名: 小料理「燗酒屋」(かんざけや)
  • 電話: (お店の希望により不掲載です。なにしろ、女将ひとりで切り盛り中ですので、ご理解願います。)
  • 住所: 166-0001 東京都杉並区阿佐谷北2-3-3
  • 営業: 17:00-22:30LO(料理がなくなり次第終了)、日祝休
  • 場所: 阿佐ヶ谷駅北口左手側の阿佐ヶ谷駅前郵便局から、荻窪駅方向にのびる居酒屋の多い路地をまっすぐ進み、通り沿いの左手側。
  • メモ: エビス(中瓶)600、スーパードライ(小瓶)500、黒ビール(ギネス小瓶)600、日本酒・本醸造(小)550、純米(小)620、焼酎(芋・麦)580、生レモンサワー、生グレープフルーツサワー、ウーロンハイ、梅酒、ソフトドリンクなどもある。
    料理は黒板に書き出される。たとえば活〆チダイ刺880、北海蛸(タコ)刺780、活ホッキ貝刺580、ミンク鯨しょうが焼580、ホタルイカの沖漬580、鮪ホホ肉のしそおろし焼650、海老・イカと春野菜の天ぷら650、カレイの唐揚680、地鶏の竜田揚650、白身魚と豆腐の揚出し680、カレイの煮付け700、蛤(ハマグリ)とウドの酒蒸650、カニと百合根の玉子とじ680、菜の花おひたし480、自家製このわた480、焼きたて玉子焼480、おむすびと潮汁のセット450、お漬物350、へぎそば650など。(2007年4月調べ)

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季節の肴を楽しんで … 居酒屋「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

日付けが変わるころにやってくることが多い「ほ里乃家」。今日は開店直後の早い時間帯にやってきました。

店の左端にある入口から店内に入ると、左手の壁は前面鏡張り。右手のカウンターはまず奥に向かって伸び、店の奥で右に曲がって、右端でまた折れてこちら側に少しだけ戻ってくる。ざっくりと例えるとアルファベットの「J」(右上が入口で、下が店の奥方向)の形をしたカウンターで、総席数は12席程度でしょうか。

土曜日、午後5時半(開店30分後)の店内は、老若男女がずらりと並び、残っている空席は3席ほど。やはり早い時間帯も人気があるお店なんですね。入口を入ってすぐの席が空いていたので、そこに座って瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、580円)を注文すると、今日のお通し(200円)は季節のウドです。

こうやってその季節のものが手軽に食べられるのも居酒屋のいいところ。ちょっと高級なお店では、少ーし季節を先取りしたもので喜ばせてくれたりすることが多いのですが、居酒屋で出されるのは旬真っ盛りで、その品物がもっとも出回るころ。こうなると味もいい上に、値段も安いんですよねぇ。

季節によって、またその日の仕入れによってかけ代えられる壁の短冊メニューにも、竹の子煮付け(400円)や青柳ぬた(400円)などの季節ものが並んでいます。青柳、いいですねぇ。これをいただきましょう。

店は店主夫婦がふたりで切り盛りしているのですが、開店直後のこの時間帯、十数人からいっせいに入る最初の注文品を一所懸命作っている状態です。この店の料理は、下ごしらえこそ済ませているものの、一品一品、注文を受けてから調理するからけっこう大変です。しかもJ字に囲まれたカウンターの中が厨房なので、調理の様子はみんなから丸見え。まるで舞台の上で料理ショーをしているような状態なのです。この店主夫婦の織り成す料理ショーを見ながらチビチビと飲(や)るのが好きなんです。

青柳のぬたが出てきたところで、飲み物も燗酒(剣、340円)に切り替えます。

青柳ぬたは、ゆで冷ました青柳と、ワカメ、白ネギが三色に盛り分けられた上に、その三色にまたがるように酢味噌がかけられています。「ぬた」は魚介や海藻、野菜などを辛子酢味噌で和えたもの。この青柳ぬたは、まさにその三種がすべて入っています。このぬたが燗酒によく合うこと!

カウンターの入口側に座ると、ちょうど目の前がおでん鍋。この時間にやってくると、おでん鍋もびっしりといっぱいなんですねぇ。おでんもまだまだ人気があって、今日もあちこちから注文が入っています。

店内は家族連れ(といっても未成年の人はいなくて、子供もお酒が飲める年頃)もいるし、男性、女性のひとり客もたくさんいる。みなさん常連さんらしく、それぞれ他の人のことをよく知っている様子で、親しく会話を交わしている。すでに店内は満席なんだけど、常連さんが入ってくるとみんながちょっとずつ詰めて間に入れてあげたりしています。まるで放課後の部室のような感じですね。

「お待たせしました」と、となりのおじさんのところに出されたのはメバルの煮付けです。比較的小ぶりのメバルではありますが、1尾丸ごとのメバルの煮付けがなんと620円! 鍋を見てみると、今できあがったばかりのメバルの煮付けが、まだ3尾残っているようです。

「私もメバル、もらっていいですか」「はいはい」

すぐにできたてのメバルをお皿に移して出してくれます。メバルやニシンは「春告魚」とも表記するほど春を代表する魚。ホロリとした身離れの良さがいいですねぇ。ヒレや頭までおいしいや。燗酒もおかわりをお願いします。

メバルを食べ終えて、「うーむ満足満足」と残っているお酒をなめているところへ入ってきたのは常連さんらしき男性ひとり客。「ありゃあ、いっぱいか」とつぶやくその男性に、「ここ空きますよ」と最後のお酒をグッと飲み干してお勘定をお願いします。

2時間弱の夕方飲みはビール1本、燗酒2本に肴が2品(+お通し)で2,480円でした。どうもごちそうさま。

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瓶ビールとお通しのウド / 青柳ぬたと燗酒 / めばる煮付け

店情報前回

《平成19(2007)年4月7日(土)の記録》

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新橋飲み歩き … 「ぼんそわ」から「壌」「くら島」へ(新橋)

「今日、新橋『ぼんそわ』に行ってみます」

午後5時を過ぎたところで酒豪美女・ひろたろうさんからそんなメールが飛び込んできます。

うーむ。なんという日か。今日は朝一番にも宇ち中さんから「昨日、S先輩と『ぼんそわ』に行ってきました。新橋にこんな素敵なお店があったなんて」というメールをいただいたばかりだったのです。

そう。「ぼんそわ」のちょっと甘い感じなのにスパイシーな「もつカレー煮込み」(300円)。そしてその煮込みを一段と盛り上げてくれるホッピー(300円)には、フローズン金宮が使われているのです。おいしかったよなぁ。………。よーし。今日は私も新橋に出よう! なにしろ今日は金曜日。仕事を終えて都内の自宅に向かう途中で、ちょっと回り道をすれば新橋に寄って帰ることができますからね。

大急ぎで仕事をやっつけて会社(横浜市内)を出て、根岸線(京浜東北線)から東海道線へと乗り継いで、新橋「ぼんそわ」に到着したのは午後8時。

「こんばんは」と入った「ぼんそわ」の店内は、ちょうどお客さんが帰ったところらしく、ひろたろうさんのとなりがポツンと空いている。さっそくそこに滑り込んで、なにしろホッピー(300円)と、もつカレー煮込み(300円)です。

それからものの10分もしない間に、続々とお客さんが増えてきて店内はもう通勤電車の社内のような状態で、店主もてんてこ舞いです。金曜日の新橋って、こうなんですねぇ。

ひろたろうさんに呼び出されて一緒に飲んでいるのは、ゆきちゃんさん。名前だけ見ると、ひろたろうさんが男性で、ゆきちゃんさんが女性のように思いますが、実はその逆なのがおもしろい。

ゆきちゃんさんはイケメン男でありながら古い大衆酒場好きで、新橋であれば烏森神社近くの「くら島」という古いもつ焼き屋がおすすめだと話してくれます。よーし。それじゃ「ぼんそわ」の店内も、店が膨らんでしまいそうになるくらい込んでるので、その「くら島」に向かいますか!

約30分の滞在、キャッシュ・オン・デリバリーは600円也で「ぼんそわ」を出て、ひろたろうさん、ゆきちゃんさんと3人で新橋駅方向へと向かいます。「実は新橋界隈の酒場はほとんど知らないので、いいところがあったら教えてくださいね」とお願いすると、さっそく次の角にあるのが炭火串焼の「三政」の前で立ち止まります。

「ここが私がよく行く焼き鳥屋さんなの!」とひろたろうさん。ひろたろうさんも、ゆきちゃんさんも、勤務先がこの界隈なので、新橋の夜の街にも詳しいのです。

「三政」はもつ焼きが2本で480円と高いものの、串が大ぶりでおいしいのだそうです。残念ながら、この店も「超」がつくほどの大混雑ぶり。金曜日の新橋って、こうなんですねぇ。。

さらに新橋駅方向へ1ブロックほど進み、左に曲がると公園に入ります。公園の桜の下にも酔客がいっぱい。ひろたろうさんが桜の花に飛びつこうとしますが、花は見た目よりはちょっと高くにあって残念ながら届きません。

公園を抜けて道路を渡り、1ブロック半ほど進んだ右手にあるのが大衆酒場「大露路」。美人三姉妹が営むというこの酒場は料理全品300円均一。実はひろたろうさんは今日はこの店からスタートしたんだそうです。「出戻りだわ」と言いながら入口引き戸を開けたものの、なんとここもびっしりと満席。金曜日の新橋って、こうなんですねぇ。。。

「もうちょっとしたら空くと思うから」と「大露路」のおねえさん。

「それじゃ、近くでちょっと飲みながら待ちますか」と、すぐ近くの角にある和風スタンディングバー「壌」へ。三坪(約10㎡)ほどしかないんじゃないかと思われる店内は、1階にバーカウンターがあって、そこで飲み物や食べ物をキャッシュ・オン・デリバリーで買って、そのあたり、もしくは階段を上がって2階の立ち飲みスペースで飲む仕組み。

基本的に飲み物は500円均一、つまみは300円均一と、こちらも安い。シングルモルトなどは1,000円(マッカラン18年、グレンリヴェット21年など)、1,500円(ボウモア25年など)するものもあるようです。

ひろたろうさんはハイネケンを、ゆきちゃんさんは芋焼酎「不二才(ぶにせ)」をロックで、そして私はギネスをもらって(各500円)2階へ。この時間帯(午後9時ごろ)「壌」の2階には先客はなし。まわりの喧騒がウソのように、ゆっくりと飲むことができます。

なにしろ「壌」は朝4時までやってるそうですからねぇ。本格的に込んでくるのは終電が終わってからなのかもしれませんね。

「ぼちぼち行ってみますか」と「壌」を出て、再び「大露路」へ。さっきから30分ほどは経っているのですが「大露路」の店内はあいかわらず満席状態です。何人かの人が出ても、すぐ入れ代わりに何人かの人が入ってきて、満席が途切れることがないようなのです。金曜日の新橋って、こうなんですねぇ。。。。

「ぼんそわ」を出るときに目標にしていた「くら島」もこのすぐ近くなのだそうで、今度はその「くら島」に向かいます。

「大露路」から新橋駅方向に引き返して、すぐ次の角を曲がるともう「くら島」。入口に向かって左側に焼き台があり、その窓越しにもつ焼きを焼いている店主の様子がうかがえます。紺ののれんをくぐり、すりガラスの引き戸を開けて中をのぞき込むひろたろうさん。「大丈夫。空いてる」と店内へ。

店内は左手がずどーんと奥まで伸びる直線カウンターで10席ほど。右手には4人がけのテーブル席が2、3卓並んでいます。我われは右手一番奥のテーブルに陣取ります。このテーブルには、なんとテレビがのっている。ふだん、そんなに込んでないときは、カウンターのお客さんが振り返ってこのテレビを見るのでしょうか。

店はカウンターの中にいる店主と、もうひとり女性(奥さんなのかな?)のふたりで切り盛りしています。この女性が、ひろたろうさんの天敵的な相手らしく、声をかけても返事もしてくれません。もしかすると、ひろたろうさんに対してだけじゃなくて、誰に対してもそうなのかも!? こういうちょっと名物な店員さんがいるのも、古い酒場のおもしろい部分です。

チューハイをもらうと焼酎が1合なみなみと入ったコップと、それとは別に氷とレモンスライスの入った空コップ、そして瓶入りの炭酸が出されます。そのセットで自分でチューハイを作りなさいってことなんですね。お通し(だったっけ? もしかしてだれか注文した?)として出されたのは空豆。ワイワイと飲んでるところへ、我われが入れなかった「大露路」で飲んでたという、ゆきちゃんさんの飲み仲間ふたりが合流し、テーブルのすぐ横のカウンター席に座ります。

11時前になって神保町の「兵六」で飲んでいた呑んだフルさんと、同じく「兵六」の常連さんというA木さんも合流です。A木さんは、私の自宅の近所に住んでらっしゃるんだそうです。やったぁ。これは帰り道が心強いですね。

そろそろ12時が近くなってきて、お勘定をお願いすると、みんなで4,500円。次に来たときには、戦後間もなくの創業当初から受け継がれているという秘伝のタレで、自慢のシロをいただいてみたいですね。どうもごちそうさま。

終電の近い新橋駅はものすごい人の群れ。そんな人ごみの中、これからさらに「たこ助」で飲むという呑んだフルさんを見送ってからJRの改札を抜けると、続々と押し寄せる人波に横浜方面に帰るひろたろうさん、ゆきちゃんさんはもとより、同じ方面に帰るはずのA木さんまで見失って、気がつくと人ごみの中にひとりだけ。金曜日の新橋って、こうなんですね!(泣)

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「ぼんそわ」のホッピー / もつカレー煮込み / 立ち飲み「壌」

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「くら島」 / チューハイのセット / 店内の様子

・店情報:「ぼんそわ前回)」 「三政」「大露路」「」「くら島

《平成19(2007)年4月6日(金)の記録》

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店情報: もつ焼き「くら島(くらしま)」(新橋)

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  • 店名: もつ焼き「くら島」
  • 電話: 03-3433-6595
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋3-10-4
  • 営業: 18:00-22:00、土日祝休
  • 場所: 新橋駅烏森口を出て西(山手線の内側方向)へ。新橋3丁目信号交差点を過ぎて、次の角を左折。2ブロック目の右手。駅から徒歩4分ほど。
  • メモ: 一級酒380、二級酒320、ビール大550、小380、焼酎300、タンサン150、泡盛430、もつ焼100、煮込み400。エイヒレ350、山いも千切り350、肉じゃが400、枝豆300、冷やしトマト300、ジャガバター350、いか焼き1本120、おしんこ300、冷やっこ300、湯豆腐400、たこぶつ350など。(2007年10月調べ)

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店情報: 立ち飲み「壌(じょう)」(新橋)

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  • 店名: 和風スタンディングバー「壌」新橋店
  • 電話: 03-3432-6008
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋3-9-3
  • 営業: 16:00-04:00、日休
  • 場所: 新橋駅烏森口を出て西(山手線の内側方向)へ。新橋3丁目信号交差点を過ぎて、次の角を左折。3ブロック目の右手。駅から徒歩5分ほど。
  • メモ: こぢんまりとした2階建ての立ち飲み屋。飲み物はほぼ500円、つまみはほぼ300円。価格明示。飲み物や食べ物は1階のバーカウンターで注文し、受け取って、支払う(キャッシュ・オン・デリバリー)。公式サイトあり。

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店情報: 大衆酒場「大露路(おおろじ)」(新橋)

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  • 店名: 大衆酒場「大露路」(おおろじ)
  • 電話: 03-3431-0708
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋3-10-6
  • 営業: 16:00-23:30、土日祝休
  • 場所: 新橋駅烏森口を出て西(山手線の内側方向)へ。新橋3丁目信号交差点を過ぎて、次の角を左折。2ブロック先を右折した先、右手。烏森口から徒歩5分ほど。
  • メモ: 昭和51(1976)年創業。8人掛けテーブル席2卓に、6人掛けテーブル席2卓、奥のカウンターでも2~3人なら立ち飲みできて、全部で30人ほど入れる。料理はすべて手作りで300円均一で、くじらベーコン、まぐろさし、たこさし、〆さば、わけぎぬた、あんきも、めんたいこ、白子ポン酢、塩から、牛たたき、串かつ、かきフライ、こまい、ウィンナ炒め、あたりめ、ベーコンエッグ、ぶり大根、肉どうふ、ハムフライ、半ぺん照焼、ほっけ塩焼、青菜煮びたし、ニラ玉、ししゃも子、なす油ミソ、にんにく唐揚、セロリ、ぎんなん、はまぐり酒むし、焼うどん、焼ビーフン、おでん、メンチ、さつまあげ、ポテトサラダ、ゴーヤ炒め、ぎょうざ、煮こみ、鮭かま焼、冷やっこ、ピーマン肉詰、ニラレバ炒め、肉やさい炒め、ホルモン炒め、あつあげ、オムレツ、いかキムチ、いかバター、ナス・キノコ・ピーマン炒め、まぐろステーキ、げそ唐あげ、など。飲物は、サッポロ生ビール450、千福300、ビール大550、ビール小330、黒ビール350、ウィスキー300、焼酎300、酎ハイ300、酎サワー300、ウーロンハイ300、トマトハイ300、玉露割り300、など。やかん酒で出されるのは広島・呉の酒「千福」。(2008年2月調べ)

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店情報: 焼き鳥「三政(みつまさ)」(新橋)

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  • 店名: 炭火串焼「三政」(みつまさ)
  • 電話: 03-3434-7007
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋3-19-6
  • 営業: 17:00-23:00(土 -22:00)、日祝休
  • 場所: 新橋駅烏森口を出て西口通りをまっすぐ。2つめの交差点の左手前角。
  • メモ: タン、ハツ、レバ、シロ、ツクネ、混合(1串に5種類の肉)などが2本480円。子袋刺、ハツ刺、レバ刺各950円。お新香、冷しトマト、鳥スープ各420円など。瓶ビール580円、生ビール(中)630円。日本酒(大・4合)2,200円、(小・2.4合)1,400円、グラス480円など。ぐるなびあり。

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料理もたっぷり、お酒もたっぷり … 居酒屋「みまつ」(横浜・洋光台)

沖縄風の調理法をベースにしたオリジナル家庭料理。ここ「みまつ」の料理をひと口で語ると、そんな感じでしょうか。平成2(1990)年に開業したこの店を、ひとりで切り盛りしているのは女将・松堂かつ子さん。18歳で沖縄を出て以来、ずっとこちら暮らしなのだそうです。

店内はL字カウンター8~9席と、小上がりのテーブル席(4人掛け)2~3卓。木曜、午後9時前のこの時間、先客はテーブル席のサラリーマン同士らしき男性ふたり連れ一組のみ。

カウンターに座り瓶ビール(キリン中瓶、550円)を注文して飲みはじめると、お通しは切干大根煮、野菜煮、クラゲ酢の三品盛り。それぞれが小鉢に盛られてたっぷりと出されます。このしっかり、たっぷりとしたお通しが出るのも、この店の特長のひとつ。これまでも、お通しとしてサバの塩焼きが出されたり、ニシンと大根のサラダ(丸皿に山盛り!)が出されたりと、この一品でまず空腹を満たして、健康的にお酒を飲むことができるようになっているのです。

「ラムがあるけど食べる?」と女将。「食べる食べる」「2本でいい?」「うん」

最初にオリジナル家庭料理と書きましたが、店の看板に「沖縄料理」と書いているとおり、この店のメニューには沖縄料理がずらりと並んでいます。たとえばラフティ(700円)、テビチ(700円)、スーチカ(豚塩煮、700円)、ジーマミ豆腐(450円)、モズク(400円)、ミミガー(550円)、島らっきょ(600円)、豆腐よう(700円)、ゴーヤチャンプル(650円)、ソーメンチャンプル(650円)、ソーキそば(800円)、沖縄焼きそば(700円)などなど。

しかし、この店の真骨頂はメニューに並んでいる沖縄料理ではなくて、むしろ女将さんがその日その日に作る料理にあるのです。そして、その日なにがあるかは、先ほどの「ラムがあるけど食べる?」のような感じで、ほっといても女将さんが教えてくれるのでした。

焼き台で串に刺したラム肉を焼きながら、となりのコンロではなにやらクツクツと煮込んでいます。のぞき込んでみると大きな豚肉のかたまり。よーく煮込まれてプヨプヨです。「それはラフティ?」「そう。ラフティよ」と言いながら、できあがったラフティを大皿に移す女将さん。「はい、どうぞ」と、その端っこをひと口大に切って小皿で出してくれます。「わぁ、ありがとうございます」。さっそく口に入れてみると、皮の部分の弾力感のあと、脂肪のプヨンとした感じがやってきて、最後にとろけるようにやわらかい豚肉。

「これはうまいっ。皮の部分の弾力感が決め手なんですね!」
「おいしいでしょ。皮付きの豚肉がなかなか手に入らないのよ」

豚の皮は、若いころ独身寮のすぐ近くにあった(今もある)おでん屋「あわもり」で、すっかりはまって以来、大好きなのですがなかなか置いている店が少ない。皮についている毛の下ごしらえが大変だからでしょうか。件の「あわもり」では「最初に毛抜きで大きな毛を抜いて、残ったうぶ毛をカミソリで剃って」処理しているのだとか。火で炙って毛を焼けばいいんじゃないかと思うのですが「火で炙ったら、表面の毛だけが焼けて、根っこの部分(毛根のところ)が全部皮の中に残ってしまう。そうなったらジャリジャリして食べられたもんじゃない」のだそうです。

飲み物は通称・黒残波(くろざんぱ)と呼ばれている泡盛、「残波」の黒(1杯、550円)をいただきます。「残波」には白と黒があって、白が25度(600円)、黒が30度(550円)です。度数が高いほうが値段も高いのかと思いきや、そうでもないんですね。

黒残波のロックをチビチビとやりながらいただくラム串のうまいことよ。

「サラダ食べる?」「食べる」

お腹がいっぱいでない限り、すすめられるものは、ほぼいただいておいて間違いありません。丸皿に山盛りで出されたサラダは、10種類くらいの野菜の中にさっとゆでた豚肉や豚レバーなども入ったもの。「ゆですぎると脂のうまみがまったくなくなっておいしくないし、ゆで足りないとギトギトと脂っこくてしつこくなる。微妙なバランスが大事」という女将の言葉に、さすがに古来から豚肉を食べていた土地柄だけのことはあるなぁ、と改めて感心させられます。レバーもおいしいや。

泡盛を、今度は古酒(クースー)でお願いすると、「こっちにしてみる?」と黒い小瓶に入った「残波」を出してくれます。以前、古酒をいただいたときには甕から注いでくれたのですが、今は瓶入りの古酒も置いてるんですね。

そして出される料理はミミガー(豚の耳)をスライスした胡瓜や、細切りの昆布とともに和えたもの。こういう、いわゆるツマミ、ツマミした料理まで健康的そうなのが沖縄の料理のすばらしいところですよねぇ。

まだ平日(木曜日)なので早めにサクッと切り上げる予定だったのですが、料理もおいしく、泡盛もまたおいしく、女将さんとの話もはずんでついついもう1杯。うしろのテーブル席にいるふたり組も、女将さんの出してくれる料理をつまみ、ウーロンハイ(450円)をおかわりしつつ、まだまだ盛り上がっている様子です。

「ミミガーの揚げたのも食べてみる?」
テーブル席のお客さん用の揚げミミガーの準備を始めた女将さんから声がかかります。
「もうお腹いっぱい。島らっきょはない?」
「残念。今日はないのよ。天ぷらで食べる?」
「え? 島らっきょの天ぷら? 食べたことがないのでぜひぜひ」

生の島らっきょを塩でもんで1日置いておけば塩漬けの島らっきょができるらしいのですが、今日はそれができていないらしくて、生のものを天ぷらにしてくれます。その天ぷらにトッピングするようにちょっと乗せてくれたのは揚げミミガー。ありがとうございます。お腹はいっぱいながら、どんな味になるのかは気になっていたのでうれしいですねぇ。

ちょっと塩をつけて食べる島らっきょ天ぷらのおいしいこと。こういう食べ方もあったんだ!

結局、午後11時半ごろまで、3時間近く腰を据えて楽しんで、今日のお勘定は4,700円でした。あー、満腹。料理もたっぷり、お酒もたっぷりが沖縄流なのかなぁ。今度はもうちょっと早い時間にやってきて、時間もたっぷりにしなくっちゃね。

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お通し三品盛り / 皮がおいしいラフティ / 泡盛「残波」(黒)をロックで

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ラム串を2本 / 豚肉やレバーなども入ったサラダ / 「残波」の古酒

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ミミガー和え / カウンター内の様子 / 島らっきょの天ぷら

店情報前回

《平成19(2007)年4月5日(木)の記録》

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店情報: 居酒屋「みまつ」(横浜・洋光台)

  • 店名: 沖縄料理・はなりや「みまつ」
  • 電話: 045-833-3559
  • 住所: 235-0045 神奈川県横浜市磯子区洋光台1-1-14
  • 営業: 18時より、不定休
  • 場所: JR京浜東北・根岸線の洋光台駅から洋光台通りを約400m北上。洋光台西公園の交差点を右折して、さらに約250m。クリーニング屋の先左手。(セブンイレブンまで行くと行き過ぎ)
  • メモ: 平成2(1990)年創業。L字カウンター8~9席と、小上がりのテーブル席2~3卓。沖縄風の調理法をベースにしたオリジナル家庭料理がおすすめの店。カウンター上の大皿料理のほか、メニューやネタケースを見て注文することもできる。公式サイトあり。
    〔そば〕沖縄そば650、ラフティそば800、ソーキそば800、中味そば800、てびちそば800、沖縄焼きそば700、〔ちゃんぷるー(炒め物)〕ごーやちゃんぷる650、ポークちゃんぷる650、麩(ふ)ちゃんぷる650、豆腐ちゃんぷる650、そーめんちゃんぷる650、たまなーちゃんぷる650、まーみなちゃんぷる650、なーべらちゃんぷる850、パパイヤちゃんぷる850、〔汁物〕ソーキ汁750、てびち汁750、中味汁700、〔その他〕らふてぃ700、そーき700、てびち700、すーちか(豚塩煮)700、ミヌダル(豚胡麻のせ)750、じーまみ豆腐450、もずく400、みみがー550、ポークたまご650、ごーやサラダ550、島らっきょ600、タコライス800、豆腐よう700。
    〔ビール〕キリン中瓶550、生ビール(大)700、(中)550、(小)400、〔泡盛〕残波(黒)一升瓶6,500、四合瓶3,500、1杯550、残波(白)一升瓶、7,500、四合瓶4,000、1杯600、古里・一升瓶6,300、〔日本酒〕大とっくり750、小とっくり400、グラス550、〔サワー〕ウーロンハイ450、レモンハイ450、シークワーサーサワー500、〔焼酎〕いいちこシルエット2,500、〔その他〕ウーロン茶400、ソフトドリンク400、氷500、水300。
  • HTML版(2003年以前): (03.06.29)(02.12.27)(02.11.27)

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名物・もつカレー煮込み … 立ち飲み「ぼんそわ」(新橋)

jirochoの居酒屋大好き!」のjirochoさんから、「もつカレー煮込みがおいしいですから、ぜひ行ってみてください」とご紹介していただいて、やってきたのは新橋の立ち飲み屋「ぼんそわ」。昨年5月にオープンしたばかりというこの店は、まだ1年たってないんですね。

コの字の立ち飲みカウンターだけのこぢんまりとした店内は、ギュッと詰めて立って12~3人分のキャパシティでしょうか。その店内を若い店主(30歳前後か?)とそのおかあさんのふたりで切り盛りされているようです。

まずはホッピー(350円)を注文すると、なんと出されたホッピーはシャリシャリのフローズンホッピー。しかも冷凍されて白く凍りつくホッピージョッキにソトが入りきらないほどの分量です。お通し(サービス)は小さな小鉢に盛られた酢ダコ。のんべ心をくすぐるお通しがうれしいですね。

お勘定は商品引き換え払い(キャッシュ・オン・デリバリー)。カウンター上に置かれた銀色のお皿の上に千円札を置くと、そこにお釣りの650円を置いてくれます。

さぁ、そしてお目当てのもつカレー煮込み。壁のメニューには「もつカレー煮込み300円。玉子+100円」と書かれていたので、「カレー煮込みを玉子入りで」と注文すると、煮込みと玉子は別盛りで出してくれると言います。もう一度、今度は手書きの黒板メニューを確認してみると、今は「もつカレー煮込み」(300円)と「カレー玉子」(100円)という、それぞれ独立したメニューになっているようです。

もつカレー煮込みは、シロだけではなくて、タンやフワ(チレかも?)などいろんな部位が入っています。口に入れた瞬間はやや甘~い味わいなんだけど、やや遅れてジワッと辛味がやってくる。いやぁ、たしかにおいしいなぁ、これは。

カレー玉子は、同じ煮込み鍋の中で煮込んだ玉子ですが、これがなんと半熟玉子なんです!

この店の煮込み鍋は、カウンターの一番先っぽ(入口近く)の内側にある電磁調理器の上に乗せられています。そして注文を受けるつど再加熱して出してくれるのです。「こうしないと玉子に火が通ってしまって、半熟状態を保てないんですよ」と店主。なるほど。煮込んでいるのに半熟玉子、という相反する状態を維持するのもけっこう大変なようです。

もつカレー煮込みの具(もつ)をひとしきり食べおえた後は「もつカレーの残りに、なすったりして食べませう!」とメニューに書かれている「フランスパン」(100円)を注文。2センチ幅くらいにスライスされた2枚のフランスパンは、カリッとトーストされて出てきます。これをカレー煮込みの汁に浸して食べると。。 うまぁーっ。これだけでいいつまみになりますねぇ。ワイン(赤、350円)なんかも合うかもね。でも、今日はシャリシャリホッピー(350円)を、もう1杯おかわり。今度は黒ホッピーでお願いします。

手書きの黒板メニューから古漬(150円)を注文すると、キュウリやナス、ニンジンなどの古漬を細かく刻んだものが小鉢に盛られて出されます。これもいいなぁ。

ちなみに他の黒板メニューはシラスおろしや冷奴の150円から冷やしトマト、ハムカツ、ポテトサラダ、マカロニサラダ、うるめ丸干などの200円もの、山ウドとワケギのぬた、煮込みハンバーグ、焼きナスなどの250円ものへと続き、鳥唐揚げ(300円)、アジたたき(350円)などがあって、一番高いものがマグロぶつの400円です。

店内にはほぼ毎日来られているらしい常連さんたちが続々とやってきます。なるほどこの値段だと、毎日やってきても大丈夫そうです。

さぁ、店内が満員になったところで私はボチボチ引き上げますか。

2時間ほど立ち飲んでキャッシュ・オン・デリバリーの支払い総額は1,350円でした。どうもごちそうさま。

070404d 070404e 070404f
「ぼんそわ」 / ホッピー / お通しの酢の物

070404g 070404h 070404i
煮込み鍋 / もつカレー煮込み / カレー玉子

070404j 070404k 070404l
カレー玉子は半熟! / フランスパン / 黒ホッピー

070404m 070404n 070404o
黒板メニュー / 古漬 / 店内の様子

店情報

《平成19(2007)年4月4日(水)の記録》

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店情報: 立ち飲み「ぼんそわ」(新橋)

    070404z
  • 店名: 立ち飲み「ぼんそわ」
  • 電話: (なし)
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋4-15-5
  • 営業: 17:30-23:30、土日祝休
  • 場所: 新橋駅烏森口を出て西口通りをまっすぐ。3つめの交差点(右手のやきとん「まこちゃん」の先)を右折した右。
  • メモ: 平成18(2006)年5月創業の立ち飲み屋。生ビール400、酒300、ホッピー350、酎ハイ/サワー300、ワイン350。煮豚350、もつカレー煮込み300、イカのわた焼き250、ハムかつ200、マグロぶつ400、その他日替わりで20品ほど。公式サイトあり。(2007年4月調べ)

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一人1本限定の名物たたき … 居酒屋「秋田屋(あきたや)」(浜松町)

都内での仕事を終えて、春の嵐のような大雨の中をやってきたのは浜松町の「秋田屋」です。いつも多くの人でごった返している「秋田屋」ですが、さすがにこの天候とあって、午後5時過ぎという時間ながら人はそれほど多くないようです。なにしろ午後3時半オープンなので、通常だとこの時間帯だとすでに人があふれかえっている頃なのです。

雨よけのビニールシートを開け「ひとりです」と店内に入ると、フロアにいた店のおばちゃんから「ちょっと待ってね」と声がかかります。店内は左手の厨房との仕切りのところにカウンターがあり、右側はずらりとテーブル席。そのカウンターはあいにく満席で、テーブル席にも空きはない様子。なるほど、外にあふれていないだけで、店内は満席状態だったんですね。

「じゃあ、ここに立って飲みます」と入口左手の立ち飲みカウンターを指さすと「はーい。すみません」と返事がかえります。

厨房の周りを取り囲むように立ち飲みカウンターがついていて、そこも雨よけのビニールシートで覆われています。他に店外に酒ケースを重ねたような立ち飲みテーブルもあるのですが、さすがにこの雨の中ではそこに立って飲む人はいないようです。

「お酒を燗で」とお願いすると「はいっ」という返事とほぼ同時にスッと徳利と小さなグラスが出されます。お酒は「高清水」の本醸造で、かなり大ぶりの徳利なんですが、これがこの店では小徳利で550円。カウンター上の燗付け器(お湯が張られた四角いケース)の中に、徳利がずらりと並んでスタンバイされていて、注文するとそのうちの1本を出してくれるのです。

肴(さかな)は煮込み豆腐(450円)と、名物のタタキ(肉だんご、220円)を注文します。「はい」と受けてくれるおばちゃんは、給食のおばさんのように白い上っ張りに、三角巾、そして青いエプロン姿。おばちゃんは何人かいるのですが、これが制服のようで、みなさん同じ格好です。男性店員さんもみなさん白い上っ張りです。

煮込み豆腐は、カウンターの内側にデンと置かれた煮込み鍋の中からつがれます。この店の煮込みは3種類。今注文した煮込み豆腐と、普通の煮込み(450円)、そして豚スジ煮込み(400円)です。煮込み豆腐と煮込みは牛モツ(小腸と第4胃(ギアラ))を煮込んだもので、豚スジ煮込みは、その名のとおり豚の煮込みです。

煮込み豆腐には、同じ煮込み鍋の中で煮込まれた焼き豆腐が3個入り、刻みネギがトッピングされています。普通の煮込みのほうは焼き豆腐が1個になるかわりに牛モツの量が多くなったもの。味つけは塩をベースに、醤油と白味噌を風味付け程度に使ったものなのだそうです。

ハフハフとその煮込み豆腐を食べ終わるころにタタキも焼きあがってきました。タタキは豚ナンコツの入ったツクネ団子で、仕上げに青海苔がかけられています。このタタキ、豚1頭から2串分しか取れないのだそうで、1日120本程度しか作れない。だからこのタタキは「お一人様1串限り」の限定品ですが、ほとんどのお客さんが注文する人気の品です。ナンコツが入っているので、ときどきコリッとした食感があるのがいいですね。

もつ焼きは2本一皿で320円。テッポウ、レバー、タン、ハツ、ナンコツ、コブクロ、ホルモン、ガツ、カシラの8種類があるのですが、ホルモンはシロ(腸)ではなくて玉(睾丸)のことのようです。焼き方はタレ、塩が選べるほか、「辛いの」とお願いすると練り辛子も添えてくれるようです。

もつ焼き以外にもタコ、イカ、ゲソ、ホタテなども焼いてもらえ(400~500円ほど)、野菜焼きはネギ、シシトウなどが2本一皿で300円。他にはワカメ酢(400円)やモロキュウ(350円)、奴豆腐(350円)に、これまた人気の自家製のお新香(ぬか漬、300円)などもあります。

浜松町といえば、大島、新島、八丈島方面へと向かう竹芝客船ターミナルのある町。そのせいか、この店にも新島直送のクサヤが、大きさに応じて3種類(大1,600円、中800円、小600円)用意されているようです。

午後6時過ぎまで軽く1時間ほどの立ち飲みタイム。お勘定は1,220円でした。

「ごちそうさま」と店を出ると、さっきまであれほど大雨だったのに、もうすっかり雨も上がってきたようです。熱帯地方のスコールのような雨だったんですね。

070404a 070404b 070404c
煮込み豆腐と燗酒(小) / メニュー / 名物・たたき

店情報

《平成19(2007)年4月4日(水)の記録》

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店情報: 居酒屋「秋田屋(あきたや)」(浜松町)

    秋田屋
  • 店名: 居酒屋「秋田屋」
  • 電話: 03-3432-0020
  • 住所: 105-0013 東京都港区浜松町2-1-2
  • 営業: 15:30-21:30(土は -20:30)、日祝・第3土休
  • 場所: JR浜松駅から大門方向へ進んで左。都営新宿線・大門駅の真上(A1出口すぐ)。
  • メモ: 特製たたき(肉だんご、ひとり1本かぎり)220。
    〔もつ焼(2本1皿360)〕てっぽー(しろ)、れば、たん、はつ、なんこつ、こぶくろ、ほるもん、がつ、かしら。
    〔一品〕牛にこみ450、牛にこみどーふ450、鮭かまやき500、ししゃもやき450、たこやき450、いかやき450、げそやき450、ほたてやき450、自家製ひずなます450、めかぶ酢400、もろきゅう350、エシャーレット350、ねぎやき2本300、ししとうやき2本300、にらおひたし300、自家製一夜漬300、自家製お新香300、くさや大1,600・中800・小600。
    〔季節の物〕ほや酢450、自家製塩から400、きぬかつぎ350、湯ドーフ350、ヤッコドーフ350、ホタルイカ400、新しょうが400、なまこ450、そら豆450、枝豆450。
    〔飲み物〕キリンラガー生ビール大750・小550、ビンビール大(キリン・アサヒ)580・小(一番搾りスタウト黒)500、高清水(大徳利)1,300・(小徳利)550、冷酒(正一合グラス)350、梅酒350、レモンサワー400、ウイスキー(ダブル)400、キリンのハイボール400、赤ワイン(1/4ボトル)500、サイダー・ジュース・ウーロン茶各250。(2013年3月調べ、2016年10月確認)

    たたき(肉だんご、ひとり1本かぎり)220、牛にこみ450、牛にこみどーふ450、もつやき(てっぽー(しろ)、れば、たん、はつ、なんこつ、こぶくろ、ほるもん(睾丸)、がつ、かしら)2本1皿360、新島直送くさや(青むろ)大1,600、中800、小600、鮭かまやき(酒粕漬)500、ししゃもやき450、たこやき450、いかやき450、げそやき450、帆立貝やき450、自家製ひずなます(さけ)450、三陸産めかぶ酢400、天然わかめ酢400、もろきゅう350、エシャーレット350、やっこどーふ350、湯どーふ350、にらおひたし300、ねぎやき2本300、ししとうやき2本300、自家製一夜漬300、自家製お新香(ぬか漬)300、そら豆400、枝豆400、雀650、なまこ酢450、ほや酢450、きぬかつぎ350、自家製塩から400、ホタルイカ400など。高清水・本醸造(大徳利)1,300、(小徳利)550、冷酒(正一合グラス)350、瓶ビール(大)580、生ビール(大)750、(中)550、レモンハイ400、ウイスキー(角、ダブル)400、ワイン(赤、1/4ボトル)500、黒ビール小500、サイダー・ジュース・ウーロン茶250など。(2008年2月調べ)

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自宅近くの行きつけ酒場 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)など

4月1日、日曜日。新しい年度に入りました。

日曜日の夕方、よく出かけるのは自宅近くの「川名」か「秋元屋」。この両店は午後4時に開店(「秋元屋」は土日のみ午後4時開店)するので、夕方トコトコと散歩に出かけて、ちょいと一杯引っ掛けて、家に帰ってゆっくりとお風呂に入ると、ちょうど家族との夕食時間になって、実に都合がいいのです。

がしかし。「秋元屋」には実は一昨日行ったばかりだし、なにしろ今日は魚が食べたい気分。「川名」は3月26日(火)から、明日4月2日(月)までの間、春休み(スプリング・バケーション)中なので、今日は「竹よし」にしますか!

「竹よし」は残念ながら(?)午後5時開店。この1時間の差は大きくて、おそらく家族との夕食には間に合わないので「今日は悪いけど先に食べてね」と言い残して、いつもより1時間遅れての夕方散歩です。

「こんにちは」と店内に入ると、店内ではすでに大常連のT井さんが飲み始めています。

今日のお通し(200円)はヒジキの煮物。そういえば、先日「満月」でもヒジキの煮物をいただきました。ヒジキはこの季節(3~4月ごろ)が旬なんですね。

ここ「竹よし」もそうですが、自宅近くの酒場は、他と比べると圧倒的に行く回数が多いので、ブログにはときどきしか書いていないのです。そんな自宅近くにある行きつけのお店の、3月分の訪問記(ブログ未掲載分)をダイジェストで!


満月】(3月9日(金))

ひじき煮と梅サワー新橋で中華を食べた後、帰宅前にもう一杯と「満月」へやってきたのは午後11時半ごろ。店内ではなおとんさんにっきーさん、ふじもとさんの他、近くの常連さんたち(サユリさんやハヤサカさんなどなど)も居て、すでに大いに盛り上がっている状態です。私も梅サワー(300円)とヒジキ煮(300円)をもらって参戦。店主夫婦で切り盛りしていたこの店ですが、最近は長男(アキラくん)も手伝うようになってますます盛況です。2杯目としてシークワァーサーサワー(300円)を注文する頃、やって来たのは美人人妻・かるみんさん。お久しぶりです。のれんを片付ける午前2時過ぎに、みんなで退散しました。お勘定は900円。


秋元屋】(3月10日(土))

シャリ金黒ホッピー「竹よし」の食事会の二次会でjirochoさん、マチャミさんと3人で午後10時半ごろ「秋元屋」。カウンターにマチャミさんをはさんで座り、シャリ金ホッピー(410円)をいただきながらチレ刺しや季節のアスパラなどをつまみつつ、もつ焼きを数本ずつ。アルコール度数を感じにくいシャリ金ホッピーを、この時間帯に飲むとガッツリと記憶をなくしてしまいます。したがって、お勘定は不明。(私、ちゃんと払った!?)


ペルル】(3月12日(月))

カウンターの様子明日の都内での仕事に備えて帰宅するも、つい「ペルル」に寄ってしまう(午後10時半)。枝付き干しぶどう(300円)をもらって水割りをチビチビやっていると、となりに座っている人が「アスクユー・東京レストランガイド」などに、このあたりのお店のことをたくさん投稿されているジゲンACEさんであることが判明。ジゲンACEさんが注文したボルドーワイン(3,500円)のおすそ分けもいただきました。ありがとうございます。あっという間に閉店時刻(午後11時半)。お勘定は800円でした。


川名】(3月13日(火))

はんぺん刺身都内での仕事を終えて、ものすごく久しぶりに平日夜(午後10時過ぎ)の「川名」へ。夜は夜で、早い時間帯とはまた違った常連さんたちがいるのがおもしろいなぁ。ハンペン刺身(231円)というメニューがあったので、大徳利(燗、504円)とともに注文する。フワフワした中に感じる微妙な弾力がハンペンの身上。はじめて食べた生のハンペンはその感覚がより強くて、とてもいいつまみになる。この時間帯は店主(マスター)はおらず、おかみさんがスプリング・バケーション(3/26~4/2)での旅行の話を聞かせてくれる。いつもは走ること(マラソンやトライアスロン)が目的で出かけるハワイだけど、今回は観光主体でベトナム、カンボジア、マレーシア方面を回ってくるとのこと。1時間ほど飲んで、お勘定は735円。


竹よしペルル】(3月17日(土))

蒸し野菜ウイークエンドマスター・小石雄一さんが、西川口のご自分の書斎(キッチンスタジオ・夢工房)で毎月開催されているというホームパーティ形式のコミュニケーションパーティに参加。ただ蒸しただけという野菜たちの味わいに感動しつつ、おいしいお酒をたくさんいただく。次々と繰り出される手料理に舌鼓。このパーティーの様子は「スティッカム」というビデオチャットができるツールを介して沖縄や仙台、大阪などとライブでつながっており、もちろん先方の様子もうかがえる。最後は沖縄にいる大勢の人たちと一緒に踊って終了。うーむ、時代も変わったものよのう。少し前まで、ちょっとしたTV会議をやるだけでも大変だったのに……

ぶり腹身帰り道にふらりと「竹よし」へ。お通し(200円)の新じゃが煮がおいしい。「魚屋なのに新ジャガを見るとつい買ってしまうんですよ」と店主。刺身盛り合せ(1,000円)をもらおうかなと思ったが、刺身の欄にあるブリ腹身(700円)がおいしそうに感じてついそちらにする。燗酒(菊正宗、350円)を2本ばかりもらって午後10時半まで。1,600円。

これで終わりかと思いきや、さらに「ペルル」で1時間ほど。水割りセットで500円。


川名】(3月25日(日))

ほたるいか+α!?明日から「川名」が春休みに入るので、その前に「よじかわ」。このところ「川名」にくるといつも大徳利(504円)。魚をいただくことがおおいので、どうしても燗酒のほうが合うんだなぁ。今日は季節のホタルイカ(399円)を注文すると、豪勢にマグロやタコといっしょに盛り合わせてくれた。さらにちょいと出してくれた小鉢は、まるで味噌のように見えるんだけど、なんとこれが納豆。信じられないほどうまい。空豆の丸焼き(189円)や、はじめて見るメニュー、エビミソ串(168円)も追加して、今日は1,533円。気をつけて行ってきてくださいね。土産話を楽しみにしてまーす!


秋元屋】(3月30日(金))

凍結亀甲宮横浜での仕事を終えて帰ってきたのは「秋元屋」。金曜、午後8時前の「秋元屋」の店内は今日も満席で、空いていた外のテーブル席にひとりで座ってシャリ金ホッピー(410円)と煮込み玉子入り(380円)をもらって飲みはじめます。コブクロ刺(300円)とシャリ金の黒ホッピーをもらったところで、カウンターが1席空いたので移動。最後は塩ラッキョ(100円)に、シャリ金だけをグラスについでもらって梅割り(290円)に。たっちゃんが「死んだらバスの転回所あたりに放り投げときますから」と忠告してくれたとおり、このシャリ金のみがガッツリと効きました。もちろんもつ焼きも何本かいただいて、1時間半で2,490円。


ピュアー】(3月30日(金))

桜前線「秋元屋」を出て2軒目は「ピュアー」。3月最終週の「おすすめ飲み物メニュー」のスピリッツはジンビーム(バーボン、Wで580円)かアベラワー(シングルモルト、Wで840円)。アベラワーをもらうと、ストレートグラスになみなみと表面張力まで注いでくれた。シングルモルトスコッチを口から迎えに行ったのははじめてかも! 2杯目は春らしいカクテル「桜前線」(630円)。桜の花びらが一片ついているのがいいですねぇ。飲み物2杯とお通し(310円)で1,780円。


ペルル満月】(3月30日(金))

アブサン水割り「ピュアー」を出たところでにっきーさんと合流し「ペルル」へ。いつものウイスキー(スーパーニッカ)の水割りを飲みつつ、途中でアブサンをもらったりする。アブサンに水を加えると白濁するのがおもしろいなぁ。

コーヒー割りなど「ペルル」が閉店すると(午後11時半)、最近は『フルムーン』という愛称で呼ばれたりもしている「満月」へ。コーヒー割り(300円)などをいただきつつゆっくりと。にっきーさんは「ペルル」から飲みはじめなので、焼きイカやカマ焼きなどをもらってがっつりと食べている。今日もまた、いつ終わったかわからないほど飲んで二人で2,400円(ひとり1,200円ほど)。


とまあ、こんなような3月を自宅近くの酒場で過ごしていたわけです。

話は今に戻って今日の「竹よし」。なにしろ店主ひとりで切り盛りしているので、お客さんが大勢いるときはてんてこ舞いの状態になりますが、今日のように馴染み客ふたりだと店主もゆったり。こんなときは、「何かうまいものはないかなぁ」ってな顔をして飲んでいると、店主のほうから「自分の食事用に買ってきたんだけど、サワラのおもしろい部分があるから焼いてみましょうか」と声をかけてくれます。

市場を回っているときに、サワラの切り落とし部分(アゴのあたりとか、胸の先端部とか、尾の先っぽ付近など)がおいしそうだったので仕入れてきたのだそうです。すでにタレに浸けこまれて下ごしらえが終わっているサワラはつけ焼きで出されます。さすがに魚へんに春(鰆)と書くだけあって、この季節のサワラはおいしいですねぇ。

続いて出してくれたのは、黒マグロの頭の中からほじくり出したという身の刺身。この身は煮物(ねぎま鍋)、焼き物(ねぎま串)用に仕入れたそうですが、新鮮なので白い筋の間の身をはぎとるようにして刺身でいただくと、身はしっかりとしてるのに、味わいはトロ。つまり高級な寿司屋などでいただく絶品のトロのような食感なのです。刺身で食べるときは邪魔になる白い筋の部分ですが、煮たり焼いたりして火を通すと、この白い筋はなくなるんだそうです。

T井さんは、このところお気に入りというサンマ天日干(600円)を注文。「ずっと沼津産のアジの干物が一番と思ってたのに、これを食べて考えが変わったよ。まん丸い身の厚みがいいでしょう!」と大絶賛するサンマ天日干はプリッとした身が最高にうまい。こりゃ、お酒にも合うけど、ごはんも進みそうです。

今日はメニューに「焼き鳥」なんてのもあってびっくり。仕入先の問屋さんの強力なすすめで、断るに断れなかったという焼き鳥は横隔膜(鶏ハラミ)、首の肉(セセリ)、尻尾の肉(ボンボチ)の3種類があって、各1本150円。さっそく1本ずつためしてみると、焼魚用のグリルで焼いた焼き鳥は、全体がふんわりとやわらかい。

他のお客さんたちも入ってきて、注文が多くなってきたところで本日の夕方飲み終了。軽く飲むつもりが気がつけばもう7時過ぎ。瓶ビール1本に徳利を2本いただいて、今日のお勘定は2,500円でした。どうもごちそうさま。

070401a 070401b 070401c
ひじき煮物 / 燗酒(菊正宗) / さわらつけ焼き

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黒まぐろの頭の身 / さんま天日干 / 焼き鳥(首、尻尾、腹身)

・「竹よし」の店情報 (前回の「竹よし」「満月」「秋元屋」「ペルル」「川名」「ピュアー」)

《平成19(2007)年4月1日(日)の記録》

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なにしろ料理がうまいっ! … 居酒屋「ヤマニ」(戸越)

『お知らせ お蔭様をもちまして居酒屋「ヤマニ」は3月末で営業三周年を迎えることに相なります。三周年を記念し、来たる31日(土曜)は恒例により飲み物フリードリンク(生ビール除く)、肴5品盛りでお一人様2千円にてご奉仕します。皆々様の御来店をお待ちしております。 ヤマニ店主』

いい酒場があると聞けば都内狭しと駆け回る、大の酒場好き、熊さん。そんな熊さんのお父さんが経営されている居酒屋「ヤマニ」が三周年を迎えられたということで、私もそのお祝いの席に参加させていただきました。

店は戸越銀座商店街から少し離れた住宅街にあります。店の上部にある赤いテントには「つくね・牛煮込・おでん」と大書されていて、この店の名物がなんなのかがひと目でわかります。

のれんをくぐり店内に入ると、店内は奥に向かって長いテーブルが1卓だけというユニークな造り。そのテーブルのまわりに、すでに集まったみなさんが14~5人座っています。なるほど、通常営業のときは、この長いテーブルをカウンター代わりにして、お客さんが三々五々集まってくるんですね。お客さん同士、話もはずみやすそう。こういうスタイルの店ははじめて見たなぁ。

その長テーブルの奥に、ちょっとした仕切り壁があり、その奥が熊さんのお父さんが働いている厨房です。厨房はかなり広い。今の居酒屋になる前は「ヤマニ食堂」という大衆食堂だったそうですので、この広い厨房はその当時からのものなんでしょうね。

普段は熊さんのお父さんと、熊さんの従兄弟にあたるおねえさんの二人で切り盛りされているそうなのですが、今日は記念日とあって熊さんご自身もお手伝い中。その熊さんが「なにを飲みますか?」と聞いてくれて、ホッピー(通常営業時は350円。以下、価格表記はすべて通常営業時のものです。)をお願いすると、熊さんが自ら用意してくれました。ご自身もホッピー好きなだけに、さすがに三冷の純正ホッピーですねぇ!

みんなと乾杯しながら飲んでるところへ肴5品盛りが出されます。丸皿の上に並ぶのは枝豆やら、塩辛やら、煮物やら、酢の物やらといった実にのんべ好みする品々です。

今日は飲み物の持ち込みも自由ということで、参加されたみなさんの中には、お祝いのお酒を持参された方も大勢いらっしゃいます。それらのお酒が次々に封切られていきます。これだけ美酒がならぶとうれしいですねぇ。なんという贅沢、そしてなんという美味しさか!

追加の料理として出されたのは、この店の名物という「鶏つくね串焼」。大きなツクネ団子に串を打って焼きあげたもので、とてもおいしそうな焦げ目がついています。添えられた櫛切りのレモンをちょっと搾りかけて、串を手にもつと、これがずっしりと量感たっぷり。ふんわりと柔らかな焼加減もいいですねぇ。通常営業時は2本ひと皿で350円なのだそうです。

厨房との仕切り壁のところにメニューが掲げられていて、それによると「定番の肴」はすべて350円で、先ほどの鶏つくね串焼にはじまって、牛すじ煮込、おでん5品盛、ロールキャベツケチャップ煮、豚バラ角煮、長芋ガーリック焼、肉じゃが芋煮、自家製玉子焼、野菜煮、塩辛、ポテサラといった品々が並んでいます。その他にホワイトボードの手書きメニューもあって、そちらには子持ししゃも(450円)やイカバター焼(490円)、中華風冷やっこ(380円)などが書き出されています。

焼そばや焼うどん(各400円)と並んで「らあめん」(400円)もあります。元食堂らしく「ライス・味噌汁」(250円)というメニューもありますから、本格的に夕食を食べに来ることもできそうです。焼そばは豚肉、キャベツ、モヤシ、シメジなどが入ったソース焼きそばで、仕上げに青のりがパラリとかけられています。

テーブルの奥のほうには常連さんたちもやってきてワイワイと飲みはじめます。

出してくれた小鉢は「牛すじ煮込」なのかな? 牛スジとコンニャクが入ってるほか、竹の子やニンジンも入っていて、比較的あっさりめの味つけです。もともと食堂からはじまっただけあって、どの料理もこの店独自の工夫があっておいしいですねぇ。

通勤途中に通ったりする場所でもない戸越(とごし)。この店に来たのもはじめてですが、実は戸越の町に来たのもはじめてなのです。町々に名酒場あり。通常営業のときにもぜひ来てみたいお店です。

三周年、本当におめでとうございます!

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酒喰処「ヤマニ」 / 肴5品盛り / 「野うさぎの走り」

070331g 070331h 070331i
「車坂」 / 「春鹿」 / 名物・鶏つくね串焼

070331j 070331k 070331l
九郎左衛門「裏・雅山流」 / 「鳳凰美田」 / 入口側の様子

070331m 070331n 070331o
野菜サラダとタコの煮物 / 焼そば / 「磯自慢」大吟醸

070331p 070331q 070331r
厨房側の様子 / 「獺祭」 / 牛すじ煮込

店情報

《平成19(2007)年3月31日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「ヤマニ」(戸越)

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  • 店名: 酒喰処「ヤマニ」
  • 電話: 03-3781-7073
  • 住所: 142-0041 東京都品川区戸越1-10-6
  • 営業: 17:00-24:00、月休
  • 場所: 都営浅草線・戸越駅または東急池上線・戸越銀座駅から、戸越銀座商店街を西品川方面に向かい、右向こうに大東京信用組合がある交差点(国道1号線を横切ってから260m、徒歩5分ほど)を左折。道成りにゆるやかな上り坂を150m(徒歩3分)ほど進んだ左手。
  • メモ: 居酒屋としては平成16(2004)年創業。それ以前は「ヤマニ食堂」だった。店内は大きなテーブルひとつのみで、14人ほどが座れる。
    〔定番酒の肴350円〕鶏つくね串焼、牛すじ煮込、おでん5品盛、ロールキャベツケチャップ煮、豚バラ角煮、長芋ガーリック焼、肉じゃが芋煮、自家製玉子焼、野菜煮、塩辛、ポテサラ。〔食事400円〕焼そば、焼うどん、らあめん。ライス・味噌汁(250円)、焼めし(450円)。〔焼肉〕マトン、牛カルビ、牛ロース(各490円)、牛ハラミ(500円)。〔飲み物350円〕冷酒(正一合)、ウーロンハイ、緑茶ハイ、チューハイ、ホッピーハイ、レモンサワー、グレープフルーツサワー、氷彩サワー、カクテルヤマニ、ジンフィズ、すだち酎、チンザノ。
    生ビール(450円)、びんビール(中、490円)、冷酒ボトル(300ml、600円)、清酒小徳利(300円)、大徳利(490円)、ウィスキー・ブラックニッカ(300円)、サントリーリザーブ(400円)、熟成(3年)梅酒(正一合、380円)、紹興酒(陳年花彫酒、390円)、ウーロン茶・緑茶(200円)、コカコーラ・ジュース(300円)。氷(ホッピー、ボトルキープの人用、150円)。
    ホワイトボードにその日のメニューも並ぶ。しまホッケ開き(490円)、子持ししゃも(450円)、フグ一夜干し(500円)、ハタハタ一夜干し(450円)、生シイタケ焼(450、イカバター焼(490円)、冷やっこ豆腐(中華風、380円)、こまい一夜干し(北海道産、450円)など。(2007年3月調べ)

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いつもあるのに幻の煮込み!? … 居酒屋「河本(かわもと)」(木場)

先日、時々むしょうに食べたいウナギ串焼きのことを書きましたが、同じようにしばらく間があくと食べたくなるのが「河本」の煮込みや豆腐です。

中野「石松」の煮込みが、いつもはない(むしろめったにない)から“幻の煮込み”と言われてるのに対して、ここ「河本」の煮込みは毎日必ずあります。がしかし! ここは営業時間が午後4時から8時までと、とにかく閉店が早いのです。なにしろ8時にはピシャっと閉まりますから、7時45分くらいから片付けが始まります。つまり、この店に入ろうと思ったら、それまでに入らないといけないのです。

こうなると、平日に横浜での仕事を終えてから「河本」で飲むというのは不可能に近い。せっかく毎日用意されている「河本」の煮込みながら、こちらは地理的・時間的になかなか行くことができず、私にとって「石松」とは別の意味での“幻の煮込み”になっているのでした。

日祝と第2土が定休日の「河本」に、私が(都内での仕事の場合などをのぞいて)普通に行くことができるのは定休日以外の土曜日だけ。そんなわけで、3月最後の土曜日(第5土曜日)となる今日、にっきーさんと示し合わせて、久しぶりとなる「河本」にやってきました。

店に着いたのは、開店から30分後となる午後4時半。「こんにちは」と入った店内は、すでに満席に近いお客さんで、ポツン、ポツンと間をあけて2席が空いているのみ。そのうちの1席がちょうどカウンターの口が開いたところだったので、そこに補助イス(といっても普通のイスと同じ)を置いて、やや窮屈ながら二人で並んで座ります。

「河本」のイスは天板が長方形で、横から見ると台形。これを好みに合わせて縦にしたり、横にしたりしながら座るのです。個人的には縦にして、またがるように座ることが多いかな。横のほうが幅は広くて座りやすいんだけど、酔ってくるとドスンと落ちそうで怖いのです。よくいるんですよぉ、デーンとひっくり返る人!(笑)

飲み物はもちろんホッピー(300円)を注文。「はい。ホッピーね」と返事したマスミちゃん(=この店の女将さん)が、手馴れた手つきで、コカコーラの1リットル瓶に冷された焼酎を計量グラスでホッピージョッキに入れてくれ、それとは別に瓶入りホッピーの栓をポンッと抜いて目の前に置いてくれます。

ホッピージョッキには星(★)のマークがふたつ付いていて、下の星まで焼酎を入れると約70ml、上の星だと約110ml。ここ「河本」の焼酎は、ちょうど上の星(110ml)のところまで入っている強力なもの。だからイスから落ちる人も出てくるんですね。ちなみに焼酎はもちろん下町の定番・金宮焼酎です。

さぁ、そしてまずはなんと言っても煮込み(200円)ですね。「河本」の煮込みはシロ(腸)とコンニャクだけのシンプルなもの。これを注文に応じてマスミちゃんが小皿によそってくれるのです。こんなシンプルこの上ない煮込みなのに、そのシロの裏側にたっぷりとついた脂のうまいことといったら! 煮込み・ホッピー・煮込み・ホッピー・……とこの繰り返しだけでも十分なほどなのです。

メニューには書いてないのですが、実はここの煮込み鍋の中には玉子も入っていて「煮込みを玉子入りでください」と注文すると、マスミちゃんが「はいはい。ニコタマね」と、玉子入りの煮込み(こちらも同じく200円)をよそってくれるのです。この場合は玉子が入る代わりに、もつ煮込みの量が少なくなります。個人的には最初にニコタマを、そしておかわりするときに普通の煮込みを注文することが多いかな。

そしてこの店のもうひとつの名物が豆腐。冬場は湯豆腐で、夏場は冷奴(やっこさん)で出される「河本」の豆腐は「大」(どかんと豆腐一丁分)が200円、「小」(半丁分)が100円。煮込みとならんで多くの人が注文する人気の品です。

さらにさらに冬場ならではの豆腐の楽しみ方が、この店のおでんに入っている豆腐です。

おでんは、おまかせ5個で300円と、これまた安いのですが、この中に自分の好きなものを1~2品ほど(何品まで可能かは試してみたことがありませんが)入れてもらうことができるのです。

「おでんを、豆腐を入れてお願いします」

こう注文すると、今日は豆腐にちくわ、さつま揚げ、なると、ごぼう天をよそってくれました。

ここの豆腐は腰のしっかりとした木綿豆腐なのですが、このおでんに入っている豆腐が、おでんの出汁(だし)がものすごく染みていて、とてつもなくうまいのです。

なんでこんなによく出汁が染みるんだろうなぁと思って、この記事を書くにあたってインターネットを調べてみると、答えは意外に近くにありました。酒友・くまさんのブログ「深川的日常」の記事によれば、その日売れ残った湯豆腐が、翌日おでん鍋に移されて、おでんの具として生まれ変わるのだそうです。前の日に湯豆腐として温められた豆腐は、おでんつゆがよく沁みてとても美味しくなるというのが、この店のおでん豆腐の味の秘密のようです。

この記事がブログに載る頃には、もう「河本」のおでんの季節は終わっているかもしれませんが、ぜひ「河本」のおでん豆腐を試してみてください。絶品です!(冷奴+塩辛も好きです。)

ちょうど1時間の滞在、ふたりでホッピー3杯に、煮込みとおでんをいただいて、今日は1,400円(ひとりあたり700円)でした。どうもごちそうさま。

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ホッピー / にこみ / おでん

店情報前回

《平成19(2007)年3月31日(土)の記録》

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ウズラ玉子入り幻の煮込み … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

路傍」を出て、「せっかくの中野なので、ぜひもう1軒」と向かったのはもつ焼きの「石松」です。

橋本さんも「何度か近くを探したんだけど見つけることができなかった」とおっしゃる「石松」。今日も店外にはまったく灯りもついていない状態で、ひそやかに営業されています。なるほどなぁ。ここに「石松」があると知ってるとすぐに来れるんだけど、知らない人にとっては、ここを発見すること自体がむずかしいかもね。

焼き台の窓の外からのぞいた店内は満席の様子ですが、店主(マスター)に「3人です」と指を3本立てると、「補助イスに座って、あとは立って飲んで」と、なんとか入れそう。いやぁ、良かったですねぇ。

「こんばんは、こんばんは」と声をかけながら、カウンターにずらりと並ぶ常連さんたちの背後を店の奥へと進みます。なにしろ直線カウンター8席だけの店内はすぐに満席になるのです。その定員8席分を超えたときに使われるのが、カウンターの中に1席だけ用意された特別席と、カウンターの外、一番奥のところに置かれる折畳式の補助イスなのです。

カウンターの一番奥は跳ね上げ式になっていて、通常は跳ね上げられています。店内が満席になって補助イスを使うときだけ、これを下げてカウンターの一部として使うのです。この状態になると店主はカウンターの外に出ることができなくなってしまうほか、特別席がちょうど飲み物冷蔵庫の前にあるので、ホッピーやビールなど冷蔵庫の中に入っているものの出し入れが難しくなります。

また折畳式の補助イスが置かれるのは、ちょうどトイレの入口前。だれかがトイレに立つと、補助イスに座っている人は、そのたびに立ち上がってトイレの扉を開けることができる状態にしないといけないのでした。

今日は橋本さんにカウンター内の特別席に座っていただき、倉嶋さんは折り畳みの補助イスに、そして私が立ち飲みで、キープボトル(金宮)でホッピーや生茶割りを作って乾杯です。

何人かでやってくると、それぞれ違うお通しを出してくれるのが「石松」のいいところ。今日はモヤシ、豚耳、冷やっこの3品です。

カウンターの中では店主がこの店の名物のひとつ、ツクネをこねはじめたところ。この店のツクネは注文を受けてからこねはじめ、それを丸めて茹でて串を打ち、そのまま焼きあげる人気の品。さっそく我われも便乗注文です。

しばらくするとカウンターも空いたので、カウンターも跳ね上げて、補助席も折り畳み正規の場所に移動します。

今日は土曜日ということもあって、残念ながらレバ刺しはなし。それを残念がっていたら、近くに座っていた大常連のM先生から「今日はコブクロ刺しがありますよ」と声がかかり、さっそくそのコブクロ刺しをいただきます。

ついさっきまで「路傍」で身体が清められるような酒肴(しゅこう)をいただいていたのに、ここ「石松」では一転して焼酎に内臓(もつ)の刺身と、元気モリモリ系に大変身。どちらが良いとか悪いとかじゃなくて、どちらも好きなのが酒飲みたる所以(ゆえん)ですよねぇ。

「楊貴妃はきれいな顔で豚を食い」という古い川柳がありますが、美人編集長の倉嶋さんも、さすがに酒場の本を出そうかというだけあって、春の山菜からモツ焼きまでなんでもOKなんですね!

そしてその内臓料理の極めつけ、幻とも言われている「石松」の煮込み(380円)も登場です。しっかりした食感を残しながらも、口の中でとろける絶妙のバランスのシロを中心として、今日はなんとウズラの玉子まで入ってますよーっ!

このニコタマ(煮込み玉子入り)はいいなぁ。なにしろ玉子が一口で食べられるほど小さいので、煮込みのスープがたっぷりと絡んだ状態でいただけるのです。残念なのは玉子が1個しかないこと。一口で終わっちゃいました(涙)

ウズラの玉子が5個くらい入った幻のニコタマがあるといいなぁ。。。

さて今日の集まり。実は橋本さんも倉嶋さんも、お会いするのは今日がはじめて。倉嶋さんが編集長として創刊される「TOKIO古典酒場」紙上で、「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本さん、「酔わせて下町」のFさんと対談させていただいたのでした。残念ながらFさんはお仕事関係の別件があってそちらに向かわれ、残る3人で中野へとやってきた次第です。対談の様子は、4月16日(月)発売予定の「TOKIO古典酒場」創刊号(980円)に載っていると思いますので、よろしければ読んでみてください。

気がつくともう午後10時半(1時間ちょっとの滞在)。お勘定は3人で2,730円(ひとりあたり910円)でした。

「今日もごちそうさま」と店を出て、中野駅で橋本さん、倉嶋さんと解散。初対面ながら、初対面とも思えず盛りあがるのは互いに同じ嗜好(酒場好き)を持っているからでしょうか。久しぶりにFさんともお会いできたし、とても楽しい1日でした。「TOKIO古典酒場」がどんな本に仕上がっているのか、私も楽しみです!

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お通しのモヤシ、豚耳、冷やっこ / ツクネを支度中の店主 / ツクネ(タレ・塩)

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コブクロ刺し / ウズラ玉子入りの幻の煮込み

店情報前回

《平成19(2007)年3月24日(土)の記録》

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中野5丁目の老舗居酒屋 … 樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)

中野駅の北側に広がる中野5丁目一帯は、古くから中央線沿線でも屈指の一大酒場街としてひらけた地域です。そんな中野5丁目の酒場街の中で、昭和36(1961)年創業の老舗居酒屋が「路傍」です。現在は創業者である母親の後を継いだ息子夫婦が切り盛りされている、昔ながらの落ち着いた雰囲気の居酒屋なのです。

ほの暗い店内は、カウンターが端っこに切られた囲炉裏を囲みこむようにJ字に曲がっていて、8人ほど座れるでしょうか。入口近くに小上がりもあるものの、いつも荷物置場になっていて座席として使われているところは見たことがありません。そういうゆったりとした空間の使い方なのも、この店に入るとなにやら落ち着く大きな要素なのかもしれませんね。

その「路傍」にごいっしょいただいたのは「橋本健二の居酒屋考現学」を書かれている大学教授の橋本さんと、来る4月16日に創刊される予定の「TOKIO古典酒場」の美人編集長・倉嶋さんのおふたり。

まずはビール(キリンラガー中瓶)で乾杯したあと、樽酒(800円)に移行します。ここの樽酒は広島県呉市の「千福(せんぷく)」。カウンターの奥にでんと鎮座している四斗樽から、まず片口にトトトッと注いで、しかる後に目の前に置かれた一合升にたっぷりとついでくれます。表面張力のところを口から迎えにいってツツゥ~ッとすすると、そのすっきりとうまいこと。思わず笑顔がこぼれる瞬間です。

橋本さんがウルメイワシを注文すると、カウンターの端っこにある囲炉裏でさっと炙って出してくれます。

自然な食材を使って、基本的に注文を受けてから調理して出してくれるのが、この店の大きな特長のひとつ。おそらくお母さんの代から脈々と続く伝統なんだろうと思います。今日のお通しも湯葉とオクラ。こういうシンプルな肴をつまみつつ、塩(赤穂の天塩)をなめなめいただく樽酒に、なんだか清められるような感じさえします。

さらに、橋本さんは煮こごりを、そして倉嶋さんは冷やっこを注文です。お酒そのものをじっくりと味わうことができるような渋い選択ですねぇ。

この店のメニューはハンペン、生揚げ、たたみ、ししゃも、いかげそ、赤かぶ、もずく、とんぶり、おしんこ、トマトなどなどと、品数はそれほど多くないものの、実に呑んべ好みのする品々が並んでいるのです。

「こんなのもありますよ」と店主が出してくれたのは野蒜 (のびる)。味噌をちょいとつけていただくと、春の山菜らしい香りと、コリッとした食感がいいですよねぇ。味噌とベストマッチ、そしてお酒ともいい相性の一品です。

「それじゃ、ちょっと珍しいところで」と注文したのは「やきそば」。名前だけ聞くと「なんでそれが珍しいの?」という一品ですが、この店の焼きそばは、そば粉を練ってひと口大にしたものを平たくまとめて、七輪の炭火で自分で焼きながら食べるというもの。

「なるべくほっといたほうが美味しく焼けますよ」という店主の言葉に従って、ボーッと眺めつつうっすらと煙が上がり始めるくらいのタイミングでヨッとひっくり返します。こうしてカリッと仕上がった熱々の「やきそば」を、そばつゆに浸けていただくのです。

最後はそのそばつゆに、そば湯を入れてもらって、それをつまみに樽酒をちびりちびり。汁ものでいただく日本酒のなんとおいしいことよ!

2時間ほどの樽酒タイムは3人で10,500円(ひとりあたり3,500円)でした。

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「路傍」 / 入口 / カウンター内の囲炉裏

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樽酒・千福 / うるめいわし / お通しのオクラと湯葉

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煮こごり / やきそば / 冷やっこ

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カウンターの様子 / のびる / つゆをそば湯でのばして

店情報前回、同じときの「橋本健二の居酒屋考現学」)

《平成19(2007)年3月24日(土)の記録》

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野毛酒場探訪記(FF~第一亭~末広~大衆~理容院ほか)

西武線沿線に住む酒友・F本さんが、今日は横浜方面に出てこられて野毛飲みです。やって来たのは串揚げと魚介類の「福田フライ」。F本さんは、早々と横浜に到着されて、すでに横浜駅の「星のうどん」からはじまって、上大岡の立ち飲み「じぃえんとるまん」を経て野毛入りし、現在は「トモ」にいらっしゃるとのこと。それを、その次の巡回候補店である「福田フライ」で待ち受けておこうという考えです。

キリンラガービール(大瓶600円)を飲みながら、エビと串カツ(各120円)を揚げてもらいます。白菜のお新香も追加して飲んでるところへF本さんも到着。今日はたっぷりと楽しみましょう!

F本さんの合流で串揚げも鳥皮とハツ、カキ(各120円)を辛いソースで仕上げてもらいます。「福田フライ」の名物のひとつでもある辛いソースは、ニンニクがたっぷりと効いたピリ辛ソースで、ガツンと鼻に抜ける辛さがたまらないのです。

「福田フライ」に来ると白モツ炒め(350円)も食べておいてもらわなきゃね。これまた辛いソースで仕上げてもらって、飲み物はウイスキー水割り(ブラックニッカ瓶450円)に切りかえます。

そこへ都内での仕事を終えて到着されたのは湘南のモツラー・G.Aさん。ゲソ、ハツ、アサリ、……と、テンポよく好みの串揚げを注文して1軒目を終了です。

〔福田フライ〕
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エビと串カツ / 白菜のお新香 / 皮とハツ

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カキ / ウイスキー水割り / 白モツ炒め
店情報前回


野毛の2軒目は中華料理の「第一亭」。紹興酒をボトルごと燗づけてもらって、定番中の定番、豚耳軟骨(500円)、特製・チート(豚胃)の生姜炒め(600円)、そしてシジミ醤油漬(600円)でスタートです。

横浜の「豚の味珍」の豚肉もすばらしいのですが、ここ「第一亭」の豚料理も、また特徴的でいいのです。耳や胃のほかに、頭(かしら)、舌(たん)、豚足、子袋、ハツ、レバ、モツ、ホルモンなどがそれぞれ600円でいただけます。

そしてもちろん「第一亭」の人気・裏メニューであるパタン(600円)も、普通の冷やしたパタンに加えて、あったかいパタンもいただきます。パタンは本来はこの店のまかない料理で、たっぷりのニンニクが入った醤油系ソースを絡めた冷たい麺のこと。それが常連さんたちの知るところとなり、今ではすでに裏メニューと呼べないほどの人気メニューになっているのです。注文する人がよほど多いのか、定番である冷たいパタンは、注文するやいなや、という速さで出てきました。

ならべて食べてみると、個人的には冷たいパタンのほうが好きかな。

それにしてもものすごいニンニクの量。さっきの「福田フライ」でもニンニクのよく効いた辛いソースをたっぷりといただいたので、帰りの電車はもとより、明日も1日中たいへんかも!!

〔第一亭〕
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紹興酒 / 豚耳軟骨 / チート生姜炒め

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しじみ醤油漬 / パタン / あったかいパタン
店情報前回


ひとしきり「第一亭」を堪能したころ、濱の酒場通・iiさんから「末広」で飲みはじめたという連絡が入り、G.Aさん、F本さんとともに「末広」に移動します(3軒目)。もう午後8時半近い時間なので、名物の刺身(鳥)はすでに売り切れ。皮、ピーマン肉、もつ、ハツを焼いてもらいます。

皮は塩焼き。横浜の焼鳥屋では、塩焼きの焼き鳥にはニンニクなどが入った秘伝の味噌を塗って食べることが多いのです。この店ももちろんその味噌が用意されていて、それをたっぷりと塗っていただきます。3軒連続となるニンニクだけど、おいしいものはおいしいよなぁ!

飲み物のほうは、最初は「泰平」と書かれた、たぬき(かな?)の形の酒器で出される燗酒をいただいていたのですが、途中からiiさんがキープされているウイスキー(オールド)の水割りに切り替えます。

〔末広〕
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燗酒 / 鳥皮 / 特製の味噌

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ピーマン肉 / もつ / ハツ
店情報前回


「末広」を出たところでG.Aさんが帰宅され、残る3人で「大衆」(4軒目)の生ホッピー。もちろんつまみはホルモン(腸)にジンギスカン(羊肉)。センマイ刺しもいただきます。

「大衆」を出てにっきーさんと酒場データベース・K口さんのおふたりと合流。おふたりは偶然「武蔵屋」で一緒になり、その後「第一亭」をまわられていたのだそうです。

濱の酒場通・iiさんも帰宅され、残る4人で「日の出理容院」(5軒目)に入ったのは10時半過ぎ。思い思いに角のハイボールやジントニックなどをいただいて、野毛での飲み会を終了します。

〔大衆/日の出理容院〕
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「大衆」の生ホッピーとセンマイ刺し / ホルモンとジンギスカン / 「日の出理容院」
・「大衆」の店情報前回) / 「日の出理容院」の店情報前回


桜木町から電車に乗り込み、途中で路線の違うK口さんと別れ、西武新宿線に乗り換えて鷺ノ宮駅に着いたのは午前1時頃。ここまで帰ればもう安心と、F本さん、にっきーさんと3人で「満月」(6軒目)に入り、今日の野毛飲みをふり返りつつ最後の仕上げです。

夕方からざっと回った野毛での5軒(人によってはさらに2~3軒!)。とても1日では回りきれないほど名店のそろった町ですので、行けなかった店のほうがもちろん多いのですが、よく飲んだ1日でした(笑)

〔満月〕
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「満月」 / 砂肝 / 野菜サラダ
店情報前回

《平成19(2007)年3月23日(金)の記録》

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値段はないけど高くない … 居酒屋「魚市(うおいち)」(横浜・桜木町)

「野毛の魚がおいしいお店で飲みたいね」

そんな話で、3人でやってきたのは野毛の「魚市」。ドロンジョさんが「酒場で話した100のコト」の中で『野毛で一番大好きなお魚の店』と書かれているお店です。

「魚市」と縦書きされたのれんをくぐり引き戸を開けると、右手にはどーんと白木のカウンター。その上には魚介類が並ぶネタケースがあり、なんだか高級割烹風な印象。ドロンジョさんは「値段が書いて無いけど決して高くはありません」と書かれているけど、本当に大丈夫かなぁ!?

先客はカウンターの奥のほうに男性ひとり客がいるだけ。我われ3人は、左手にならぶ3つのテーブル席(4人掛け)のひとつに座り、まずは生ビールをもらって乾杯です。生ビールはジョッキではなくて、サッポロの星のマークの入ったグラスで出されます。

お通しはヒジキの煮物をつつきながら、手書きのメニューを確認。A先輩はシメサバを、同僚Iはアジ刺しを、そして私は貝盛りを注文し、それぞれをみんなでシェアーすることにしました。何人かで来ると、いろんなものが食べられるのがいいですね。

まず出されたのは貝盛り。つぶ貝、平貝と小柱が盛り合わされています。つぶ貝の肝の部分が濃厚でいいですねぇ! さっそく燗酒(大徳利)に切りかえます。

シメサバはすっきりやわらかめのシメ加減。アジ刺しは、春になってたっぷりと脂がのってきたようで、生姜醤油をはじくほどです。刺身の表面に飾り包丁を入れてくれていることで、アジの旨みをより味わうことができる。くぅ~っ。これはいいアジですねぇ!!

ひとしきり生ものをいただいた後は調理もの。カウンター上段にならぶ大皿料理の中から身欠きニシン煮をもらうと、てっぺんにパンと叩いた木の芽をあしらってくれます。焼き物はサバ開き焼きとキュウリ魚塩焼き。旬のホタルイカも注文します。

店はカウンターの中で調理を担当しているご主人と、ホール担当のおかみさんのふたりで切り盛りされている様子。お客さんもカウンターにそれぞれひとり客が2人。そしてテーブル席にも4人組が入りました。4人組が注文した刺身の盛り合わせがきれいだし、豪勢ですねぇ!

我われはさらに穴子の笹焼きとさつま揚げも追加。つやつやと照りのいい穴子もさることながら、自家製らしくプリッと肉厚のさつま揚げもおいしい。なにしろ白身魚のすり身揚げですからねぇ。

2時間半ほどの間に大徳利を6~7本いただいて、お勘定は3人で12,000円(ひとりあたり4,000円)でした。なるほど。たしかにこれは安い!

二次会は近くのバー「日の出理容院」でゆっくりと。先輩A、同僚Iともに、ここに来るのははじめてですが、とても気に入ってもらえたようでした。

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「魚市」 / 貝盛り / しめ鯖

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あじ刺し / あじ刺しのひと切れ / 身欠きニシン煮

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さば開き焼き / ほたるいか / きゅうり魚塩焼き

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穴子の笹焼き / さつま揚げ / 「日の出理容院」

・「魚市」の店情報 / 「日の出理容院」の店情報前回

《平成19(2007)年3月22日(木)の記録》

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店情報: 居酒屋「魚市(うおいち)」(横浜・桜木町)

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  • 店名: 居酒屋・大衆割烹「魚市」(うおいち)
  • 電話: 045-242-8079
  • 住所: 231-0064 神奈川県横浜市中区野毛町2-64
  • 営業: 17:00-23:00、月休
  • 場所: 桜木町駅から京急・日ノ出町駅方向に向かうバス通り(平戸桜木道路)を進み、トポス向かいのサンクス手前を左折。50mほど進んだ右手。
  • メモ: カウンターとテーブル3卓ほどの魚料理を中心とした店。メニューには値段はないが、高くはない。

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濃厚とんこつスープ … ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)

「石松」を出て、トコトコと新井薬師商店街を抜けると西武新宿線・新井薬師前駅。そこから5駅・約10分ほどで「御天」のある下井草(しもいぐさ)駅に到着します。駅の北口を出て、まっすぐ新青梅街道にぶつかると、その左手にあるのが「御天」&「ゴテンズバー」です。

いつもにっきーさんに連れてきてもらってたこのお店。にっきーさんなしで入るのは初めてなので、ややドキドキものです。

店に到着したのは午前1時半。「いきなり御天にしますか? それとも下のゴテンズバーでちょっと飲みますか?」とK口さんにたずねてみると、「やっぱり下のバーからでしょう!」というお返事。そりゃそうですよねぇ。大賛成です。では地下へ。

「ゴテンズバー」の扉を開けると、カウンターの手前側に座っていたのは、なんと「御天」の岩佐社長。「やぁ、いらっしゃい」と笑顔で声をかけてくれました。カウンターの中のおにいさん(店長?)も「いらっしゃいませー」と元気な笑顔。こうなるとさっきまでのドキドキもぴょんとなくなって、さぁ飲むぞぉーっという勢いが急上昇!

「こんなのが入荷しましたよぉ」と、おにいさんにすすめられるままに、宮崎は王手門酒造の限定芋焼酎「超不阿羅王(ちょうふぁらおう)」と、飲み比べのために同じ王手門酒造の「龍霞(りゅうがすみ)」のふたつをロックでいただきます。

お通しはたっぷりの白菜の昆布漬け。前回の男前豆腐もそうでしたが、なかなか和風な肴を用意してるんですねぇ。

1時間ほどバーで過ごし、2時半を回ったところで「そろそろラーメンを食べに上がりましょうか」とお勘定をすると、ここはふたりで1,400円(ひとりあたり700円)。ひぇーっ、あまり飲み食いしなくてごめんなさい。

さすがに金曜日とあって、この時間帯でも1階の店内はお客さんが多い。

「御天」は入口左手にテーブル席があって、その先からカウンター席が始まり、店の奥で右側に折れた空間があって、そこにもテーブル席があるという、ちょっと言葉で説明するのはむずかしい形の店内なのです。

その右奥のテーブル席が空いていたのでそこに座り、ここでもやっぱり飲み物から。K口さんは白波水割り(400円)を、私は玉露割り(400円)をもらって三度(みたび)乾杯です。

つまみは今日もやっぱり先日来はまりまくっている「せん菜炒め」(550円)です。いつものことながら、このシャキシャキ感がたまりませんなぁ!

そしていよいよラーメン(680円)です。ふたりともラーメンをバリカタで注文しました。

いつもシンプルなラーメンばかりたのんでいますが、それ以外にも各種トッピングをあらかじめ乗せたラーメンを選ぶこともできます。そのトッピングは生ニンニク(50円)、のり(100円)、たまご(100円)、きくらげ(100円)、温泉たまご(150円)、キムチ(200円)、せん菜(200円)、ザーサイ(200円)、チャーシュー(300円)、ネギ(200円)、ピリ辛リブ(400円)、ワンタン(300円)、メンマ(200円)、角煮(300円)の14種類。さらに食べたことはありませんがインド式(980円)、タイ式(830円)といったラーメンもあります。

K口さんはラーメンが出てくるやいなや、ズズッ、ズズッとものすごい勢いでラーメンをすすり込み、あっという間に替玉(かえだま、130円)の注文です。

替玉とは麺のおかわりのこと。ラーメンのスープを残した状態で「替玉!!」と注文すると、麺だけを茹で上げて残しておいたスープの中に入れてくれるのです。

麺は博多直送の細麺。せっかちな長浜市場(福岡市にある市場)の人たちに、短い茹で時間でラーメンを出すために、この細さになったらしいのですが、逆にこの細さになったからハリガネとか粉落としと呼ばれる、ほとんど茹でないほどの麺の硬さでも食べることができるという、長浜ラーメンの大特徴が生まれてきたんですね。

私はもう満腹なので替玉はなし。それどころか、もうスープも飲めないくらいの状態で、スープを残したまま丼を置いていたら、スープの表面を脂の膜がピッチリとおおいます。うーむ、さすが濃厚こんこつスープですねぇ! ここのラーメンを食べなれると、他の店のとんこつラーメンがあっさりと感じられてしまうほどなのです。

「御天」のお勘定はふたりで2,500円(ひとりあたり1,250円)。

「ごちそうさまー!」と店を出たのは午前3時半ごろ。もちろん電車はない時刻なのですが、阿佐ヶ谷駅の中央線上り始発が午前4時41分なので、ゆっくりと歩いていけばちょうどいいくらいかも。

そんなわけで深夜の町をK口さんとふたりトコトコ、トコトコと歩きながらの酒場談義。なにしろ歩く酒場データベースと言われるほどのK口さんなので、いろんなことをよくご存知なのです。

自宅のすぐ近くでK口さんと別れたのは午前4時過ぎ。ここから阿佐ヶ谷駅までは、あと15分ほどです。気をつけて帰ってくださいね。おやすみなさーい!

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「超不阿羅王」と「龍霞」 / 白波水割りと玉露割り / せん菜炒め

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ラーメン / 替玉を投入中 / 表面に膜がはるほど濃厚なスープ

・店情報:「ゴテンズバー」/ 「御天」(前回

《平成19(2007)年3月16日(金)の記録》

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幻の煮込みはバランスの妙 … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

うなぎ串焼の「川二郎」から徒歩約2分。もつ焼きの「石松」です。金曜・夜10時半の「石松」は例によって補助席まで満席。カウンターにずらりと座ったみなさんの後ろに立って、キンミヤ生茶割りを飲みはじめたところに入ってきたのは、歩く酒場データベース・K口さんです。K口さんも私の横に立って飲みはじめます。

今日のお通しはセンマイ刺し。千切りのキュウリが添えられてるのがまたいい食感を生むんですよねぇ。

少し立ち飲んでるうちに、入口近くの席がふたつ空いてK口さんとともにそこに座ります。私の右どなりは女性ひとり客のゆうさん、その右は大常連のS本さんです。座ったところで改めてカンパ~イ!

店主がさばきはじめたのはハツ(豚の心臓)。その様子を見て「私も」「ボクも」とまわりから便乗注文が飛び交います。もちろん私も便乗注文。みんなからの「ハツモトのところをお願いします!」という注文に、店主は苦笑しつつも「みんなにちょっとずつ入るようにするから」と優しいのです。

次なるレバーも便乗注文。みんなそれぞれレバ刺しをたのんだり、レバーの串焼きをたのんだり。私はレバ刺しハーフをお願いすると、大きなレバーのかたまりからスススッとレバ刺しを切り出してくれます。フルサイズ(1人前、10切れ程度)のときはゴマ油+塩で食べたり、醤油で食べたりと味を変えて楽しむのですが、ハーフサイズ(5~6切れ)は藻塩(もしお)+ゴマ塩でいただくことにしました。

こういうレバ刺しばかり食べていると、ちょっと鮮度の落ちるレバ刺しが食べられなくなってしまうのが難点です。昔はいろんなところでレバ刺しを食べていたのに、最近ではメニューにレバ刺しがあってもなかなか食指が動かない。プリッとエッジの立ったレバ刺しじゃないとなんだか許せないようになってしまったのでした。

焼き台の近くのコンロには家庭用の大鍋がのっていて、弱火でトロトロ煮込まれています。もしかすると幻の煮込みなのかな!? 「うーん。まだちょっと早いかな」と言いながらも、店主が煮込みを小鉢に軽めに盛ってくれました(煮込みハーフ)。

シロを中心にコトコトと長時間煮込んだ中に、豆腐も入ったこの煮込み。シロの裏側には脂肪がたっぷりなのに、決してしつこくはなくて、シロの弾力感を残しながらも、口の中でとろけるように柔らかい。脂っぽいのに、しつこくない。弾力があるのに、やわらかい。相反するはずの各要素が絶妙のバランスで共存してるのが、この店の煮込みの大きな特長。あぁ、それなのに。その絶妙な煮込みは、1回に家庭用の鍋1杯分しか作られないので、むしろ食べられることのほうが少ないのです。これが「幻の煮込み」と呼ばれている所以(ゆえん)でもあるのでした。さすがにうまいよなぁ。

煮込みを食べ終わり、ナンコツ塩をいただいているところで、「御天にも行ってみたいんですよねぇ」とK口さん。時計を見ると日付が変わって0時半過ぎ。「今ならまだ電車に間に合いますよ。行っちゃいますか!」と次なる行動が決定。

2時間ちょっとのもつ焼きタイムは、キンミヤの新ボトル(1,500円)も入れて2,500円でした。どうもごちそうさま。みなさんお先に。

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ハツ塩(ハツモト入り) / レバ刺しハーフ / 煮込み鍋

070316k 070316l 070316r
煮込みハーフ / 脂肪分たっぷりのシロ / ナンコツ塩

店情報前回

《平成19(2007)年3月16日(金)の記録》

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時々むしょうに食べたくて … うなぎ「川二郎(かわじろう)」(中野)

しょっちゅう食べたくなるのが刺身だったり、焼き鳥(もつ焼き)だったりすると、時々むしょうに食べたくなるのがウナギであり、おでんであり、餃子であり。ウナギと言ってもうな丼や蒲焼が食べたいわけではなくて、のんべとしてはやっぱりウナギ串焼きですね!

そんなウナギ串焼きのお店、中野の「川二郎」にやってきたのは金曜の午後9時ごろ。この店は午後10時までの営業なので、この時間帯はすでに終盤といったところですが、店内にはまだまだお客さんは多くて、焼き台周辺となるカウンターの手前側だけが4~5席分ほど空いてて、そこから先は奥のテーブル席も含めて全部埋まっている状態です。カウンター10席ほどと奥のテーブル6席の合わせて16席ほどしかない店内はいつも満席なので、4~5席も空いている状態は、むしろすいてると言えるかもしれませんね。(注:これとは別に2階に予約制・団体専用の8人席があります。)

なにしろ営業終盤なので、目の前のネタケースを見てもほとんど残りがない状態。
「お酒のあったかいのをお願いします。ウナギはひと通り焼いてください」と注文すると、
「もうひと通りはないかもしれないので、あるもので焼きますね」と店主。

「ひと通り」と言うのは、この店で食べることのできるウナギ串焼の中で、主たるものを6種6本焼いてもらうこと。人によっては「セットで」とたのんだり、「ひとそろえ」とたのんだりもしていますが、この店では基本的にこの「ひと通り」から食べはじめるのが暗黙のルール。いきなり野菜串などを注文すると「まずウナギをひと通り食べてから…」とやんわりと、でもしっかりと釘を刺されるのでした。

ここのお酒は秋田の「新政」か、同じく秋田の「高清水」(どちらも270円)。燗酒をお願いすると、受け皿つきのコップが出されてポットから酒が注がれます。
「今どき、ポットから燗酒を注いでくれる店も、あまり見かけないよね」
と笑うカウンター席の常連さん。この店でポットの燗酒を飲むお客さんは多いのです。

お通しは定番のキャベツ漬。この店では年中必ずこのお通しが出されるのです。

私の後からもカップルがひと組、またひと組と、都合4人入ってきて店内は満席。どちらのカップルもこの店ははじめてらしく、ビール(大瓶、550円)を注文すると、メニューを見ながら「何にする?」「んーと。きも焼とれば焼ってどう違うんだろう?」なんて会話を交わしている。その様子を見て店主から
「まずは後の絵にあるものをひと通り焼きましょう。それから追加されたらどうですか?」と声がかかります。
「それでお願いします」と、どちらもカップルもホッとした表情です。
「今日はもうない品物もあるので、あるものだけで焼きますね」と店主。

通常の「ひと通り」は八幡巻(250円)、串巻(200円)、きも焼(200円)、ひれ焼(150円)、れば焼(170円)、ばら焼(150円)の6本で1,120円。この店のウナギの串焼きは、これら6品の他に短冊(250円)とえり焼(150円)を入れた8品。あと野菜の串焼きがぎんなん(180円)、しいたけ(180円)、しいたけくき(80円)、ししとう(100円)、ねぎ(100円)の5品です。

ところがなにしろ店は終盤近く。奥のお客さんたち何人かから、シメのうな丼(900円)の注文が入っていたようで、焼き台の上にはずらりとウナギの蒲焼が並んでいて、まだまだ串焼きにはかかれない状況のようなのです。

じゃ、私も腰をすえて飲みながら待ちますか。焼き台を使わなくてもできる肴(さかな)は、かるしうむ(骨から揚、300円)、きも刺(650円)、鰻くんせい(800円)に、おつけもの(300円)、きゃべつ大盛(200円)。大好物の「きゃべつ大盛」をいただきましょう。

お通しのキャベツは小皿で出されるのですが、別注になる「きゃべつ大盛」(200円)は、お通しと同じキャベツが小鉢にたっぷりと盛られます。山椒がちょっと効いて、ポン酢醤油で和えたキャベツはいくらでも食べることができる一品なのです。

ちなみに「おつけもの」(300円)も自家製らしく、店主がよその店で飲んでいても「漬物を支度しないといけないからもう帰る」と帰ってしまうくらい心をそそいでいるんだそうです。(←常連さん談)

手持ちぶさたそうにしている二組のカップルに、
「串焼きを待つ間に、ウナギの燻製はいかがですか。これはうち独自のものなので、他では食べられないと思いますよ」と店主から声がかかります。
「お願いします」
二組とも鰻くんせい(800円)を注文。この燻製もうまいと評判なんだけど、残念ながら個人的には未食。

店は以前は店主夫婦(なのかな?)で切り盛りしてたんだけど、今は若い男性も手伝っている。聞けば店主の甥っ子(おいっこ)さんなのだそうです。焼き台は店主が、その他のカウンター内作業は甥っ子さんが、そしてカウンターの外の仕事はおかあさんが担当している様子です。

燗酒(270円)をおかわりしたところで、まず八幡巻(やわたまき、250円)と串巻(くしまき、200円)が出てきます。八幡巻は細長く切ったゴボウのまわりに、縦方向に細く割いたウナギの身を巻きつけて焼いたもの。ドジョウとゴボウの相性の良さが有名ですが、ウナギとゴボウもよく合うのです。串巻は同じく縦方向に細く割いたウナギの身それだけをクネクネと串に刺して焼いたもので、こちらはウナギの身のおいしさをじっくりと味わうことができます。

続いては、きも焼(200円)。ウナギの内臓は心臓、肝臓、ニガ袋、胃、腸、浮袋、腎臓と連なっているらしいのですが、このうち肝臓とニガ袋(胆嚢)をのぞいたものを串に刺して焼いたもの。言ってみればウナギのモツ一式なんですね!

そして、ひれ焼(150円)、れば焼(170円)。

私はこのひれ焼が一番好き。ウナギの背びれや腹びれをニラといっしょに巻いたものなのですが、骨っぽいなんてことは全くなくて、骨ぎわの身のうまみをたっぷりと堪能できる人気の一品なのです。

れば焼は、きも焼で使わなかった肝臓だけを集めて焼いたもの。ウナギ1尾に1個(1対)しかないので、これだけずらっと並べるには何尾分が必要なことか! とろりとした食感と濃厚さが楽しめるのは豚や鶏、魚などのレバーと同じですね。

今日のひと通りは残念ながらこの5種5本で終了。ばら焼(あばら部分から削いだ身をこねて焼いたもの、150円)が売り切れてたんですね。こうやって食べている間にもどんどん注文は入って、かるしうむ(骨から揚、300円)や、きも刺(650円)、短冊(250円)も売り切れになりました。

3杯目となる燗酒(270円)をもらって、追加注文は串巻(200円)を、先ほどは塩焼きでしたので、今度はタレ焼きでいただくことにします。

私の左どなりに座っている男性は、店主とも親しげに話す大常連さん。その人によると、ここでのオススメは、えり焼(150円)と、にんにく醤油でいただく短冊(250円)なのだそうです。えり焼は、他の店ではカブト焼とか頭(カシラ)焼として出されることが多い部分。かなり骨っぽいことが多いのですが、ここのえり焼ではていねいな下ごしらえをして首(ウナギの首って!?)まわりの肉だけを使うので骨っぽくないのが特長なのだそうです。残念ながら、今日はえり焼も売り切れてるので実食してみることはできませんでした。

閉店時刻の午後10時になり、やっとすべての焼き物を焼き終えた店主も、カウンターの外に出てきて常連さんのとなりに座って、湯飲みについだ燗酒を飲みながら話しはじめます。
「甥っ子もいっしょにやるようになってうれしいねぇ。親父さんが一番大変だなぁと思う仕事ってなに?」と常連さんが尋ねると、
「ウナギの修業の中で、『焼き一生』とよく言うけど、本当にそのとおりだと思うよ。火加減がむずかしいんだ」と店主は答えます。なるほど。そういえば「北島亭」の北島シェフもそんな話をされてました。もつ焼きや焼き鳥も含めて、焼き物全般について『焼き一生』ということが言えるのかもしれませんね。

さてさて。私もそろそろ腰をあげますか。どうもごちそうさま。

1時間ちょっとの滞在。お酒を3杯にウナギ串焼き6本、きゃべつ大盛で今日は2,180円でした。

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「川二郎」 / お通しのきゃべつと燗酒 / 店内のメニュー

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きゃべつ大盛 / 八幡巻と串巻(塩) / きも焼

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ひれ焼とれば焼 / 串巻(タレ) / 各メニューの説明図

店情報前回

《平成19(2007)年3月16日(金)の記録》

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創業100年! … 居酒屋「大甚本店(だいじんほんてん)」(名古屋・伏見)

名古屋での仕事を終えて、会社の同僚とふたりでやってきたのは、地下鉄伏見駅7番出口のすぐ前にある居酒屋「大甚本店」。太田和彦さんが「この店を知らずして居酒屋を語ることなかれ」などと書かれているのを見るにつけ、「ぜひ一度行ってみなければ」と思いつづけて、はや数年。やっと来ることができました。

創業明治40(1907)年。今年で創業以来ちょうど100年という老舗は、大きな交差点の角近くにあり、上部に大きく「大甚本店」と書き出されていて、近くまで来ればもう間違えようがないほどの目立ちようです。あいにくの強風にはためく暖簾をくぐり、重厚な引き戸を開けて店内に入ると、水曜午後5時の店内はすでにお客さんでいっぱい。この店は午後4時の開店らしいので、平日の開店から1時間後で、もうこんな満席状態なんですね!

入口から奥に向かって長い長方形の店内は、入口すぐ右手に2階に上がる階段があり、そのすぐ後ろ側から店の右壁にそって、店の奥まで8人掛けや、6人掛けといった様々な大きさの長方形テーブルが店の奥まで並んでいます。そして入口の左側にはデンと賀茂鶴の四斗樽が鎮座していて、そのまわりが燗をつけたりする場所になっている。

その奥が「大甚本店」と言えば、というほどの名物である肴(さかな)の大皿・小皿がずらりと置かれた大テーブルです。本やインターネットから得た事前情報で、小皿ばっかりがたーくさん並んでるような様子を想像していたのですが、大皿もでーん、でーんと並んでいるのにびっくりです。

その大皿・小皿が並んでる奥のガラスで囲まれたような一角が厨房スペース。大きなガラス張りの冷蔵ネタケースもあって、刺身類を注文するとここで作ってくれるようです。

どっか空いてないかなぁ、とテーブルを見てみると、入口から3つめくらいの、ちょうど大皿・小皿置き場の前の8人掛けテーブルの一角に3人分くらいの空きを発見。ここに座ることにしましょう。

座るとすぐに、女将さんらしき女性が「飲み物は?」と聞きに来てくれて、樽酒(賀茂鶴)の大徳利(690円)を燗で注文します。あの四斗樽を見てしまうと飲まないわけにはいかないですよねぇ。

「あそこに並んでる小皿から、好きなのを取ってきていいんだよ」と同僚に告げると、立ちあがった同僚がまず取ってきてくれたのはエビとキュウリの酢物と厚揚げ煮。それとほぼ同時にお酒も出されます。どちらも名古屋じゃないと食べられないようなものじゃないんだけど、こういうお惣菜が燗酒にはぴったりなんですよねぇ。

ずらりと並ぶ他の料理も、奇をてらったものや、名古屋名物なんてのは特になくて里芋の煮物をはじめとする煮物類や、ホウレン草のおひたしなどの和えものなどの、本当に呑んべ好みのするものばかり。これはうれしいなぁ。

同じテーブルに先客として座っていた年配客ふたり組がお勘定をして席を立つと、店のおねえさんが「おにいさんたち、奥側に移ったら」と声をかけてくれます。テーブルのこちら側は普通の丸椅子なのですが、奥の壁際は店の奥までをズドーンと貫く畳張りのベンチシート(って言うのかな?)になっていて、壁にもたれることもできるゆったり席なのです。「そうします。ありがとうございます」とゴソゴソとカバンやコートなどを移動させはじめると「早く移らなきゃ、他の人が入るわよ」と、さっきのおねえさんが笑いながらテーブル上のお皿などを、片づけ終わったテーブルの奥側に移動させてくれます。

こんなに満席に近い状態なのに、「奥に移ったら?」なんてちらりと気を使ってくれるところがうれしいではありませんか。人気のあるお店って、こういうところが多いんですよね。

テーブルのこっち側(壁際)に座ると、大皿・小皿置き場もよく見えていいですねぇ。あ! 魚の子の煮たのが並んだ大皿がある。店のおねえさんに「魚の子の煮物をもらえますか?」と注文すると、「魚の子、どっちがいいですか?」とおねえさん。「へ? ふたつあるの? どう違うんですか?」と聞いてみると「こっちがタラコで、こっちは……、あれっ? こっちはなんだっけ?」と厨房の近くにいる親父さん(たぶん店主)にたずねるおねえさん。「んー? こっちは鯛やいろいろ」と親父さん。「じゃ、そのいろいろのほうをください」

大皿に入っているものは、注文すると小皿に盛って出してくれるんですね。

刺身も同じで、注文を受けてから引いてくれるようです。刺身などの生ものもけっこう人気がある様子。それぞれの料理がいくらなのか、よくわからないのですが、まぐろ刺身は750円、刺身・焼き魚・煮魚は1,000~1,300円ほどのようです。となりのおじさんが食べてるウニの箱盛りもおいしそうだなぁ。

フロアを切り盛りしてるのはご家族(店主夫妻とその娘さん)なのかな。厨房で料理してる人たちもいるので、自由が丘の「金田」みたいに、ご家族+何人かの手伝いの人みたいな運営なのかもしれませんね。

ひとりから、多くても3人くらいまでで入ってくるお客さんが多くて、テーブルの空席を見つけてはそこに入れ込みの相席で入っていく。店の一番奥のテーブルの上部にはテレビもあって、それを眺めながら飲んでいるひとり客も多いようです。店は神田の「みますや」の雰囲気にも似てるのですが、こうやってひとり客が入れ込みで入っていく様子は十条の「斎藤酒場」を彷彿とさせます。

まわりのお客さんたちから「鍋ね」「鍋、ふたつお願いします」と鍋の注文が相次ぐので、我われも「こっちも鍋をお願いします」と注文してみると「ひとつでいいの?」と親父さん。「えぇ。ひとつ」。

同僚は再び立ち上がって、料理置き場からさつま揚げと玉子サラダを持ってきてくれます。燗酒もおかわりをもらいましょう。この燗酒、やわらかい樽の香りがとてもいいですねぇ。

さぁ、鍋も出てきました。あらかじめ厨房で調理されてできあがった状態で出される鍋は、小さなひとり用鍋にカキ、鶏肉、シイタケ、エノキ、豆腐、白菜、蒲鉾などが入っていて、汁だけでも十分につまみになりそうなほどいい味がついています。うーん。人気があるのもうなずけるなぁ。熱々でおいしいや。

1時間ほどの滞在はふたりで3,190円(一人あたり1,600円弱)。「ごちそうさまー」と満席状態が途切れることのない店をあとにしたのでした。やぁ、やっと来ることができて良かったなぁ。はじめて入ったような感じがしないお店でした。まさに居酒屋らしい居酒屋ってことなのかな!?

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「大甚本店」 / 燗酒 / エビとキュウリの酢物と厚揚げ煮

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料理置き場あたり / 魚の子煮付け / さつま揚げと玉子サラダ

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鍋 / 鍋のカキ / 店の奥のほうの様子

店情報

《平成19(2007)年3月14日(水)の記録》

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店情報: 居酒屋「大甚本店(だいじんほんてん)」(名古屋・伏見)

    070314z
  • 店名: 居酒屋「大甚本店」
  • 電話: 052-231-1909
  • 住所: 460-0008 愛知県名古屋市中区栄1-5-6
  • 営業: 16:00-21:30(21:00LO)
  • 場所: 地下鉄伏見駅7番出口の目の前。(6番出口を出ると「大甚中店」)
  • メモ: 創業明治40(1907)年の老舗酒場。
    賀茂鶴(樽)1合470480円、大徳利(1.8合)720740円、菊正宗(瓶)1合470480円、大徳利(1.8合)720740円、ビール(キリンラガー、サッポロ黒ラベル)大瓶610640、ハイボール・ニッカ550、酎ハイ・レモン550。小皿に盛られて並ぶつまみの数々は250円、290円、350円など。豆腐鍋(冬季)もある。刺身・焼き魚・煮魚は時価。《2016.09.16の例》おしたし250、野菜煮250、かしわうま煮250、アサリ味噌250、いか味噌250、そら豆250、煮豆250、百合根250、枝豆250、もろこ290、魚の子290、いいだこ290、めじろ350、さば酢350、酢たこ450、しゃこ450、板わさ470、かしわ肝焼470など。(2014年12月調べ、2016年9月確認、2018年5月酒類が値上がりしてた)

    賀茂鶴(樽)1合440円、大徳利(1.8合)690円、菊正宗(瓶)1合440円、大徳利(1.8合)690円、ビール(キリンラガー、サッポロ黒ラベル)大瓶560円。オクラの胡麻あえ、ホウレン草おしたし、里いも煮(各220円)、煮こごり、いいだこ煮付(各260円)、なまこ(450円)、豆腐鍋(冬季、600円)など多数。まぐろ刺身(750円)、刺身・焼き魚・煮魚は時価だが1,000~1,300円ほど。(2007年3月調べ)

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名古屋の昼はきしめんで … 立ち飲み「どえりゃあ亭」(名古屋駅ホーム)

Ltpsh0025久しぶりに新幹線での出張は名古屋。天候もよく、行きの車中からはきれいな富士山もくっきりです。名古屋駅にはちょうど昼ごろの到着で、ここで昼食です。

名古屋といえばきしめん。すぐに思いつくのは新幹線ホームの立ち食いきしめん「住よし」ですが、さすがに昼どきとあって「住よし」の店内は下り線、上り線ともに人人人の状況です。ちなみにこちら「住よし」のきしめんは340円。かつお節がたっぷりとのせられるのが特徴です。かき揚げ入りは500円、かき揚げ玉子入りは550円です。

しかーし。今回の出張で、昼食ポイントとして考えているのは、ここ新幹線ホームの「住よし」ではなくて、在来線3・4番ホーム上にある「どえりゃあ亭」です。G.Aさんが名古屋出張に出かけると、よくここに立ち寄られている様子が「半魚人Aの陸(おか)ボケ日記」に書かれていて、一度行ってみたかったのでした。

店は午前11時から午後9時まで開いていて年中無休。しかも冷奴、湯豆腐、枝豆、じゃこおろし、ポテトサラダ、イカ炙り焼き、野菜天、オニオンスライス、おでんなどが各100円、豚肉生姜焼き、味噌かつ、野菜コロッケ、鶏の唐揚げ、ハムエッグなどが各200円で食べられ、飲み物も生ビール(マグナムドライ)が300円、サワー類や日本酒は200円という安さなのです。

残念ながらこれから仕事なので、お酒を楽しむことはできませんが「どえりゃあ亭」にはお食事メニューもあるのです。カレーライスや玉子丼が300円、カツカレー、コロッケカレー、カツ丼などが500円。お目当てのきしめんももちろんあって200円。野菜天や山菜、月見などのきしめんは300円という安さの上に、「ランチセット」として好きな食事メニュー(麺類や揚げ物)にプラス100円で目玉焼き・生卵・ミニ冷奴いずれか1品と小ライスが付くのです。

さっそく店内に入ると、店内は直線の立ち飲みカウンターだけで、立ち飲みカウンターとガラスの引き戸の間はせまくて、立ち飲んでいる人の後ろをかろうじてすり抜けられる程度。そのカウンターは9割がた埋まっている状態です。

なんとかすき間を見つけて立ち、
「野菜天きしめんのランチセットをお願いします。セットは生卵で」と注文すると、
「生卵はきしめんに落としますか?」とカウンターの中のおばちゃん。
「はい。そうしてください」
「400円です」
なるほど、キャッシュ・オン・オーダー(注文したとき払い)なんですね。

店は注文をとってくれたおばちゃんと、フライヤーの前で天ぷらを揚げているおにいさんのふたりで切り盛り中。こんな安い値段ながら、天ぷらはすべて通し揚げで、注文を受けてから揚げている様子です。もちろん私が注文した野菜天きしめんの野菜天も、今、揚げられ始めました。

水を飲みながら待つことしばし。出されたきしめんは揚げ立ての野菜天のほかに、蒲鉾とカツオ節、そして刻みネギがたっぷりとのって、ランチセットの生卵も入れられています。そしてそれとは別にランチセットの小ライス。

ツルツルときしめんをいただきながら、まわりの様子を観察してみると、この時間帯ながら食事だけの人は、私も含めて3~4人ほど。残る7~8人ほどはビールを飲んだりサワーを飲んだり。一番端っこにいるおじさんなんか、すでに完全に酔っぱらっていて目が据わっちゃってる状態です。

うーむ。こんなに安い値段だったら、入場券(140円)を買って入って飲んでも十分なほどです。ここが通勤経路だったら毎日でも寄っちゃいそうだなぁ。

おもしろい。次はぜひ飲みに来なくちゃね。
「どうもごちそうさま」と声をかけてカウンターを離れると、おばちゃんとおにいさんのふたりから
「どうもありがとうございました!」と声がかかります。
さぁ、これから仕事だ!

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「どえりゃあ亭」 / 入口 / 野菜天きしめんのランチセット

店情報

《平成19(2007)年3月14日(水)の記録》

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店情報: 立ち飲み「どえりゃあ亭」(名古屋駅ホーム)

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  • 店名: 立ち飲み「どえりゃあ亭」
  • 電話: 052-583-6300
  • 住所: 450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4
  • 営業: 11:00-21:00、無休
  • 場所: JR名古屋駅3・4番線ホーム上
  • メモ: 総菜類は冷奴、湯豆腐、枝豆、じゃこおろし、ポテトサラダ、イカ炙り焼き、野菜天つま、オニオンスライス、おでん(コンニャク、大根、厚揚げ、丸天、たまご)(以上各100円)、豚肉生姜焼き、味噌かつ、野菜コロッケ、鶏の唐揚げ、ハムエッグ、子持ちししゃもとピリ辛揚げ、きのこと山菜ずくし、たこわさび、カレーソース、玉子丼の具(以上各200円)、野菜天具(300円)、カツ丼の具(400円)など。御飯類は稲荷寿司(2個)、ライス(以上各100円)、カレーライス、玉子丼(以上各300円)、野菜天丼(400円)、カツカレー、コロッケカレー、カツ丼(以上各500円)など。麺類はきしめん・そばともにかけ(200円)、野菜天、山菜、月見、冷やしおろし(以上各300円)、カレー(400円)など。「ランチセット」として好きな食事メニュー(麺類や揚げ物)にプラス100円で目玉焼き・生卵・ミニ冷奴いずれか1品と小ライスが付く。生ビール(マグナムドライ、300円)、日本酒(男山、200円)、甲類焼酎「大樹氷」(湯、水、ウーロン茶、ロック各200円)、芋焼酎「黒丸」(湯、水、ウーロン茶、ロック各300円)、梅サワー、ライムサワー、レモンサワー(各200円)、ウイスキー「ホワイト」(湯、水、ロック、ハイボール、各200円)、ウーロン茶(100円)など。(2007年3月調べ)

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天然真鯛の夕食会 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

関東では刺身といえばなんといってもマグロですが、西日本方面では真鯛が喜ばれます。先日、「竹よし」で飲んでいるときに「次の食事会のテーマは何がいいだろう」と考えている店主に、「春だから鯛もいいですねぇ」と話していたら、本当にそれを実現してくれました。やったね!

第64回となる夕食会は、「開店15周年の前夜祭」(店は平成5(1993)年3月11日創業)と銘打って、食材は3.3kgあるという四国鳴門海峡周辺の天然真鯛を中心に、養殖の真鯛もたくさん。こうやって天然物と養殖物を並べると、天然物の鮮やかな色彩がきわだちますねぇ。単独で見ると赤い養殖物ですが、天然物と並べると黒々と感じてしまいます。

真鯛の刺身は普通の刺身のほかに、松皮造りも出されます。松皮造りというのは3枚におろした身を、皮をむかずに熱湯をかけて氷水で冷やし刺身にしたもの。鯛の身と一緒に皮のおいしさも味わえる一品です。合わせて出されたのはノレソレ(穴子の稚魚)。これまた春が来た感じがしますねぇ。

真鯛は塩焼きでも楽しみます。しっかりとした身が鯛の身上。淡白なようでいて、噛むほどにジワッとあふれる旨みが、この魚が人気があるゆえんなんでしょうねぇ。

鯛のカブト(頭)は、包丁1本でスパッと左右に割ることができるのだそうで、それを店主が実演して見せてくれます。頭の部分は、本当にザザザッという刃音も軽やかに割れていきますが、そこから胸肉のあたりにいくところでこれ以上切れなくなります。この先は硬い骨がある部分なんだそうで、まな板の上で包丁をガンガンと叩くように当てて完全に割り切ります。いやぁ、素晴らしい。きれいにまっぷたつです。

鯛のカブトは丸皿にのせてお酒をふりかけて蒸し器へ。鯛カブト酒蒸しができあがります。しっかりと歯応えがあった塩焼きに対して、こちら酒蒸しはふんわりととてもやわらかい。

潮汁(うしおじる)もできあがってきました。真鯛の出汁(だし)がたっぷりと出た潮汁は、それだけで絶品の肴(さかな)になって、お酒が進むこと進むこと。

そして鯛めし。鯛の身やカブトを入れただけでなく、鯛の出汁で炊き上げたという鯛めしは贅沢そのもの。骨を取って、木桶で全体を混ぜ合わせるとおいしそうな香りが店全体を包みます。お焦げがあるのもうれしいですねぇ。混ぜ合わせてる横から「ちょっと失礼」とお焦げの部分をつまみ食い。うまぁーっ!

「大贅沢をしてもいいかなぁ」と鯛めしに潮汁をかけていただくと、これがまた声が出ないほどおいしい!! 香りも味わも、体中すべてが鯛・鯛・鯛・鯛って感じ。んーーーっ。おかわりください。

最後は夕食会ならではの珍味もの。真鯛のウロコの天ぷらと、真鯛の子(卵巣)や内臓の玉子とじです。「ウロコを揚げてみようか」という店主の提案に、最初はウロコを素揚げして塩で食べるのかな、と思っていたのですが、天ぷらとは驚きです。鯛の子の煮付けも、西日本方面では定番ですが、内臓とともに玉子とじというのははじめていただきますねぇ。ネギや春雨もたっぷり入っていて、このままご飯にかけて丼にしてもおいしいかも!

「始まったころの夕食会はどんな食材だったんですか」という質問も出て、店主が古い資料を探してくれます。それによると、初期のころのある1年間の主食材は1月:活じめたら、2月:あんこう、3月:白身魚のしゃぶしゃぶ、4月:いわし・あじ、5月:かつお、6月:毛がに・たらばがに、7月:岩がき、8月:はも、9月:穴子、10月:関さば・関あじ、11月:かわはぎ、12月:寒ぶりというラインナップ。冬場のタラ、アンコウ、ブリ、そして初夏のカツオ、夏場のハモ、アナゴは昔から続いてるんですね。

午後9時終了がメドなのですが、みなさんとワイワイ楽しく過ごすうちに、今回もまた気がつけば10時前。いつも遅くなってしまいすみません。

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天然真鯛と養殖鯛 / ミニ活サザエ煮 / 真鯛の塩焼き

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なおとんさん作・豚耳サラダ / のれそれ / なおとんさん作・豆のサラダ

070310g 070310h 070310i
真鯛の刺身 / 鯛の潮汁 / 潮汁をお椀に

070310j 070310k 070310l
炊きあがった鯛めし / 木桶で混ぜて / 潮汁をかけて食べる

070310m 070310n 070310o
鯛かぶとに包丁を入れて / ザザザッと割って / 左右にまっぷたつ

070310p 070310q 070310r
鯛かぶとの酒蒸し / 珍味・鯛ウロコの天ぷら / 鯛の子(卵巣)や内臓の玉子とじ

070310s 070310t 070310u
「黒龍 いっちょらい」 / 「浦霞」 / 「魚沼」

070310v 070310w 070310x
「吉田蔵」 / 「酔鯨」 / 鯛めしのおにぎり

店情報前回

《平成19(2007)年3月10日(土)の記録》

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中華を囲んで同窓会!? … 中華料理「湘園(しょうえん)」(新橋)

かつて(1995年4月~2003年3月)Nifty-Serve(現在の@nifty)に「知的生産の技術フォーラム」というフォーラム(=特定のテーマに関する掲示板のようなもの)があり、私もそこでスタッフをさせていただいていました。その当時、同じくスタッフとして活躍されていて、今も知研(知的生産の技術研究会)理事・関西支部代表でAll About「企業のIT活用」のガイドもされている水谷哲也さんがお仕事の関係で上京され、久しぶりに当時のメンバーが、まるで同窓会のように集まったのは新橋の中華料理屋「湘園」です。

店を選んで予約してくれたのは、同じく当時フォーラムで活躍されていて、現在は建築プロデューサーというお仕事をされている鳥羽展維(とば・のぶゆき)さん。中華料理には非常に詳しくて、今日もお店の人(みなさん中国の方らしい)に「本場風の味つけで」とお願いしてくれているのだそうです。

「湘園」はビルの1階から3階まである大きなお店。人気のあるお店らしく、その店内はほぼ満席です。生ビールをもらって乾杯すると、まず出されたのは三種冷菜の盛合せ。ピータン、チャーシューと蒸し鶏です。

生ビールを飲み干したところで、甕出しの紹興酒を燗をつけてもらったものに切り替えたのは同じく知研の理事で、ウイークエンドマスターとして有名な小石雄一さん。著書も多くて、勉強会なども精力的に開催されたりしているのです。

料理のほうは豚足の蒸し物(504円)に鶏もみじの蒸し物(504円)です。とろりとやわらかな豚足もさることながら、鶏もみじのプリプリ感がいいですねぇ。八角の香りも心地よい。

「うーん。飲めないのが残念だなぁ」とウーロン茶を飲みながらつぶやくのは、フォーラム当時にスタッフをされていて、現在は週末ポッドキャスターとして活躍中の海老名要一さん。海老名さんは今日の昼間、おできを除去する小さい手術をされたのだそうで、今日は1日飲むことができないのでした。ポッドキャスティングというのはインターネット上で音声や動画などのいわゆるマルチメディアデータファイルを公開する方法のひとつで、小さいインターネット放送局のようなことができるそうなのです。海老名さんはポッドキャスティングに関する講演なども行っています。

続いて出された料理は芝エビのチリソース(1,029円)と手造り小龍包(6個525円)。

「小龍包(しょうろんぽう)は、汁がこぼれないようにレンゲにのせて食べるといいんですよ」と鳥羽さんが教えてくれます。小龍包は、小さな肉まんのようなものなんですが、中の肉餡がスープたっぷりなのが大きな特徴。熱々に蒸しあがったところをパクリといただくと、中からこれまた熱々のスープが飛び出してくるのです。だから熱々を我慢しながらひと口で食べてしまうか、先に小龍包に唇を付けてスープを吸い込むかして食べていたのですが、なるほどこうやってレンゲの上にのせて食べれば、あふれ出たスープもあとで飲むことができますね!

「小龍包、はじめて食べました!」と話すのは、フォーラム当時はまだ大学生だった大橋悦夫さん。しばらく会社勤めをされたあと、若くしてサイバーローグ研究所を立ち上げた大橋さんは、すでに何冊かの著書も出されているのです。近著は「スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術」。みなさんフォーラムなきあとも「知的生産の技術」を研究し続けられてるんですねぇ!

料理は焼きビーフン(924円)に大根もち(2個399円)、そして鳥羽さんが注文してくれたメニューにはないトマトと玉子の炒め。さらに四川麻婆豆腐(714円)もいただきますが、それをひと目見た鳥羽さんは
「ん!? これは本場風じゃなくて、日本風にアレンジした麻婆豆腐だ。ごめんごめん。もう1回ちゃんとしたのを出してもらいますから」
この店は料理人もみなさん中国の方なのですが、日本では日本風にアレンジした料理のほうが好まれるので、特別に指定しない限り日本向けアレンジの料理が出されるのだそうです。麻婆豆腐と一緒にごはんをもらって、そのごはんの上に麻婆豆腐をのせて、麻婆丼風にいただきます。

今日の紅一点は、これまたフォーラム時代から活躍されていたもとさんです。男性諸氏が実生活(著書等)はもちろん、ネット上でも実名で活躍されている方たちばかりなので、ハンドルネームでの登場がなんだか新鮮味を感じますね。

さらに水餃子(6個525円)やマーボ春雨、マーボナス(924円)にチンゲン菜の炒めをいただいて、最後はこの店の名物のひとつらしいマンゴープディン(399円)でシメ。

紹興酒もたっぷりといただいて、会計はひとり5千円でした。

070309a 070309b 070309c
「湘園」 / 三種冷菜の盛合せ / 豚足の蒸し物

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鶏もみじの蒸し物 / 芝エビのチリソース / 手造り小龍包

070309g 070309h 070309i
小龍包はレンゲにのせて / 焼きビーフン / トマトと玉子の炒め

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大根もち / 四川麻婆豆腐(日本風) / 水餃子

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小皿に取った水餃子 / マーボ春雨 / 四川麻婆豆腐(本場風)

070309p 070309q 070309r
マーボナス / チンゲン菜の炒め / マンゴープディン

店情報

《平成19(2007)年3月9日(金)の記録》

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店情報: 中華料理「湘園(しょうえん)」(新橋)

    070309z
  • 店名: 中国料理・香港飲茶「湘園」(しょうえん)
  • 電話: 03-3501-2251
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋2-10-1 NKビル
  • 営業: 11:00-04:00(土日祝は -24:00)、無休
  • 場所: JR新橋駅日比谷口、地下鉄銀座線新橋駅6番出口、地下鉄都営三田線内幸町駅からそれぞれ徒歩2分ほど。JR新橋駅日比谷口からはSL広場とニュー新橋ビルの間の道を西新橋・虎ノ門方向に直進し、次の信号交差点(新橋三丁目交番前第二)を渡った先、左手二つ目のビル。
  • メモ: 中国人料理長が作る本場の料理が売り。総席数86席とけっこう大きい店である。手造り小龍包525、焼餃子399、水餃子525、大根もち399、鶏もみじの蒸し物504、豚足の蒸し物504、四川麻婆豆腐714、空心菜炒め1,344、芝エビのチリソース1,029、湘園ラーメン525、マンゴープディン399など。宴会コースもあり。ぐるなびあり

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