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いつもあるのに幻の煮込み!? … 居酒屋「河本(かわもと)」(木場)

先日、時々むしょうに食べたいウナギ串焼きのことを書きましたが、同じようにしばらく間があくと食べたくなるのが「河本」の煮込みや豆腐です。

中野「石松」の煮込みが、いつもはない(むしろめったにない)から“幻の煮込み”と言われてるのに対して、ここ「河本」の煮込みは毎日必ずあります。がしかし! ここは営業時間が午後4時から8時までと、とにかく閉店が早いのです。なにしろ8時にはピシャっと閉まりますから、7時45分くらいから片付けが始まります。つまり、この店に入ろうと思ったら、それまでに入らないといけないのです。

こうなると、平日に横浜での仕事を終えてから「河本」で飲むというのは不可能に近い。せっかく毎日用意されている「河本」の煮込みながら、こちらは地理的・時間的になかなか行くことができず、私にとって「石松」とは別の意味での“幻の煮込み”になっているのでした。

日祝と第2土が定休日の「河本」に、私が(都内での仕事の場合などをのぞいて)普通に行くことができるのは定休日以外の土曜日だけ。そんなわけで、3月最後の土曜日(第5土曜日)となる今日、にっきーさんと示し合わせて、久しぶりとなる「河本」にやってきました。

店に着いたのは、開店から30分後となる午後4時半。「こんにちは」と入った店内は、すでに満席に近いお客さんで、ポツン、ポツンと間をあけて2席が空いているのみ。そのうちの1席がちょうどカウンターの口が開いたところだったので、そこに補助イス(といっても普通のイスと同じ)を置いて、やや窮屈ながら二人で並んで座ります。

「河本」のイスは天板が長方形で、横から見ると台形。これを好みに合わせて縦にしたり、横にしたりしながら座るのです。個人的には縦にして、またがるように座ることが多いかな。横のほうが幅は広くて座りやすいんだけど、酔ってくるとドスンと落ちそうで怖いのです。よくいるんですよぉ、デーンとひっくり返る人!(笑)

飲み物はもちろんホッピー(300円)を注文。「はい。ホッピーね」と返事したマスミちゃん(=この店の女将さん)が、手馴れた手つきで、コカコーラの1リットル瓶に冷された焼酎を計量グラスでホッピージョッキに入れてくれ、それとは別に瓶入りホッピーの栓をポンッと抜いて目の前に置いてくれます。

ホッピージョッキには星(★)のマークがふたつ付いていて、下の星まで焼酎を入れると約70ml、上の星だと約110ml。ここ「河本」の焼酎は、ちょうど上の星(110ml)のところまで入っている強力なもの。だからイスから落ちる人も出てくるんですね。ちなみに焼酎はもちろん下町の定番・金宮焼酎です。

さぁ、そしてまずはなんと言っても煮込み(200円)ですね。「河本」の煮込みはシロ(腸)とコンニャクだけのシンプルなもの。これを注文に応じてマスミちゃんが小皿によそってくれるのです。こんなシンプルこの上ない煮込みなのに、そのシロの裏側にたっぷりとついた脂のうまいことといったら! 煮込み・ホッピー・煮込み・ホッピー・……とこの繰り返しだけでも十分なほどなのです。

メニューには書いてないのですが、実はここの煮込み鍋の中には玉子も入っていて「煮込みを玉子入りでください」と注文すると、マスミちゃんが「はいはい。ニコタマね」と、玉子入りの煮込み(こちらも同じく200円)をよそってくれるのです。この場合は玉子が入る代わりに、もつ煮込みの量が少なくなります。個人的には最初にニコタマを、そしておかわりするときに普通の煮込みを注文することが多いかな。

そしてこの店のもうひとつの名物が豆腐。冬場は湯豆腐で、夏場は冷奴(やっこさん)で出される「河本」の豆腐は「大」(どかんと豆腐一丁分)が200円、「小」(半丁分)が100円。煮込みとならんで多くの人が注文する人気の品です。

さらにさらに冬場ならではの豆腐の楽しみ方が、この店のおでんに入っている豆腐です。

おでんは、おまかせ5個で300円と、これまた安いのですが、この中に自分の好きなものを1~2品ほど(何品まで可能かは試してみたことがありませんが)入れてもらうことができるのです。

「おでんを、豆腐を入れてお願いします」

こう注文すると、今日は豆腐にちくわ、さつま揚げ、なると、ごぼう天をよそってくれました。

ここの豆腐は腰のしっかりとした木綿豆腐なのですが、このおでんに入っている豆腐が、おでんの出汁(だし)がものすごく染みていて、とてつもなくうまいのです。

なんでこんなによく出汁が染みるんだろうなぁと思って、この記事を書くにあたってインターネットを調べてみると、答えは意外に近くにありました。酒友・くまさんのブログ「深川的日常」の記事によれば、その日売れ残った湯豆腐が、翌日おでん鍋に移されて、おでんの具として生まれ変わるのだそうです。前の日に湯豆腐として温められた豆腐は、おでんつゆがよく沁みてとても美味しくなるというのが、この店のおでん豆腐の味の秘密のようです。

この記事がブログに載る頃には、もう「河本」のおでんの季節は終わっているかもしれませんが、ぜひ「河本」のおでん豆腐を試してみてください。絶品です!(冷奴+塩辛も好きです。)

ちょうど1時間の滞在、ふたりでホッピー3杯に、煮込みとおでんをいただいて、今日は1,400円(ひとりあたり700円)でした。どうもごちそうさま。

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ホッピー / にこみ / おでん

店情報前回

《平成19(2007)年3月31日(土)の記録》

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