一人1本限定の名物たたき … 居酒屋「秋田屋(あきたや)」(浜松町)
都内での仕事を終えて、春の嵐のような大雨の中をやってきたのは浜松町の「秋田屋」です。いつも多くの人でごった返している「秋田屋」ですが、さすがにこの天候とあって、午後5時過ぎという時間ながら人はそれほど多くないようです。なにしろ午後3時半オープンなので、通常だとこの時間帯だとすでに人があふれかえっている頃なのです。
雨よけのビニールシートを開け「ひとりです」と店内に入ると、フロアにいた店のおばちゃんから「ちょっと待ってね」と声がかかります。店内は左手の厨房との仕切りのところにカウンターがあり、右側はずらりとテーブル席。そのカウンターはあいにく満席で、テーブル席にも空きはない様子。なるほど、外にあふれていないだけで、店内は満席状態だったんですね。
「じゃあ、ここに立って飲みます」と入口左手の立ち飲みカウンターを指さすと「はーい。すみません」と返事がかえります。
厨房の周りを取り囲むように立ち飲みカウンターがついていて、そこも雨よけのビニールシートで覆われています。他に店外に酒ケースを重ねたような立ち飲みテーブルもあるのですが、さすがにこの雨の中ではそこに立って飲む人はいないようです。
「お酒を燗で」とお願いすると「はいっ」という返事とほぼ同時にスッと徳利と小さなグラスが出されます。お酒は「高清水」の本醸造で、かなり大ぶりの徳利なんですが、これがこの店では小徳利で550円。カウンター上の燗付け器(お湯が張られた四角いケース)の中に、徳利がずらりと並んでスタンバイされていて、注文するとそのうちの1本を出してくれるのです。
肴(さかな)は煮込み豆腐(450円)と、名物のタタキ(肉だんご、220円)を注文します。「はい」と受けてくれるおばちゃんは、給食のおばさんのように白い上っ張りに、三角巾、そして青いエプロン姿。おばちゃんは何人かいるのですが、これが制服のようで、みなさん同じ格好です。男性店員さんもみなさん白い上っ張りです。
煮込み豆腐は、カウンターの内側にデンと置かれた煮込み鍋の中からつがれます。この店の煮込みは3種類。今注文した煮込み豆腐と、普通の煮込み(450円)、そして豚スジ煮込み(400円)です。煮込み豆腐と煮込みは牛モツ(小腸と第4胃(ギアラ))を煮込んだもので、豚スジ煮込みは、その名のとおり豚の煮込みです。
煮込み豆腐には、同じ煮込み鍋の中で煮込まれた焼き豆腐が3個入り、刻みネギがトッピングされています。普通の煮込みのほうは焼き豆腐が1個になるかわりに牛モツの量が多くなったもの。味つけは塩をベースに、醤油と白味噌を風味付け程度に使ったものなのだそうです。
ハフハフとその煮込み豆腐を食べ終わるころにタタキも焼きあがってきました。タタキは豚ナンコツの入ったツクネ団子で、仕上げに青海苔がかけられています。このタタキ、豚1頭から2串分しか取れないのだそうで、1日120本程度しか作れない。だからこのタタキは「お一人様1串限り」の限定品ですが、ほとんどのお客さんが注文する人気の品です。ナンコツが入っているので、ときどきコリッとした食感があるのがいいですね。
もつ焼きは2本一皿で320円。テッポウ、レバー、タン、ハツ、ナンコツ、コブクロ、ホルモン、ガツ、カシラの8種類があるのですが、ホルモンはシロ(腸)ではなくて玉(睾丸)のことのようです。焼き方はタレ、塩が選べるほか、「辛いの」とお願いすると練り辛子も添えてくれるようです。
もつ焼き以外にもタコ、イカ、ゲソ、ホタテなども焼いてもらえ(400~500円ほど)、野菜焼きはネギ、シシトウなどが2本一皿で300円。他にはワカメ酢(400円)やモロキュウ(350円)、奴豆腐(350円)に、これまた人気の自家製のお新香(ぬか漬、300円)などもあります。
浜松町といえば、大島、新島、八丈島方面へと向かう竹芝客船ターミナルのある町。そのせいか、この店にも新島直送のクサヤが、大きさに応じて3種類(大1,600円、中800円、小600円)用意されているようです。
午後6時過ぎまで軽く1時間ほどの立ち飲みタイム。お勘定は1,220円でした。
「ごちそうさま」と店を出ると、さっきまであれほど大雨だったのに、もうすっかり雨も上がってきたようです。熱帯地方のスコールのような雨だったんですね。
・店情報
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コメント
昨日、秋田屋デビューしました。
焼きトン好きにはたまらないお店ですね。
たたきも気に入りました。
投稿: ももパパ | 2007.07.18 13:28