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ウズラ玉子入り幻の煮込み … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

路傍」を出て、「せっかくの中野なので、ぜひもう1軒」と向かったのはもつ焼きの「石松」です。

橋本さんも「何度か近くを探したんだけど見つけることができなかった」とおっしゃる「石松」。今日も店外にはまったく灯りもついていない状態で、ひそやかに営業されています。なるほどなぁ。ここに「石松」があると知ってるとすぐに来れるんだけど、知らない人にとっては、ここを発見すること自体がむずかしいかもね。

焼き台の窓の外からのぞいた店内は満席の様子ですが、店主(マスター)に「3人です」と指を3本立てると、「補助イスに座って、あとは立って飲んで」と、なんとか入れそう。いやぁ、良かったですねぇ。

「こんばんは、こんばんは」と声をかけながら、カウンターにずらりと並ぶ常連さんたちの背後を店の奥へと進みます。なにしろ直線カウンター8席だけの店内はすぐに満席になるのです。その定員8席分を超えたときに使われるのが、カウンターの中に1席だけ用意された特別席と、カウンターの外、一番奥のところに置かれる折畳式の補助イスなのです。

カウンターの一番奥は跳ね上げ式になっていて、通常は跳ね上げられています。店内が満席になって補助イスを使うときだけ、これを下げてカウンターの一部として使うのです。この状態になると店主はカウンターの外に出ることができなくなってしまうほか、特別席がちょうど飲み物冷蔵庫の前にあるので、ホッピーやビールなど冷蔵庫の中に入っているものの出し入れが難しくなります。

また折畳式の補助イスが置かれるのは、ちょうどトイレの入口前。だれかがトイレに立つと、補助イスに座っている人は、そのたびに立ち上がってトイレの扉を開けることができる状態にしないといけないのでした。

今日は橋本さんにカウンター内の特別席に座っていただき、倉嶋さんは折り畳みの補助イスに、そして私が立ち飲みで、キープボトル(金宮)でホッピーや生茶割りを作って乾杯です。

何人かでやってくると、それぞれ違うお通しを出してくれるのが「石松」のいいところ。今日はモヤシ、豚耳、冷やっこの3品です。

カウンターの中では店主がこの店の名物のひとつ、ツクネをこねはじめたところ。この店のツクネは注文を受けてからこねはじめ、それを丸めて茹でて串を打ち、そのまま焼きあげる人気の品。さっそく我われも便乗注文です。

しばらくするとカウンターも空いたので、カウンターも跳ね上げて、補助席も折り畳み正規の場所に移動します。

今日は土曜日ということもあって、残念ながらレバ刺しはなし。それを残念がっていたら、近くに座っていた大常連のM先生から「今日はコブクロ刺しがありますよ」と声がかかり、さっそくそのコブクロ刺しをいただきます。

ついさっきまで「路傍」で身体が清められるような酒肴(しゅこう)をいただいていたのに、ここ「石松」では一転して焼酎に内臓(もつ)の刺身と、元気モリモリ系に大変身。どちらが良いとか悪いとかじゃなくて、どちらも好きなのが酒飲みたる所以(ゆえん)ですよねぇ。

「楊貴妃はきれいな顔で豚を食い」という古い川柳がありますが、美人編集長の倉嶋さんも、さすがに酒場の本を出そうかというだけあって、春の山菜からモツ焼きまでなんでもOKなんですね!

そしてその内臓料理の極めつけ、幻とも言われている「石松」の煮込み(380円)も登場です。しっかりした食感を残しながらも、口の中でとろける絶妙のバランスのシロを中心として、今日はなんとウズラの玉子まで入ってますよーっ!

このニコタマ(煮込み玉子入り)はいいなぁ。なにしろ玉子が一口で食べられるほど小さいので、煮込みのスープがたっぷりと絡んだ状態でいただけるのです。残念なのは玉子が1個しかないこと。一口で終わっちゃいました(涙)

ウズラの玉子が5個くらい入った幻のニコタマがあるといいなぁ。。。

さて今日の集まり。実は橋本さんも倉嶋さんも、お会いするのは今日がはじめて。倉嶋さんが編集長として創刊される「TOKIO古典酒場」紙上で、「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本さん、「酔わせて下町」のFさんと対談させていただいたのでした。残念ながらFさんはお仕事関係の別件があってそちらに向かわれ、残る3人で中野へとやってきた次第です。対談の様子は、4月16日(月)発売予定の「TOKIO古典酒場」創刊号(980円)に載っていると思いますので、よろしければ読んでみてください。

気がつくともう午後10時半(1時間ちょっとの滞在)。お勘定は3人で2,730円(ひとりあたり910円)でした。

「今日もごちそうさま」と店を出て、中野駅で橋本さん、倉嶋さんと解散。初対面ながら、初対面とも思えず盛りあがるのは互いに同じ嗜好(酒場好き)を持っているからでしょうか。久しぶりにFさんともお会いできたし、とても楽しい1日でした。「TOKIO古典酒場」がどんな本に仕上がっているのか、私も楽しみです!

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お通しのモヤシ、豚耳、冷やっこ / ツクネを支度中の店主 / ツクネ(タレ・塩)

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コブクロ刺し / ウズラ玉子入りの幻の煮込み

店情報前回

《平成19(2007)年3月24日(土)の記録》

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大久保駅で渋谷方面に帰る3人と別れ、ひとり中央線でやってきたのは中野です。「近くの名店を探る」。2~3軒の新しいお店や久しぶりのお店を回ったあと、いつも最後は行きつけのお店でシメです。初回の荻窪~阿佐ヶ谷編では「ペルル」で、2回目の西国分寺~武蔵小金井編では「やき屋」でした。今回、高田馬場~大久保編のシメは、中野にあるもつ焼きの名店「石松」です。 中野駅の北側に広がる中野5丁目エリア。ここが中央線... [続きを読む]

受信: 2007.05.24 07:42

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