荻窪でうなぎの串焼き … うなぎ「川勢(かわせい)」(荻窪)
この春連休の間に、近くにあるのに、なかなか行けていないようなお店を探ってみたい。題して「近くの名店を探る」。その第一弾としてやってきたのは荻窪駅です。この近くにも、いろんなお店があるのに、このところお馴染みの何軒かにしか行くことができてません。せっかくの大型連休なので、はじめて行くお店、久しぶりとなるお店に足を運んでみようと思っているのです。
その「近くの名店を探る」。栄えある1軒目は、久しぶり(4年ぶり?)となるお店、うなぎ串焼きの「川勢」です。
うなぎの串焼きといえば、中央線沿線だと新宿「カブト」や中野「川二郎」が有名。ここ「川勢」の店主は、その「川二郎」で修業をしてこの店を開いたんだそうで、今でも「川二郎」の店主のことを「親方」と呼んでいます。
土曜日午後5時半の店内は先客は5人。店内はL字カウンター10席分程度(←ギュッと詰めた場合)しかないので、これでももう半分が埋まった状態です。
ちょうど焼き台の前あたりに陣取って、まずは燗酒(新政、320円)と串焼きの一揃(ひとそろい)を注文すると、お通しには「川二郎」と同じく、小皿に盛られたキャベツの紫蘇和えが出されます。
今日はちょっと前まで雷をともなう大雨が降っていたのですが、その雨があがるとともに気温がグンと低下して、とてもゴールデンウイークとは思えないくらいの肌寒さ。あったかい燗酒が心地好いですねぇ。
まず出された3本はヒレ焼、バラ焼、キモ焼の3本(各190円)。
ヒレ焼というのはうなぎの背ビレや腹ビレを、ニラとともに串に巻いて焼いたもので、「川二郎」「川勢」グループの名物でもあります。ヒレといいつつも、なにしろうなぎのヒレなので、もともと細長いものだし、ニラと一緒に食べるということもあって、ざらついたりする食感はまったくなくて、うまみたっぷり。
バラ焼は、うなぎの腹骨のところを集めて串に刺し、焼いたもの。豚肉で言えばスペアリブ、仔羊肉で言えばラムラックに相当する部分です。これももともと骨が細いというこもあって、まったくざらつかない。骨ぎわの肉のうまみだけをギュッと凝縮したような一品なのです。
キモ焼は、うなぎの内臓のうち、レバー以外を串に刺して焼いたもの。居酒屋でウナギ串などの名前で出されるものと同じ内容ですが、「川二郎」「川勢」など、うなぎ串焼き専門店で食べるキモ焼は弾力感と口の中で感じる香りがまったく違う。これは、普通の居酒屋で出されるもつ焼きと、もつ焼き専門店のもつ焼きの違いと似ていると思います。素材の鮮度と焼き方でこんなに違いが出るのかと思わせる一品です。
2巡目で八幡巻(260円)、串巻(190円)、レバ焼(190円)の3本が出されて一揃(6本、1,210円)が出そろいます。
レバ焼は、さきほどキモ焼には入れられなかったレバーだけを集めて串焼きにしたもの。うなぎのレバーは小さくてもプリプリで、しかもまったくと言っていいほどクセがない。レバー嫌いの人でも絶対に食べることができると思います。
串巻はうなぎの身を、縦に細く割いてくねらせるように串に刺して焼いたもの。いわゆる、くりから焼という焼き方です。ヒレやバラ、キモもさることながら、やっぱりうなぎの身もおいしいなぁ、と改めて感じさせられる一品です。火の通りかたがちょうどいいのか、うなぎの身のプリプリとした食感もしっかりと残っています。
八幡巻は、串巻と同じ細割きのうなぎの身を、細長く切ったゴボウのまわりに巻いたもの。ドジョウとゴボウが合うように、うなぎとゴボウも実によく合うのです。ゴボウの淡泊さと、うなぎの脂っこさ。ゴボウのコリコリ感と、うなぎのふっくら感の対比がいいんでしょうか。
一揃のうなぎ串焼き6本が出終わったところで、メニューに残っているうなぎ串焼きはエリ焼(190円)とハス焼(190円)、短冊(260円)の3種類。これらの中からエリ焼を追加注文して、燗酒(320円)もおかわりです。
エリ焼は、まさにうなぎのエリ(首まわり)あたりの肉を焼いたもの。うなぎの串焼きを食べさせる店では、カブトとか頭といった名称で、うなぎの頭の部分全体を食べさせるところが多いのですが、「川二郎」「川勢」グループでは、その頭部分の下ごしらえにもう一手間かけて、頭の先や、中の硬い骨の部分を取り除き、首まわりの肉だけを取り出しています。したがって、できあがったエリ焼も、骨を出したりすることなく、すべて食べられるのです。
最後に肝吸い(200円)をもらって、それを肴に、このために残しておいた燗酒をちびちびといただいて終了です。お勘定は2,270円でした。
お通しのキャベツと燗酒 / ヒレ焼、バラ焼、キモ焼 / 八幡巻、串巻、レバ焼
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