創業40年の人気店 … 焼き鳥「鳥やす本店(とりやすほんてん)」(高田馬場)
9連休も中日(なかび)となる5日目(5月2日)。家族はみんな学校などで外出し、朝からひとりでのーんびりと過ごし、夕方、そろそろみんなが帰って来るかという頃に外出です。この連休のテーマは「近くの名店を探る」。第一弾は荻窪、阿佐ヶ谷方面。第二弾は西国分寺、武蔵小金井方面でした。第三弾となる今日は高田馬場から大久保方面に行ってみようと思っています。
まず高田馬場。この街には「真菜板」(03-3362-1198、高田馬場3-33-3)や「一歩」(03-3361-1375、高田馬場3-11-10)、「傘亭」(03-3364-5758、高田馬場3-33-5)、「樽一」など、行ってみたいお店が何軒かある地域ですが、今日はそんな中にあって「高田馬場と言えば」という冠詞を付けて呼ばれるほどの焼き鳥屋、「鳥やす本店」に行ってみたいと思います。
実は東京に出てきてすぐの頃(20年ほど前)、同じ「鳥やす」の支店には連れて行ってもらったことがあるのですが、栄通り商店街の奥にあるという本店に行くのは今回がはじめて。高田馬場駅で、今日は昼過ぎから飲んでいたという酒友・呑んだフルさんと合流し、ふたりで「鳥やす本店」を目指します。
店に着いたのは午後5時ちょっと過ぎ。この店は午後5時の開店なので、たった今、開いたばかりといったところですね。
店内は、入るとすぐに2階へと上る階段などがあり、その奥が1階フロア。右手に7~8席分の直線カウンターがあり、左手はずらりとテーブル席。
開店直後とあって、先客はカウンターにいる男性ひとり客だけ。我われもカウンターかな、と思っているところへ、男性店員さんが「こちらにどうぞ」とテーブル席を指し示してくれます。後でわかったのですが、カウンター席には、常連さんらしき男性ひとり客が、この後続々とやってきて、開店後40分ほどで全席が埋まってしまいました。このお客さんたちのために、カウンターを空けておこうとしたんですね。
さて、テーブル席に座った我われ。フルさんは生レモンサワー(470円)、私は得生ビール(490円)をもらって乾杯です。
この店の生ビールには普通の中ジョッキ(420円)と、それより大きめのサイズの「お得な生中ジョッキ、略して“得生”(490円)」(←メニュー上の表現)があるのだそうです。私は普通に「生ビール」と注文したのですが、自動的にこの“得生”になったようです。
またチューハイ類も、レモンサワー、ウーロンハイ、梅サワーなどは、普通のサワーグラスで出されて300円なのですが、生グレープフルーツサワーと生レモンサワーの2品は、“得生”と同じ大きなジョッキで出されて420円。けっこうなボリュームです。
お通しとして出されたのは、うずらの卵(生)が1個のった大根おろし(小おろし、60円)。店内には「通は『大おろし』で食う」というキャッチフレーズが張り出されていて、メニューにも「塩焼の手羽先・ぼんちり等は山盛りの大根おろしと一緒に食べると油が中和されてサッパリし、最高です。おろしがなくなったらおかわりを。大おろし(180円)、小おろし(60円)。ご来店時にご注文いただければお通しを大おろしでお出しします」と書かれています。
その大根おろしの相方となる焼き鳥は、なんと1本60円から! たとえばモツ(レバー)と砂肝が60円で、はさみ(ネギ間)や正肉、皮、ハツ(鶏)、ボンチリなどが70円、手羽先、ツクネなどが80円といったところ。この店にはいわゆるもつ焼き(豚の内臓等を串に刺して焼いたもの)はありません。すべて鶏の串焼きです。単品で注文する場合は2本からになるそうです。
昔から人気という焼き鳥盛り合わせ(490円)はモツ、砂肝、はさみ、ハツ、ボンチリ、手羽先、ツクネの7本を盛り合わせたもの。さっそくその盛り合わせと、これまた人気があるという煮込み(300円)を注文します。
ここの煮込みは手羽先と野菜(大根、人参等)を煮込んだ、「鳥やす」名物でもあるらしい煮込み(300円)と、コッテリと濃厚なもつ煮(300円)の2種類があるそうで、「煮込み」と言えば、通常は前者のほうが出されるそうです。明確に区別するときは前者を野菜煮込み、後者をもつ煮込みと呼んだりもするようです。すぐに出された煮込みには、大根がゴロゴロ入っているほか、コンニャクやツクネなども入った、あっさり塩味・透明スープ。
そして焼き鳥盛り合わせ。7本のうちモツ、はさみ、ツクネの3本はタレで、砂肝、ハツ、ボンチリ、手羽先の4本は塩です。それぞれ60~80円とは思えないような、立派な焼き鳥ですねぇ。大きいとは言えないけれど、小さくもない。人気のボンチリは、尾先の部分だけではなくて、まわりの脂や肉のところまで含んでいて、とってもジューシーです。
店内を動き回る店員さんたちのTシャツの背中に、「一串入魂」と書かれているのもいいですねぇ。
「一串入魂」の焼き鳥が出たところで、飲みもののおかわりは、ふたりともウーロンハイ(300円)です。
すでにカウンターにも、テーブル席にも大勢のお客さんが入っていて、どんどん注文が飛び交うようになって来ました。焼き鳥以外のメニューでは生野菜も人気がある様子。生野菜はキュウリ、人参、セロリ、キャベツ、大根、トマトなどがあって、それぞれ200円。こちらも盛り合わせにしてもらうこともできるようです。
さらにメニューの中には「酒の友」なんてコーナーもあって、そら豆、黒豆の枝豆、沖縄産もずく酢、酒盗などが各250円の他、鳥挽肉の中華風冷奴、豚モツ(ガツとシロ)の辛子酢味噌和え、白レバーのポン酢醤油、岩手県産生わかめと鶏肉のぬた300、納豆和え(納豆、オクラ、鶏肉、とろろ)などが各300円と、250~320円ほどの肴が20品ほど並んでいます。
これらの中から、胡麻と鶏肉のウニ和えだという「利久和え」(300円)をもらうと、これがまた三つ葉や刻み海苔なども加えられて、ウニの風味たっぷりのいい味です。
「こりゃ、日本酒にしましょうか!」
酒は京都伏見の辛口「冨翁(とみおう)」が280円で飲めるほか、地酒メニューもあって、それぞれ300ml瓶で、青森「じょっぱり」吟醸(950円)、岩手「酔仙(すいせん)」特選吟醸(950円)、山形「東光(とうこう)」純米吟醸(950円)、新潟「お福正宗」越乃吟醸(950円)、愛知「国盛(くにざかり)」吟醸(950円)、京都「鐵斎(てっさい)」純米吟醸(950円)、広島「宝寿(ほうじゅ)」純米吟醸(950円)、熊本「美少年(びしょうねん)」吟醸(950円)、新潟「越の誉(こしのほまれ)」大辛口(650円)、京都「富翁(とみおう)」本醸造生貯蔵酒(580円)といったラインナップ。これらの中から「美少年」をいただいて、「利久和え」に合わせます。
1時間半ほどの滞在は、ふたりで3,910円(3,720円+消費税。10円未満の端数は切り上げのようです。ひとりあたり1,955円)でした。
昭和42(1967)年の創業以来、今年で40周年。この店も、長きに渡って愛され続けている酒場なんですね!
「鳥やす」本店 / 得生ビール、小おろしと生レモンサワー / 店内の様子
2杯目はウーロンハイ / 胡麻と鶏肉のウニ和え / 「美少年」吟醸
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