丸ごと一本きゅうり味噌 … バー「ペルル」(鷺ノ宮)
わが家の近くには、他がお休みのときにも営業してくれている酒場が多いのです。そんなお店に敬意を表して、9連休が残り4日となった今日だけのテーマは「連休中もやっている自宅近くの馴染みのお店」。その3軒目は西武新宿線・鷺ノ宮(さぎのみや)駅のすぐ近くにあるバー「ペルル」です。この店は、通常は日曜・祝日は休業なのですが、ゴールデンウィークなどのように祝日が連続する場合には変則的な営業になることもあるのです。
今回の連休の場合は、4月29日(月)、30日(火)だけ休みで、5月1日(水)~5日(土)は普通に営業です。って、いかにも知ってたように書いてますが、私自身も先日(4/28(土))来たときに、はじめて知ったような次第です。
祝日、午後8時の店内はゆるやかーに7割り程度の入り。私もカウンターの奥のほうに陣取って、キープボトル(ブラックニッカ)を水割りセット(500円)でいただきます。
この店にはじめてやってきたのは今から4年前の平成15(2003)年2月。当時、「ペルル」のとなりで営業していた「鳥芳」に足しげく通っていたときに、「鳥芳」のお客さんから「ペルル」の噂を聞いて、やって来たのでした。
その噂というのは、「ペルル」が、アニメ「笑うセールスマン」に出てくるバー「魔の巣」のモデルだということ、そして、その「ペルル」のマスターが、アニメに出てくる「魔の巣」のマスターにそっくりだということの二つでした。なんでも、「笑うセールスマン」のディレクタと、アニメの背景を書いている人がこの店のお客さんだったのだそうです。
昭和35(1960)年創業の「ペルル」は、この界隈でも、おそらく一番古い老舗酒場。古い酒場には、昔から通っている年配のお客さんが集まることが多いのですが、この店はどういうわけだか、そんなこともない。比較的、私と同じくらいの中間年代層(30~50代)のお客さんが多いように思います。店の形態がバーだからかなぁ。
店内の造りはいかにもバーなんだけど、店の外の看板は「居酒屋ペルル」となっていて、特にかっちりとした厨房設備もなさそうなカウンターの中なんだけど、そこで焼きうどん(600円)などをはじめ、あさぶろ(600円)、パラスパ(500円)といった、この店の名物料理が作られるのでした。
私もなにか一品いただきましょう。お腹はいっぱいなので、簡単な、あっさりとしたものがいいかな。「一本きゅうり味噌」(100円)にしましょう。
「お。こっちも一本きゅうり味噌!」
となりに座っている常連さんからも、合わせて注文が入ります。この常連さんなんて、日本酒の一升瓶を抱え込むようにして飲んでますからねぇ。この空間だけ見ると、とてもバーとは思えない。ますますもって、今日は「“居酒屋”ペルル」だ。
「ひぇーっ。しかもこのお酒、「越乃寒梅」の別撰(特別本醸造)じゃん。すごーいっ」
なんて言ってたら、「1杯どうぞ」と分けてくれました。どうもありがとうございます。あはは。ブラックニッカの水割りをチェイサーに、越乃寒梅だ!
一本きゅうり味噌は、その名のとおり、長方形のお皿に丸1本のきゅうりが、そのままのせられて、横に味噌が添えられたもの。ワシッと手づかみにして、味噌をチョイチョイとつけながらバリバリシャクシャクといただきます。このなんでもないようなつまみが、実にうまいんだなぁ。トマトしかり、冷奴しかり。
「そんなもの、わざわざお店でたのまなくたって、お家だって食べられるじゃない!」
カミサンによくそう言われるのですが、「そんなもの」を「わざわざ」店でたのんで食べるのが、またいいんです。家で出てくるときには、他に色々とあるおかずの副菜でしかない品々が、酒場ではれっきとした酒の肴、立派な主菜になるんですからねぇ! じっくりと味わえるというもんです。
さてさて。少し早めながら、今日はこれで腰をあげますか。午後9時半まで、1時間半ほどの滞在は600円でした。ごちそうさま。
「連休中もやっている自宅近くの馴染みのお店」。わが家の近くには、他にもやっているお店がたくさんありますが、今宵は、ひとまずこんなところで。
自宅を出発してから、すべて徒歩で、野方(秋元屋)→都立家政(竹よし)→鷺ノ宮(ペルル)と、行きつけのお店を飲み歩いた、連休の一夜でした。

ブラックニッカ水割り / 一本きゅうり味噌 / 「越乃寒梅」特別本醸造(別撰)
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