はじめての座敷席 … 居酒屋「くろがね」(大久保)
「近くの名店を探る」。第三弾の今日は高田馬場から大久保方面です。今日の3軒目は、久しぶりとなる「くろがね」。ここも「鳥やす本店」と同じく昭和42(1967)年創業と言いますから、今年でちょうど創業40周年。荻窪あたりに住んでいた作家の井伏鱒二氏も、開店のころから来ていたお客なのだそうです。
明日の早朝、故郷(いなか)に帰省する予定の呑んだフルさんは離脱され、「くろがね」にやってきたのは4人(ここっとさん、Mさん、宇ち中さんと私)。
「こんばんは」と店に入ると、「いらっしゃいませ」とちょうど入口近くに出て来ていた信子(しんこ)さんが迎えてくれます。店は創業者の女将と、その姪御さんである信子さんのふたりで切り盛りされているのです。
「4人です」と申告すると、「今日は連休前で、お料理があまりなんですけどよろしいですか」と確認してくれた上で、「ではこちらへ」と入口左手の小上がりの座敷席へ。
この座敷席へ入ったのは、これが初めて。座敷席は細長く、4人卓が4つ。途中に2個、衝立(ついたて)があって、となりのグループとの間を仕切れるようになっています。
午後8時半の店内は、先客は座敷奥のほうにひと組のみ。
ビール(キリンラガー大瓶)と燗酒を注文すると、お通しは、ひとり3粒ずつほどのラッキョウ醤油漬けです。
「お料理は、あるものを適当にお出ししますね」と言いながら出してくれたのは、おでんの盛り合わせと、ひじき(300円)を人数分。おでんは豆腐、焼き竹輪、薩摩揚げの3品です。
この店は、このひじきだとか、うの花、切干し大根(各300円)など、昔から変わらぬ肴をつつきながら、お酒を飲むことができるお店。こういうなんでもないようなつまみが、かえって目新しく感じたりします。あぁ、燗酒がうまいっ。
さらには、ごま奴(400円)と、ままかり(600円)も人数分、出されます。Mさんは岡山出身。ままかりの地元ですね。これがまたまた燗酒によく合うんです。
それにしても、出張のついでに買う、袋入りのままかりや、駅弁に付いてくるままかりは、どっちかというとお酢の味が勝っていて、魚はもう漬かりすぎ、みたいなのが多いのですが、ここのままかりは魚がしっかりとしていていいですねぇ。やっぱり、ままかりはこうでなくっちゃ!
ごま奴は、大きなままの豆腐の上に、細く刻んだキュウリをたっぷりとのせて、その上に、これまたたっぷりの白ごまをふりかけて、醤油ベースのタレをかけたもの。和風豆腐サラダって感じでもあります。
約1時間の滞在は4人で9,000円(ひとりあたり2,250円)でした。連休前の「もうそろそろ閉店しようか」という頃に押し寄せて失礼いたしました。どうもごちそうさま!
はじめて座敷に座ることができたこともさることながら、残った料理が少なくて、あるものを適当に出してもらったおかげで、今まで食べたことのない料理を食べることができたのが、とても良かったです。
瓶ビールとお通しのラッキョ漬 / お品書き / 燗酒「桜吹雪」
ままかり / 小上がりの座敷席 / 自分たちのテーブルの様子
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