ゆっくりと蕎麦屋酒 … 手打そば「おおひら」(野方)
なおとんさん、宇ち中さんと3人で「秋元屋」を出て、もう1軒と向かったのは、駅からほど近い、みつわ通り商店街に入ったところにある手打そばの店「おおひら」です。以前は「太平庵」という店名だったのですが、気がつくと手打そば「おおひら」という名前に変わってました。
野方という町は、基本的に食事の値段が安い町なのですが、ここ「おおひら」もそんなお店。都心部で食べると2千円近くはするだろうなぁ、というような天ぷらそばが1,260円くらいから食べられるほか、四季折々に合わせたそばを、ご飯も付いたセットで1,350円くらいで提供してくれるのです。
もちろん、そば前の酒や肴も用意されています。日本酒は長野県佐久市の「菊秀」1銘柄のみながら、本醸造(420円)と特別純米(720円)の2種類が選べます。この他、生ビール(エビス、580円)はありますが、焼酎はなし。肴は辛味大根(260円)、とろろ(420円)、板わさ(420円)、鴨焼き(790円)、あなご天ぷら(790円)、季節の野菜天ぷら(950円)、盛り合わせ天ぷら(1,260円)といった、そばの種にもなる、そば屋定番のつまみの他、冷奴(350円)、おしんこ(400円)、あげ出し豆腐(580円)なども選べます。
こうやって本格的なそばをリーズナブルな値段で食べられて、しかもちょいと飲んだりもできるので、地元でも大人気。いつもたいていお客さんがいっぱいで、特に日曜日の今日は家族連れも多くて、午後6時半過ぎの店内には、空いたテーブルはない状態です。しかしながら、ひとグループがちょうど計算中のようなので、しばらく外で待っていると、そのお客さんたちと入れ替わりに、すぐに店内に入ることができました。
店内は左手にテーブル席が4卓、右手には小上がりになっていて座卓が4卓並んでいます。テーブル席の一番手前は、真ん中に囲炉裏のある大きなテーブルで、ひとり客でも入れ込みで入れるカウンター代わりの席にもなります。我われ3人は、右手小上がりの一番手前、6人座れるテーブルに3人でゆったりと座ると、「いらっしゃいませ」と、まずはお茶と、サービスの揚げそばが出されます。お酒を飲まない場合でも、この揚げそばをポリポリ食べて、お茶を飲みながら、そばの出を待てばいいようになってるんですね。
しかし、我われはもちろんそば前のお酒(本醸造、420円)から。なおとんさんは冷やで、宇ち中さんと私は燗でいただくと、お酒にもお通しの青菜おひたしが出されます。
注文した肴は、板わさ(420円)、おしんこ(400円)に季節の野菜天ぷら(950円)。
そば屋の肴の定番中の定番・板わさは、蒲鉾板の上に厚めにカットされた蒲鉾が6切れ。横におろした本ワサビが添えられます。この店もそうですが、生ものを置いているそば屋は、チェーン店のそば居酒屋などをのぞくと、あまりありません。そういうそば屋で“刺身代わり”としていただける肴が板わさなんですね。
おしんこはキュウリ、カブ、ニンジン、大根、ナスの自家製ぬか漬け5品盛り。季節の野菜天ぷらはサツマイモ、ハス、たらの芽、ナス、カボチャ、マイタケなどが盛り合わされています。
今日は3人いるから問題ないけど、ひとりで注文したら板わさ、おしんこ、季節の野菜天ぷらのどれをとっても、1品で十分といったボリュームなのです。
これらをつまみながら、ひとり2合ずつほどお酒をいただいたところで、3合目のおかわりとともに、そばの注文です。
私はあっさりと、つけとろろそば(840円)。とろろの入ったつけ汁に、せいろそば。小皿にウズラの生卵と、刻みネギ、ワサビが添えられます。なにしろ、とろろがつまみになり、せいろそばがつまみになりますからねぇ。お酒を飲みながら、ゆっくりといただける一品です。
宇ち中さんの注文は鴨焼せいろ(1,370円)。陶板で、鴨肉がジュージュー焼かれながら出てきます。何枚かの鴨の抱き身(胸の肉)の上にたっぷりと盛られた白髪ネギ。ジュワーッと立ちのぼるものすごい湯気が、鴨肉のいい香りをふりまきます。これもまた、つまみにもなる一品ですね。
なおとんさんが「根菜せいろ(780円)の麺を、普通のそばから田舎そばに代えてもらえますか」と注文すると「はいはい。いいですよ」と、すんなりと受け入れられます。せいろ(580円)と田舎そば(730円)の差額は150円。後でレシートを見ると、根菜せいろ・田舎そばバージョンは、この差額150円が追加されて、930円でした。田舎そばは、普通のそばとくらべるとかなりの太麺。太いというよりも細めのキシ麺状とたとえたほうがイメージに近いでしょうか。その田舎そばの上に、千切りの大根と金平ゴボウがたっぷりとのっています。
最後はそば湯で割ったつけ汁で、残ったお酒をいただいて、ごちそうさま。約2時間のそば屋酒は、3人で8,270円(ひとりあたり2,757円ほど)でした。
手打そば「おおひら」 / 揚げそばとお茶 / 「菊秀」本醸造(燗)
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