沖縄料理の夕食会 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
「竹よし」の第65回夕食会、テーマは「沖縄の料理に入門」です。メイン食材は沖縄の代表的な魚「ミーバイ」と、沖縄の県魚「グルクン」。これに「海ぶどう」と「ジーマーミ豆腐」が加わります。
「竹よし」の夕食会は、毎月1回、第2土曜日の午後5時から開催されていて、飲み物付きでひとり5千円の予約制です。
毎月、折々のテーマ食材が選ばれて、それを中心とした料理が展開されるのですが、店でよく出される定番の料理もあれば、今回のように店主も含めて、みんなで勉強会のような感じで、新しい食材にトライすることもある。どちらもとてもおもしろいのです。
「ミーバイ」というのはハタ類のこと。沖縄でも特においしい魚として有名な高級魚です。沖縄ではニンニクバター焼きや魚汁(ミーバイ汁)などで食べることが多いらしいのですが、今回の夕食会では刺身と潮汁。脂のよくのった白身はハタ類ならではですね。
唐揚げで「グルクン」は、和名ではタカサゴ。沖縄では年中とれて、食卓にのぼることが多い大衆魚なのだそうです。産卵前の初夏(6月頃)が最もおいしい時期なのだそうです。
「海ぶどう」は沖縄の海でとれる海藻で、和名はクビレヅタ。緑の粒々がずらりと並んでいて、食べるとプチプチとした食感が心地よい。グリーンキャビアとも呼ばれるんだそうです。「T井さん(←沖縄にも詳しい大常連さん)に冷蔵庫には入れるな、と言われていたのに、冷蔵庫に入れちゃったよ」と反省することしきりなのは店主。南国育ちの海ぶどうは低温(10度以下)が苦手で、冷蔵庫に入れると実が縮み、鮮やかな緑色がくすんでしまうんだそうです。
そして「ジーマーミ豆腐」。ジーマーミというのは落花生のこと。つまりジーマーミ豆腐はピーナッツ豆腐なんですね。普通の豆腐と同じように、ちょいと醤油をかけていただくと、もっちりとした食感のあと、鼻の奥から抜けてくるピーナッツ風味。やぁ、おいしい。泡盛が進むなぁ。ちなみに今日の夕食会用に、店主が「久米仙」の古酒(35度)を仕入れてくれてました。
このところ、夕食会のたびに手料理を作ってきてくれるなおとんさん。今回もテーマ食材に合わせて、豚足、豚尾に煮玉子。ゴーヤたっぷりの野菜サラダ(オイルフォンデュ風、おフランスパン添え)。ふーチャンプルー(麩の炒め物)などを作ってきてくれました。なおとんさんは、学生時代に居酒屋の厨房でバイトされていたこともあるそうで、料理の腕前もプロ級なのです。
今回の夕食会参加者は、なんと過去最高の19人! 店の定員は14人なので、カウンター席の椅子はすべて外に出して、立ち飲みモードです。今日は天気もよくて、店のすぐ横の八重桜もちょうど見ごろ。店の外にも特設テーブル席を用意して、今日は店の外でも盛り上がります。なにしろ、今年から人数制限をはずしてるので、何人でもウェルカム。人が多いほど、いろんな食材を楽しむことができるのです。
そんなわけで、人数が多くなったために急きょ用意された食材がカジキマグロの照り焼きと、黒マグロあごトロのヅケ。こうなると、今度は日本酒ですね。今回も出羽桜「桜花」吟醸からはじめて、手取川「吉田蔵」大吟醸、「越の誉」吟醸、「酔鯨」特別純米と次々に飲み進みます。
そして出されたにぎり寿司はカジキマグロと本マグロ脳天です。ここ「竹よし」では、通常営業のときもメニューににぎり寿司があって、トロが1個200円で、それ以外は基本的に1個100円。シメににぎりを2~4個くらいつまんで帰るお客さんも多いのです。
人数が多かったこともあって、夕食会が終わったのは午後10時過ぎ。最後は季節の竹の子ご飯でしめて、たっぷりと5時間以上の夕食会でした。
なお、次回夕食会(5月12日(土))の予定テーマは、高知県の郷土料理、「皿鉢料理(さわちりょうり)」だそうです。大皿に盛り合わされる宴席料理に、ますますお酒が進みそうですね!
黒マグロあごとろ(づけ) / カジキマグロ照り焼き / 出羽桜「桜花」吟醸
手取川「吉田蔵」大吟醸 / 店外の特設テーブル席 / 「越の誉」吟醸
カジキマグロと本マグロ脳天のにぎり寿司 / 「酔鯨」特別純米 / 竹の子ごはん
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