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国立から移動してチレヌタ … 焼き鳥「鳥芳(とりよし)」(西国分寺)

大型連休も4日目に入り、今日から5月。この春連休の間に、近くにあるのに、なかなか行けていないようなお店を探ろうということで「近くの名店を探る」をテーマに、わが家の近くをウロウロとしているところですが、今日は中央線に乗って国立までやってきました。

阿佐ヶ谷駅から国立駅までは中央線で30分弱(290円区間)。これが近いかどうかはさておいて、ふだんはなかなか国立方面まで行くこともできませんから、この休みの機会に行っておこうという考えなのです。

国立駅の北口を出て右へ。線路に沿ってしばらく歩くと、信号交差点の右向かいにあるのが、うなぎ串焼きなどの、うなぎ料理が食べられるという「うなちゃん」です。ここが今日、目指す1軒目なのです。

スゥーッと吸い込まれるように入っていくサラリーマンらしき、おじさん。私もその後ろから「ひとりです」と申告しながら引き戸を開けます。現在の時刻は午後6時。まさに世の中、これから飲み始めようか! という時間です。

「ごめんなさい。今日はもう、全部、売り切れてしまって、何も残ってないんです」

ガビーン。この店の開店時刻は午後5時。そもそもが午後8時まで、3時間しか時間がないのですが、それにしても1時間で完売ですか!

店内は、入口を入ってすぐがコの字のカウンター。ここにびっしりとお客さんがいるほか、奥や2階にも部屋があるようです。前を歩いていた、おじさんは奥にいるグループ客の一員だったようで、先発隊がすでに店に入ってたんですね。そうかぁ、この店でウナギにありつこうとしたら、開店と同時に一巡目の客として、なだれ込まなければダメなようですね。せっかくの休日なのに、もっと早く出かけてくればよかったなぁ。大反省です。

この「うなちゃん」から、ガードをくぐって線路の南側に出たところにあるのが、もつ焼きの「まっちゃん」です。「うなちゃん」「まっちゃん」ともに、となり合わせの屋台でスタートしたという、国立きっての老舗の2軒なのです。

「まっちゃん」は「お酒を召し上がりにならない方はご遠慮下さい。また、ご婦人の方は土曜日にご来店下さい。店主 」と明示されているほど硬派な居酒屋。そして、この店は、国立在住だった作家・山口瞳の小説「居酒屋兆治」のモデルとなったお店、今はなき谷保駅前の居酒屋「文蔵」の店主が修業したお店でもあるのだそうです。

うーん。どうするかなぁ。「うなちゃん」→「まっちゃん」とハシゴしようと思ってやってきたのに、ちょっと予定が狂っちゃいましたねぇ。また今度、国立デイを作ることにして、今日は次の候補地に向かいますか。

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「うなちゃん」 / 「まっちゃん」

国立駅から中央線に乗って、新宿方面にひと駅戻ると、そこが西国分寺です。この地に、チレヌタが名物で、地元で人気の老舗やきとり屋、「鳥芳」があるそうなのです。

「鳥芳」と言えば、かつて鷺ノ宮にあった名店「鳥芳」と同じ名前。そんなことから、店の外観も、その鷺ノ宮「鳥芳」と同じような感じの、いい意味で古びていて、小さなお店を想像していたのですが、こちら西国分寺「鳥芳」は木造二階建ての大きな一軒家。大箱店ではないものの、カウンターも奥に向かって長い上に、テーブル席、2階の席もあって、まずまずの中規模店。しかも創業30年という割りには店の内外ともにきれいなのです。もしかすると最近改装したのでしょうか。

午後6時過ぎの店内は満席に近い状態。入口レジのところで「いらっしゃいませ。少々お待ちください」と声を掛けてくれたおにいさんが、ちょっとカウンターを見渡して「こちらにどうぞ」と、かろうじて空いていた1席に案内してくれます。

席はびっしりと並んでいて、ひとり分のスペースはけっこう狭い。すぐ右側に座っているサラリーマンふたり連れのうち、年配のお客さんのほうが、やや斜めに構えて、他の人よりもスペースを取り気味に座っていることもあって、こちらに残った1席分の空間は両肩をすぼめて、やっと座れるくらいの隙間しかありません。

かろうじて席に着くと、おしぼりを受けとりつつ、さっそく瓶ビールとチレヌタを注文します。

瓶ビールはサッポロ黒ラベル大瓶が710円という、大衆酒場と比べるとちょっと高めの価格設定。串焼き(やきとり)も1本135円なので、全体的に少し高めの設定なのかな。でも、とにかく人気は高くて、私の後からもひっきりなしにお客さんが入ってくる状態。1階はもう満席なので、2階へ、2階へと案内されています。

瓶ビールと一緒に出されたキャベツは、この店の定番のお通し(60円)の様子。皿の横にちょいと添えられた味噌をつけながらいただきます。

先ほど「いらっしゃいませ」と迎えてくれた、おにいさんが店長さんらしいんだけど、1階フロアだけでも、その他に3人ほどの男女の店員さんがいて、みなさんとても若い。「創業30年の老舗」と聞くと、年配の店主夫婦が切り盛りしているようなイメージがあるのですが、これもまた意外な点でした。

店内はグループ客が多いのですが、ひとり客も何人かいるようです。私の左側に座っている男女も、最初はカップルかと思っていたのですが、それぞれがひとり客でした。おふたりとも常連さんのようで、男性のほうは、比較的若く見えるんだけど15年前ぐらいから、この店の常連さんなのだそうです。

カウンター内の焼き台や調理場も、ほぼフル回転状態なんだけど、いかんせんお客さんの数が多い。しばらくお通しのキャベツでつないでいるところへ、チレヌタ(530円)が出てきました。チレヌタは、脾臓とネギ・ニラのヌタ料理。大ぶりの器に、たっぷりとレタスを敷きつめた上に乗せられて、さらに白ゴマを振りかけています。

秋元屋」でチレ刺しをいただいたことはあったのですが、ヌタでいただくのは、これがはじめてですねぇ。

どーれどれ。

なるほど。こうやってマリネ風に仕上がったチレもおもしろいなぁ。どっちかというと、チレ刺しよりも、このチレヌタのほうが好みに合うかも。レタスにくるんで食べると、シャキっとしたレタスの食感の後に、クニュクニュとやわらかいチレの弾力感がやってきて、より楽しい。

しかし! 最初は少量に見えていたネギヌタですが、実は上に乗っかっているだけではなくて、器の下のほうまで、たっぷりとネギヌタ! 食べても食べてもネギヌタがなくなっていかない状況が、うれしいやら、つらいやら。

本当は、もつ焼きも2~3本食べて帰りたかったのですが、ネギヌタだけで、なんだか満腹。うーむ。一品料理はけっこうボリュームがあるようなので、グループで来たときに注文するのが無難なようです。だから、となりのおにいさん(15年来の常連さん)は、もつ焼きばかり注文してたのかなぁ。

そんなわけで、チレヌタだけをいただいて、約1時間の滞在は1,300円。「ごちそうさま」と、満席状態が続き、待つ人まで出てきそうな勢いの「鳥芳」を後にしたのでした。

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「鳥芳」 / 瓶ビールとお通しのキャベツ / チレヌタ

店情報

《平成19(2007)年5月1日(火)の記録》

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コメント

国立のお店には振られてしまったのですね、残念っ。
私も 「うなちゃん」には振られまくっています。
「まっちゃん」は何度かお邪魔させて頂きましたが、まだまだ私には敷居の高いお店であります。
いつの日にか低くなることを念じています(笑)
ちなみに 西国分寺には 北口のロータリー(?)脇に その「鳥芳」の兄弟店があります。こちらは立ちのみです。

投稿: ろっし | 2007.05.18 18:44

「うなちゃん」。一度だけ伺ったことがあります。
確か寒い夜のことで、燗酒をあおった記憶が。
かなり昔のことなので、記憶が曖昧ですが。

「文蔵」。いいお店でした。
先輩に連れられて何度か伺いました。
山口瞳ファンのオイラは感激しました。

最近はあちら方面に行けてません。
ろっしさんに案内していただこうかな?

投稿: にっきー | 2007.05.20 09:53

はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいております。
国立在住なので地元ネタに小躍りしました。
けれど徒労に終わってしまったようで残念ですね。
うなちゃん、まっちゃんも二代目三代目となり多少変わってしまったようです。
国立には76歳くらい?の老夫婦が喧嘩しながら楽しくやっている
もつ焼き屋もあります。安いしおいしいです。レバサシも抜群、酢いかもあります。トイレは自宅の非水洗をお借りします。
あと創業1969年の老舗バーもあります。三角グラスのカクテルの仕上げっぷりが抜群です。マスターのしゃべりも最高です。
こちらではあまり詳しくは書けないのですが是非行ってみていただきたいお店です。(矛盾していてスミマセン)
国立再訪をお待ちしておりま~す!

投稿: はる | 2007.05.24 19:02

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