貝の季節を楽しんで … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
9連休6日目となる今日だけのテーマは「連休中もやっている自宅近くの馴染みのお店」。ここしばらく、電車に乗って東へ西へと出かけていたので、今日はゆっくりと自宅近くで過ごそうという考えです。
野方の「秋元屋」をあとに、歩くこと約10分。西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅のすぐ近くにあるのが、魚料理と天ぷらの「竹よし」です。
この店の近所に住むT田さんから『「竹よし」もおすすめです。小さなお店で、マスター夫婦がこぢんまりとやってます。私はよくここで、お好みで天婦羅を食べながらチビチビ飲んでます』というメールをいただいたのが、平成13(2001)年6月のこと。そのひと月後ぐらいに初訪問して以来、現在に至るまで、6年ほど通い続けているお店です。
その後、奥様(ママさん)が亡くなられて、今は店主ひとりで切り盛り中。この店も、連休中だろうと、お盆だろうとやっててくれるのがうれしいですね。
「こんばんは」と入った祝日の午後6時過ぎの店内は、先客はなし。
カウンターの一番奥あたりに座って、燗酒(菊正宗、350円)を注文すると、今日のお通し(200円)はシラスおろしです。
「シラスおろしには、辛い大根を使ってみました」
と言いながら見せてくれる大根は、太さは普通の大根と同じくらいながら、長さがうんと短い。ほぉ。確かにピリッと辛味が効いていて、お酒によく合いますねぇ。
そのお通しをつつきつつ、カウンターの中の壁に書き出されたメニューを選びます。
定番のメニューはあるものの、その日その日の仕入れによって書き変わりますからねぇ。よーくチェックしないと、あとで「えーっ、そんなのもあったの!? しまったなぁ」なんてことになりかねません。
刺身はクジラ(650円)のほか、ホウボウ(650円)やトビウオ(500円)、殻付き大平貝(700円)、ホッキ貝(500円)などなど。人気の刺身盛り合せ(1,000円)は、その日おすすめの刺身が5点盛り合わされる定番メニューです。
焼きハマグリ(500円)や穴子白焼き(750円)、煮魚メバル(750円)にも引かれるなぁ。
5月に入ったものの、つい先日まで最低気温が10度ほどと、とても寒かった余波(なごり)か、まだ牛もつ鍋(700円)、深川鍋(700円)、ねぎま鍋(800円)、かに雑炊(800円)などの鍋物メニューも残っています。
ここ数日間、飲み続けで疲れた胃には鍋物(汁物)がありがたい。ちょうど旬の時季でもあるし、今日は深川鍋(アサリ鍋、700円)をいただきますか。
「はい。深川鍋ね」
注文を受けた店主は、それから深川鍋の支度に入ります。もちろん出汁(ダシ)などは、あらかじめ用意されているのですが、基本的にすべての料理は注文を受けてから作ってくれます。だから、今のように客が少ない(私ひとり)のときは問題ないのですが、お客さんが増えてくると大忙しになるのです。この近くでは「ピュアー」や、手伝いの入ってないときの「石松」などもそうですが、店主ひとりでの切り盛りというのは、どことも大変なようです。
できあがってきた深川鍋は、ひとり用の小鍋にアサリの剥き身、ネギ、豆腐、三つ葉などがたっぷりと入って、最後にフワフワと玉子をのせたもの。加熱されてプクンと膨らんだアサリの身が、実においしいですねぇ。燗酒(350円)もおかわりです。
「こんばんは」と入ってきた男女ふたり連れ(たぶん夫婦)。カウンターの入口側に座ると、生ビール(500円)でスタートし、人気の刺身盛り合せ(1,000円)をはじめ、何品かの料理を注文します。土日の夕方は、家族連れや夫婦で来店する人が多いらしいのですが、祝日の今日もそういった感じになるんでしょうか。
ガラリと入口引き戸が開いて入ってきたのは男性ひとり客。私と男女ふたり連れの間、ちょうどカウンターの中央部に座り、注文した料理はホッキ貝の刺身(500円)です。
そう! ホッキ貝にも引かれたんですよねぇ。大きな貝殻に盛り込まれたホッキ貝は、熱を通すとおなじみの赤い色ですが、生の状態だと赤くなる部分は黒いんですね。へぇーっ。
なんて観察をしていたら「どうですか」と、ホッキ貝のお皿をこちらに寄せてくれます。えっ!? そんなにもの欲しそうに見えてましたか。これは失礼。でもありがとうございます。どーれどれ、とプリプリの生ホッキ貝をひと切れいただきます。
小鍋立て、一人前の深川鍋ではありますが、鍋いっぱいとなると、けっこうボリュームもあって、他の料理は食べられないほどなんですよねぇ。よろしければ深川鍋もどうぞ。
そんなことから、このお客さん(近所に住むK村さん)と、ひとり客同士、話をはじめます。同じ地域に住んでいても、なかなか話をしたりする機会はないものですが、酒場だとごく自然に話ができるのがいいですよねぇ。
K村さんの注文したホッキ貝には、実はおまけが付いていて、肝の部分を蒸し器でちょっと蒸して、別盛りで出してくれます。これは紅葉おろしにポン酢醤油でいただくのです。「よろしければ、これもどうぞ」と言ってくれるK村さん。えぇーっ、いいんですかぁ、と言葉では遠慮しながら、すでに箸は伸びています。(爆)
午後8時前に、女性ひとり客(食事会でもお会いした方)がいらっしゃったところで、入れ代わるようにお勘定をお願いすると、1,600円。2時間弱の貝づくしでした。この季節、貝がうまいですねぇ!!
プクンと膨らんだアサリ / ホッキ貝刺身 / ホッキ貝のキモ
| 固定リンク
コメント
T田です。
ご無沙汰しております。
最近なかなかバッタリお会いしませんね。
竹よしさんをご紹介したのは2001年
なんと6年も前だったんですね!
我が家の2人の子供もお酒を嗜む年齢になり
飲みに出かけず自宅でチビチビやる事も増えました。
都立家政南口に最近開店した、二の酉と言う
焼き鳥チェーン店に、最近時々家族総出で
出没してます。
投稿: T田 | 2007.05.29 15:30