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2007年6月

古典酒場の取材で一献 … バー「ホッピー仙人(ほっぴーせんにん)」(横浜・桜木町)

力足らずながら、私も対談に参加させていただいた「TOKIO古典酒場」(2007年4月16日発売、980円、三栄書房)。近く、その第2弾が計画されているのだそうで、今日は野毛の「ホッピー仙人」に取材が入るとのこと。さっそく、その様子をのぞきにやってきました。

店に着いたのは午後6時半頃。カウンターのみ8席ほどの店内は、すでに満員のお客さんで、一番奥の席にライターさんがいて、その後ろでカメラマン氏が写真を撮っています。その傍らには、美人編集長の倉嶋さん

「こんばんは。お久しぶりです」と、ご挨拶しつつ、私も白ホッピー(500円)をもらって、みなさんと乾杯です。

「TOKIO古典酒場」は、980円という価格ながら、カラーページが多いのが特長。今日と同様、普通の営業時間中に撮影されていることもあって、酒場の息吹がガンガン伝わってくる、とてもいい写真ぞろいなのです。

これまでに、テレビの取材は何度か見たことがある(「竹よし」「兵六」「路傍」)のですが、本の取材を見たのは、これがはじめて。

テレビの取材は、連続した時間の流れを切り取らないといけないから、「はい、みなさん、よろしくお願いします。よーい、…っ!(←指で指示)」。なーんて感じで、各カットが撮影されますが、本の取材はまったく違う。ライターさんや編集長が、仙人(この店の店主)にいろいろと話を聞いて、仙人が話したことをライターさんが大きなノートにメモしていく。

「へぇ~っ、そうなんですか!」「なるほど、なるほど」「ふーん、やっぱりそういうこともあるんですね」と、とにかくお二人とも聞き上手。ちなみにライターさんも女性なので、ふたりの美人を目の前にした仙人も、いつもより心なしか饒舌(じょうぜつ)!

それとは別に、カメラマン氏が店内の様子や、ホッピー、つまみなどの撮影をしています。こうして撮られた写真と、ライターさんの文章が一緒になって紙面になっていくんですね。

仙人の手(語り?)があいたところで、2杯目は黒ホッピー(500円)をいただきます。

このころになると、続々とやってくる常連さんに、すでに店内は満席以上。カウンターの後ろにずらりと立ち飲みの常連さんがいる状態で、遠藤さんが撮影のために移動するたびに、後ろに立ってるみんなが一斉に移動しなければなりません。

最後に「はいっ、じゃぁ、みなさんが飲んでるところの写真を撮りまーす」と、バシャッと何枚かの写真を写して取材は終了です。

「みなさん、どうもありがとうございました」と、店主や、店にやってきたお客さんたちに、取材協力のお礼をする倉嶋編集長。次の瞬間には、その手に「ホッピー仙人」自慢のホッピーです。

三栄書房と言えば、週刊「AUTO SPORT」や、月間「Car Goods Magazine」といった、自動車やオートバイなどの本で有名な出版社。そんな三栄書房で、上司を説得しまくって、三栄書房初となる酒場本の出版を実現された倉嶋編集長は、当然のことながら大酒豪。その様子は、「TOKIO古典酒場」の公式ブログである「酔いどれブログ」でも見てとることができます。本当に、いつも飲んでいらっしゃる。なにしろ「TOKIO古典酒場」の副題が「銘酒居酒屋から大衆酒場まで食べて呑んで足でかせいだ72軒」ですからねぇ。編集長自らが(積極的に)「足でかせいで」いるのです。

ブログには「記憶がない」なんて書いてらっしゃいますが、こちらから見ている限り、どれだけ飲んでも、ちっとも様子が変わらないが凄いところですねぇ。
「それじゃ、みなさんお先に。今日はどうもありがとうございました」と、ホッピーを数杯飲んだとは思えないような普通の笑顔で、ライターさんたちと店を後にされます。

私のほうは、まだまだ終わらず、さらに燻製玉子(100円)をいただきつつ、もう1杯、白ホッピー(500円)です。さすがにホッピー3杯をいただくと、もう十分という感じで本日終了。お勘定は燻製玉子も含めると1,600円でした。やぁ、おもしろかった。どうもごちそうさま!

とても楽しみな「TOKIO古典酒場」第2弾は、7月26日(木)発売だそうです。

店情報前回、同じときの「酔いどれブログ」)

《平成19(2007)年6月4日(月)の記録》

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新メニューはホタテ串 … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

JR中央線・地下鉄丸ノ内線の荻窪駅近くにも、お客のほとんどがホッピーを飲んでいるお店があります。イカ料理中心、157円(税抜150円)均一のつまみで有名な立ち飲み「やき屋」です。

ここのホッピー(315円)は、サワーグラスに氷入り焼酎。それとは別に瓶入りホッピー(外)が出されます。

自分でトトトッと、外(ソト)をグラスいっぱいまで注ぐと、瓶の中には、まだ半分ほどのホッピーが残りますので、これはおかわりように取っておきます。このとき、マドラーをホッピー瓶の中に入れておくと、いかにも慣れてる感じで、かっこいいですよ(笑)

個人的な感想としては、飲み物(カクテル?)として美味しいのは、ホッピーを作っているホッピービバレッジが推奨している、氷は入れないかわりに、ホッピー(外)、焼酎(中)、ジョッキ(器)をキンキンに冷した、いわゆる三冷(さんれい)の状態で、指定されたとおりの比率で割ったものが一番だと思います。

この状態で飲むことができるのは木場の「河本」や、野毛の「ホッピー仙人」など。「氷なし」と指定すれば、その状態になるのが野方の「秋元屋」や、阿佐ヶ谷の「川名」。どちらの店も、真っ白に曇るほどキンキンに冷えたジョッキが出てきます。

あくまでも飲み物(カクテル?)として美味しいのは、この状態なのですが、呑ん兵衛として、うまさを感じるのは、これよりももうちょっとアルコールが強い状態。ホッピーのいいところは、焼酎の比率を変えることで、そのアルコール度数を調整することができること。ホッピービバレッジ推奨のホッピーが、アルコール度数が5度程度とビールに近いのに対して、どんどん焼酎の比率を高めていくと、最終的にはストレートの焼酎の強さ(25度)になります。この中間で、呑ん兵衛としてうれしいポイントをつかむわけですね。

こういうホッピーを楽しむことができるのが、横須賀地区。どういうわけだか、横須賀のホッピーはどこも焼酎が120~180mlほど入っていて濃いのです。ちなみに通常のホッピーの焼酎量は70~110mlほどですから、度数は倍から、3倍ほどまで上がることになります。

これよりも焼酎の濃度を上げていくと、焼酎の強さが相当出てきて、なかなかゴクゴクッと飲むわけにはいかなくなる。そこで氷の登場です。乙類焼酎(本格焼酎)をロックで飲むと飲みやすいように、とっても濃いホッピーも、氷を入れれば、おいしくいただけます。焼酎そのものが美味しい場合には、こういうホッピーの飲み方もGood!です。新宿の「串元」でいただく、麦焼酎「いいちこ」のホッピーなんかが、このタイプ。できるだけ焼酎を濃くするのがいいですね。ただし、ものすごい勢いで、できあがってしまいます(爆)

逆は必ずしも真ならずで、氷が入ってるからといって濃いホッピーとは限りません。むしろ、単に温度を下げるために氷を入れている店のほうが多いのではないかと思います。その場合でも、温度が下がることによって、アルコールをより感じにくくなることは確かですが。

さて「やき屋」。メニューを眺めてみると「ホタテ一串」なんて料理が追加されています。しかも、つまみはすべて157円で、例外的にシメサバだけが210円だったのに、ホタテ一串も例外価格の189円。これはもらってみないといかんでしょう。

「はい、新メニューよ」と女将さんが持ってきてくれたホタテ一串は、間にシシトウをはさみながら、ホタテが3個。ホタテは、ヒモの部分まで付いているし、身もしっかりとしていて、とてもいい味です。なにしろ焼き貝そのものが、いい肴になりますからねぇ。「やき屋」にしては高い品物ですが、世間一般から見ると、かなり安いと言えるんじゃないかと思います。

続くつまみは刻みアナゴ(157円)。

刻みアナゴは、タレ焼きして冷ましたアナゴを、5ミリ幅くらいに刻んだものを、注文を受けてから刻んだキュウリと一緒に小鉢に盛り合わせたもの。シャッキリとしたキュウリの食感と、アナゴとの相性もよく、夏らしい一品です。(年中ある、つまみですが…。)

今日はメイン立ち飲みカウンターがいっぱいで、入口左手に3~4人立つことができるサブカウンターで立ち飲み中。ふと振り返って、メインカウンター上の大皿を見ると、まだ珍味ワタ和え(157円)が残っている模様。

さっそくワタ和えもいただいて、ナカ(157円)をおかわりです。

ナカは、手渡したグラスにそのまま入れてくれて、氷も足してくれるので、グラスのかなり上のほうまで焼酎が入ります。計量用のコップで入れてくれてるので、量は最初と同じはずなんですが、2杯目、3杯目になるにつれて、水面が上がってくるんですよねぇ。ここに残しておいたホッピーを注いで、2杯目のホッピーができあがります。

ワタ和えは、イカゲソをイカワタで和えたもの。「それじゃ塩辛じゃないの?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、このワタ和えは、色合い的には茶褐色で、しかも甘いのです。他ではお目にかかったことがない一品で、一度食べると、かなりクセになります。

自家製塩辛(157円)もメニューにあるのですが、こちらは赤くてフレッシュな感じの塩辛です。

約1時間ほどの立ち飲みタイムは、ホッピー外1中2(最初の1杯も含めて、瓶入りホッピー1本に、ナカが2杯)に、肴が3品で977円でした。毎度のことながら、飲んで食べて、千円以内というのがすばらしいなぁ。

呑ん兵衛は「安くて旨いもの」は実によく知っていて、この店も営業中は、たいてい満員状態なのでした。

どうもごちそうさま。

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「やき屋」の看板 / ホッピー / ホタテ一串

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刻みあなご / ナカと珍味わた和え / わた和えアップ

店情報前回

《平成19(2007)年6月2日(土)の記録》

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三冷ホッピーで鮎塩焼 … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

このところ、他所でホッピーを飲むことが多くなっていますが、実はわが地元にも、ホッピーや酎ハイがおすすめのお店が何軒かあります。

その代表格は、なんといっても野方の「秋元屋」。2004年に開店した、まだ新しいお店ながら、店主が下町酒場好きなので、そういったお店で飲めるようなお酒はたいてい、この店で飲むことができるのです。ホッピーも、氷入りで外1中2といった飲み方ができるタイプのものから、三冷(さんれい)の純正(?)ホッピー、そして最近流行のフローズンホッピーまで、いろいろと楽しめます。焼酎に宝と金宮を選べるところも、おもしろいですね。(宝ホッピー380円(ナカ250円)、金宮ホッピー410円(ナカ280円))

西武新宿線を鷺ノ宮までやって来ると、大衆酒場「満月」にもホッピー(300円)があって、通常は氷入りでジョッキで出されますが、「氷無しで」とお願いすると氷なしのサワーグラスで出してくれます。

その鷺ノ宮駅から中杉通りを早稲田通り近くまで行ったところにある「丸山」には樽生ホッピー370円や、電気ブランをホッピーで割った電気ホッピー470円なんてのもあって楽しめます。

さらに中杉通りを旧道に入って、阿佐ヶ谷駅方面に南下したところにあるのが、これまた行きつけのお店、「川名」です。今日は、ここでホッピーをいただきましょう。ハルカさん、氷なしでお願いしますね。

「はーい」と、とまどうこともなく、ハルカさん(←店を手伝っている女性)が注文を受けてくれるのは、この店で「氷なしで」と注文する人が少なくないことを物語っています。

ここ「川名」も、なにも言わずにホッピー(336円)を注文すると、氷入りのジョッキに焼酎を入れてくれて、それとは別に瓶入りホッピー(外)が出されます。焼酎の量がけっこう多いので、目いっぱいホッピーを入れて外1中2、ちょっと遠慮がちに入れると外1中3ぐらいいっちゃいます。ちなみに中(ナカ)は294円です。

しかし、「氷なしで」とお願いすると、きっちりと焼酎(中)冷え、ホッピー(外)冷え、ジョッキ(器)冷えの、正しい三冷ホッピーが登場します。もちろん、ホッピー(外)を入れて仕上げるのは自分自身。どーんと勢いよく注ぎ込むと、マドラー要らずです。

季節の肴が並ぶメニューから鮎(アユ)塩焼き(294円)と竹の子(231円)を選択。

鮎は、生の状態から炭火で焼きあげられます。いやいや。6月ですねぇ。それにしても炭火で焼いた鮎1尾が294円で食べられるのは、ここ「川名」くらいのものではないでしょうか。まったくありがたい限りで、店主にも深く感謝しながら、頭からバリバリと鮎をいただきます。ックゥ~ッ、うまいっ。

竹の子は、茹で冷ましたものを柚子味噌でいただくもの。竹の子は大好物。コリコリッとかじって飲み込むと、鼻の奥から竹の子の風味と、柚子の香りがホワンと上がってくるのがいいですねぇ。

ここでゴクンとホッピーです。

ホッピーは、なにしろアルコール分が甲類焼酎で、それをプリン体がない(つまりは旨みがない!?)ビール風味の炭酸飲料で割ったものなので、肴の味を膨らませたりすることはない代わりに、決して邪魔にもならないのが特長と言えます。

微妙な風味の肴をいただくときには、ビールの旨みを邪魔に感じたりすることがありますが、ホッピーには、それはありません。

でも、ビアテイスト(ホップが効いたビール風味)なので、舌がさっぱりと洗い流される(=余韻を消しちゃう)というのはあります。もつ焼きなんかと、よく合うように思うのは、このサッパリ感があるからなんでしょうね。竹の子+柚子味噌の余韻は、もうちょっと味わっていたいなぁ。

2杯目の飲み物は酎ハイ(生レモンサワー、336円)に切り替えます。

ここの酎ハイや生グレープフルーツサワーなどは、余分な糖分がいっさい入ってないのがうれしいところ。甲類焼酎を炭酸で割ったものに、レモン半個を搾り入れると酎ハイ(生レモンサワー)に、グレープフルーツ半個を絞りいれると生グレープフルーツサワーになるのです。

そして! どうだぁーっ、とばかりに出てきたのは、ホタテ貝刺(420円)です。貝殻の上に細く切られた大根と、緑鮮やかな大葉1枚がのり、その上に、繊維方向に薄くスライスされたホタテ貝柱が、透きとおる白さで美しく盛り付けられています。横に添えられてるのは、蒸したアワビの肝(卵巣?)。貝殻の脇にはヒモの部分も添えられています。

どれどれ。まず貝柱から。……。んーーーっ。甘みがいいですねぇ。こうなると、やっぱり酎ハイやホッピーよりは、日本酒が欲しくなっちゃうなぁ。

ここしばらく前から、「川名」の刺身類が399円から420円に値上がりしているのですが、その分、ネタもよくなってきたように思います。それにつれて、この店で日本酒をいただく機会も増えてきたような……。

ちなみに、今日の刺身メニュー(すべて420円)は、このホタテの他にカツオ刺し、カツオたたき、マグロぶつ、タコ刺し、そしてタコぶつの、合わせて4種6品。近くの席に出される刺身類を見ると、どれもこれもきれいだし、美味しそうだし。

店の奥の座敷席では、先日、木場の「河本」でご一緒させていただいたくにさんが、この店の常連さんでもあるのむのむさんご夫妻とオフ会中。店を出る前に、ちょっと席に加えてもらって、ご挨拶させていただきました。阿佐ヶ谷方面にも、またいらしてくださいね。>くにさん

口開けの午後4時から、2時間強の滞在は1,197円でした。どうもごちそうさま。みなさん、お先に!

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三冷ホッピーとお通し(グレープフルーツ) / 鮎塩焼き / 竹の子(ゆずみそ)

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ほたて貝刺 / 酎ハイ(生レモン) / 奥の座敷のゴーヤチャンプル

店情報前回、同じときの「東京のむのむ」)

《平成19(2007)年6月2日(土)の記録》

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インド式とんこつカレー … ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)

野毛飲みを終えて、都内の自宅へと向かいます。品川で山手線に乗り換えたところで、にっきーさんから「会社飲みを終えて、横浜から電車に乗ったところ」との連絡。おぉ、それはそれは。それじゃ、最後に自宅近くで飲みましょう。

「それじゃ先に御天に向かってます」と返信すると、
「高田馬場まで山手線で、あとはタクシー。1時半ごろ到着の予定です」と、にっきーさん。

そうか。私が乗ってる電車が、西武新宿線の終電に間に合うかどうかというギリギリの電車なので、今、横浜を出たとなると、もう西武線は終わってるんですね。

「御天」に到着したのは、日付けが変わって午前1時前。まずは地下の焼酎バー、「ゴテンズバー」へと潜(もぐ)ります。

金曜日の夜とあって、カウンター席は常連さんたちがいっぱい。何度か来ているうちに、私も少し顔を覚えてもらえたようで、「こんばんは」とか、「あれ? 今日は、にっきーさんは一緒じゃないんですか」といった声も飛んできます。
「にっきーさんも、こっちに向かってるところなので、あと30分もすると到着されると思いますよー」と返事をしながら、カウンターの一番手前の席に座り、まずは芋焼酎「玉露」(本甕仕込)のロックでスタートです。

近くの席の常連さんと話しながら過ごすうち、にっきーさんも到着し、芋焼酎「伊佐錦」(白麹仕込)のロックです。近くの席の常連さんは、もちろん、にっきーさんともすごく親しいので、話もはずんで2時半頃まで。お勘定はふたりで1,550円(ひとり775円)でした。

地上の「御天」に移動して、今度は玉露ハイ(400円)、ウコン茶ハイ(400円)に、つまみはタラモサラダ(350円)です。

ここはラーメン酒場と言ってもいいくらい、酒や肴にも力を入れているラーメン屋。定番のつまみメニューのほかに、「本日のオススメ」と書かれた張り紙もあって、たとえば今日はゴーヤチャンプル(500円)、さつまあげ(300円)、ザク切りキャベツ(200円)、そら豆(200円)、えだ豆(200円)などが書き出されています。

「普通のラーメンもおいしいですけど、ちょっと変わったラーメンもまたおいしいんですよね」と、にっきーさん。

この店には、普通のラーメンや、そのトッピングが変わったラーメン類のほかに、とんこつトムヤムクン風味のタイ式ラーメン(830円)や、とんこつカレー風味のインド式ラーメン(980円)、さらに温かい麺と冷たい麺が選べるとんこつ風味の、つけ麺(850円)や、とんこつトムヤムクン風味のタイ式つけ麺(950円)などもメニューに並んでいるのです。つけ麺になると替玉が200円(普通のラーメンの替玉は130円)になるんですね。夏場だけの黒酢冷し麺(830円)なんてのもあるようです。

「今日はインド式が食べたい気分なんです」とのことで、私も便乗してインド式を食べてみることにします。

注文してしばらくすると、厨房からおいしそうなカレーの香りが漂ってきます。うぅー。これは、この段階から味に期待がわいてきますねぇ。

そして出てきたインド式ラーメンは、スープがカレー風の色合いになっているのと、中央部にカレー色の肉味噌がのっている以外は、のりも刻みネギも、普通のラーメンと同じ。

まずはスープから。そんなに辛いスープではありません。
「肉味噌がカレールーみたいになっていて、それを溶かし込んでいくと濃くなるんですよ」と、にっきーさん。なるほど、この肉味噌が決め手なんですね。

食べているうちに、じわりと身体が熱くなってきます。とんこつとカレーという組み合わせも不思議と合うんですねぇ。

やぁ、おいしかった。お勘定はふたりで3,110円(ひとり1,555円)でした。どうもごちそうさま。

店を出たのは、ちょうど午前3時。今週も、とっても長い金曜日の夜でした。

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「御天」「ゴテンズバー」 / 玉露(本甕仕込) / 伊佐錦(白麹仕込)

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玉露ハイとウコン茶ハイ / タラモサラダ / インド式ラーメン

・「ゴテンズバー」の店情報 / 「御天」の店情報前回

《平成19(2007)年6月1日(金)の記録》

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昨夜に続いて野毛の町 … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜・日ノ出町)ほか

「今日は、仕事の関係で横浜に来ています。軽くいかがですか?」
以前一緒に仕事をしていた仕事仲間のGから、そんな電話が入ります。
「え? どんなところに行きたいの?」
「そりゃもう、横浜らしい濃いところに!」

うーむ。そういう希望であれば、昨日、行ったばかりながら、今日もやっぱり野毛(のげ)方面に出没しますか。

そんなわけで、当時の仕事仲間KやDも加わって、4人で桜木町駅の改札に集合。みんなを案内したのは、京急・日ノ出町駅に近いところにある中華料理屋、「第一亭」です。

金曜、午後7時半の店内はガラガラ。手前に並んだテーブル席に2~3人お客さんがいる程度で、奥の小上がりには誰もいません。その奥の小上がりの1卓を囲み、さっそく生ビール(大、800円)を3杯と、生ビール(中、650円)を1杯もらって乾杯です。

料理のほうは、まずはここのオススメをたべてもらおうと、チート(豚胃)の生姜炒め(600円)にパタン(600円)、豚足うま煮(600円)、餃子(500円)を注文します。

パタンはメニューにはない賄(まかな)い料理。茹で冷ました麺に、ニンニクたっぷりのタレをからめた簡単な料理ながら、食べはじめると止まらなくなる美味しさなのです。このところ大勢の人が注文するので、そろそろ正式なメニューにしてもいいんじゃないかなぁ。

箸で持ち上げるだけでも、とろりと、とろけるほど煮込まれた豚足も、大好きです。

どの料理も好評で、さっそく2巡目。ホルモン炒めか、モツ炒め(各600円)のどちらかをもらおうと、お店のおねえさんに、
「ホルモン炒めと、モツ炒めはどう違うんですか?」と聞いてみると、
「どちらも腸を炒めるんですが、ホルモン炒めは生のままの腸をいためたもの、モツ炒めは下茹でした腸を炒めたものです」という、とてもわかりやすい回答。ホルモン炒めにしました。

その他に、茹で冷ました豚耳をスライスして酢味噌でいただく豚耳軟骨(500円)、モヤシもたっぷりのレバニラ炒め(600円)に、鳥の唐揚げ。飲み物はボトルごと燗づけてもらった紹興酒に移ります。

「紹興酒にレモンを、ひとしぼり入れると、いくらでも飲めるんですよ」
そう言うのは、同僚D。仕事で台湾に出かけたときに、向こうの人たちが、みんなそういう飲み方をするので、まねしてやってみたら、とても美味しかったのだそうです。
「じゃ、さっそくやってみようよ」と、レモンスライス(メニューにはない)を出してもらって、紹興酒の中にレモン汁を搾り、搾ったあとのレモンスライスもグラスの中へ。どーれどれ。…… うまいねぇ! 考えてみれば甘みと酸味はカクテルの基本原則。合って当たり前なのか。

最後にもう一度、チート(豚胃)の生姜炒め(600円)をもらって、紹興酒のボトルもおかわり。レモンスライス入りの紹興酒は、進みすぎて危ないなぁ。

2時間半ほどの滞在は、4人で14,400円(ひとりあたり3,600円)でした。大勢で来ると、いろんなものが食べられていいですねぇ。

二次会はバー「日の出理容院」。

「えぇーっ。ここ飲み屋なんですか?」といぶかる、みんなを引き連れて店内へ。金曜、午後10時過ぎの店内は予想どおり満席だったのですが、先客のみなさんがギュッギュッと詰めてくれて、何人かは立ち飲みに移行してくれて、4人でテーブル席を囲むことができました。(今さらながら、ありがとうございました。>みなさん)

さっくりと角のハイボール(600円)を3杯と、コカコーラ(500円)1杯で、30分ほど過ごし、お勘定は4人で2,300円(ひとり575円)。

「この裏側にも、おもしろい店があるんだよ。ここは理容院のようなバーだったけど、裏側は喫茶店のようなバー。帰る前にちょっと見てみる?」と、「日の出理容院」のビルの逆サイドに回り、喫茶「みなと」へ。

「ほら。おもしろいでしょう。外から見ると、どう見ても喫茶店なのに、中はバーでしょう」なんて言ってるところへ、喫茶「みなと」の扉がバンと開いて、出てきたのは新橋や野毛を中心に大活躍中(?)の酒豪美女・ひろたろうさんです。

「どうしたの? 二晩連続で! さぁ、入って入って」と、ひろたろうさん。そう、ひろたろうさんとは、昨日も「ホッピー仙人」や「キール」で、お会いしたところ。今日もやはり野毛で飲んでたんですね!

あとで知ったことですが、ひろたろうさんはこの日、新橋、蒲田と飲んだ後、野毛でも3軒まわって、この店が4軒目。新橋から数えると、実に6軒目だったとのこと! さすが酒豪ですねぇ! さらに、このあとも別の店に行ったというのだから、まさに恐るべし、です...。

軽く1杯ずつトリハイを飲んだあと、ひろたろうさんのボトル(角瓶)から、角ハイボールも1杯ごちそうになったところで、わが家(都内)方面への終電間近。大急ぎでお勘定をしてもらって(4人で1,800円)、桜木町駅へと向かったのでした。

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生ビール中1と大3 / チートの生姜炒め / パタン

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豚足うま煮 / 餃子 / ホルモン炒め

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豚耳軟骨 / レバニラ炒め / 鳥唐揚

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紹興酒 / レモンスライスをもらって / 紹興酒に入れる

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チートの生姜炒め、再び / 「日の出理容院」にて / 喫茶「みなと」の看板

・「第一亭」の店情報前回) / 「日の出理容院」の店情報前回) /
 「喫茶みなと」の店情報前回

《平成19(2007)年6月1日(金)の記録》

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楊貴妃も腰を抜かす!? … 中華料理「三陽(さんよう)」(横浜・桜木町)

キール」の前でMASHさんとも別れ、にっきーさんとふたり、桜木町駅方面へ。おろ? いつもは人があふれ返っている「三陽」がガラガラ。もう店仕舞いなのかな、と思っていると、いつもの元気なおねえさんから、
「はい。おにいさん、どうぞ。入れますよー!」と声がかかります。
「ちょっとラーメンでも食べていきますか」とにっきーさん。
「えーっ、電車大丈夫ですかー!?」と言いつつも、足は店内へ。

店内に足を踏み入れたとたんに、厨房に立つ店主から、
「ビール2本に餃子2人前か!」と声が飛びます。
「三陽」の仕組みに慣れていないにっきーさんは、反射的に「はいっ!」と返事。
「それとネギトリな!」と店主。
「いや。ネギトリはいりません」と、あわてて返事する私。

この店は、店主も、それを手伝ってるおねえさん、おにいさんも、みなさんとっても商売熱心で、ボンヤリと店に入ってしまうと、気がつけば目の前にはビールと餃子、ネギトリが並ぶという事態になってしまうのです。

ちなみに、先日見かけた常連さんらしきおにいさんは、店に入る前に、店頭にいる店のお姉さんに「ビール1本とレバニラの定食ね」と注文しつつ店に入り、店主の「ビール1本に餃子1.5人前か!」という攻撃に、「もう注文した!」と答えながら奥へと進んでいったのでした。こうやって、店に入る前に注文を済ませてしまうというのは、大きな防衛戦略かもしれません。

閑話休題。席に座るとすぐに出されるのは、ビール(サッポロ黒ラベル大瓶、500円)2本と、お通し(無料)のバクダン。

バクダンというのは、焼いたニンニクにとろみのある甘いタレをまぶしたもの。これがまた、ニンニク好きにはたまらぬ一品で、単品のバクダン(100円、お通しよりも量が多い)を追加注文する人も多い品です。

そして餃子は1人前が7個(400円)。これまたニンニクがビシッと効いた、パンチのある一品です。

1本目のビールが空いたところで
「ビール、もう1本か?」とおねえさん。まだ、もう1本ありますって。本当に商売熱心だなぁ(笑)。

さっきはガラガラだったのに、気がつくと、また満席に近い状態。さっきは、たまたま空いてたんですね。11時を過ぎたこの時間でも、やっぱりお客さんは多いんだ。

それじゃ、ボチボチとラーメンにいきますか。

メニューには「周恩来も驚くラーメン!」(しょう油、みそ、500円)からはじまって、「楊貴妃も腰を抜かす ギャルのアイドル チンチンラーメン」(タンメン風塩味、700円)、「ジンギスハーンもいきり立つ! ボクちゃんのアイドル チョメチョメラーメン」(タンメン風塩味、800円)、「男のロマン ボーボーラーメン」(カレー味、800円)と、怪しげな謳い文句が並んでいます。うーん、どれにしよう、と悩んでいると、
「チンチンラーメン、おすすめよ!」と店主の声が飛びます。お客の様子をよく見てるなぁ、と感心しながら、
「じゃ、それ2つ!」と注文。

この怪しげな謳い文句は、ラーメン類に限ったわけではなくて、たとえば先ほどいただいた餃子も「毛沢東もビックリの餃子」、そしてネギトリも「馬券が取れるネギトリ」と、WINSのある町、野毛らしいキャッチフレーズが付いています。

さて、赤い丼で出されるチンチンラーメンは、ニラなどの野菜たっぷりの塩ラーメン。餃子のパンチ良さから比べると、けっこうマイルドといってもいい味わいなのは、野菜の甘さがよく効いてるからでしょうね。熱々スープとあいまって、お腹にやさしい感じです。でもニンニクは効いています。

やぁ、ごちそうさま。お勘定は二人で3,200円(ひとりあたり1,600円)でした。

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ビールとバクダン / 餃子(2人前) / チンチンラーメン

店情報前回

《平成19(2007)年5月31日(木)の記録》

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2ヶ月ぶりに野毛の町 … 酒亭「武蔵屋(むさしや)」(横浜・桜木町)ほか

今日で5月も終わりかぁ。ゴールデンウィークの「近くの名店を探る」から始まって、今月も愉しく飲みました。……… あれっ!? 今月は野毛に出てないなぁ。というか、1度、洋光台の洋食屋でビールを1本飲んだ以外は、横浜地区で飲んでいないし、野毛に至っては3月にやって来て以来、2ヶ月以上も来ていないではありませんか。これはいかん。これじゃ、横浜に単身赴任している意味がない。なんとしてでも、5月末日の今日のうちに、野毛に飲みに行かないと!

そんなわけで、今年の4月から横浜勤務になった近所の酒友・にっきーさんと、夕方から急きょ示し合わせて野毛です。

待ち合わせたのは、野毛の入口にある立ち飲み屋「第三酒寮キンパイ」。午後7時に到着すると、すでににっきーさんは到着済み。生ビール(380円)を飲んでるところです。私もさっそく生ビールをもらって乾杯!

ッカァ~ッ。ゴクゴクと喉を通っていくビールの、なんと旨いことか!

よーし。この勢いで野毛の町へと繰り出しましょう。こうやってサクッと飲んで、サクッと立ち去れるのが、立ち飲み屋のいいところですね。どうもごちそうさん。

次なるお店は、野毛の誇る老舗酒場「武蔵屋」。のれんも看板もなく、外から見ると普通の民家にしか見えない、この店は、終戦直後の昭和21(1946)年創業です。

それ以来60年。3杯の燗酒(桜正宗)と、変わることのない5品の肴。世の中の変化は激しく、会社でも、求められるのは変化、変化、変化。そんな中にあって、いつ行っても、ちっとも変わらない、この安定感。これが老舗酒場の良さですね。

その安定感にどっぷりと1時間。お勘定は、ひとり2,000円ずつでした。どうもごちそうさま。

「なるべくまっすぐに帰ってくださいね」という女将さんの笑顔に見送られて、まっすぐに歩いて到着したのは、上大岡側沿いにクレッセンド(三日月型)に広がる都橋商店街です。戦後に一大闇市が形成されたという野毛の町。その闇市の名残(なごり)が、ここにあるんですね。

そんな都橋商店街(←ひとつのビルです)の2階中央部にあるのが、ホッピーが飲めるバー「ホッピー仙人」です。

「こんばんはー」と入った午後9時半の店内は、いつものように常連さんたちでいっぱい。カウンターにずらりと座ったお客さんたちの後ろに立ってホッピー(500円)で乾杯です。

ここ「ホッピー仙人」は、午後10時閉店。だから、「閉店前に、今日も1回、顔を出しておこう」という常連さんたちで、この時間帯は、いつもいっぱいなのでした。

にっきーさんの2杯目はラム酒のホッピー。この店は、「三楽」や「金宮」のホッピーのみならず、ラム、ジン、テキーラやウォッカなどのホッピー(すべて500円)も飲むことができるのです。私は、2杯目として黒ホッピー(500円)をもらい、今日は、ひとり2杯ずつで終了。お勘定は、それぞれ1,000円(2杯分)でした。

「さっき、カジさんや、ひろたろうさんたちが「次はキール!」って言いながら出ていったけど、知ってますか?」
「知ってますよ。すぐそこです。行きましょう」と連れて行ってくれたのは、「MASHな生活の剥片」のMASHさん。

都橋商店街の、一番、桜木町駅に近い階段を下りた目の前の建物2階にあるのが「キール(KEEL)」。こりゃ本当に近いや。小上がりのテーブル席に座り、お通しで出されたプレッツェルをつまみながらジンリッキーです。

野毛の町を闊歩する呑ん兵衛さんたちは、どっかの店の常連さんというよりも、野毛の町そのものの常連さんといった感じの人が多い。夜な夜なやって来ては、あっちの店にフラリ、こっちの店にフラリと、まるで同じ店内でちょっと席を移動するかのように、野毛の酒場を行き来するのです。

店のほうも(我われが好んでいくようなタイプのお店は)、特にお通しなども出ず、飲んだだけ、食べただけの料金を支払って出るというところが多いので、料金面での心配もなく、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、そして同じ店に舞い戻ったりということができるのでした。

午後11時を回ったところで、「それじゃ、我われはこの辺で、お先に!」と店を出ます。お勘定は3人で3,100円(ひとりあたり1,000円強)でした。

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「キンパイ」で / 生ビール / 「武蔵屋」の定番5品

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「ホッピー仙人」 / ラム酒のホッピー / 黒ホッピー

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「KEEL」 / 店内の様子 / ジンリッキーとプレッツェル

・「第三酒寮キンパイ」の店情報前回) / 「武蔵屋」の店情報前回) /
 「ホッピー仙人」の店情報前回) / 「KEEL」の店情報

《平成19(2007)年5月31日(木)の記録》

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店情報: バー「キール(KEEL)」(横浜・桜木町)

  • 店名: バー「キール(KEEL)」
  • 電話: 045-252-7949
  • 住所: 231-0064 神奈川県横浜市中区野毛町1-14 翁ビル2F
  • 営業: 17:00-05:00、月休
  • 場所: 都橋交番の横。
  • メモ: チャージなし。チャーム(お通し)はある。カクテルは600~800円。公式サイトあり。

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夕食前のアペリティフ … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

「横浜に単身赴任してるんなら、横浜で飲むほうが多いんですか?」

そんな質問を、よく受けます。

月曜日の朝、横浜に向かい、金曜日の夜、東京に帰ってくる。つまり、月曜から木曜の4泊は横浜、金曜から日曜の3泊は東京なので、夜の数は横浜のほうが1泊分だけ多いんですね。

ところが、月曜日と火曜日の2日間は、特に予定がなければ二日連続の休肝日にすることにしているので、実際に飲む日で言うと、横浜が水・木の2夜、東京が金・土・日の3夜となって、その数が逆転するのでした。

「そうは言っても、日曜日に開いてるお店は少ないでしょう?」

これもまた、よく聞かれる質問のひとつ。たしかに一般的には日曜日が休みという酒場が多いのですが、うちの近所の行きつけの酒場は、どういうわけだか日曜日もやってくれてるところが多いのです。

日曜日でも、午後4時開店が阿佐ヶ谷の「川名」と野方の「秋元屋」。午後5時に開くのが都立家政の「竹よし」や鷺ノ宮の「くしとも」「丸山」などなどと、近くをウロウロしているだけで、飲むのには全く困らないという、とても嬉しい状況なのです。

そんな日曜の昼下がり。
「今日は、どちらへ出かけますか?」とメールをくれたのは、近所に住む酒友・にっきーさんです。日曜日に開いている酒場がたくさんあって嬉しい状況なのは、私だけではなくて、この近所に住んでる人たちみんなに言えることですもんね。
「今日は、ヨジアキ(開店時刻の午後4時に「秋元屋」)ねらいです!」
「了解です。では後ほど」

わが家から「秋元屋」までは、トコトコ歩いて20分ほど。今日は、昼間は30度近くまで気温が上がるほど(5月にしては)暑い1日だったのですが、午後4時に近いこの時間は、かなり過ごしやすくなってきました。

「秋元屋」まで、あと1~2分で着くというところで、にっきーさんからポンとメール。
「祝さん夫婦もいらっしゃいました。奥の部屋に入ってます」
おぉ、それはそれは。祝さんは「丁稚飲酒帳」のブログ著者で、昨年末に結婚されたばかりの新婚さんなのです。

「こんにちはー」と到着した「秋元屋」は、なんと、もう満席じゃん! 開店直後なのに、大人気ですねぇ。

まぁ、日曜日に開いている本格的なもつ焼き屋というのは、おそらく「秋元屋」以外にはないんじゃないかと思いますので、界隈のもつ焼き好きは、みんな集まってきてる状態なのでしょうか。(他にも開いてるお店があったら、ごめんなさい。しっかりと確認しているわけではありません。もしかしたら「石松」も開いてたりする?)

「秋元屋」の店主に以前聞いた話では、「日曜日は食肉市場が休みなので、もつ焼き屋も日曜日に休むことが多い」のだそうです。

そんな満席のカウンターの後ろ側を通り抜け、縄のれんをくぐって、奥の部屋へと進むと、こちら(10人ほど収容可能)もまたけっこう満席模様。右手奥の4人がけのテーブルに、にっきーさんと祝さん夫婦が座っています。
「こんにちは。ごぶさたしてます。お元気そうで」と、そのテーブルの残る1席に腰をおろします。うーむ、祝さんところは相変わらず爽やかカップルですねぇ。若さが、まぶしい!

「あら、いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれるヨッちゃん(店を手伝っている女性)に、
「瓶ビールを、ラガーのほうでお願いします」と、サッポロラガービール大瓶(530円)を注文。にっきーさんがサッポロ黒ラベル大瓶(530円)をもらっていたので、どれどれと飲み比べます。

いつもはホッピーから飲み始めることが多いのですが、なにしろ昨夜遅くまで「赤坂グレース」で、スコッチをストレートでガンガンいただいたので、今日はちょっと控えめです。

「お客さんが多いので、注文はこれに書いて渡してね」とヨッちゃんがメモ用紙とボールペンを渡してくれます。なるほど。これはいい仕組みだ。注文を間違えることもないし。

それぞれ、メモ用紙に名前を書いて、青のり1、煮玉子1、……と自分の注文を書いて、ヨッちゃんに手渡します。

まず出てきたのは青のり(150円)。常連のガンちゃんが、この青のりが大好きで、いつも来るなりダブルで注文し、その後もさらにおかわりするほどの、ものすごさ。私も、1度食べてみたいと思っていたのでした。小鉢に盛った生の青のりに、ポン酢醤油をかけ、ワサビをちょっとトッピング。さっぱりとしていて、味わいもよく、ガンちゃんがはまるのもわかるなぁ。

こいつはやっぱり燗酒(菊正宗、280円)かな。

カウンターではチロリで出される燗酒ですが、こちら奥の間には徳利で出してくれました。

煮玉子(100円)は、もつ煮込みの鍋でコトコトと煮込まれた玉子を1個、小鉢に入れてくれるもの。刻みネギをパラリと添えて、煮汁も少し入れてくれています。

燗酒のおかわりをもらって、今日の焼き物は鳥皮(100円)とネギ間(120円)。どちらも塩でいただきます。

鳥皮は、ずらりと並んだ鳥皮の間に、ピーマンがひと切れ入った、荻窪の「鳥もと」のものと似たスタイル。

ネギ間は、1本の串に鶏肉、ネギ、鶏肉、ネギ、鶏肉と刺して焼きあげたもの。プリッと大きな身がうれしいなぁ。

やきとん(もつ焼き)屋にきて、鳥の串焼き(皮と肉)だけを注文するという、これまでにあまりない注文の仕方をしてみたわけですが、そこはさすが「秋元屋」。火の通し方がすばらしいですねぇ。鳥皮もネギ間もうまいや!

「さぁ、それじゃ、そろそろ帰りますか」

にっきーさんも私も、日曜日の夕方散歩はたいてい午後6時まで。その後は、自宅で家族との夕食タイムです。今、ここで飲んでいるのは、言ってみれば夕食前の食前酒(アペリティフ)といった位置づけなんですね。あんまり飲むと、明日(月曜日)の朝が、きついですし。

今日のお勘定は1,760円でした。どうもごちそうさま。

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テラス席もいっぱい / サッポロ黒ラベルとラガービール / 青のり

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燗酒(菊正宗) / 煮玉子 / 鳥皮とネギ間

店情報前回

《平成19(2007)年5月27日(日)の記録》

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洋酒の森に分け入って … バー「赤坂グレース」(赤坂見附)

「北島亭」を出て、タクシーでビューンとやってきたのは、赤坂見附交差点のすぐ近くにあるバー「赤坂グレース」です。ここは「無いものは無い」と言われるほど洋酒の品ぞろえがいいお店。ここも、旧友が30年近く通っているお店の1軒です。

「これから4人で向かいます」と旧友が電話していたので、店についたときにはロングカウンターの中央部に4人分の席が用意され、さらに旧友がキープしているボトルの数々が、目の前にずらりと用意されて迎えてくれます。

店主の久保村さんは、ホテル・オークラのバーから独立して、この店を開いた方。常に超一流を目指すという精神でやってこられていて、店も超一流、置いているお酒も超一流というのが、この店の方針です。

だから店の入口から、ズーンと伸びる直線カウンターも、ひとりひとりの席がゆったりと作られていて、大の男がずらりと並んで座っても、まったく圧迫感はありません。右手から奥にかけて並ぶテーブル席も同様で、すべてがゆーったりと、くつろぎサイズなのです。

そしてなにしろ圧巻なのが、そのボトルの数。バックバーはもちろんのこと、フロアの壁や、店中央部(カウンター席とテーブル席の中央)にもボトルがストックできる場所があり、ところせましと洋酒のボトルが並んでいるのです。

これだけでも「うわぁーっ」となるほどですが、実はこの店のボトルストックは、店内だけには入りきらず、それらのお酒をストックしておくために、近くにそれ専用のマンションまで持っているというんだから驚きです。まさに「無いものは無い」、「洋酒の森」のようなお店なんですね。

そんな「洋酒の森」でいただく、今日の1杯目は、シングルモルトの華、ウイスキーのロールスロイスとも言われている「ザ・マッカラン」です。

「同じ1966年のビンテージでも、18年ものと、17年もの。1年違いで味がうんと変わるんだよ」と、旧友がキープしている1966ビンテージの18年ものに加えて、店の1966ビンテージの17年ものを1杯入れてくれる久保村さん。うーん。なるほど。どちらも単品で飲めば、ものすごく高いレベルに完成したウイスキーながら、両者を並べて飲み比べると、確かに18年もののほうが味に深みがあるように感じます。

しかしまぁ、これとてF1同士の競争を見ているようなもの。ものすごーいもの同士を比較して、「こっちのほうがすごい!」という判定を下してるような大贅沢です。

同行のT島さんが、
「先日、アルケミストというウイスキーを飲んで、おいしかったんですよ」という話をしたところ、
「あぁ、ありますよ」と、バックバーに何本も並ぶアルケミストのウイスキーのうち2本が、目の前にトントンと出てきます。1本は「ザ・グレンリベット」、もう1本は「マッカラン・グレンリベット」。なるほど、アルケミストというのは、ボトラー(蒸留所からウイスキーを樽で買ってきて、瓶詰し、自社のオリジナルラベルで販売する業者さん)の名前なんですね。

「そういえば、おもしろいウイスキーがあるけど、飲んでみる?」
そう言いながら、久保村さんが出してくれたのは、なんと「サントリー・リザーブ」。うそぉ、なんで「赤坂グレース」で「サントリー・リザーブ」なの、って顔をして久保村さんのほうを見ると、
「1970年のリザーブなんだけどね。この時代のリザーブは、ちゃんと薫製の香りがするんだよ」と久保村さん。どれどれ、とさっそく1杯いただいてみると、あぁ、本当だ! 強いというほどじゃないだけど、燻製の香りがします。

サントリーのウイスキーというと、長期熟成・高級麦焼酎と言ってもいいんじゃないかと思うくらい、スコッチ・ウイスキーでは当たり前の燻蒸香がないのが特徴。だから和食とも合わせられるんですが、このころのリザーブは違ってるんですねぇ。

旧友と私とは、同級生ながら、私が早生まれなので生まれ年が違います。友人は昭和33(1958)年生まれで、私は昭和34(1959)年。
「1959年のワインはおいしいんだけど、1958年のはあまりパッとしないんだよ」なんてことを友人が話していると、
「その1年前、1957年と1958年ということで言うと、こんなのもあるよ」
そう言って、久保村さんが2本のマッカランを並べます。一方が1957のビンテージ、もう一方が1958です。
「ラベルを見てごらん」と久保村さん。

あぁーっ! 1957のラベルは「MACALLAN」とだけ書かれているのに対して、その翌年、1958のラベルは「The MACALLAN」となっています。この年から「The」が付いたんですね。「The」を付けていいのは蒸留所の所有者が、自らボトリングするものだけ。つまり、日本語で言えば「元祖」みたいな響きなんですね。

そうかぁ、「元祖マッカラン(The MACALLAN)」は昭和33(1958)年からはじまったんだ。

さぁ、それじゃ、そろそろ「アードベッグ」行きますか!

この店においてあるのは、アードベッグ蒸留所に他社の資本が入る前の、白いラベルの「アードベッグ」。以前、この白ラベルの「アードベッグ」と、現在の黒ラベルの「アードベッグ」を飲み比べたことがあるのですが、これはもう先ほどの「ザ・マッカラン」18年と17年との違いなんてものじゃなくて、明らかに違うと分かるくらい味も香りも違ってて、驚いたものでした。

そう、その「ザ・マッカラン」も、ここに置いているのは、他社(日本の会社)の資本が入る前の「ザ・マッカラン」なのです。

とはいえ、そんな昔の「アードベッグ」や「ザ・マッカラン」が無尽蔵にあるわけではないので、近い将来、必ずなくなる日がやってくるんですね。

日本酒や焼酎が、ぐんと進化して、とても洗練された味や香りになってきたように、スコッチの世界も、過去の名品を越えるような味や香りのウイスキーを産み出してもらいたいものです。日本酒や焼酎と違って、答えが出るまでに最低でも4年くらいの貯蔵・熟成が必要なので、むずかしいのでしょうか。

最後にコニャック(ボルドリー)を1杯、ゆっくりといただいて、本日終了。今日もまた、とっぷりと「洋酒の森」を愉しんだなぁ。どうもごちそうさま。

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「グレース」 / ずらりとキープボトル / ザ・マッカラン1966の2本

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お通し / アルケミスト社のボトル / サントリー・リザーブ1970

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ザ・マッカラン1957と1958 / アードベッグ白ラベル / ボルドリー

店情報前回

《平成19(2007)年5月26日(土)の記録》

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ホールもがんばって! … フランス料理「北島亭(きたじまてい)」(四ツ谷)

田舎の友人が上京してきて、4人で「北島亭」です。

おぉーっ。「北島亭」が改装している! なんだか、小じゃれた雰囲気になりましたねぇ。でも、各席がゆったりした分、前よりちょっとだけ狭い(入れる人数が少ない)感じになったのかな。

店内の改装はさておき、もっと大きく変わったのはホールを担当していた緑子(みどりこ)さんがいなくなったこと。「北島亭」の接客は緑子さん、というイメージが定着していたので、これは大きい変化ですねぇ。代わりに、ふたりの若者(男性)がホールを担当しているんだけど、残念ながら、まだまだ緑子さんの足元にも及ばない状態のようです。

それぞれのお客さんが、何を欲しているかが見えていないというか、痒(かゆ)いところに、まったく手が届いていないというか……。

というか、店に入った瞬間から、それとわかるほど接客が悪いというのも、(それほど安いお店ではないだけに)ちょっと問題かも!

3人以上のグループで予約するとコース料理になるんだそうで、今日は「5品(前菜3品、魚料理1品、肉料理1品)おまかせフルコース(デザート、コーヒー付き)」(15,750円)を、お願いしているんだそうです。

飲み物は「ベルエポック」というシャンパーニュからスタート。

「シャンパンは、いつも「クリュッグ」をもらってたのに、どうしたの?」と友人に聞いてみると、
「なんかねぇ。最近の「クリュッグ」は薄くなったような気がして。今、他のシャンパンで美味しいのがないか、いろいろ試してみてるところ」とのこと。ふーん。そうなんだ。

アミューズ(オードブルの前に出る小料理)は、温かいパイと冷たいメロンのスープ。

ほらほら、おにいさん、みんなのシャンパングラスが空いちゃってますよー。言われる前に、スッと注いでくれると、ありがたいですよね。

1品目の前菜は、ふたり分が有明産・生カキのマリネ(フランボワーズの香り、サラダ添え)で、ふたり分が生うにのコンソメゼリー寄せ(カリフラワーのクリーム添え)。

カキのマリネは一皿に大きな2個。ソースがかけられた上にドカッとキャビアがのっています。生ウニのほうは、今日はウニの殻の中に、そのままコンソメゼリーを入れて、カリフラワーのクリームをちょいと浮かしたタイプ。こちらもプツプツとキャビアがトッピングされています。ウニも一皿に2個なので、ふたりずつでそれぞれシェアし合えば、1品目から、実は2品が楽しめるということになります。これはうれしい気配りですね。

グラスが空いている時間が長くて、なかなか進みが悪かったシャンパーニュも飲み終わり、本日の2本目は、白ワイン「ムルソー・シャルム(Meursault Charmes)2002」です。

そして2品目の前菜は……。えっ! 茶碗蒸し?

完全な茶碗蒸し用の器(和食器)で出されたのは、フォアグラの洋風茶碗蒸しです。蓋を開けると、とろりと餡(あん)のかかった、とてもシンプルな茶碗蒸しという外観。スプーンでグッとすくって食べると、熱々でとっても上質の肝豆腐(きもとうふ)です。

竹よし」のメニューによく登場するアンキモ豆腐も、同じように温めて食べると、また違った味わいが楽しめるのかもなぁ。贅沢なフォアグラ豆腐をいただきながら、ふと、そんなことも考えたような次第です。

白ワインも空いて、3本目となるのはボルドーの赤ワイン、「クロ・デュ・マルキ サン・ジュリアン(Clos du Marquis Saint Julien)1996」。先ほどの白ワインを注文するのと同時に注文し、デキャンタージュしておいてもらったものです。

3品目の前菜は、これまた2人前ずつ別々の料理です。

ふたりは仏産ホワイトアスパラと伊勢湾のとり貝(ヴィネグレットソース)。太いホワイトアスパラが2本、ごろりと横になったところに、とり貝が飾られます。全体が白っぽいので、とり貝の黒っぽい部分がいいアクセントになっています。まるでツクシンボウのような穂先の野菜が添えられてるんだけど、なんでしょうねぇ。この野菜の緑も鮮やかです。

そしてふたりはアンティチョークのスープ。平皿に入れられたスープの中に、ツンツンと立てられたアンティチョークが5本。この時期(5月後半から6月前半ぐらい)だけの野菜らしいので、あとから出てこられた北島シェフも「今日のアンティチョーク、良かったでしょう!?」と、とてもうれしそうでした。

料理のほうは4品目の魚料理。マナガツオのポアレです。分厚い身のマナガツオは、豊後水道産。身の部分はポアレに、ヒレの周りや、カマの部分などは揚げて、添えてくれます。いつもは前菜が終わる頃には、もうギブアップが近い状態の「北島亭」の料理。今日はなんだか余裕でお腹に入っていくなぁ。よーし、今日は大丈夫そうだぞ!

「残す人もいたりするんで、少しポーション(盛りの量)を減らしたらしいよ」と友人。

そうだったんだ。ゴールデンウィークにワシワシと飲み歩いた上に、麺類もたーくさん食べたので、自分の胃袋が広がっちゃったんじゃないかと、ちょっと心配してたのですが、実際に盛りが少なくなったということを聞いて、ひと安心です。

4本目のワインは、赤ワインの「ヴォーヌ・ロマネ(Vosne Romanee)2003」。今日テーブルを囲んでいるのは、男4人ですが、そのうち一人は未成年なので、ワインは3人で飲んでいます。そのワインが4本目に入ったということは、この時点で、平均的にはひとり1本以上のワインを飲んでるってことですね。

ホール係の男性ふたりが、まだ余り慣れてないのか、グラスが空いている時間が長い分、満を持して注がれると、かえってグビッと勢いよく飲んじゃったりして、いつもよりよく飲んでるのかもなぁ。うーむ。接客サービスが悪そうに見せておいて、ワインをたくさん飲ませる戦略だったのかも!(もちろん冗談ですよ。)

舌休めに、かなり酸っぱいレモン・シャーベットが出されて、口の中がさっぱりとしたところで、コースの最後、5品目となる肉料理は特上和牛イチボ肉のローストビーフ風(じゃが芋のピューレ添え)です。どうよ、どうよ! この濃いピンクの断面。これが「北島亭」の焼き肉ですよねぇ。ックゥ~~ッ。やわらかぁーいっ。うーーーん。この肉は、とんでもなく旨いなぁ。

少な目のポーション。絶対正解だと、私は思います。いつも、肉料理にたどり着く頃には、「超」が付くくらい満腹で、イチボ肉や、ホホ肉のような、けっこう脂っぽい肉は、とてもいい肉にもかかわらず、見ただけでアウト、みたいな感じが多かったのですが、今日はこうやって、イチボ肉を「とんでもなく旨い」と思いながら、付け合せのポテトも含めて、最後までいただくことができましたから! せっかく出してもらった料理を、少しでも残してしまうのは、なんだか心苦しいのです。

いつもは食べられないデザート(ケーキ)も、今日はスイスイと食べられます。

エスプレッソをダブルでもらうと、小皿で出されるのはチョコレートと、砂糖フルーツと蜜柑。厨房から、すべての料理を作り終えた北島シェフも出てきて、ブランデーを1杯ずつご馳走してくれます。食後のブランデーというのもも、おしゃれですねぇ。

北島シェフとお話をしながら、シェフが「今日はこのワインを注文されるかと思ってたのに」と言う「ブラン・フュメ・ド・プイィ・パラドックス 2003」を、「それじゃ、これからいただきます」と注文。料理は終わっても、ワインは終わらないのが呑ん兵衛ですねぇ。本日、5本目となるワインです。

あぁ~っ、よく飲んだ、よく食べた。

でも接客は、早く、少なくとも緑子さんが居たときの状態には戻さないと、まずいよなぁ。若いみなさんたちは、料理の修業をするために「北島亭」に入ったということで、接客に力が入らないのかもしれませんが、美味しい料理が作れるだけでは店として成立しませんもんね。

太田和彦さんが説くところの「いい酒、いい人、いい肴」という居酒屋三原則は、フレンチ・レストランであっても同じだろうと思います。美味しい料理が作れた上に、いい接客ができ、いいお酒(ワイン)の品揃えもできなくっちゃ、いい店にはならないのではないでしょうか。

将来、いいオーナー・シェフになるための大事な通過点だと思いますから、ホールでの仕事も力いっぱいがんばってくださいね! 次回に期待してまーす。

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「北島亭」 / テーブルの様子 / アミューズのパイと冷たいメロンのスープ

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シャンパン(ベルエポック) / 生カキのマリネ / 生うにのコンソメゼリー寄せ

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フォアグラの洋風茶碗蒸し / ムルソー・シャルム 2002 / クロデュマルキ 1996

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ホワイトアスパラととり貝 / アンティチョークのスープ / マナガツオのポアレ

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レモン・シャーベット / 特上和牛イチボ肉のローストビーフ風 / デザート

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ヴォーヌ・ロマネ 2003 / エスプレッソ・ダブル / お菓子

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ブランデー / パラドックス 2003 / 今日いただいた5本のワイン

店情報前回

《平成19(2007)年5月26日(土)の記録》

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飲んで食べてラーメン … ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)

石松」をあとに、西武新宿線で向かったのは下井草(しもいぐさ)。駅から北に向かって徒歩約5分。新青梅街道に突き当たると、そこが「御天」です。

店に近寄るだけで、ガンガンと漂ってくる濃厚な、とんこつスープの匂い。

学生時代に、はじめて福岡に行って、はじめて博多のラーメン屋に行ったときには、「なんじゃ、こりゃ!」と、実際に口に出してしまうくらい強烈な異臭に感じたものですが、その地で焼酎やラーメンに染まること数年。今や、その香りが漂ってくるだけで「うわぁーっ、うまそぉーっ」と、つい吸い寄せられてしまうほど、とんこつラーメンのファンになってしまったのでした。

そして、福岡のラーメン屋台といえば、付きものなのが屋台での焼酎やお酒。ラーメン屋台でも用意ができるような、簡単なつまみを肴に、焼酎の湯割りなどをグイグイといただくわけですね。

当時(今から30年ほど前)は、ラーメン1杯が250円、替玉(かえだま。麺のおかわり)が50円という時代でした。

焼酎はコップ1杯が120円ほどで、それとは別に空のコップが出され、そのコップに焼酎を半分ほど移して、ドンと置かれているポットからお湯を入れて、都合2杯分のお湯割りにして飲んでましたねぇ。つまり、お湯割り1杯が60円相当だったということですね。

つまみで秀逸だったのは「酢豚」(250円)。

「ぬわにぃ~っ! 酢豚が250円だってぇっ! なんと安いっ」と、ビックリしながら注文すると、出てきたのは小皿に盛られたチャーシューに、刻みネギをたっぷりとトッピングして、それに酢をかけたもの。酢豚というのは、酢かけチャーシューってことだったんですね。

ま、屋台にある材料だけで、ちょいちょいと作るつまみなので、考えてみたら中華の酢豚が出るなんてことはあり得ないんだけど、この酢豚には笑ってしまいました。

博多ラーメンのチャーシューは、チャーシューといいながらも実際には焼豚ではなくて、煮豚です。その煮豚に酢がよく合って、簡単なわりには美味しいつまみでした。

さてさて、時代は現代に戻って、下井草の「御天」。

この店も、ラーメンのうまさもさることながら、酒場としても楽しめる、正しき(?)長浜ラーメンのお店なのです。東京で「そば屋酒」に相当する飲み方が、博多の「ラーメン屋台酒」なのかなぁ。

ただし、ここ「御天」は屋台ではなくて、がっちりとした厨房設備もあるため、おつまみメニューも豊富。マカロニサラダ(250円)、ポテトサラダ(300円)といった大衆酒場定番のつまみからはじまって、手打ち水餃子(280円)やネギチャーシュー(550円)、ピータン(400円)、海老のチリソース(580円)などの、いわゆる中華もあるのです。

070525u飲み物は玉露割り(400円)をもらって、地鶏のたたき(600円)と、このところの定番・せん菜炒め(550円)を注文します。

せん菜というのは、新種の細いモヤシなんだそうで、シャキシャキとした歯応えと、塩コショウのビシッと効いた味わいに、玉露割りがどんどん進んでしまう一品。ちょこっとレバーが入っているのも、いいバランスなんですよねぇ。

そしてシメはもちろんラーメン(680円)なりーっ!

いやいや。これが食べたかったんだ。

ドロリとなるほどよく煮込まれた、とんこつスープ。長浜ラーメン独特の細くて硬いストレート麺。これにゴマをパラパラっといれて、紅生姜をのせ、胡椒もパラリ。今日はおろしニンニクに加えて、辛子高菜(からしたかな)も入れましょうね。この辛子高菜は、爆発的によく効くので注意が必要です。どっさりと入れると、もう食べられないくらいの辛さになってしまいます。

ズズッ、ズズッと細麺をすすり込んで大満足。そば前(ラーメン前?)のつまみも、たくさんいただいたので、さすがにこれで満腹です。

お勘定はふたりで3,900円(ひとりあたり1,950円)でした。

今日、早くから飲んでいた私は、ここで戦線離脱。同行のにっきーさんは、遅くから参戦されたため、この店が実質的に1軒目。これから地下の「Goten's Bar」で飲んでいくそうです。先にシメのラーメンにおつき合いいただき、ごめんなさい。でも、おかげで私の「御天」不足は、解消となりました。どうもありがとうございました。

うぅーっ。満足じゃ!

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地鶏のたたき / せん菜炒め / ラーメン

店情報前回

《平成19(2007)年5月25日(金)の記録》

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乳首は噛み切れない!? … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

うなぎ串焼きの「川二郎」を出たのは、午後7時過ぎ。この時間、「石松」はまだ開いてないだろうけど、ちょっとのぞいてみましょうか。

最近、「石松」に行くお客さんたちの何人かが、「石松」の目の前にできた、立ち飲み「パニパニ」にも行っている様子。もし「石松」が開いてなければ、その「パニパニ」にも行ってみるのもいいかもね。

お。「石松」の窓や、入口が開いている。ということは、店主(マスター)は、すでに来てるんですね。

「こんばんはー。準備中ですか?」入口から中を覘き込みながら声をかけてみると、
「あ。入ってていいよ。そこに座っといて」と店主。えっ。こんな(「石松」にしては)早い時間から入ってていいんだ。

「3人、3人と電話が入ってるから、真ん中あたりに座って」と店主。この店は、特に予約ができたりするわけではないんですが、口開けと同時に店に入る場合や、「あと10分ほどで行けるんだけど、今、空いてる?」、なんて場合に限って、可能であれば場所を確保してくれたりするのです。

とりあえず、ホッピー(ソト)をもらって、キープしている金宮焼酎をホッピーで割り、店主と、金曜日を手伝っているおにいさんの二人が、忙しそうに開店の準備をしているのを見学しながら、チビチビと飲みはじめます。「川二郎」に続いて、ここ「石松」でも口開けの客になっちゃいましたねぇ。

7時半を回ったころに、ふらりと常連さんらしきひとり客が入ってきて、私のとなりへ。店内にはお客は二人しかいないんだけど、電話がかかってきている分も含めて、これでカウンターの全席が埋まったということになります。うーむ。まだ本来の開店時刻前なのに……。

ちなみに、本来の開店時刻というのも、あまりきちんとは定まっていないようで、7時半から8時くらいまでの間には開いていることが多い。8時であれば、開いている確率は非常に高いんだけど、すでに全席が埋まっている可能性も高いといった感じです。

そして3人組のひと組目さんが来店。入口側にずらりと座ります。

ここら(時刻は7時45分)でみんなにお通し(380円)が出されます。私のお通しはセンマイ刺し。トッピングされたキュウリが、切り立てで瑞々しくていいですねぇ。

「何にする?」と聞いてくれる店主に、まずはレバ刺しハーフを注文します。最初にレバ刺しハーフから入るのも、定番的な流れになってきました。やっぱり、この店に来たら、まずはレバ刺しを食べたいですもんねぇ。他では、なかなか味わえない、非常に鮮度の高いレバ刺しです。

この間も、何人かが顔を覗かせますが、「ごめーん。もういっぱい。空いてるところも、電話が入ってて」と断る店主。あいかわらず、すごい人気です。

8時頃には奥の3人組(S本さんグループ)も入り、きっちりと満席。

S本さんや、「石松」の店主(マスター)たちは、昨日(木曜日)、浅草橋の「ビストロ・ラ・シブレット」で、フランス料理とワインを堪能してきたのだそうで、その様子を、面白おかしく聞かせてくれます。

みんなと一緒にオッパイ塩(100円)を注文すると、大きな豚の乳房から切り出されていくオッパイ。
「乳首のところも付けといたよ」と笑いながら、入口側の3人の常連さんのところに出す店主。
「どれどれ」と、その乳首付きのオッパイを口に含んだ常連さん、しばらくして
「ダメだ。乳首のところは、とても硬くて噛み切れないよ」とのこと。そうなんだ。まぁ、考えてみれば、仔豚が群がるようにして、お乳を奪いあったとしても、乳首が簡単にちぎれたりしたら困りますもんね。かなりの強度(?)になってるに違いない。

ガツ醤油(100円)、コブクロ刺し(380円かな?)と食べ進んだところで、自宅が近所で、横浜勤務のにっきーさんから「横浜での仕事を終えて帰宅中」という連絡が入り、ここ「石松」で合流することにします。

にっきーさんの到着は午後9時ごろ。ちょうど準備が始まったツクネ(150円)の注文に間に合って、ツクネをひとり1本ずつもらいます。

にっきーさんと合流したところで、ぜひ行きたいお店が長浜ラーメンの「御天」。あの、こってりと濃厚なラーメンは、一度食べると病みつきになるタイプのラーメンなのですが、その「御天」のラーメンから、1ヶ月以上も遠ざかっているのです。

そんなわけで、まだちょっとしか「石松」を愉しんでいないであろう、にっきーさんを急(せ)かすように席を立ちます。

午後10時半前まで、約3時間の滞在は、新しいボトル(1,500円)も入れて、にっきーさんとふたりで(とはいえ、実態としては、ほとんど私ひとりで)3,500円でした。どうもごちそうさま。みなさん、お先に!

070525l 070525m 070525n
ホッピーでスタート / お通しのセンマイ刺し / レバ刺しハーフ

070525o 070525p 070525q
なぜかゼンマイ / 準備中のツクネ / オッパイ塩

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ガツ醤油 / コブクロ刺し / ツクネ塩2本

店情報前回

《平成19(2007)年5月25日(金)の記録》

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自家製つけものも絶品 … うなぎ「川二郎(かわじろう)」(中野)

都内での仕事を終えて、中野に帰ってきたのは午後5時半過ぎ。うなぎの串焼きが食べたい気分で「川二郎」の前まで行ってみると、ちょうど店主がのれんを出しているところです。

「もう入っていいですか?」と店内へ。本日口開けの客になっちゃいました。

「川二郎」の店内は、手前側がL字型カウンター10席ほど、その奥にテーブル席が1卓あって6人ほど座れるようです。予約で使える2階席もあるそうですが、見たことはありません。店は店主夫婦と、その甥っ子の3人で切り盛り。

開店直後の店内は、まだ串打ちの下ごしらえなどの準備作業が続いている様子です。焼き物の準備が整うまでは、きも刺(650円)でもつまみながら待つとしますか。

「ビールと、きも刺しをお願いします」
「きも刺しは、ニンニク? ショウガ?」奥にいる、おかみさんから確認が入ります。
「ニンニクでお願いします」

まずはビール(キリンラガー大瓶、550円)と、お通しのキャベツ紫蘇和えが出され、追いかけるように、きも刺しと、小皿のニンニク醤油。ニンニク醤油には刻みネギも添えられています。

きも刺しは、うなぎの内臓一式を、さっと茹でて冷ましたもの。店主曰く「きも吸いの具になる部分ですよ」ということで、クリッと弾力のある胃や腸などの食感もいいですねぇ。

すぐにカップルが2組、男性ひとり客がひとり入ってきて、カウンターのまわりもにぎやかになってきました。炭火もスタンバイOKで、いよいよ焼きが始まります。

「ひと通りでいいですか?」と聞いてくれる店主に、
「えぇ。ひと通りと、えり焼きも1本お願いします」と返事。
「えり焼きは、タレ? 塩?」
「んーと……」とちょっと考えていると、
「塩がおすすめかな」と店主。
「じゃ、塩でお願いします」

ひと通りというのは基本的には、ひれ焼(150円)、串巻き(200円)、八幡巻(250円)、ばら焼(150円)、きも焼(200円)、れば焼(170円)という6本組みで1,120円。うなぎ串焼きの中で、このひと通りに入っていないのが、えり焼(150円)と短冊(250円)の2種類なのです。

もっとも、遅い時間に行ったりすると、売り切れも出てきて、そのときにできる何本かで、ひと通りにしてくれます。値段も、その時の組み合わせ次第となります。

中でも好物は、ひれ焼と、ばら焼の2種類。

ひれ焼は、うなぎの背ビレや腹ビレなどのヒレを、ニラと一緒に串に巻きつけて焼いたもの。ヒレという語感から、骨っぽいイメージを持つ人もいるかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。

ばら焼は、うなぎの腹のまわりの骨(肋骨部分)を、そのまわりの肉とともにそぎ落として、集めて焼いたもの。これまた骨っぽいことはなくて、アバラ周りのうまみがギュッと凝縮された串焼きなのです。

追加した、えり焼は、うなぎの頭の部分。ただし、一番硬い先っぽの部分は落として、中の骨なども上手に処理しているため、これまたあまり骨っぽくありません。

ビールを飲み終えた後は、燗酒(新政、270円)に移行します。ここの燗酒は、あらかじめ燗付けした酒をポットに入れておいて、そのポットから注いでくれます。

このころには、カウンターはもう満席。奥のテーブルにも予約が入っていて、店にやってきたものの「ごめんなさい。満席です」と断られるお客さんも出始めました。

焼き台の上では、今来ているお客さんに出す焼き物のほか、このあと続々とやって来るであろうお客さんたちの分の下焼きもされていて、焼き台はずっといっぱいの状態。こうやって仕上げ直前まで焼いた状態でスタンバイしておくんですね。

今日は野菜焼きも食べてみるかな。ここの野菜焼きは、ぎんなん(180円)、しいたけ(180円)、しいたけくき(80円)、ししとう(100円)、ねぎ(100円)の5種類。この中から、しいたけと、しいたけくきを注文します。
「しいたけは、ちょっと時間がかかるからね」と店主。そうでした、そうでした。しいたけや、しいたけくきは、焼き台の横に置かれたボールの水に、しばらく浸けてから焼くので、焼きあがるまでにちょっと時間がかかるんです。

「じゃあ、おつけもの(300円)もください」

これまたこの店の自慢の一品である、自家製つけものをつつきながら、しいたけの焼き上がりを待とうという考えです。

すぐに出された、つけものは、キュウリとカブのぬか漬け。店が休みのときに、外で飲んでいても「漬物の世話をしに帰らないといけないから」と店主が帰ってしまうというくらい大事にされている、この店のつけもの。これは本当にうまいですねぇ。燗酒(270円)も、おかわりをもらいましょう。

ふっくらと焼きあがった、しいたけもさることながら、しいたけのくきが、これまたいいつまみになるんですよねぇ。

やぁ、おいしかった。午後7時過ぎまでの1時間半。きも刺しに、うなぎ串焼き7本、野菜焼き2本、つけものを肴に、ビール1本、燗酒2杯で、今日のお勘定は3,590円でした。どうもごちそうさま。

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ビールとお通し / きも刺。ニンニク醤油で / ひれ焼、串巻き、八幡巻、ばら焼

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きも焼 / れば焼 / えり焼(表側)

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えり焼(裏側) / 燗酒(新政) / しいたけ

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しいたけのくき / 自家製つけもの / 「川二郎」外観

店情報前回

《平成19(2007)年5月25日(金)の記録》

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池波正太郎流の食べ方 … 洋食「キャトル」(横浜・洋光台)

大衆食堂で、ひとり酒を飲んでおいしいように、洋食屋でも上手にひとり酒ができないものかと、ときどきトライしてみているのですが、なかなかうまくいきません。大衆食堂で、おかずをつまみにチビチビとやるのと違って、洋食屋では、ついついガッツリと食べるほうに走っちゃうんですねぇ。なんでかなぁ。

今日は会社の帰りに、JR洋光台駅のすぐ近くにある洋食屋「キャトル」です。

先日、横浜在住の先輩と話していたときに「そういえば、洋光台駅の近くに美味しい洋食屋さんがあってねぇ。名前は忘れたなぁ。駅のすぐ近くの2階なんだけど」という話をうかがったのです。
「え? もしかすると「センターグリル洋光台店」じゃないでしょうか。そうだったら2階じゃなくて、1階なんですけど…」と確認してみても、
「いや。たしかに2階だったなぁ」と先輩。

それ以来、駅の近くをちょこちょこと調べていて、もしかしたらここかな? とあたりをつけたのが、駅前のビルの2階にある「キャトル」だったのです。

開けっぱなしの入口から中をのぞきこむと、洋食屋というよりは、喫茶店に近い風情。

店内は入口左手がレジとカウンター4席。カウンターの中が厨房になっています。右手の壁の沿って4人掛けのテーブル席が三つ並んでる。店は厨房(カウンター)の向こう側で左に広がり、そこに6人掛けと2人掛けのテーブル。そして、店の一番奥の壁(窓際)に沿って2人掛けのテーブルが2つずつ組になって4組(8卓)並んでいます。グループで来た場合には、人数によって組み合わせを調整するんでしょうね。

店は年配の店主夫婦がふたりで切り盛りしているようで、ご主人が厨房の中での調理を、奥さんがホールを担当しているようです。その奥さんが「いらっしゃいませ」と、コップに入ったお水をもってきてくれます。

「ビールをお願いします」
「生ですか?」
「ビンがあれば、ビンで」

ひとまずビールを注文しておいて、テーブル上に置かれたメニューを確認します。メニューはプラスチックケースに入った両面印刷の紙1枚。

飲み物は瓶ビール(キリンラガー中ビン、520円)、生ビール(中、570円)のほかに、お酒(420円)、サワー(420円)やワイン(ボトル、1,900円)などがあるようです。

お酒(日本酒)があるのが、おもしろいですねぇ。

洋食屋で飲むといえば、池波正太郎氏を思い出しますが、その池波氏が神田の老舗洋食屋「松栄亭」で飲むくだりが次のように著されています。

 去年(昭和50年)も押しつまってから、久しぶりに、3人連れで松栄亭へ行き、食事をした。3人それぞれに好きなものをとり、それを三等分して食べた。
 先ず、野菜サラダを二皿。
 ポーク・ソテーが1、串カツレツが1、この店の名物・洋風かき揚げが1、カレーライスが1、ドライカレーが1、オムライスが1。それに酒を4本のんで、3人とも腹いっぱいになり、勘定がいくらだと思うだろうか……。
 金3,640円である。

3人で酒4本なので、量としてはそんなに多くないのですが、野菜サラダに、ポークソテー、串カツ、洋風かき揚げという、いかにも洋風の料理を肴に、酒(日本酒)を飲んだんですね。そのあと、がっつりとご飯ものを食べています。

池波氏は、洋食屋に入ると、こうやって洋風のおかずをつまみに軽く飲んでから、しっかりとした食事で〆る、という飲み方が多いようで、目黒の「とんき」でも『私は先ず、ロース・カツレツで酒かビールをのみ、ついで串カツレツで飯を食べることにしている』という飲み方をしています。

今日は、この池波氏の飲み方に倣(なら)ってみましょう。

まずは、つまみとなる一品ですね。メニューにはベーコンエッグ(520円)やオムレツ(520円)などの卵料理。トマトサラダ(520円)、ハムサラダ(680円)などのサラダ類などが並びます。

がっちりヘビーにいくとするとハンバーグステーキ(890円)や、チキンやポークのカツレツやソテー(各1,050円)。チキンメリーランド、ポークメリーランド(各1,400円)なんて、本格的な一品料理もあります。

魚介料理は、鮮魚フライ(890円)や魚ムニエル(バター焼、890円)、エビ・魚・貝柱盛合せフライ(1,360円)などなど。

メニューの中には「おつまみ」なんてコーナーもあって、サラミ(520円)、チーズ(520円)、グリルドウィンナー(520円)、オニオンスライス(520円)、鶏から揚げ(750円)、アスパラガス(650円)、カマンベールチーズ(650円)、ソフトサーモン(2,100円)という品々が並んでいます。

池波氏ほどの健啖家ではないので、この店のボリュームがわからない今日は、軽めのつまみにしておきましょう。
「グリルドウィンナーをお願いします」

店内には、入口上部にテレビも置かれていて、野球中継が流れています。そういえば、「センターグリル洋光台店」にもテレビがあります。ひとり客でも退屈しないようにしてるんですね。

「お待たせしました。ウィンナーです。お箸も置いておきますので、食べやすいほうでどうぞ」と、小ぶりのフォークと割箸を出してくれます。

グリルドウィンナー(520円)は、包丁で切り目を入れて炒めたウィンナーソーセージが5本、何枚かのレタスの上にのせられて、マヨネーズが添えられています。

店内には私以外には客はいなくて、店主夫婦もおしゃべりなどしていないので、テレビの音が流れているだけという静かさです。ギューギューの満席というのも困るのですが、ある程度のお客さんは入ってないと、なんだかちょっと寂しいですねぇ。

ウィンナーでビールを飲みながら、じっくりとシメの食事ものを選びましょうか。

ご飯ものとしてはカレーライス(730円)やハヤシライス(840円)、オムライス(840円)、エビピラフ(890円)などなど。スパゲティもイタリアン(750円)、ミートソース(750円)、ミラネイズ(950円)など、何種類か並んでいます。サンドイッチもハンバーグサンド(1,000円)やポークカツサンド(1,000円)、ステーキサンド(1,300円)などならシメの食事になりそうです。

「すみません。オムライスをお願いします」結局、好物のオムライスに決定。

しばらくすると、厨房からはシャカシャカと卵を混ぜる音や、カッカッカッとフライパンをふる音が聞こえてきて、いい匂いが漂ってきました。

テーブル上にはスプーンとフォークが並べられて、スタンバイOKです。

さぁ、出てきました。オムライスです。まるで食堂見本のような、典型的な昔風のオムライス。横にケチャップスパとポテトフライが添えられているのも、なんだか懐かしい光景ですねぇ。その昔、デパートの食堂で出てくるオムライスが、こんな感じでした。

オムライスの中身は、ハムを具にしたケチャップライス。熱いうちにワシワシと食べ終えて、ごちそうさまー。

1時間弱の滞在。お勘定は1,880円でした。

うーむ。この池波正太郎流の食べ方。お腹はいっぱいになるけど、なんだか飲み足りないなぁ。。。

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「味の飲食店街」の入口看板 / グリルドウィンナーと瓶ビール / オムライス

店情報

《平成19(2007)年5月23日(水)の記録》

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店情報: 洋食「キャトル」(横浜・洋光台)

  • 店名: レストラン「キャトル」
  • 電話: 045-831-6735
  • 住所: 235-0045 神奈川県横浜市磯子区洋光台3-1-1 ショップ27/2F
  • 営業: (未調査)
  • 場所: JR京浜東北/根岸線・洋光台駅の改札を出て、右側に駅前ロータリーを回りこみ、信号付き横断歩道で大通りを渡ると、目の前がショップ27の2階・飲食店街への入口。階段を上って二階に入り、中央部(飲食店では一番奥?)まで進んだ左手が「キャトル」。
  • メモ: カウンター4席、テーブル席36席の合計40席を、店主夫婦が切り盛り。
    〔卵料理〕フライドエッグ420、ハムエッグ520、ベーコンエッグ520、オムレツ520、ミートオムレツ870、〔パスタ料理〕スパゲティ・イタリアン750、スパゲティ・ミートソース750、スパゲティ・ミートボール950、スパゲティ・カレーソース900、スパゲティ・ミラネイズ950、スパゲティ・キノコ1,050、〔サンドイッチ〕ハムサンド850、野菜サンド850、エッグサンド850、ハンバーグサンド1,000、ポークカツサンド1,000、ステーキサンド1,300、〔ブレッド〕バター付パン260、トースト260、〔デザート〕オレンジジュース320、コーラ320、ジンジャーエール320、トマトジュース370、ミルク370、コーヒー420、紅茶420、アイスコーヒー470、クリームソーダ470、ココア470、オレンジフロート470、コーヒーフロート580、アイスクリーム370、〔酒類〕お酒420、サワー420、ワイン(フランス産)1,900、ビール520、ウイスキー(W)630、生ビール(中)570、生ビール(大)1,050、〔おつまみ〕サラミ520、チーズ520、グリルドウィンナー520、オニオンスライス520、鶏から揚げ750、アスパラガス650、カマンベールチーズ650、ソフトサーモン2,100。
    〔スープ〕タマゴスープ500、〔サラダ〕トマトサラダ520、野菜サラダ630、ハムサラダ680、ロースハムサラダ800、〔牛肉料理〕ハンバーグステーキ890、メンチカツレツ890、牛肉とキノコのソテー1,360、ビーフカツレツ1,360、ビーフステーキ1,600、サーロインステーキ2,400、〔鶏肉料理〕グリルドチキン1,050、チキンカツレツ1,050、チキンソテー1,150、チキンメリーランド1,400、〔豚肉料理〕ポークカツレツ1,050、ポークチャップ1,150、ポークソテー1,150、ポークメリーランド1,400、〔鮮魚介料理〕イカフライ790、鮮魚フライ890、イカバター焼890、魚ムニエル(バター焼)890、カキフライ890、貝柱フライ890、エビフライ1,360、エビ・魚・貝柱盛合せフライ1,360、〔ライス〕ライス260、カレーライス730、ハヤシライス840、ドライカレー780、チキンライス780、フライライス780、ウィンナーライス840、オムライス840、ピカタライス940、エビピラフ890、キノコピラフ1,050、カツカレー1,050。(2007年5月調べ)

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昭和の香りの漂う酒場 … スナック「エコー」(門前仲町)他

だるま」を後に、グルメ系ブロガーのももパパさんつきじろうさんくにさんに、酒友・呑んだフルさんも加わって、5人で「だるま」の目の前にある辰巳新道へと入ります。

辰巳新道は、戦後の復興期にバラック建ての家屋からはじまった飲み屋横丁。すべて九尺二間(くしゃくにけん)、メートル単位でいうと幅2.7m×奥行き3.6mという、昔の長屋サイズに統一された店が、30軒弱、ずらりと並んでいるのです。

こんなに狭いと、店の中にトイレを作ったりはできない。そこで横丁の中に共同トイレが設置して、どの店の客も、そのトイレを使うという工夫がされています。

横浜に移転する前は、職場がこの近くにあって、辰巳新道界隈にもよく飲みに来たものでした。同じ職場の中でも部が違ったり、課が違ったりすると、それぞれ行きつけの店が違う。ところが、なにしろトイレが共同なので、トイレに行ったときに「あれ? どこで飲んでるの?」「あ。どうもどうも。このあと、一緒にどう?」なんて感じで、知り合いにばったりと出会うなんてことも多かったのです。

こういう共同トイレがある横丁というのも、ここ辰巳新道のほか、新宿の思い出横丁、横浜の狸小路くらいでしょうか。ビル内に飲み屋街があって、トイレが共同というのはけっこうありますよね。たとえば横浜・野毛の、ぴおシティや都橋商店街、阿佐ヶ谷ゴールド街などが、そのタイプです。

そんな辰巳新道の、ちょうど中央部にあるのが、うちの職場がかつて行きつけにしていた、スナック「エコー」。さすがに職場が横浜に移転してからは、昔のようにちょこちょこ顔を出すことはできませんが、こちらに来る機会があれば、できるだけ顔を出すように心がけているお店です。

「こんばんは。5人、入れるかなぁ?」
覗き込んだ店内は、先客グループの人たちが飲んでいるところ。
「いいよ、いいよ。ちょうど帰るところだから、代わって入りなよ」と、そのグループの人たちがお勘定をしてくれて、無事に入ることができました。

「お久しぶりねぇ。元気だったの?」とママさん。なんの、それはこっちのセリフですよ。女性の年齢を言うのも失礼な話ですが、この店を、ひとりで切り盛りするママさんは、私の記憶が合ってれば、今年で76歳のはず。変わらずお元気そうでなによりです。

先ほども書いたとおり、この横丁にある店々は九尺二間の統一サイズなのですが、この店は、それを2軒分ぶち抜いた十八尺二間 = 三間二間(幅5.4m、奥行き3.6m)サイズ。その中に、元々はカウンター席とボックス席があったようですが、今はカウンターは残っているものの、全員でボックス席のテーブルを囲むスタイル。カウンターは背もたれ的に使われています。

この店は昭和の香り漂う正しき(?)スナック。

このスナックという酒場スタイルが、非常に日本的ですよねぇ。居酒屋でもなければ、小料理屋でもない。かといってバーでもないし、クラブ(踊るほうではなくて、銀座辺りにあるほう)でもない。たいていはママさんひとりか、あるいは手伝いの女性がひとり、ふたり加わる程度。カラオケは必ず有ると言っていいと思います。料理は何品かしかないけど、特にメニューはない。飲み物もビールとか水割りといった、比較的簡単なものしかなくて、これまた特にメニューはなく、いくらするのかよく分からない。

この「いくらするのかよくわからない」というところは、スナックの特徴的なところかもしれませんね。聞けば、たとえば「ビールは600円よ」とか「玉子焼は800円」というように、単品ごとの値段を教えてくれる店はあります。でも、お勘定のときには、それらの単純な足し算じゃないんですよねぇ。

ただ、地域によって大体の相場というのはあるようで、この界隈なら、飲んで歌ってひとり4~5千円程度といったところでしょうか。銀座などの都会に行くと、その倍くらいしたりする。

まぁ、この辺の鷹揚(おうよう)さがスナックの持ち味であり、いいとこなんでしょう。学生時代の部室の雰囲気でもあり、家庭の延長線上のようでもあり。凛とした雰囲気で、ちょっと緊張感が漂う酒場もいいもんですが、こういうゆる~い空気の酒場も、たまにはいいものです。

そんなわけで、スナックという業態は、あまり「こうだ」という決まりはなくて、それぞれの店に、それぞれのスタイルがあります。この店は、基本的には麦焼酎「いいちこ」のボトルをもらって、それを水割りやロックで飲みながら、話したり、カラオケで歌ったりするというスタイル。みんなの様子を見ながら、ママさんが適当に料理を出してくれたりして、ひとりあたり3千円程度といったところです。

今日も、みんなで「いいちこ」をもらって乾杯し、「今日はもうけっこう食べてきたよー」と話すと、「じゃ、軽く乾き物ぐらいを出しとこうね」と、スルメ、アーモンド、茎ワカメの盛り合せを真ん中に置いてくれます。

ワイワイと過ごすうちに、カラオケもはじまって、大盛り上がり状態へ。

乾き物がなくなりつつあるのを見たママさんは「何か出そうか?」と聞いてくれます。「何がある?」と聞くと、「そうねぇ。軽いものだったらオニオンスライスとか…」「あっ。それがいい!」と即答したのは、オニオンスライス好きの呑んだフルさん。深皿にたっぷりと盛ったオニオンスライスに、レモンスライスを何枚かのせ、その上にこんもりとカツオ節をのせて、醤油を回しかけたらできあがり。簡単なのに、おいしいよなぁ。

楽しく過ごすうち、そろそろ電車が危なくなってきたのでお開きです。今日もお勘定は5人で10,500円(ひとり2,100円)。ももパパさん、つきじろうさん、くにさん。長い時間、お付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。ぜひまたご一緒させてくださいね。

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辰巳新道の風景 / 乾き物盛り合せ / オニオンスライス

グルメ系ブロガーのみなさんと解散したあとは、呑んだフルさんとふたり新宿へ。花園神社入口にある田舎料理「川太郎」で、「兵六」常連のみなさんと再合流です。

この店も“田舎料理”という看板を掲げるものの、実態としては熊本出身の女将が、ひとりで切り盛りしている、ある意味、スナック的なお店。蕎麦焼酎「刈干」の蕎麦茶割りをいただくのが、この店の標準的なスタイルのようなので、さっそく私もそれをいただきます。

壁にかかった短冊メニューには馬刺、焼魚、のっぺ、焼なすの4品しかなくて、値段も不明。しかし、そんな短冊メニューとは無関係に、女将さんの作ったゼンマイと油揚げの煮物をスッと出してくれます。こういうところも、まさにスナック風ですね。

午前1時が閉店時刻らしい「川太郎」を出たのは2時半過ぎ。お勘定は5人で16,000円(ひとり3,200円)でした。

その後は、みんなで河岸を新宿ゴールデン街の「澤」に移して、これまた昭和の香りがたっぷりと漂う、ゴールデン街らしいスナックで、電車が動き始めるまで飲んだのでした。お勘定は5人で10,000円(ひとり2,000円)ほど。

とーっても長い一夜でした。(笑)

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ゼンマイ煮物と蕎麦焼酎の蕎麦茶割り / 「川太郎」店内 / 「澤」の水割り

・「エコー」の店情報前回) / 「川太郎」の店情報

《平成19(2007)年5月19日(土)の記録》

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店情報: 田舎料理「川太郎(かわたろう)」(新宿)

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  • 店名: 田舎料理「川太郎」
  • 電話: 03-3209-4357
  • 住所: 160-0022 東京都新宿区新宿5-17-6
  • 営業: 19:00-01:00、日祝休
  • 場所: 新宿花園神社の参道脇。
  • メモ: カウンター8席ほどの小さい店を、熊本出身の女将がひとりで切り盛り。蕎麦焼酎「刈干」の蕎麦茶割りが人気の飲み物。メニューには馬刺(1,800円)、焼魚、のっぺ(800円)、焼なすの4品しかないが、実際には、その日によって料理が用意されている。熊物県人のオアシス的存在になっているらしい。(2007年5月調べ)

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最後のシメは焼うどん … 居酒屋「だるま」(門前仲町)

煮込みとホッピーの「河本」をあとに、グルメ系ブロガーのももパパさんつきじろうさんくにさんと4人、永代通りをトコトコと門前仲町へと向かいます。5月も中旬を過ぎると、午後6時でもまだ明るい明るい。ホッピーの酔いに、太陽がまぶしいなぁ。

「門前仲町の「魚三」にも行ってみたいんです」という話で、「魚三」前まで行ってみると、そこにはすごい行列。まぁ、平日でも行列のできる「魚三」ですもんねぇ。土曜日の午後6時だと、さもありなん、って感じでしょうか。

「酒場にも行列ができるんですねぇ。驚きました」と話すのは「ジャポ二郎」というラーメンブログもやっている、くにさんです。そうかぁ、人気のあるラーメン屋さんでは、並ぶのは当たり前のような光景になっていますが、酒場での行列というのはあまりないかもなぁ。

「もしかすると、2階に空きがあるかもしれないから見てきますね」と2階へ上がってみると、なんと2階はガラガラ。5~6割も入ってるかどうかといったところ。なーんだ。みんな1階に並ばずに2階にくればいいのに、と思いながら、2階のフロアを切り盛りしているおねえさんに「4人です」と伝えたところ、言下に「3階に行ってください」という返事。ん? と思いながら、3階へと続く階段を見ると、3階の入口からの行列が、ほとんど2階に届かんばかりに伸びています。

なんだ、これは!? やーめたっと。1階も、3階も、こんなに並んでるのに、なんで空いてる2階にお客さんを入れないんだろうなぁ???

「魚三」には、これまでにも何度か来てるんですが、思い返してみると、いつもなんだか居心地よくは過ごせない。こんなに行列ができるほど人気がある店なので、きっと私個人との相性の問題なんだろうなぁ。こんな場合は、無理矢理にでも連続的に通って、ある程度お馴染みさんになってしまうと状況が変わる(慣れる?)ことも多いのですが、なかなか連続的に通える場所ではありませんもんねぇ。

「上もいっぱいなんで、次の店に向かいましょう」

1階の階段入口で待っててくれた皆さんにはそう伝えて、永代通りを渡ってお不動さん(成田山深川不動尊)の前を左へ折れて、清澄通りへと出る手前にある「だるま」に入ります。

今日も「だるま」の店頭で、お客さんの出迎え、見送りを担当する親父さん(=店主)が「いらっしゃいませ。奥のテーブルにどうぞ。はい、4人さんねーっ!」と笑顔で迎えてくれます。

「「だるま」は美人姉妹がいることでも有名な酒場なんです。10年以上前から行ってる店なのに、いつまでたっても美人姉妹のままで、体型もちっとも変わらないのが不思議なくらいなんですよ。普段はお姉さんか、妹さんのどちらかがお店に出てるんですが、残念ながら、土日はお店に出ていないこともあります」

ここに来るまでの道すがら、そんな話をしながらやってきたのですが、ラッキーにも今日は美人姉妹のお姉さんが、お母さん(=おかみさん)とともにお店に出ています。やぁ、よかったよかった。

店は、入口側が厨房を取り囲むようなコの字型カウンターになっていて、その奥に4人掛けのテーブル席が8卓ほど並んでいます。そのテーブル席のひとつを4人で囲み、まずはチューハイ(400円)を4発と、サラダ盛り合せ(600円)と串カツ(600円)を、それぞれ1発ずつ注文します。

この店には、昔から、すぐ近くにある東京商船大学(現在の東京海洋大学)の学生たちが飲みに来ていたんだそうで、彼らが飲み物や食べ物の数を1発、2発と数えていたのが、店の定番として定着しています。また学生グループ客相手なので、各料理もボリュームのあるものが多い。

たとえばメニューの上では、サラダは、「サラダ盛り合せ」一品だけしかないのですが、その内容はポテトサラダ、マカロニサラダ、トマトサラダの盛り合せ。ひとり客主体の大衆酒場であれば、そのひとつずつが、十分にひとり用として通用するほどの量なのです。

ふんわりと、やわらかいお肉が特長の串カツは、大ぶりの串が2本。4人だから、すぐになくなってしまうものの、ひとりで来た場合にはサラダ盛り合わせか、串カツか、どちらか一品でけっこうお腹にたまります。

ピピピッと電話は、酒友・呑んだフルさんからです。
「今、「兵六」の常連さんたちと、月島辺りを散歩してるんだけど、「だるま」の電話番号ってわかる?」
「うん。わかるよ。なにしろ今まさに「だるま」で飲んでるから(笑)」
「えっ。そうなんだ。これから11人ぐらいで行きたいんだけど、入れそうかなぁ?」
「ちょっと聞いてみるね。 …… あのー、すみません。これから11人で来たいらしいんだけど、入れますか。あ、大丈夫。はーい。じゃよろしくお願いします。 …… もしもし。入れるって!」
「了解。どうもありがとう。じゃ、後ほどー!」

すぐにお母さんとお姉さんとが、我われのとなりのテーブルで飲んでいるお客さんたちに「団体さん用の席を作りたいんで、申しわけないんだけど奥のテーブルに移ってもらってもいいですか」と声をかけながら、チャチャチャッと11人が座れる場所が用意され、やがてやって来たフルさんたちのグループと大合流です。

さてさて、次なる料理はなんにしましょう。カウンターの中で、グツグツ煮こまれてる鍋も気になります。ここには、たいてい2個の鍋が並んでグツグツされています。ひとつは牛もつ煮込み(600円)で、もうひとつは日替わりの煮物。その日替わりの煮物のほうを1発いただくと、今日の煮物はロールキャベツでした。トマトソース味が、ボルシチ風でもあり、スープとしてもつまみになります。

いつものことながら、たーくさん冷たいお酒(「河本」のホッピー~ここのチューハイ)をいただいたお腹に、あったかい汁物がうれしいですねぇ。

あったかロールキャベツで、さらにチューハイ(400円)をおかわりしながら、イカ丸焼き(700円)や、牛もつ煮込み(600円)も追加注文。

みんなでワイワイ楽しく飲んでると、いくらでも食べられます。飲み物のほうも、知らぬ間にチューハイ(400円)のおかわりを重ねちゃってるし…。(汗)

最後は焼きうどん(500円)までいただいて、3時間半以上に及んだ「だるま」飲みを締めくくります。

お勘定は4人で13,150円(ひとりあたり3,300円弱)。

入口に立つお父さんの笑顔に見送られながら「だるま」を後にしたのでした。

070519j 070519k 070519l
「だるま」の入口 / チューハイ4発 / サラダ盛合せ

070519m 070519n 070519o
串カツ / ロールキャベツ / イカ丸焼き

070519p 070519q 070519r
美人お姉さん / 牛もつ煮込み / 焼きうどん

店情報前回、同じときの「「あ゜」猫の毛も刈りたい」「春は築地で朝ごはん」「くにろく 東京食べある記」)

《平成19(2007)年5月19日(土)の記録》

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ホッピーに合う煮込み … 居酒屋「河本(かわもと)」(木場)

東京でホッピーにもっとも合う煮込み。それが「河本」の煮込みではないかと、このところ私は思っています。ホッピーを飲むほどに煮込みが食べたくなり、煮込みを食べるほどにホッピーが進んでしまう。両者がとても高いレベルで相乗効果を発揮してくれるのです。

そんな「河本」に、今日はグルメ系ブロガーのみなさんとやってきました。声をかけてくれたのは、以前からときどき御一緒させていただいている、「「あ゜」猫の毛も刈りたい」のももパパさん。参加されたのは「春は築地で朝ごはん」のつきじろうさんと、「くにろく 東京食べある記」のくにさん。私以外の3人は、みなさん初めての「河本」です。

「開店と同時に入らないと、すぐに満席になりますから」ということで、午後3時50分に地下鉄東西線・木場(きば)駅の4a出口で待ち合わせて、「河本」へと向かいます。

我われのすぐ前を歩いているのは、いつも「河本」の店内でお見かけする大常連さん。「河本」に到着したのは、開店時刻の3分くらい前だけど、その大常連さんが横の入口引き戸をガタピシと開けて店内に入ったのを見て、安心して我われも正面入口に向かいます。

「横の入口」「正面入口」と、ご大層に書いていますが、両者の距離は数メートルあるかどうか。小さな道路同士の信号交差点の角に建っている「河本」の、角をはさんで、あっちと、こっちの入口なのです。「正面入口」のほうがちょっと大きくて、のれんがあります。

我われが到着したときは、ちょうど真寿美さん(=女将)が、のれんを出しにきたところ。「こんにちは」とあいさつし、のれんを出すのをちょっとお手伝いして店内へと入ります。

店内は、正面の入り口側から見ると、ちょうどカタカナの「コ」の字のような形にカウンターがあります。「コ」の上の棒の部分がちょっと離れていて、カウンターの中へ出入りするための通路になっているのが特徴的。こうやって分離された上の棒のところが、常連さんたちの指定席になっているのでした。

我われ4人は、その常連さんたちの指定席の逆サイド、「コ」の下の辺の左端に、ずらりと並んで座ります。

我われだってフライング気味に入ったのに、店内にはすでに先客が4人ほど。15人も入れば満席の店内なので、開店寸前に、すでに半分くらい埋まった状態です。

まずはみんなでホッピー(300円)をもらって乾杯。

ここのホッピーは、焼酎(ナカ)冷、ホッピー(ソト)冷の2冷式。ジョッキは室温です。焼酎は金宮の25度のものを、計量用のグラスで入れてくれるのですが、その量は、ホッピージョッキの上の星のあたり。けっこう濃いめのホッピーなのです。

しかし、濃いめのはずのそのホッピーが、なぜか飲みやすいというのが「河本」の大きな特徴。しかも量的な制限はないので、5杯、6杯と飲みすすんで、椅子からころげおちたり、帰り道にすぐ近くの橋の欄干にぶら下がっていたりする人もいるのです。個人的には2杯くらいがちょうどいいかな。3杯もいただくと、今日はここで飲み終わりという酔い加減になってしまいます。

我われとほぼ一緒に入ったおじさんが煮込みを注文すると、「今、火を入れはじめたところだから、ちょっと待ってね」と真寿美さん。そうかぁ。じゃ、煮込みの温め待ちの間に、ほかのおすすめ品をいただきましょう。

「かけじょうゆ(400円)と、やっこさんの小(100円)を、ふたつずつお願いします」

“かけじょうゆ”というのは、マグロのぶつ切りのことのようです。この店以外では、月島の「岸田屋」にも、かつて“まぐろかけじょうゆ”というメニューがあったのですが、数年前に店主が亡くなったときに、そのメニューもなくなったのでした。そんなわけで、今じゃ、“かけじょうゆ”というメニューも、私の知る限り、ここ「河本」だけです。

我われの分の“かけじょうゆ”を出してくれた真寿美さんは「土曜日だから、なま物はメニューははずしておかなきゃ」と、かけじょうゆや、アジス(400円)などの魚メニューの短冊(たんざく)をはずします。
「え? 土曜日は、なま物はないの?」
「あるんだけど、ちょっとしかないから、メニューは出さないのよ」
なるほどなぁ。それは知りませんでした。

この店にも、これまでに何度も足を運んでいるのですが、まだまだ知らないことだらけ。なにしろ、「おでんの季節には、かけじょうゆはなくて、おでんが終わると、かけじょうゆが出るようになる」というのも、つい先日知ったばかりですもんねぇ。

“やっこさん(小)”は、冷奴の小さいサイズということ。ちなみに“やっこさん(大)”(200円)が豆腐1丁分で、“やっこさん(小)”は、その半分のサイズ。“やっこさん”も、この店にやってくるお客さんのほとんどが注文するほどの人気メニューのひとつなのです。(冬場は同じ大きさ、同じ値段で湯豆腐になります!)

さぁ、そろそろ煮込みも温まってきたようです。「玉子入りもできますか?」と、念のため真寿美さんに確認すると「はいはい。できますよ」とのこと。「どっちにする?」と、みんなに希望を聞いて、つきじろうさんは普通の煮込みを、他の3人は玉子入りをもらうことにしました。

普通の煮込みも、玉子入りも、ともに200円。玉子入りは、もつの量が減るかわりに、玉子が1個入るのでした。

さぁ、どうよ、みんな。これがおすすめの「河本」の煮込みですよー! 

シロ(腸)が主体の「河本」の煮込みは、煮込み具合が絶妙。ふんわりとやわらかいんだけど、シロの弾力感はちゃんと残っています。そして、シロの裏側には、プルプル脂肪分が、たぁーっぷり! プリプリ、クニュクニュと口の中が脂っぽくなったところで、ググゥ~ッとホッピー。ッカァ~~ッ。やっぱりベストマッチじゃのぉ。

煮込みの登場で、ホッピーもぐいぐいと進み、2杯目は黒ホッピー(300円)をいただきます。

みんなも、ここの煮込みを気に入ってくれたようで、「これは、ぜひおかわりをもらいましょう」と、4人全員で、今度は普通の煮込み(200円)をもらいます。この店では煮込みをおかわりする人は多いので、おかわりはちっとも恥ずかしいことではありません。

煮込み鍋は、あまり大きくないのですが、中身が少なくなってくると奥の冷蔵庫からプラスチック容器(タッパーウェア)に入った煮込みが出てきて追加されていくのです。私が来ているときに、煮込みが売り切れたというのは見たことがないなぁ。

ホッピーにもっとも合う煮込みを堪能した2時間弱。4人で9杯のホッピーをいただいて、お勘定は5,100円(ひとりあたり1,275円)でした。うー、大満足。

夏が近づいてきて、数品しかない「河本」のメニューにも、ところ天や、とまと、もろきゅう(いずれも300円)といった夏らしい品々が出てきました。また近いうちにやって来なきゃね。どうもごちそうさま!

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入口ののれん / ホッピーは上の星まで焼酎 / ホッピーで乾杯!

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やっこさん(小) / かけじょうゆ / 煮込み玉子入り(ニコタマ)

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2杯目は黒ホッピー / 煮込みをおかわり / ホッピーの空瓶ずらり

店情報前回、同じときの「「あ゜」猫の毛も刈りたい」「春は築地で朝ごはん」「くにろく 東京食べある記」)

《平成19(2007)年5月19日(土)の記録》

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“もつ焼き”発祥の店 … もつ焼き「千代乃家(ちよのや)」(浅草)

おでんの「丸太ごうし」を出て、馬道通りを浅草駅方向へと進み、「浅草2丁目」の信号交差点で、右に折れ、伝法院方面に向かうと、すぐ左手にあるのが、もつ焼きの「千代乃家」です。

浅草在住で、このあたりの店々に詳しい辻バードさんのサイトによると、ここ「千代乃家」は、はじめて「もつ焼き」という名称を使った店なのだそうです。それまでは、鳥の串焼きも、豚もつの串焼きも、総称して「焼き鳥」と呼ばれていたのが、この店から豚もつの串焼きが「もつ焼き」として市民権(?)を得てきたんですね。そういう意味では、もつ焼きフリークは必ず行っておかなければならない店かもしれません。(なお、病気療養中だった辻バードさんは、今年3月に永眠されたそうです。謹んでご冥福をお祈りいたします。)

「千代乃家」は、ちょうど焼き台前となる店頭で、お持ち帰り用のもつ焼きも売っている庶民的なお店。

そのわきの開けっ放しの入口から店内に入ると、右手に奥で右に折れる鉤の手(L字)型のカウンターがあり、縦の辺に6人、奥で折れた横の辺に4人の計10人ほどが座れます。それ以外には、左手の壁にへばりつくように二人用のテーブル席が1つあるだけの、比較的小さいお店ながら、カウンター内には男性ふたり、女性ひとりの3人が働いているので、お客さん4人に対して、店員さんがひとりという贅沢さです。

木曜、午後7時半の店内は、カウンターはほぼ満席状態。奥の角のところに、かろうじて1席分の空きがあり、そこに入れてもらいます。

間髪入れずに「飲み物は?」と聞いてくれるあたり、お客さん4人にひとりという店員さん密度ならではですね。メニューを見る間もなく「チューハイをお願いします」と注文。このあたりの焼き鳥店ならば、まずチューハイがないことはありませんもんね。

サワーグラスに氷入りで、レモンスライスも1枚添えられたチューハイは420円。さすが観光地・浅草だけあって、近辺の下町価格よりは高いですね。(参考までに、川を渡ってとなり駅・本所吾妻橋近くのもつ焼き「わかば」のチューハイが330円、「わくい亭」は350円です。)

さて、食べ物。元祖・もつ焼きはレバ、ハツ、タン、ナンコツ、シロ、コブクロ、カシラの7種類が、それぞれ1本120円。鳥がいっさいなくて、すべてが、いわゆる“やきとん”であるのが、もつ焼きの名づけ親らしいところですねぇ。

これ以外の串焼きは、シシトウ、ネギ、シイタケという野菜ものが、それぞれ「時価」として並んでいるのみ。もつ焼きは価格明示なのに、野菜は時価というのもおもしろいなぁ。そんなに仕入れ価格が変動するんでしょうか。

もつ焼き(串焼き)以外の肴は、お新香や冷奴、ところてんなどの420円からはじまって、玉子焼きや塩辛、軟骨入りソーセージなどが500円、煮こごり600円、煮込み630円、湯豆腐650円と続きます。

興味を引かれるのはカシラねぎみそ、カシラみぞれ合い、シロみぞれ合い、タンみぞれ合い(以上各650円)や、タンのタタキ、タンチャーシュー(各700円)といった、モツ料理の数々。レバ刺し、タン刺し、ハツ刺しといった刺身類(各700円)もあって、非常に充実しています。

しばし迷って、まずは、あまり食べたことのないタン刺し(700円)をもらうことにしました。

ところが! 「お待たせしました」と出されたタン刺しを見て、絶句!

とても美味しそうなタン刺しなんだけど……、問題はその量。皿の上には大きく切られたタン刺しが15切れほど、まさにビッシリと敷きつめられています。これはちょっとボリュームあり過ぎじゃない!? ひとりで食べきれるかなぁ……。

添えられたワサビをちょいとつけて、醤油でパクリといただくと、しっかりとした弾力感がタンですねぇ。……。しかし、量が多い。

味が違うものを注文して、舌先を変えてやるといいのかもしれませんが、そうすると、今度はボリューム的に食べきれないかもしれない。

店は、けっしてグループ客を主体とした店ではなくて、ひとり客もたくさん入っています。しかしながら、常連のみなさんは、つまみ一品一品のボリュームも充分把握されているのか、一品で量の多いものをたのんでいる人はいないようです。

まいったなぁ、と思いながら、メニューを眺めていると、レバ刺し、タン刺し、ハツ刺しという刺身類(各700円)の下のほうに「ハーフサイズできます。各種400円」と書かれているのを発見。それを早く教えてよぉ、って感じですね。

そんなわけで、タン刺しだけで満腹になってしまい、元祖・もつ焼きにはたどりつけずに退散です。約1時間のタン刺しとの格闘。お勘定は1,150円でした。しばらくは、タン刺しは食べなくていいなぁ。。。(汗)

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チューハイ / ハツ刺し / 壁のメニュー

店情報

《平成19(2007)年5月17日(木)の記録》

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店情報: もつ焼き「千代乃家(ちよのや)」(浅草)

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  • 店名: 炭火もつ焼き「千代乃家」
  • 電話: 03-3844-6925
  • 住所: 111-0032 東京都台東区浅草1-35-6
  • 営業: 17:00-24:00(土日は16:00-23:00)、火休
  • 場所: 吾妻橋交差点(地下鉄銀座線・浅草駅の真上)から、馬道通りを北上。ふたつ目の信号交差点(浅草2丁目交差点)を左折した先、左手。
  • メモ: 昭和26(1951)年創業。はじめて「もつ焼き」と名のった店。〔串焼き〕レバ120、ハツ120、タン120、ナンコツ120、シロ120、コブクロ120、カシラ120、ししとう時価、ねぎ時価、しいたけ時価、〔焼き物〕厚揚げ470、油揚げ470、はんぺん500、玉子焼き500、イカ一夜干し550、さつま揚げ580、焼き魚(開き)600、あたりめ630、〔煮物〕煮込み(もつ・野菜)630、湯どうふ650、〔刺し(にんにく、しょうが、ごま油)〕レバ刺し700(ハーフサイズ400)、タン刺し700(ハーフサイズ400)、ハツ刺し700(ハーフサイズ400)、〔うめえ象!〕カシラねぎみそ650、カシラみぞれ合い650、シロみぞれ合い650、タンみぞれ合い650、タンのタタキ700、タンチャーシュー700、〔エコノミー〕焼きおにぎり1個250、おしんこ420、らっきょ420、トメイトー420、キムチー420、ところてん420、冷やっこ420、おひたし450、山芋千切り470、ナンコツ入りソーセージ500、しおから500、月見520、バターせんべい600、にこごり600、〔飲み物〕ウーロン茶250、チューハイ420、サワー420、ウーロン割り420、麦茶割り420、お湯割り420、梅お湯割り470、梅チューハイ470、梅みず割り470、梅酒割り470、あんず酒割り470、玉露割り470、清酒470、生グレ割り500、トマジュー割り500、さつま司500、生ビール中520、キリンビール大瓶630、〆張鶴650。(2007年5月調べ)

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年中変わらぬ25種類 … おでん「丸太ごうし(まるたごうし)」(浅草)

吉田類さんの最新刊『酒場のオキテ―「酒通」の「粋」がわかる本』(青春文庫、580円)。全国の酒場を描いた、5章立てのこの本の、第1章全体が「大衆酒場の作法~浅草の老舗回廊」ということで、浅草の店々を紹介しているほど、この町が東京の下町を代表する町のひとつであることは、疑う余地もありません。

久しぶりに、その浅草で飲もうと、都内での仕事を終えたあと、地下鉄で浅草までやって来ました。折りしも、浅草は明日から三社祭とあって、すでに祭のムード満点です。

070517z3まず向かったのは、しばらくぶりとなる「松風」。喉潤しのためのビールはあるものの、基本的に日本酒の店。店主自らが、お燗番として、カウンター内の燗付け場で絶妙な温度に燗をつけてくれるのですが、お酒は徳利3本限りと、とてもストイックな店なのです。

ところが、店に着いてみると、入口に「お知らせ」と書かれた張り紙がある。

「当店は、松風会々員及び事前予約のお客様に限りご利用になれます。手不足の為とはいえ皆様にはご迷惑を掛け申し訳ございません。約1年後の閉店を前にしたお馴染み様へのサービスとお考え下さい。平成19年5月 松風店主」

なんと! 名店の誉れ高いこの店まで、あと1年ほどで閉店してしまうんですねぇ。うーむ。松風会の会員でもないし、予約もしていないので、今日は入れそうにありません。残念ながら、次のお店へと向かうことにしましょう。

ここから再び地下鉄浅草駅方面に戻り、馬道を北上したところにあるのが、大正15(1926)年創業という、おでんの老舗「丸太ごうし」です。店の前の張り紙には「伝統の味・昔おでん・東京の味」と書き出されています。

店内は入口すぐ右手に、おでん鍋があって、直線のカウンター6~7席分。左手には4人掛けのテーブル席が縦に5つほど並んでいます。奥に座敷席もある模様。

午後6時前の店内は先客はなく、店主らしい親父さんに「いらっしゃいませ」と迎えられて、カウンター席に腰をおろします。その親父さんの声に呼応するように、店の奥から「いらっしゃいませ」と出てきたのは、奥さんと娘さんらしい女性ふたり。店は、この3人で切り盛りしているようです。

まず瓶ビールをお願いすると、「アサヒとキリン、どちらにしましょう?」と親父さん。ここは浅草、川の向こうにはアサヒビールタワーがある土地なので、アサヒをいただきましょう。ビールは、アサヒもキリンも、大瓶が600円です。

クィ~ッと最初の1杯を飲み干して、おでん選び。他のお客さんもいないので、おでん鍋の前に立って、やりいか、焼とうふ、ちくわぶの3品をお皿に取り分けてもらいます。

おでん鍋からはカツオ節と醤油のおいしそうな香りが立ち上っていますが、お皿に取り分けられたおでんは、思ったより淡い色合いで、味も濃くありません。

胴の中にゲソも詰め込んで煮込まれたヤリイカは、食べやすいように、お皿に取ってから三つくらいに切り分けてくれています。冬から春先にかけてが旬のヤリイカながら、この時期にいただいてもおいしいですねぇ。

「うちは年中ネタを変えないんだ」と店主。おでんは季節を問わず、お決まりの25種類を用意しているのだそうです。
「そのかわり、季節ごとの料理を出してるからね」

壁に張り出されたメニューを見ると、能登のモズク(300円)や空豆(300円)、ワカメ/ウドのヌタ(400円)といった季節の小料理のほか、たこぶつ(500円)、帆立貝刺身(500円)、若あゆ塩焼(500円)、やりいか刺身(500円)、天然いなだ刺(500円)、あじ刺身/たたき(550円)、かつお刺身/たたき(550円)、天然・鯛刺身(600円)といった季節の刺身類も、お手ごろ価格で並んでいます。

おでんの25種類は、こんぶ、たまご、揚ぼうる、ごぼう巻、げそ巻、うずら巻、しゅうまい巻、焼ちくわ、つみれ、すじ、はんぺん、ほたて貝、ばい貝、たこ、やりいか、ちくわぶ、しらたき、がんもどき、焼とうふ、こんにゃく、じゃがいも、里いも、大根、キャベツ巻、ふくろで、一品が100円から500円くらいなんだとか。

そんな中から、第2弾はハンペン、キャベツ巻、里芋の3品をもらうと、「これはおまけね」と、おかみさんが昆布をひとつ添えてくれます。

さぁ、それじゃ、飲み物も日本酒にしますかね。

冷酒・賀茂鶴(300ml瓶、850円)、生酒・司牡丹(300ml瓶、850円)、樽酒・賀茂鶴(徳利、650円)、元祖・剣菱(徳利、450円)、純米・白雪(徳利、450円)、土佐・司牡丹(徳利、450円)と並ぶ中から、樽酒の賀茂鶴を燗でお願いすると、おでん鍋の横で、ぬる燗に仕上げてくれます。

おでん鍋の上のフードには、「いつも春 丸太ごうしの 酒の酔」という、サトウハチローが昭和5年に作ったという句が張り出されている。大正15年創業ということは、今年で創業来81年ですもんねぇ。戦争の時期も間にはさんで、すばらしい歴史です。

そこへ入ってきたのは、男女3人連れ。
「何年かぶりに来たんだけど、ちっとも変わってないなぁ。安心したよ」と言いながら、テーブル席のひとつに座る男性。連れの若い女性二人は、はじめて来たようです。
「まずビールをもらって、料理はおでんも含めて、おまかせでお願いします」と男性。

その注文を受けて、親父さんから、娘さんには「おでんの盛り合せね」と、そしておかみさんには「豆を出してあげて」と指示が飛びます。

さっそく土鍋を用意して、おでん鍋から具を取り分ける娘さん。おかみさんは生の空豆をゆでる準備をはじめています。ほほぉ。ここの空豆(300円)は、ゆで立てを出してくれるんですね。
「すみません。私も空豆をお願いします」と、さっそく便乗注文です。この空豆は四国産。もうすぐ空豆の季節も終わって、枝豆にバトンタッチされるんだそうです。

両親の手伝いをする娘さんは、20代前半のメガネ美人。仕事が一段落すると、大きなマグカップを両手で包むように持って、お茶を飲みながら、ニコニコと話し相手をしてくれます。
「この間、調理師免許を一発で合格したんですよ!」とうれしそう。

若い後継ぎができて、この店もこの先さらに50年ほどは安心ですね。さっき、「松風」の閉店情報を見たばかりなので、こうやってお店が継続していくことの重要さを改めて感じます。

「こんばんは」と入ってきた男性ひとり客は、かなり常連さんのようで、スッとおでん鍋の前あたりに陣取ると、チラッとメニューに目をやって「カツオの刺身(550円)をもらおうか」と一言。おかみさんが「ビールでいいの?」と聞くと「うん」と答えながら、目はスポーツ新聞へ。

カウンター内の厨房では、大きなカツオが1本登場し、娘さんがまな板に向かいます。おいおい。大丈夫かよ。人ごとながら、大きなカツオに対して、あまりにも華奢な身体に、ちょっと心配したのですが、これはまったく無用でした。さっきまでニコニコしていた顔が、一転して真剣な表情になり、カツオの頭の後ろのところにザクッと大きな包丁を入れると、お腹の内臓と共に、頭がスッと胴体から離れます。ザッ、ザッ、ザッと半身をおろし、後はスィーッ、スィーツと刺身に引いていきます。ホホォ、と見とれるうちにカツオの刺身のできあがり。うまいもんですねぇ。横で見ている親父さんも、すごくうれしそう。

「おとうさんは、一発で合格しなかったんだから!」とふざける様子は、もう若い娘の表情に戻っています。

カツオの解体ショー(?)も終わったところで、賀茂鶴の燗酒をおかわりして、つまみには自家製のお新香(300円)を注文すると、出されたのはウリ、ナス、カブ、キュウリ、大根、ニンジンの6品盛り。これはこれは。お酒にもぴったりですねぇ。

それにしても、営業時間が午後9時半までというのは、早過ぎないですか?

「先代が、『そのくらいには飲み終わって、後は自分の家で飲むもんだ』と言いましてね。ずっとこの時間に終わってるんですよ」

ふーん。そうなんだ。じゃ、私もそろそろ腰を上げますか。

1時間半の滞在はビール大瓶1、燗酒(樽酒)2本に、おでんが6品、小料理2品で、3,700円でした。ということは、おでんは6品で1,200円、1品あたり平均200円だったんですね。観光地・浅草なのに安いなぁ。

「どうもごちそうさま」と席を立つと、
「ありがとうございます。またいらしてください」と気持ちのいい笑顔で見送ってくれます。

明日から三社祭で、このあたりもにぎやかになるんだろうなぁ。

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ヤリイカ、焼き豆腐、ちくわぶ / ハンペン、キャベツ巻、里芋におまけの昆布 / 空豆

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樽酒・賀茂鶴を燗で / サトウハチローの句 / 自家製のお新香

店情報

《平成19(2007)年5月17日(木)の記録》

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店情報: おでん「丸太ごうし(まるたごうし)」(浅草)

    070517z1
  • 店名: おでん「丸太ごうし」
  • 電話: 03-3841-3192
  • 住所: 111-0032 東京都台東区浅草2-32-11
  • 営業: 17:00-21:30、日祝休
  • 場所: 吾妻橋交差点(地下鉄銀座線・浅草駅の真上)から、馬道通りを北上すること約10分(500m程)、通り沿い左手。言問通りとの交差点(馬道交差点)の手前。一番近い出口は銀座線6番出口。
  • メモ: 大正15(1926)年創業。全36席。名代おでん(25種)一品100~500位、元祖・剣菱(徳利)450、樽酒・賀茂鶴(徳利)650、冷酒・司牡丹(300ml)850、焼酎・玄海(700ml)2,100、ビール(アサヒ・キリン大瓶)600。季節料理は能登もずく300、若あゆ塩焼500、かつお刺身/たたき550など。(2007年5月調べ)

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沖縄好きのGAさんと … 沖縄料理「みまつ」(横浜・洋光台)

今日は「Gaily Amaha の 未熟な舌 過敏な腸」のGAさんと、沖縄料理「みまつ」です。

午後7時過ぎの店内は先客なし。というか、実は今日は定休予定だったのだそうですが、先日、確認のために「16日は開いてますかー?」と電話したので、わざわざ開けてくれたんだそうです。ひぇ~っ、ありがとうございます。

カウンターの中央部に並んで腰をおろし、瓶ビール(キリン中瓶、550円)で乾杯すると、お通しのボロボロジューシー、マグロ刺身、昆布の佃煮の3点盛りが出されます。

“ジューシー”というのは、雑炊や炊き込みご飯のことなんだそうで、雑炊風のものを“ボロボロジューシー”とか“ヤファラジューシー”と呼び、普通の炊き込みご飯を“ホロホロジューシー”とか“クファジューシー”と呼ぶんだそうな。

スタートと同時に雑炊(ボロボロジューシー)が出されるというのが、いかにも沖縄風というか、とてもお腹にやさしい感じがしていいですね。「これはいいなぁ」と喜んで食べていたら、ニコニコ笑顔の女将さんが「もう一杯食べる?」と、ボロボロジューシーのおかわりをついでくれます。

店は沖縄出身の女将さんが、ひとりで切り盛りしています。メニューはあるにはあるのですが、ほとんどの場合は、その日、女将さんが用意している料理を出してもらいながら、泡盛をチビチビとやるという、いわゆる「おまかせ」スタイルの人が多いようです。

希望があれば、たとえば「沖縄そばが食べたいなぁ」とか、「島ラッキョウはないの?」といった具合に、自分の希望を伝えると、食材さえあれば、ほとんどの希望はかなえてくれます。

続いて出されたのは豆腐と茹で豚のサラダ。豆腐1丁の上に、茹でた豚肉を盛って、キュウリやトマト、茹で冷ましたモヤシなどの野菜もたっぷりと添えて、ドレッシングをかけたもの。最後に松の実もトッピングされています。

「よければ、唐辛子をかけて食べてみて」と女将さん。

カウンター上の調味料置場のところには、小鉢に入った粉唐辛子もドンと置かれていて、これをスプーンでドサッとかけていただくのです。こんなにかけて大丈夫かなぁ、と思うくらいなのですが、実はそれほど辛くはないのです。韓国の唐辛子に近いのかなぁ。

次なる料理はミミガー(豚の耳)ですが、今日のミミガーは、キュウリや昆布と一緒に酢の物として出されます。

「それじゃ、そろそろ泡盛に移りますか!」

GAさんは、その昔、仕事で沖縄にいらっしゃって以来、すっかり沖縄が気に入って、以来、何度も何度も、ご家族で沖縄に出かけているほどの沖縄好き。(このあたりの事情は、GAさんの「半漁人Aの陸(おか)ボケ日記」の下のほうにある、「番外編」の各日記をご覧ください。)

そんな沖縄フリークのGAさんが、定番として飲まれている泡盛が、ここ「みまつ」のメイン泡盛である「残波(ざんぱ)」。それも“残波白”と呼ばれる「残波マイルド」(←古酒をブレンドして、まろやかな口当たりにした「残波」)がお好みということで、まずはその“残波白”(1杯600円)を注文しますが、残念ながら今日は“白”が切れていて、普通の“残波黒”(1杯550円)をいただくことにしました。

「飲み方はどうする?」という女将さんの問いかけに、
「氷なしの水割りにしてください」とGAさん。なるほど、そうやって飲むのがおいしいんですね。
「それじゃ、私も氷なしの水割りで!」
「沖縄の人は、氷なしの水割りをカラカラという酒器に入れて飲むんですよ。カラカラに入れて飲むとおいしいんですよね」とGAさんが言うと、
「カラカラもあるよ。それじゃ、カラカラで出そうね」と準備してくれる女将さん。

カラカラに入った泡盛と一緒に、「これで飲むといいよ」と出してくれたのは平たい盃。「それに氷を1個入れて、泡盛を注ぐとおいしいんだって」と、氷も用意してくれます。泡盛好きなお客さんが、そうやって飲むといいんだと教えてくれたのだそうです。

ックゥ~ッ。この泡盛は、いつにも増してうまいっ。でも、すいすいと飲めて危ないなぁ。

料理のほうは鶏肉と大根の煮物。言ってみれば鶏大根なのですが、脂っこさを全く感じないのが沖縄流。チュルンととろけるように煮込まれた骨付きの鶏肉もいいですねぇ!

続いて出されたラムの炒め物は、甘めの味噌をちょっとつけて、添えられた大根おろしをのせて、粉唐辛子をたっぷりとかけていただきます。

ラムに付ける味噌から「沖縄にはアンダンスーという油味噌があって、御飯にのせたり、おにぎりの具にして食べたりするのが美味しいんですよ」と話すGAさんに、「自家製のアンダンスーがありますよ」と、すぐに出してくれる女将さん。

アンダンスー(油味噌)は、沖縄では、こちらでの佃煮のような存在で、家によって味が違うのだそうです。この店のアンダンスーには泡盛も入っているのが特徴なんだそうです。甘ーい味噌ながら、ひと舐めすると、泡盛がグングンと進みます。

なにしろ、GAさんが大の沖縄フリークなので、女将さんとも話がはずんで、いつも明るい女将さんも、いつにも増して楽しそう。

「日産のサニーが3年くらい前になくなって、せっかく歴史のある名前なのに残念だなぁと思っていたら、ティーダがその名前を受け継いでることに気が付いたんですよ。ティーダというのは沖縄の言葉で太陽ってことですからねぇ。サニーと同じなんです」
「そうそう。うちの車もティーダよ!」と女将さん。そうかぁ、サニーはティーダになったんだ。

「ラム(仔羊肉)はまだしも、ヒージャー(山羊肉)は、けっこう癖があって…」というGAさんに、
「そのヒージャーでカレーを作ってみたら、全然臭くないのよ。食べる?」と、さっそくカレーを温め直してくれる女将さん。食べてみると、たしかに全くクセがない。

この店の料理は、沖縄料理をベースにした、女将さんの創作料理なので、他で食べられないような料理にも、よくお目にかかるのです。

「ははは。もう1回同じものを作って、と言われても作れない料理も多いんだから!」と笑う女将さん。

そこへ、横浜界隈で宴会だったというにっきーさんも合流し、さらに常連さんらしき男性客も店に入ってきます。いやぁ、定休予定日に、半ば無理矢理店を開けてもらって、我われ二人だけだったらどうしようと、ちょっと心配していたのですが、少しだけ安心しました。

最後は、壷入りの残波古酒(43度)をいただいて、終了。午後10時まで、たっぷりと3時間楽しんで、お勘定は3人で14,900円でした。うぅーっ、大満腹。どうもごちそうさま!

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「みまつ」 / キリンラガー中瓶 / お通し3品盛り

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豆腐と茹で豚のサラダ / カウンター上の唐辛子 / ミミガーの酢の物

070516g 070516h 070516i
黒残波をカラカラと盃で / 鶏肉と根菜の煮物 / ラムの炒め物

070516j 070516k 070516l
自家製アンダンスー / ヒージャーカレー / 壷入りの残波古酒43度

店情報前回

《平成19(2007)年5月16日(水)の記録》

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夕食会の名残りで一献 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

毎月、第2土曜日は「竹よし」の夕食会。その月ごとにテーマを決めた魚料理を、飲み物付き、会費5千円で楽しむことができるのです。

昨日開催された5月の夕食会のテーマは、土佐伝統の名物料理である「皿鉢料理」。銚子産の5キロ弱ほどあったという大カツオが刺身、たたき、あら煮で出されたほか、サバの棒寿司やアジの押し寿司。さらにはノレソレ、明太子、アンキモ豆腐、厚焼玉子といった肴類にキビナゴ汁などの料理が並び、16人ほどのお客さんでにぎわったのだそうです。

そんな話を聞かせてくれるのは、ここ「竹よし」の夕食会の提唱者でもある、大常連のT井さん。昨日の夕食会にも参加されていたT井さんは、今日もカウンターの一番奥の席に座って、にこやかに盃を傾けています。

うーむ。開店時刻の午後5時ジャストに店に入ったのに、もうT井さんが飲んでらっしゃるとは! すばらしい出足ですねぇ。

アサヒとキリンが選べる瓶ビール。今日はキリン(ラガー中瓶、500円)をもらって、まずクイィーッと一杯。ックゥーッ。うまいっ。

お通し(200円)として出されたのはアジとカニの酢物。いやいや。このアジがまたすばらしいですねぇ。こりゃ日本酒だ。ビールもまだあるけど燗酒(菊正宗、350円)も注文します。

夕食会の翌日(日曜日)にやってくると、昨日の食材が残っている(残しておいてくれている)ことが多いので、すべてではないものの、昨日の料理を楽しむことができるのです。

まずは5キロ弱あったという銚子産のカツオをいただかないと。カツオ刺身(600円)もいいんだけど、今日は他にもホウボウ刺身(600円)やトビウオ刺身(500円)などもあるようなので、刺身盛り合せ(1,000円)にしようかな。「盛り合せにもカツオは入りますよね?」と店主(マスター)に確認して、盛り合せを注文します。

刺身盛り合せは、本来5品盛りなんだけど、今日はサービスでホウボウ、トビウオ、キンメダイ、ヒラメ、トロ、カツオの6品盛りにしてくれました。しかも、普通のワサビ用の醤油皿に、カツオ刺身用のショウガ醤油の皿、ヒラメ用の紅葉おろし付きポン酢醤油皿が、ずらりと出されて、なんだか豪勢。どーれどれ。うふふふふ。思わず笑ってしまうようなおいしさですねぇ。燗酒もおかわりをお願いしまーす。

「昨日のなおとんさんの手料理がまた素晴らしかったんですよ」とT井さん。
「なおとんさんの料理は残ってませんが、Y口さんの持ってきてくれたビールがありますから、いただきましょうか」と店主が冷蔵庫から出してくれたのは、若草色のラベルも美しいドイツビール、「Einbecker Mai-Ur-Bock (アインベッカー マイ・ウル・ボック) 」です。

ボックビールというのは、アルコール度数の強いラガービールのことなんだそうです。味が濃厚だし、香りもいいですねぇ。どうもありがとうございます。>Y口さん

続いての料理は、これまた昨日のメニューのひとつ、キビナゴ汁(400円)を注文します。キビナゴ汁は、キビナゴのたっぷり入った具だくさんの味噌汁。注文を受けてから作りはじめ、できたての熱々を大ぶりの丼で出してくれます。

んー。うまいっ。

こういうおいしい汁物をつまみにして、いただくお酒がまたいいんですよねぇ。もう1本、おかわりお願いします。

「カツオのあら煮も少し残ってますよ」と、店主があら煮も出してくれます。

夕食会も、もちろん楽しいのですが、夕食会に参加できなかった場合には、その翌日に「竹よし」に出かけるというのもいいかもしれませんね。

「いきなり夕食会というのは、ちょっと気が引けるけど、どんなものが出るのか食べてみたい」という方にもピッタリかも。

ちなみに次回、第67回「ハモとキンメダイ」の食事会は6月9日(土)、その次の第68回食事会は7月14日(土)の予定です。

結局、午後8時過ぎまで、3時間以上楽しんで、今日のお勘定は3,150円でした。どうもごちそうさま。おいしかった!

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キリンラガー中瓶 / 昨日の夕食会の写真 / お通し・アジとカニの酢物

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燗酒(菊正宗) / 刺身盛り合せ / トロ、カツオあたりのアップ

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アインベッカー マイ・ウル・ボック / きびなご汁 / カツオのあら煮

店情報前回

《平成19(2007)年5月13日(日)の記録》

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珍味充実の銘酒居酒屋 … 酒処「吉本(よしもと)」(新宿)

新宿で「近くの名店を探る」。今日の2軒目は、歌舞伎町から西新宿方面へと移動して、久しぶりとなる「吉本」です。前回来たのが平成13(2001)年のことなので、実に6年ぶり。

私自身、酒や肴に対して、「どうしてもこれじゃなきゃダメ」といったような、こだわりを持っていないので、いわゆる銘酒居酒屋とか、最近だと焼酎居酒屋のようなところにも、あまり入りびたらないんですよねぇ。

もちろん、日本酒であっても、焼酎であっても、そして洋酒であっても、美味しいに越したことはありません。すばらしい味のお酒に出会うと、それはもう、とてもうれしい。でも、そういうお酒がなくても、楽しめる酒場も多いのです。たとえば横浜・野毛の「武蔵屋」は、お酒はナショナルブランドの「桜正宗」しかないし、木場の「河本」なんて金宮焼酎しかない。

先ほどの「番番」が地下にあったのに対して、こちら「吉本」はビルの3階。これもまた、一見(いちげん)さんには入りにくいシチュエーションです。

土曜日、午後9時の店内は、入口から見えるカウンター席、テーブル席は7割ほどの入り。さらに左手に座敷席があるようなのですが、そちらの様子はうかがえません。

「いらっしゃいませ。おひとりさま? カウンター席でも、こちらのテーブル席でも、お好きなほうにどうぞ」と、にこやかに迎えてくれる男性が、この店の息子さんです。

ひとりでやって来て、カウンターに座れるケースは多いと思うのですが、テーブル席(4人掛け)に座れるのは、比較的すいているときしかありません。ここはひとつ、テーブル席に座らせてもらいますか。

この店の場合、カウンター内の厨房では、料理担当の男性ふたりが働いているのですが、あまり接客的なことはしないようです。だから、ひとり客としてカウンターに座っても、カウンターの中の人と会話を交わしたりすることは、ほとんどない。したがって、カウンターに座ろうが、テーブル席に座ろうが同じようなものなんですね。

そんなこともあってか、この店にはひとり客がそれほどいないように思います。もちろん、前回と今回の2回しか見ていませんので、他の日は違うのかもしれませんが……。

すぐに出されるお通し(770円)は、ゴボウの穴子巻き、ツブ貝、山菜おひたしの三点盛。値段的にもそうですが、このお通しだけですでに立派な料理なので、これでしばらくは楽しめそうですね。

お酒は、入口右手にある冷蔵ケースに並んでいて、それぞれ単品で注文することもできますが、三銘柄で880円(大吟醸は1,100円)という、おすすめメニューがずらりと並んでいるので、その中から選択すると、いろいろと試してみることができそうです。

大吟醸は「皐月(さつき)三銘柄セット」という名称で、新潟「越乃雪月花」純米大吟醸、島根「月山」大吟醸、宮城「撰勝山」純米吟醸で1,100円。

それ以外はすべて三銘柄880円で、雄町米・三銘柄セット(岡山「酒一筋」、山形「上喜元」、山形「くどき上手」純米大吟醸)、こだわりの逸品・花見セット(青森「駒泉」吟醸純米、福岡「繁枡」大吟醸、広島「富久長」)、生酒セットⅡ(秋田「まんさくの花」、岩手「月の輪」、宮城「日高見」)、薫風セット(山形「秀鳳」、宮城「岩崎」、山形「和田来」)、厳撰・酒門セット(長野「明鏡止水」、山形「麓井」、静岡「正雪」)、無垢之酒・名門三点セット(島根「豊の秋」、長野「信濃錦」、富山「北洋」)、越後酒三点セット第7弾(新潟市「村祐」、十日町「松の井」、長岡市「想天坊」)と並びます。

薫風(くんぷう)セット(880円)を注文すると、すぐにお盆にのせられた3杯のお酒がやってきます。それぞれのお酒の説明書きが付いてくるのがうれしいですねぇ。その説明を読みつつ、それぞれのグラスをちびちびといただきます。

グラス1杯あたり60~70ml程度あるので、3杯では1合(180ml)強といったところでしょうか。1銘柄1合で出されると、あれこれ試してみることができないのですが、こういう出し方をしてもらえると、いろんなお酒を飲むことができていいですね。

さて、外の看板にも「季節料理・地酒の吉本」と書かれているとおり、ここは料理の品揃えもいいのです。特に珍味類は秀逸で、カキ塩辛、ホタルイカ沖漬、カツオ酒盗などの600円ものからはじまって、コノワタ、鮎ウルカ、カニ味噌、カニ内子、ママカリ酢漬などが660円、手造りというイカ塩辛などが770円と続きます。

そんな中から、タイ酒盗(660円)を選び、お酒のほうは、メニューに「おすすめ燗酒」と載っている、長野の手作り「喜久水」吟醸(600円)を注文します。

燗酒は徳利で出されます。一緒に出された猪口に注いで、ひと口含むと…。いやいや。実にいい温度ですねぇ。さすがに日本酒に力を入れている店だけあります。

タイの酒盗をチビッとつまんで、内臓のややほろ苦いような旨さが口に広がったところで、燗酒をグビリ。あぁー、うまいなぁ。

テーブル席で、ゆっくりと過ごした1時間半。お勘定は2,910円でした。

「またいらしてください」と最後まで笑顔で見送ってくれる息子さんや、物腰のとてもやわらかい女将さんに「ごちそうさま」と挨拶をして店を出ます。

070512z3西武新宿駅に向かいつつ、ちょっと行き過ぎて、再び歌舞伎町へ。今日のトドメン(飲んだ後を〆る麺類)は、「博多天神」のラーメン(500円)です。

私が博多に居たころ(今から30年ほど前)には、那珂川をはさんで東側は、商人の町・博多、西側は城下町・福岡とされていたのですが、今もそうなのかな? 福岡で1番の繁華街・天神は、実は福岡地区(那珂川より西側)にあるので、「博多天神」というのは、博多も福岡も融合した、ちょっとおもしろいネーミングとも言えますよね。

ま、しかし、全国的には「博多ラーメン」と呼ばれることも多い長浜ラーメンだって、地区で言うと福岡地区(天神の北西部)ですもんね。昔と違って、博多だ、福岡だと言わなくなったのかもしれませんね。

それにしても「博多天神」のラーメン。以前はかなり好きだったのに、最近「御天」の濃厚とんこつラーメンを食べなれたからか、なんだかあっさりしすぎるように感じてしまうなぁ。

しかしながら、ラーメンの値段が以前と変わらず1杯500円で、かつ事実上、替玉1個がサービス(店頭に無料券が置いてあり、その場で使える)というのは、うれしいかぎりですね。

070512j 070512k 070512l
「吉本」の入口 / お通し三点盛 / 薫風セット

070512m 070512n 070512o
燗酒と鯛酒盗 / カウンターあたりの様子 / 「博多天神」のラーメン

店情報前回

《平成19(2007)年5月12日(土)の記録》

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店情報: 酒処「吉本(よしもと)」(新宿)

    070512z2
  • 店名: 酒処「吉本」
  • 電話: 03-3348-3458・9658
  • 住所: 160-0023 東京都新宿区西新宿1-13-3 西新ビル3F
  • 営業: 17:00-23:00、日祝休
  • 場所: 新宿駅西口~南口から京王デパート裏手の高速バスターミナル向かいのヨドバシカメラの三つくらい向こう側で、新宿郵便局の前の通りの松屋とAMPMが1階にあるビルの3階。
  • メモ: 季節料理と地酒の店だが、珍味の品揃えもすばらしい。かき塩辛(三重)600、ホタルイカ沖漬(富山)600、子の綿(能登)660、塩ウニ(礼文島)660、鮎うるか(岐阜)660、生からすみ(長崎)660、蟹味噌(鳥取)660、ホヤ塩辛(宮城)660、蜂の子(長野)600、ままかり酢漬(岡山)660、氷頭(北海道)660、かつお酒盗(和歌山)600、蟹内子(釧路)660、珍味三点盛880。焼き姫鱈(稚内)770、いか姿干し(佐渡)770、手造りいか塩辛770、鮎なれ寿司(滋賀)1,100など。
    その他の料理は魚介お造り盛り合わせ1,995より、旬焼き魚770より、酢の物各種660より、季節の煮物660、揚げ物季節魚介野菜880、野鴨あみ焼き990、牛タン塩焼き1,100、山ふぐ御刺身コンニャク(三種)770、鮪ぶつ・蛸ぶつ 各1,100、塩イカ胡瓜もみ770、自家製さつま揚げ660、柳かれい塩焼き・揚げ 各1,100、ハタハタ唐揚げ770、ぎんなん唐揚げ660、手造り奴豆腐550、香の物・野沢菜・ぬか漬け 各550~、お茶漬け・茶そば 各660~など。
    飲み物は〔今週のおすすめ地酒セット〕:皐月(さつき)三銘柄セット(新潟「越乃雪月花」純米大吟醸、島根「月山」大吟醸、宮城「撰勝山」純米吟醸)1,100、雄町米・三銘柄セット(岡山「酒一筋」、山形「上喜元」、山形「くどき上手」純米大吟醸)880、こだわりの逸品・花見セット(青森「駒泉」吟醸純米、福岡「繁枡」大吟醸、広島「富久長」)880、〔店主特選の美酒・名酒セット〕生酒セットⅡ(秋田「まんさくの花」、岩手「月の輪」、宮城「日高見」)880、薫風セット(山形「秀鳳」、宮城「岩崎」、山形「和田来」)880、厳撰・酒門セット(長野「明鏡止水」、山形「麓井」、静岡「正雪」)880、無垢之酒・名門三点セット(島根「豊の秋」、長野「信濃錦」、富山「北洋」)880、越後酒三点セット第7弾(新潟市「村祐」、十日町「松の井」、長岡市「想天坊」)880。南信州ビール・ゴールデンエール550、〃(中ジョッキ)840、キリンクラシックラガー580、アサヒスーパードライ580、サッポロ黒ラベル580など。(2007年5月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (01.05.30)

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新宿にも古典酒場あり … 焼き鳥「番番(ばんばん)」(新宿)

ゴールデンウィークの間、「近くの名店を探る」をテーマに、新しい店、久しぶりの店、行きつけの店を巡って来ました。そのときに、できれば行きたかったのに行けなかった場所のひとつが、ここ新宿エリアです。連休から1週間たった今日は、その新宿エリアに出没したいと思います。

新宿は、急速に大都会化していったからか、古風な大衆酒場があまり残っていなくて、チェーン居酒屋などの新しいお店が多い土地。呑兵衛(のんべ)にとっては、それほど居心地のいい町ではないのです。

ところが、先日発売された「TOKIO古典酒場」(創刊号)によると、そんな新宿からも、“古典酒場”として掲載されている酒場がある。店の名は「やきとり番番」。歌舞伎町の一角、さくら通りの入口近くにあるというから、このあたりか……。あっ。発見。なるほど。地下のお店なんですね。

ただでさえ新しい酒場は入りにくいのに、それが地下にあるとなると、まずふらりと立ち寄ることは、ほぼない。なにしろ、お店の雰囲気をうかがい知ることができませんからねぇ。誰かに紹介してもらうか、今回のように本の記事をたよりにするしかありません。

地下へと向かう階段の天井全面が、「やきとり」「番番」「地酒」という文字が、ずらりと書かれた電灯看板になっていて、とっても派手。本当にここが古典酒場かなぁ...

階段を降り切ると、そこに「番番」と書かれた赤ちょうちん。その右手が入口です。よいしょっと。こんばんは。

入口があるのは、左右に伸びるカウンターのちょうど中央部。そのあたりだけ、カウンターが切れていて、店の人が出入りできるようになっています。左右に伸びたカウンターは、それぞれ店の端で壁に沿って、反対側の壁のほうまで回り込んでいます。言葉で説明するのは、非常に難しい形状ながら、カウンターのみ40席ほどの店内は、ひと目でそれとわかる正しき大衆酒場ですねぇ。また細めの木を何枚か並べて造られたカウンターが、いいじゃないですか。

土曜日、午後7時半の店内は7~8割程度の入りといったところ。

右手のカウンター角近くに座って、酎ハイを注文すると、この酎ハイが生ビールの中ジョッキにたっぷりで、レモンスライスも添えられて、なんと250円! 下町もビックリの価格だよなぁ!

お通しは、醤油皿くらいのお皿に、ちょいと盛られた蒲鉾(かまぼこ)入りおひたしです。

壁のメニューを確認すると、なにしろ「やきとり番番」という店名だけあって、まずは焼き鳥をはじめとする焼き物が並んでいる。焼き鳥は、とり焼(ひな正、とりかわ、すなきも、つくね)も、もつ焼(しろ、れば、はつ、たん、かしら、なんこつ、こぶくろ)も、そして野菜焼(ねぎ、ししとう、しいたけ、ピーマン)も1本110円で、1本から注文できるようです。これもまた、新宿歌舞伎町という土地柄から考えると、けっして高くないですよねぇ。

「すみません。とり焼の4種類(ひな正、とりかわ、すなきも、つくね)を1本ずつお願いします」

「はい」と返事したのは、「番番」と店名の入った法被(はっぴ)姿のオヤジさん。ひとりだけ姿の違う、この人が、どうやらこの店の店主のようです。店は、この店主も含めて、男ばかり4人で切り盛りしているようです。

しばらくして出された焼き鳥は、いい焼き加減で、量もそこそこ。いいですねぇ。

改めて店内を見わたしてみると、客の構成は、まさに老若男女さまざまで、ひとり客もいれば、ふたり連れも多い。カウンターだけの店内なので、さすがに4人以上のグループ客はいないようです。

左どなりにいるのは、若いカップル。若いながらも常連さんのようで、店主ともチラチラと会話をしながら、飲んだり食べたりしています。右はサラリーマンふたり連れ。半ば冷めたような焼き鳥、何本かを、目の前の皿に置いたまま、談論風発です。向かい側に座るおにいさんは、ボォーッと中空をにらみながら、ときどき思い出したように酎ハイをすすっている。まさに、まさに正しき大衆酒場の光景ですねぇ。新宿にも、こんなお店があったとは!

焼き鳥以外のメニューは、煮込み(350円)や、煮込み豆腐(450円)の他、お新香(小200円)、番々奴(中華ゴマ味噌だれ、350円)、煮奴(350円)、しらすおろし(300円)、冷トマト(300円)、生野菜盛(小350円)、とん足(250円)、塩辛(350円)などなどと、呑兵衛好みのする品々が並んでいます。

魚の刺身は置いていないようですが、その代わりに鳥たたき(450円)、レバ刺し(400円)、馬刺し(700円)などが並んでいるのも、焼き鳥系の大衆酒場らしいところ。

ん? ガツ冷盤(400円)って何だろう? そもそも読み方も、わかんないや。

「すみません」と、たまたま近くに来た店主を呼び止めて、
「酎ハイ(250円)のおかわりと、あと、これください。この、ガツなんとかっての」
「はいはい。ガツれいばん、ですね」と店主。

なーるほど。“れいばん”って読むのか。まるでサングラスのような...

あとで調べてみたところ、冷盤(れいばん)というのは、中華料理の冷たい前菜のことらしいです。

出てきたガツ冷盤は、スライスしたキュウリも飾られて、まさに中華料理の前菜風。醤油風味のタレもよく合ってて、おいしい。輪切りに近いくらいの感じでスライスされたガツの弾力感もいいなぁ。

この店内でゆっくりと飲んでいると、ここが歌舞伎町の喧騒のまっただ中だということは忘れてしまいます。これは、まさに地下の酒場ならではの効能ですね。

ちょうど1時間の滞在は、2品(+お通し)と2杯で1,340円。お勘定もまた、正しき大衆酒場だなぁ。これはいい店を知りました。どうもごちそうさま!

070512g 070512h 070512i
酎ハイと、お通し / とりかわ、つくね、ひな正、すなきも / ガツ冷盤

店情報

《平成19(2007)年5月12日(土)の記録》

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店情報: 焼き鳥「番番(ばんばん)」(新宿)

    070512z1
  • 店名: やきとり「番番」
  • 電話: 03-3200-9354
  • 住所: 160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-16-12 梅谷ビルB1
  • 営業: 17:00-24:00、無休
  • 場所: 靖国通りから、さくら通りに入った左側。ビルの地下。西武新宿駅から徒歩5分ほど。
  • メモ: やきとり1本110円は、ひな正、ねぎま、とりかわ、すなきも、つくねの「とり焼」5種と、しろ、れば、はつ、たん、かしら、なんこつ、こぶくろの「もつ焼」7種、そして、ねぎ、ししとう、しいたけ、ピーマンの「やさい焼」4種。150円は小玉ねぎ串。200円は豚バラ串、にんにく焼、手羽焼。250円は笹身梅肉焼、アスパラ巻き。300円はジャガ芋バター焼、ナス焼、牛カルビ焼。350円はしめじバター焼、うるめ丸干し、厚揚げ焼。400円はぎんなん焼、ししゃも。
    その他の料理は、煮込350、煮込とうふ450、お新香300、お新香(小)200、冷奴300、番々奴350、煮奴350、山芋千切り300、うど酢みそ300、しらすおろし300、明太子おろし400、エシャレット400、梅きゅうり300、もろみきゅうり300、冷トマト300、ピリ辛トマト300、わかめサラダ600、ピリ辛わかめサラダ300、生野菜盛700、生野菜盛(小)350、鳥たたき450、レバ刺し400、馬刺し700、ガツ冷盤400、とん足250、塩辛350、明太子400、とろろ納豆350、梅納豆350など。
    飲み物は、日本酒:清酒(美少年)250、美少年・白生にごり酒400、美少年・辛口・純米酒350、新政・純米酒450、菊水・純米酒450、竹の露・純米酒450、吉乃川・純米酒350、玉乃光・純米吟醸450、千福・しぼり・純米大吟醸600(ボトルは2,400)、ふなぐち菊水・生原酒600。焼酎:〔芋〕さつま白波250、〔麦〕雲海250、いいちこ250、二階堂250、山の守300、〔胡麻〕紅乙女250。ビール:生ビール400、プレミアムモルツ400。酎ハイ:酎ハイ(レモン味)250、ウメハイ(梅酒味)250、ライムハイ250、青りんごハイ250、ウーロン割300。ウイスキー:角デカハイボール350。ワイン:勝沼ワイン350、ワインロック350など。(2007年5月調べ)

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自宅近くのうどん2店 … 「名古屋うどん」(都立家政)~「丹愚(たんぐ)」(沼袋)

西武新宿線・沼袋(ぬまぶくろ)駅からほど近い住宅街の中に、土日の昼間だけしか営業していない手打うどん屋さんがあって、これがまた、めっぽううまいという。

そんな内容の記事が「ぶぅ~ログノート」(著者:BUSHさん)に掲載されたのを見て、さっそく、人一倍、いや人十倍と言ってもいいくらい、うどん好きの「ピュアー」のマスターに聞いてみたところ、
「えっ!? 知らなかったんですか。うちに来る麺好きのお客さんたちは、みんな行ってますよ!」と、かえって呆れられてしまったような次第。

それは、さっそく出かけてみなきゃと、ゴールデンウィーク中の土曜日(5月5日)、自転車でトコトコと出かけてみたところ、ちょうど昼どき12時半の店には、外に4人ほどの人が待っている状態です。

連休前まで、最高気温が20度を超えるかどうかという、4月にしては涼しい日が続いていたのですが、この日は最高気温26度という夏日。こんな中並ぶのもなぁ、と都立家政まで引き返し、実はこちらも前々から気になっていた「名古屋うどん」へ。

「名古屋うどん」という店名のとおり、ここは、きしめんや、みそ煮込みうどんなど、名古屋のうどんが楽しめるお店です。

店内は左手に4人掛けテーブル席が3つ、右手小上がりに6人程度の座卓が2つ。やや年配のご夫婦二人で切り盛りされている様子で、先客は小上がりに3人組がいるのみ。入口側にテレビが置かれているので、それが見えるように、ふたつ目のテーブル席の奥側に座り、暑くてもやっぱり「みそ煮込みうどん定食」(750円)です。

070505p「みそ煮込みうどん定食」は、土鍋のみそ煮込みうどんに、ご飯とお新香が付きます。みそ煮込みうどん単品が700円なので、それプラス50円で定食になっちゃうんですね。みそ煮込みうどんは玉子(50円)、かしわ(100円)、もち(200円)を追加することもできるようです。

名古屋のみそ煮込みうどんは、麺を打つときに塩を使わない製法で、煮ても煮ても生煮えのような食感に仕上がるのが特徴ですが、ここ「名古屋うどん」のは普通のうどんを使っているので軟らかい。でも、腰がないわけではありません。

季節がら、店内のエアコンはまだ使われておらず、食べ終わるころには、すっかり汗だくになってしまいました。

飲み物はお酒(三千盛、500円)とビール(中瓶、500)しかないものの、つまみも何品か用意されているので、ちょっと飲んで、うどんで〆るなんて食べ方もできそうですね。実際、途中から入ってきたおじいさんは「いやぁ、暑い暑い。まずビールちょうだい」と、汗を拭き拭きビールを飲んでました。

こうして、「丹愚」をあきらめて「名古屋うどん」へ行ったのが、ちょうど先週の話。1週間後の今日、今度は並んでも退屈しないように、カミサンと連れだって、自転車2台で沼袋です。勢いよく走って、開店5分前に「丹愚」の前に到着すると、先客はひと~りもいない。(ガクッ)

開店までの5分間、カミサンとふたりで店頭でじっと待って、開店とともに入店。2人掛けの席に座り、メニューの検討です。

店は、まさに民家そのもので、店主夫婦で切り盛りされているようです。

「いらっしゃいませ」と、奥さんが出してくれたのは氷入りの赤紫のジュース。飲んでみると紫蘇(しそ)ジュースのようです。

メニューには「蕎麦前」(そばを注文して、それができあがるのを待つ間に飲むお酒)として、2種類ほどの焼酎(300~400円)と、同じく2種類ほどの日本酒(350~450円)、そしてエビスビール中瓶(470円)が載っていますが、肴(さかな)は一切なくて、うどんのみ。(ただし飲み物を注文すると、軽いお通しは出されるようです。)

そのうどんは、せいろ、ぶっかけ、釜揚げの650円からはじまって、掻き揚げ天が入って700円、納豆や、辛味おろしなどの750円から、一番高くても丹愚カレーうどんの850円。

カミサンは「冷たいのも、温かいのも食べたいなぁ」と言いつつも、一番食べたいのは掻き揚げぶっかけ(700円)だという。私も冷たいのにも、温かいのにも、そしてカレーうどんにも引かれるんだけど、一番食べたいのは釜玉絡めうどん(700円)。ふたりとも第2希望は、シンプルに打ちたてせいろ(650円)です。

「ひとり2杯は食べられないかもしれないから、まず一番食べたいのを注文して、余裕があったら、打ちたてせいろを1人前追加しよう!」と決定。さっそくお店の奥さんに、掻き揚げぶっかけと、釜玉絡めうどんを注文します。

「あれっ! こんにちは」と現れたのは、この近所に住むspiralさんと、そのお友だち。これはこれは。お久しぶりです。
「BUSHさんのブログを見て、自転車でやってきたんです」とspiralさん。
「あはは。我われもそうなんですよ。こんなところに、こんな店があるなんて、ぜんぜん知りませんでした」

spiralさんたちは、4人掛けのテーブルの我われに近い側に座り、さすがに若い人たちだけあって、打ちたてせいろと、温かいうどん(カレーうどんなど)と、ひとり2人前ずつを、それぞれが注文すると、「それでは、冷たいほうからお出ししますね」とお店の奥さん。

最初に出てきたのは、我われの注文していた釜玉絡めうどんです。大きな丼の中に、すでに玉子がいい具合にからまった温かいうどん。貝割れがトッピングされています。それとは別にツユと、薬味の白ゴマ。

麺はけっこう太めですが、とてもつややか。それにしても、きれいに玉子とからんでますねぇ。まるでカルボナーラだ。ちょっとツユをつけて食べると、麺はもっちりと、すごい弾力です。

ジャーッと、すぐとなりにある台所から天ぷらの音が聞こえてきて、掻き揚げぶっかけも登場です。いやぁ、その掻き揚げの分厚いこと! 厚みが2センチ以上あるかなぁ。となりのspiralさんたちからも「すごーいっ」という声が飛びます。

「ぶっかけ」というのは、いわゆる「かけうどん」のことのようです。つまり「掻き揚げぶっかけ」というのは、路麺風に言うと「かき揚げ天うどん」ってことですね。掻き揚げのほかに、白ネギ、三つ葉がトッピングされています。

掻き揚げの中身は小柱、海老に大葉。サクッと揚がった食感もいいですねぇ。

私としては、この掻き揚げを汁にちょっと浸けながら、サクサク状態からシナッとなってくる感じのところが一番好きなのですが、カミサンはサクサクのまま食べるのが好みなのです。まず、サクサク派のカミサンに好きなだけ食べてもらって、残ったところ(と言っても7割ほど残っていた!)で、釜玉絡めうどんとチェンジ。

spiralさんたちのところにも、打ちたてせいろ(650円)が出てきました。これもまた、けっこうなボリュームですねぇ!

我われのほうは、最初の2杯(ひとり1杯ずつ)で、もう満腹。とても追加注文ができる状態ではありません。

店に新たな3人連れのお客さん(夫婦と子供)が入ってきて、spiralさんたちの温かいうどんが登場したところで、我われは「それじゃ、お先に」と腰をあげます。

お勘定を済ませて「どうもごちそうさま」と外に出ると、外では4人(2人×2組)が待っている状態。我われが出ると同時に、最初のひと組が店内へと案内されてました。

「掻き揚げぶっかけもよかったけど、釜玉絡めうどんが、すっごく美味しかったよね!」というのが、私とカミサンの共通の感想です。次回は、この店の名物らしい丹愚カレーうどん(850円)も、ぜひいただいてみたいですね。

うどんと言えば、野方の「さぬき亭」も、うどん居酒屋なのに、いつも飲んでばかりで、これまでに一度もうどんを食べたことがなかったなぁ。わが家からの距離では、「丹愚」よりも「さぬき亭」のほうが圧倒的に近いので、こちらも一度食べてみなきゃね!

070512a 070512b 070512c
「丹愚」入口の看板 / 民家そのものの店の外観 / 塗りのお盆に紫蘇ジュース

070512d 070512e 070512f
釜玉絡めうどん / カルボナーラ風に玉子が絡まった麺 / 掻き揚げぶっかけ

・「名古屋うどん」の店情報 / 「丹愚」の店情報

《平成19(2007)年5月12日(土)の記録》

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店情報: うどん「丹愚(たんぐ)」(沼袋)

    070512z
  • 店名: 江戸蕎麦「丹愚」日日好日庵・純手打工房
  • 電話: 03-3389-5347
  • 住所: 165-0025 東京都中野区沼袋2-38-4
  • 営業: 11:50-14:00、月~金休(土日のみ営業)
  • 場所: 西武新宿線・沼袋(ぬまぶくろ)駅の改札を出て、正面にある線路を横切る道路を右(新青梅街道方面)へ、商店街に沿って300m(徒歩6分)ほど進み、右手の「おかしの“まちおか”沼袋店」の先の角を右に折れ(折れた右手が中華「杏華園」)、さらに道成りに200m(徒歩4分)ほど進む。右にアパートがあるところで、左を見ると民家への誘導路のところに「本日しか味わえない!! 打ちたて、茹でたての本手打ちうどんをご賞味ください。11時50分より14時」という看板が(営業日には)出ている。誘導路の奥が「丹愚」。駅から徒歩10分程度。新青梅街道に出ると行きすぎ。
  • メモ: 土日の昼間だけ営業している手打ちうどんの店。いかにも民家という店内は、4人掛けテーブルと2人掛けテーブルの、合わせて6席のみ。メニューは、打ちたてせいろ650、打ちたてぶっかけ650、釜揚げうどん650、釜玉絡めうどん700、掻き揚げ天せいろ700、掻き揚げぶっかけ700、胡麻汁せいろ700、水戸納豆汁うどん750、辛みおろしせいろ750、玉子とじうどん750、豚すきせいろ750、地鶏すきせいろ750、豚ぶっかけうどん750、地鶏ぶっかけうどん750、丹愚カレーうどん850。
    蕎麦前:ここ一番(米焼酎)300、飛山濃水(純米吟醸)350、晴耕雨読(薩摩芋焼酎)400、天狗舞(山廃純米吟醸)450、エビスビール(中瓶)470ですべて。(2007年5月調べ)

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店情報: うどん「名古屋うどん(なごやうどん)」(都立家政)

    070505z
  • 店名: 「名古屋うどん」都立家政店
  • 電話: 03-3336-9081
  • 住所: 165-0033 東京都中野区若宮3-37-11
  • 営業: 11:00-15:30 & 17:00-22:00、月休
  • 場所: 西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅の改札を出て左へ。そのまま都立家政商店街に沿って4分(200m)ほど歩いた右手。
  • メモ: 〈温麺類〉『白つゆの部』:上天ぷらきしめん1,200、天とじきしめん1,050、にしんきしめん850、五目きしめん700、名代きしめん650、梅しそきしめん650、
    『赤つゆの部』:鍋焼きうどん1,200、天ぷらうどん1,000、親子南蛮750、カレー南蛮700、力うどん700、なめこうどん650、とろろきしめん650、山菜きしめん650、鳥南蛮650、肉南蛮650、なごや550、きつね550、たぬき500、かけ450、
    『みその部』:みそ煮込みうどん700、同・玉子入り750、同・かしわ入り800、同・もち入り900、
    〈冷麺類〉特製海老天ざる1,800、天ざる1,200、スタミナうどん700、冷肉みそうどん700、冷なめこ650、冷とろろ650、名物・冷きしめん650、冷山菜650、冷納豆650、冷なごや600、冷きつね600、ざる550、冷たぬき550、もり450、
    〈定食類〉みそ煮込み750、スタミナ750、もつ煮込み750、カレー南蛮750、冷肉みそ750、肉南蛮700、冷なごや650、なごや600、
    〈御飯類〉特上天重(吸物付)1,800、上天重(吸物付)1,500、天重(吸物付)1,200、サービス天丼(みそ汁付)1,000、牛カルビ肉丼(みそ汁付)750、カツ丼(みそ汁付)750、親子丼(みそ汁付)700、カレー丼700、玉子丼600、ライス200、半ライス150、
    〈おつまみ類〉天ぷら盛合せ1,300、にしん棒煮650、もつ煮込み650、牛カルビ焼肉650、板わさ550、なめこおろし300、しらすおろし300、納豆おろし300、お新香300、なめこ汁300、みそ汁・お吸物200、
    〈御飲物類〉お酒(三千盛)500、ビール500、サイダー・ジュース200。(2007年5月調べ)

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横浜で飲んで、中野へ … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

070511z連休明けの1週間もバタバタと過ぎて、気がつけばもう金曜日。午前中の都内での仕事を終えて、帰り道にJR京浜東北・根岸線は新杉田駅の近くにある「バーグ」で昼食です。ここ「バーグ」はカレーとハンバーグの店で、名物はスタミナカレー(720円)なんだそう。さっそくそのスタミナカレーを注文すると「玉子は焼きますか? 生ですか?」と店のおばちゃん。トッピングとして玉子が1個付くのですが、それが目玉焼きでも、生でもいいのだそうで、その確認です。「焼きでお願いします」。

すぐに出てきたスタミナカレーは、カレー皿にたっぷりのカレーの上に、目玉焼き(玉子1個)がのって、さらにその上に豚肉の生姜焼きが山盛り!

このスタミナカレー、この店の他のカレーが大皿で出てくるのに比べて、小さめのお皿で出てくるので、ちょっとなめてかかってたら、けっこうなボリュームです。しかもカレーも意外と辛め。きっちり満腹になって職場へと帰ります。

仕事終了後は、連休明けから職場に加わったメンバーの歓迎会で、職場の近くの居酒屋へ。古くから続く老舗居酒屋らしいのですが、ベテランのおばちゃんたちが、あまり働こうとしないタイプのようで、人数分の皿に盛られた料理はすべて入口近くのお客に渡して、そこからみんなに配らせるは、飲み放題の飲み物を注文しようとすると「注文は何人分かずつまとめてしてください」と、まとまるまで注文も取ってくれないは。しかし、皿を下げるのだけは爆発的に早くて、多少食べ物が残っていても「お下げしますね!」と、ほぼ有無を言わせず下げてしまうのでした。

うーむ。店のホスピタリティに厳しい某・飲み先輩が同席していたら、テーブルをひっくり返しちゃいそうな雰囲気でしたよぉ。(爆)

この地域にも大手居酒屋チェーン店は増えてきているので、接客などにも気をつけていかないと、お客さんがみんなチェーン店に流れていっちゃうんじゃないかなぁ。この地域の老舗居酒屋だけに、ちょっと残念ですねぇ。

横浜での歓迎会の後は都内へと移動。宇ち中さんと示し合わせて「石松」です。

午後9時半過ぎに店に到着すると、予想どおり店内は常連さんたちで満席状態。しかし、少し早く到着した宇ち中さんが、二人分の席を確保してくれたので無事に入ることができました。

にっきーさん、宇ち中さん、私の3人で連名のキープボトル(金宮)を、まずはホッピーで割って乾杯すると、お通しはセンマイの刺身。この店には、センマイ刺、モヤシ酢、豚耳、冷奴など何種類かのお通しが用意されていて、何人かで行くと、それぞれ違うものを出してくれたりするのです。

まずはレバ刺しをハーフでもらって、さらにレバーの串焼きも塩で1本お願いします。

大きなレバーの塊りから切り出すレバ刺しと、同じくその場で切り出して串を打って、炭火で軽く炙って出してくれる串焼き。どちらも鮮度は抜群です。

レバ刺しは、生姜醤油でひと切れ、ふた切れ。ニンニク醤油でもひと切れ、ふた切れ。そして残りを塩+ゴマ油でと、ぜいたくに味を変化させながらいただきます。レアーに焼いてくれた塩焼きには、ちょいとワサビをのせてパクリ。レバーの甘さの後にやってくる鼻にツーンと抜ける感じがいいですねぇ。なにしろレバーそのものの味がいいので、どうやって食べてもおいしいのです。

だれかからハツモトの注文が入ると、我も我もと便乗注文の手があがります。もちろん我われも塩焼きでひとり1本ずつ。これも大きなハツ(心臓)の塊りから切り出して、串を打ち、そのまま焼き台へ。プリッとした食感が絶妙です。

大常連さんの「丸いのできるー?」という質問に「できるよ」と店主。そしてみんなにも「丸いのいる?」と聞いてくれます。もちろん、もちろん。ぜひお願いします。

「丸いの」というのは、この店の名物のひとつ、つくねのこと。これまた、注文を受けてから挽肉をこねて、まん丸く整形しながら湯通しし、3個ずつ串を打って焼き上げる。注文した人数を確認しながら、きっちりと人数分だけの下ごしらえをするのです。つくねは人気の品だから、多めに作ってもすぐに売れちゃいそうなのに、決して多めに作ることはしない。これが店主のポリシーなんですね。

午後11時半まで、約2時間の滞在は、二人で2千円弱(ひとりあたり千円弱)でした。どうもごちそうさま! 宇ち中さん、遠くまでやってきていただき、ありがとうございました。

070511a 070511b 070511c
営業中の「石松」 / お通しはセンマイ刺身 / レバ刺ハーフ

070511d 070511e 070511f
レバちょい焼き塩+ワサビ / ハツモト塩 / ツクネ塩

店情報前回

《平成19(2007)年5月11日(金)の記録》

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連休最後は類さん登場 … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

長いようで、終わってみれば、あっという間だったゴールデンウイークの9連休。最終日の今日、日曜日は「よじかわ」です。(「よじかわ」: 寄り道さんの造語で、開店時刻の午後4時ちょうどに「川名」に行くこと。)

今日の「よじかわ」は、呑んだフルさんと一緒。フルさんがゴールデンウイーク中に「川名」にいらっしゃるのは3年連続で3回目。すっかり恒例行事化してきました。

帰省中の宇ち中さんも「間に合えば参加」という予定だったのですが、予想以上に高速道路の渋滞が激しいらしく、残念ながら今日は不参加ですが、後ほど、お店の取材もかねて、酒場詩人・吉田類(よしだ・るい)さんが合流予定です。

まずはフルさんとふたりで生ビール(中ジョッキ、504円)をもらって乾杯し、つまみは豚軟骨もつ煮込み(231円)、いわしつくね串(1本126円)、ムール貝焼(3個189円)を注文します。

店内は奥の小上がり席(4人×4卓)がすでに予約で満席で、入口側のカウンター7席、テーブル席3卓も、開店10分後には埋まってしまいました。みなさん、すばらしい出足ですね!

今年のゴールデンウイーク9連休は、「近くの名店を探る」をテーマとして、中央線沿線あたりを中心に、新しい酒場、久しぶりとなる酒場、そして行きつけの酒場をまわってみました。

行ったところは、駅名で言うと、中央線沿線が大久保(+山手線:新大久保)、中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、武蔵小金井、西国分寺、国立の8駅。西武新宿線沿線が高田馬場、野方、都立家政、鷺ノ宮の4駅です。両方合わせると12個の町を巡ったことになります。

はじめて入った酒場は「鳥芳」(西国分寺)、「大黒屋」(武蔵小金井)、「鳥やす本店」(高田馬場)、「餃子市」(新大久保)、「奇天烈な店」、「福來門」(高円寺)の6軒。できたばかりの「餃子市」と、会員制クラブのような雰囲気の「奇天烈な店」を除くと、いずれもその地域の大人気店のようで、どこもお客さんでいっぱいでした。

はじめてながら入れなかった(断念した)酒場は「うなちゃん」(国立)、「まっちゃん」(国立)、「赤天」(高円寺)の3軒。これらの店は、近いうちに再チャレンジしたいと思います。

久しぶりに行った酒場は「川勢」(荻窪)、「与っ太」(阿佐ヶ谷)、「くろがね」(大久保)の3軒。さらに食事処ながら「鉄路」(阿佐ヶ谷)。メニューの数が減ったものの、亡くなったお父さん(先代)の味が守られているのが良かったです。

行きつけの酒場は、このブログにもよく登場する立ち飲み「やき屋」(荻窪)、「石松」(中野)、「秋元屋」(野方)、「竹よし」(都立家政)、「ペルル」(鷺ノ宮)、「川名」(阿佐ヶ谷)、「ピュアー」(野方)の7軒。しかも「ペルル」と「川名」は、今日も含めて2回ずつ来てるので、のべで言うと9軒分です。新しい店にたくさん行ったつもりだったのに、こうやって振り返ってみると行きつけの酒場のほうが多かったんですね。

実は西荻窪方面や、新宿方面にも行きたかったのですが、それは次の課題として残ってしまいました。また近いうちに出かけたいと思います。

1杯目の生ビールを飲み終わり、もうちょっとビールにしましょうと注文したのはサッポロラガービール(大瓶、504円)。「川名」にはもともとアサヒスーパードライとキリンラガーの2銘柄を置いていたのですが、少し前からこれにサッポロラガー(赤星)も加わって、3社・3銘柄が選べるようになったのでした。

料理のほうは新玉サラダ(231円)とカブキムチ(231円)を追加注文。この店は野菜ものの充実も特長で、いつも何品目かの野菜メニューが並んでいるのです。

ちょうどそこへ吉田類さんも到着。
「今日は健康的なものを食べてるねぇ」と笑いながら、さっきもらったばかりのサッポロラガービールで乾杯し、類さん用にトビウオの刺身(420円)を追加注文します。

吉田類さんは、つい先日、『酒場のオキテ―「酒通」の「粋」がわかる本』(青春文庫、580円)という本を出されたばかり。テレビ番組や新聞、雑誌の取材がたくさん入っている中での執筆で、かなり大変だったのだそうです。

この「酒場のオキテ」は、文庫本用として書き下ろされたもので、5章立て、240ページ弱。章立てを見ると、その概要がわかりますのでご紹介します。

  1. 大衆酒場の作法 ~浅草の老舗回廊

  2. 下町でもう一杯 ~東京下町酒場の系譜

  3. 都心の酒場へ ~ゴールデン街から中央線沿線へ

  4. 地方の温もりを求めて ~心の醸造列島

  5. 立ち飲みの流儀 ~酒場の聖域へ

つまり、浅草からはじまって、下町エリアをぐるりと紹介し、都心部から中央線沿線へ。そして場所は全国へと広がって、最後に立ち飲みで〆るというもの。都内および地方のディープな酒場が、ほぼ網羅的に紹介されているのです。知らない店も多いので、ぜひまたこの本を片手に酒場巡りをしてみたいと思います。

その吉田類さん。今日は夕刊フジに連載中の「吉田類の一献一句~酒場めぐり」の取材も兼ねての「川名」です。常連さんたちが飲んでいたメカブ茶焼酎を「おもしろいなぁ」とさっそく注文し、それをきっかけに、常連のみなさんたちとドンドン会話が進んでいきます。

このスタイルが類さん流ですねぇ。テレビ番組(BS-i「吉田類の酒場放浪記」)でもそうですが、とにかく一緒に楽しくお酒を飲んで、その酒場そのものに、あっという間に馴染むことができるのが類さんらしいところ。まわりの常連さんたちにも、すぐに飲み仲間として受け入れられちゃうのです。

吉田類さんと同じ句会に通う、青地さんも偶然来店され、午後4時にはじまった「川名」での飲み会は、すっかり盛り上がって午後9時半まで、実に5時間半の長丁場となってしまいました。

お勘定は4人で9,744円(ひとりあたり2,436円)。9連休の最後を締めくくるのにふさわしい、とても楽しい飲み会となったのでした。

(このときの取材記事は、5月9日(水)付けの夕刊フジに掲載されました。)

070506a 070506b 070506c
生ビール、お通しはスイカ / 豚軟骨もつ煮込み / いわし団子

070506d 070506e 070506f
ムール貝焼 / サッポロラガービール / カブキムチ

070506g 070506h 070506i
新玉サラダ / 南蛮漬け / トビウオ刺身

070506j 070506k 070506l
めかぶ茶焼酎 お湯割り / マグロのハラミ / 納豆おろしうどん

070506m「川名」で納豆おろしうどんまで出してもらったのに、店の前でみんなと別れての帰り道に中華「朝陽」のおいしそうな炒め物の香りに吸い寄せられて、ついついチャーハン(500円)です。この店の炒め物はけっこうクセになるんですよねぇ。

さぁ、明日からは普通に仕事だ!

・「川名」の店情報前回) / 「朝陽」の店情報前回

《平成19(2007)年5月6日(日)の記録》

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ボトルはいつも輝いて … バー「ピュアー(pure)」(野方)

高円寺駅南口駅前にある中国飯店「福來門」を出て、JR中央線ガード下をくぐって北口へ。ずらりと並ぶ行列は、あいかわらずの人気店「桃太郎すし」です。「本店」「分店」「パート2」の3店舗が軒を連ねるように並んでいるのに、人が溢れてますもんねぇ。

高円寺駅前まで戻ってくると、目の前のアーケード街が高円寺純情商店街です。元々、高円寺銀座と呼ばれていた、この商店街は、この商店街のことを題材として著された、ねじめ正一氏の「高円寺純情商店街」のヒットを受けて、それと同名の商店街へと変身(改名)したのでした。

残念ながら、この商店街には私好みの、いい意味で“古汚い”大衆酒場は発見できていないのですが、酒友たちの話によると、いいバーが何軒かあるらしいので、またご紹介いただかないといけないですね。

今日は高円寺純情商店街の1本西側(阿佐ヶ谷側)に、ほぼ並行するように走る高円寺庚申(こうしん)通り商店街を北上すると、すぐ右手に出てくるのが大衆酒場「神谷」。ここも改装したので、残念ながら“古汚い”感じはなくなっちゃいましたが、古くからある酒場です。

その先、右手の新しいお店が、さかな料理専門店「うおこう」です。入ったことはないのですが荻窪にある有名店「魚耕」の系列なのかな。

近くを走る環七周辺に数多(あまた)あるラーメン屋さんの余波なのか、高円寺界隈にはラーメンや餃子のお店も数多く、ここ庚申通り沿いにも、そういうお店はたくさん並んでいますが、残念ながら大衆酒場は少ない。

通りに出されている看板に引かれて、右手の狭い路地に入ると、その奥にある新しいお店が焼貝の「あぶさん」です。つい最近できたばかりらしいのですが、焼貝をメインに押し出している姿勢が、またおもしろいではありませんか。

さらに進んで、もうそろそろ早稲田通りに出るかという右手にあるのが餃子専門店の「赤天」。

この連休のテーマ「近くの名店を探る」。今日の2軒目として目論んでいたお店が、実はここ「赤天」なのです。

狭い店内はカウンター5席のみ。メニューは焼餃子(1人前7個、210円)とビール(中瓶、480円)のみ。予約は不可で、餃子はひとり2人前からの注文となります。持ち帰りも可で、店に向かって右側の焼き台の前にはお持ち帰り餃子を待つ人が、左側の入口の前には、店内が空くのを待つ人が並んでいます。

土曜日(子供の日)、午後9時のこの時間、残念ながら店内はいっぱいで、店の前で2人ほど空くのを待っている状態。

はす向かいにある大衆酒場「バクダン」も午後9時閉店なので、「バクダン」で、ひと飲みしながら空きを待つという手段もとれない。

うーむ。行列に並んでまで、というほどでもないしなぁ。また次の機会にしましょう。

庚申通りを抜けて、早稲田通りを渡り、今度は大和町商店街を北上します。しばらく進むと左手が民生食堂「天平」、その先右手が焼き鳥「大和鳥」と、界隈でも個性的なお店が続きます。

さらに進んで妙正寺川を渡ると、そこはもう高円寺エリアというよりは、西武新宿線沿線エリア。まっすぐ進むと都立家政(とりつかせい)。右に行くと野方(のがた)、左に行くと鷺ノ宮(さぎのみや)です。

まっすぐ進んで、みつわ通り商店街を右へ折れると、行きつけのバー「ピュアー」です。

「ピュアー」も4月29日(日)と30日(月)は連休だったものの、その後、5月1日(火)から、今日・5日(土)までは通常どおり営業中。店頭にも、普段はない「連休中のひと時を美味なるカクテルとおしゃべりで過ごしませんか…。当店のカクテルはすべてフレッシュフルーツを使用しております。女性の方、お一人様でも安心して召し上がれるお店です。どうぞお気軽にお入りください」という看板が置かれています。

「こんばんは」
「やぁ、いらっしゃい。これは、これは」

ニコニコとやさしそうなマスターの笑顔が迎えてくれます。連休最後の土曜日、午後9時20分の店内は先客は4人。カウンターのみの店内の奥側に男女ふたり連れ、中央部に大常連ご夫妻という構成です。

私もカウンターの一番手前側に座り、渡されたおしぼりで手をぬぐいながら、本日1杯目の飲み物、「春の妖星(ようせい)」(680円)を注文します。

この店では、バックバーのところに「今月のおすすめ」と書かれた10~15種類くらいの飲み物が掲げられていて、その中に、飲んだことのないような珍しいカクテルが並ぶことも多いのです。季節の飲み物が並ぶことも多いので、特に強いこだわりがあるとき以外は、ここにリストアップされているものを選ぶのが無難ですし、安くて美味しいものにありつけます。

「春の妖星」は、そんな「今月のおすすめ」メニューの1番目の飲み物としてリストアップされているカクテル。上に向かって大きな百合の花のように開いたグラスにグリーンのミントが入れられ、ジンとグレープフルーツなどをシェイクしたカクテルが注がれると、グラスの中はグリーンから白っぽく透きとおるお酒への見事なグラデーション。グラスのふちに一片のピンクの花弁が添えられます。

「なんだかねぇ……」と言いはじめて、ニヤリと黙るマスター。
「ん!? カクテルがきれいすぎて、似合わないって言いたいんでしょう!」
「あははは。そこまでは言わないけど」

でも、このカクテルは本当に女性向けだと思います。私のような、おっさんには似合わないこと、この上ない。

比較的軽めなのでツツゥ~ッと飲めるのですが、そのグラデーションの色合いのとおり、飲み終わる頃にミントがよく効いて、思わず次の一杯にいきたくなるという妖(あや)しいカクテル。だから「妖星(ようせい)」という名前が付いてるんだとか。

今日のお通し(310円)は、エビとアボカドのサラダ(梅肉ソース)。

レストランの料理長も経験したというマスターの料理は、それを目的に通う人も多いほど本格的なもの。この店の奥にある小さな厨房で、いったいどうやって作ってるんだろう、と思うような品々がメニューに挙がるのです。

2杯目にいただいたのは、今度は14種並んだ「今月のおすすめ」の13番目、ホワイトウイスキーの「ジョージアムーン」(520円)です。

中野にバーボンの品揃えで有名な同名のバーがありますが、このジョージアムーンというお酒は、蒸留後30日以内のものを、昔のマヨネーズの広口ガラス容器に似たボトルに詰め込んだ、まさにできたてのコーンウイスキー。これを樽に入れて寝かせておくと、バーボンになるんですね。

蒸留直後のウイスキーなので、もちろん樽の色や香りはついていなくて、無色透明。言ってみれば、度数の高いトウモロコシ焼酎のようなものですね。

ロックでグビッといただくと、決して美味しくはないんだけど、野趣あふれる味わい。

ラベルの上部に書かれている「Shine On」というのが「密造酒」ということなのだそうで、味を楽しむというよりは、禁酒法時代の密造酒を体験してみるというおもしろさで飲むお酒なんでしょうね。

そのジョージアムーンを飲みながら、話題はマスターの若かりしころの話に。マスターが田舎から出てきて最初に入ったバーで、毎日必ず新聞5紙や、複数の週刊誌を読ませられたほか、お茶、お花などひと通りの作法も修業させられて、それは大変だったんだそうです。

「昔のバーは、どこもそうだったですねぇ」とマスター。

「なるほど。そういう修業をされたから、バックバーに並んでいるボトルが全部ピカピカなんですね」

カウンターの奥に座っている男女ふたり連れの、男性が口を開きます。このお二人は、今日、はじめてこの店にいらっしゃったんだそうです。

たしかに。バックバーにずらりと並ぶ、ボトルやグラスの輝き具合で、その店の取り組み姿勢が、ある程度わかってしまいますよねぇ。マスターひとりで切り盛りしているのに、さりげなく花が飾られたりしているのも、当時のきびしい修業の賜物(たまもの)に違いありません。

さてさて。野趣あふれる「ジョージアムーン」をいただいたら、もう1杯、別の野趣あふれるお酒も飲みたくなってきました。「今月のおすすめ」のメニュー番号12番、「ズブロッカ」(520円)です。

ズブロッカは、ウォッカに、ズブロッカ草という草を漬け込んだ(あるいは人工的にズブロッカ草の香りを付けた)ポーランド製ウオツカで、冷凍庫でキンキンに冷されているものをストレートでいただきます。冷凍庫に入れてても凍らないんですね。鼻の奥からフッと抜ける草の香りが、とっても個性的。

ガツンと強いウォッカも、この温度まで冷してしまうと、ほとんどお酒の強さを感じない。あらにその上に、フッと抜けるズブロッカ草の香りがあるから、より飲みやすい。これはまた危険なお酒だなぁ。

グッとそのズブロッカを飲み干したところで、今日はここまでといたしますか。

約1時間半の滞在。飲み物を3杯いただいて、お勘定は2,030円でした。どうもごちそうさま。

「ピュアー」から、わが家までは徒歩10分ほど。途中に1軒だけラーメンが食べられるお店(中華料理「登竜」)がありますが、幸い(?)今日は閉まっている様子。このままトドメン(※)なしに帰宅できそうです。

考えてみると、この9連休中、ずいぶんトドメンをやっちゃいました。飲んだ後の麺類は、できるだけ控えるようにしていたのになぁ。。。

(※ トドメン: G.Aさんの造語で、飲んだあとを、とどめの麺類でシメること)

070505j 070505k 070505l
春の妖星 / エビとアボカドのサラダ(梅肉ソース) / ジョージアムーン

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ピカピカのボトルが並ぶバックバー / ミックスナッツ / ズブロッカ

店情報前回

《平成19(2007)年5月5日(土)の記録》

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高円寺酒飲み商店街? … 中華料理「福來門(ふくらいもん)」(高円寺)

毎日楽しみに見ているインターネットサイトのひとつに、「まいにち酒飲み」というブログがあります。

そのブログタイトルのとおり、作者のkasumixさんが、毎日飲むお酒のことなどについて書かれたブログなのですが、本当に“毎日”飲んでいらっしゃる。ブログの中では、ときどき“休肝日”なんて表現も出てくるのですが、それとて、ご本人が他の人の質問に答えて曰くは『休肝日というのは、普段より肝臓を休ませる日なので、缶チューハイ1本はOKなのよん。飲まずに全く休ませると、その後の仕事(もちろん肝臓の)に影響がでちゃうんだもの』というほどの強者(つわもの)なのです!

そんなkasumixさんが行きつけにしているのが、高円寺駅前にある中華料理屋、「福來門」。長かった9連休も残すところ、今日を含めてあと2日となってしまいましたが、今日の「近くの名店を探る」は、その「福來門」をメインターゲットとして、高円寺あたりを巡ってみたいと思います。

JR中央線で、わが家の最寄駅は阿佐ヶ谷駅。その新宿側のとなり駅が高円寺駅、逆側のとなり駅が荻窪駅です。同じとなり駅同士なのに、立ち飲み「やき屋」や、もつ焼き「カッパ」などのある荻窪にはよくやってくるのですが、高円寺はあまり来たことがないんですよねぇ。

荻窪駅前から、わが家の近くを通るバス路線が出ているということも、荻窪によく行く理由のひとつではありますが、それだけではないような気がします。

阿佐ヶ谷、荻窪に比べても、高円寺はなんだか若者比率が多くて、お店のほうも、そういう客層に即したようなところが多いように感じるのです。今風のお店は多いのですが、私の好きな、いい意味で“古汚い”大衆酒場が少ないように思うんですよねぇ。

そんなわけで、今日はダイレクトに「福來門」に行くのではなく、そういった高円寺の酒場状況も調査しつつ向かってみたいと思います。

阿佐ヶ谷駅や荻窪駅の周辺に商店街が多いのと同様に、高円寺駅の周辺も商店街がとても多い。有名な高円寺純情商店街(旧名・高円寺銀座)をはじめ、高円寺パル商店街高円寺ルック商店街高円寺あづま通り商店街、高円寺庚申通り商店街、高円寺中通り商店街、高円寺北中通り商店街。ざっと挙げるだけでも、これだけの商店街が高円寺駅の南北に広がっているのです。

わが家からトコトコと高円寺に向かうと、高円寺駅から北西に伸びる、高円寺北中通り商店街の出口あたりから入っていくのが、近いルート。この商店街には中華定食屋「味二番」や、路地に入ったところにある、やきとり・お食事の「せんぼん屋」など、ちょっと古びたお店は何軒かあるものの、あまり活況ではない様子。

沖縄料理の「抱瓶」を過ぎて、怪しげな風俗店が出てきはじめたところで、右折して高円寺駅西側(阿佐ヶ谷方面)に広がる、ガード下の商店街に向かうと、その路地にあるのが大衆酒場「和田屋」です。おぉ。開けっ放しの入口から見える店内は、比較的年配のお客さんがいっぱい。これはなかなか良さそうですよ。

瓶ビールはエビスビールの大瓶しか置いていないようで580円ながら、生ビール中ジョッキは450円と安い。清酒(仁勇)が290円というのも、正しい(?)大衆酒場価格ですねぇ。

つまみもジャガバター360円、さつま揚げ焼280円、なす焼350円、ししゃも400円、いわし丸干350円、目ざし280円、ほうれん草おひたし260円、げそわさ360円、山かけ500円などなどと500円以下のものが、ずらりと並んでいます。

店の看板には「和田屋」という店名の後に、わざわざ「チェーン店」なんて書いてある。「和田屋っていうチェーン店あったっけ?」と思って調べてみると、杉並区内だけでも阿佐ヶ谷(「鳥久」のとなり)や西荻窪(駅南側、荻窪寄りのガード脇)、浜田山(これまた駅南側、西永福寄りのガード脇)という4店舗がある。都内全域では、同じ「和田屋」という店が(先ほどの4軒も含んで)12軒ほどあるようですので、「大林酒場」や「三州屋」などと同じように、古くからノレン展開しているお店なのかもしれませんね。

「和田屋」を過ぎて、高円寺駅ガード下にはいると、左手にあるのが件の「まいにち酒飲み」にもよく登場する、「ちゃんこ谷」。ガード下を南側に抜けると、そこに高円寺では有名な「大将」などの焼き鳥屋さんが軒を連ねていて、お客さんが店の表まで、はみ出すように座って盛り上がっています。

このあたりのお店にも引かれるところはあるんですが、どうも独り客が少なそうなのが躊躇(ちゅうちょ)している点なのです。グループ客でワイワイと盛り上がっているような感じ。グループ客の度合いが高くて、しかも席の間隔が狭いお店だと、独り客は楽しめないことが多いんですよねぇ。あくまでも外から見た印象ではありますが……。

もう少し駅に近づいて、南側に伸びるパル商店街の入口近くにあるのが、高円寺で一番古い酒場と言われている大衆酒場「南よし」。やきとんなども置いていて、一度は来てみたいお店なんですが、残念ながら、連休中の今日はお休みです。

さらに西へと進み、高円寺駅南口のロータリーを通り過ぎて、駅の西側(中野方面側)に抜けると、そこのビル1階にあるのが本日のメインターゲット「福來門」です。

ずぅーっと歩いてきたので回りくどかったですが、高円寺駅から言えば、南口を出て左(中野方面)へ、徒歩30秒もかからないくらい。まさに駅前の中華料理店です。店の前のショーウィンドウには、中華定食類のサンプルが並び、いかにも町場の中華屋さんって感じ。

プシュンと自動ドアの入口を入ると、左右にずらりと並ぶテーブル席。各テーブルにびっしりと詰めれば30~40人くらいは入るでしょうか。祝日(昭和の日)午後7時半の店内はテーブル数で見て7割程度の入り。各テーブル(4人掛けが多い)とも、2~3人で使っているところが多いので、比較的ゆったり目です。

「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」と通されたのは、右手中央あたりにある2人掛けテーブル席。右側に衝立(ついたて)があって、そのとなりの4人掛けテーブルと仕切られているので、2人掛けながら、あまり孤立感はありません。

やぁ、歩きつかれた。まずはビールでしょう。ビールはアサヒスーパードライ中瓶が380円(価格表記は税別。以下、同じ)。クゥ~ッと最初の1杯を飲み干して、ひと息つきます。「あぁーっ。たくさん歩いてきて、よかったなぁ」という一瞬。この1杯をおいしく飲むために歩いたようなものです。

「まいにち酒飲み」でも、「近くて、美味しくて、安い」と紹介されているとおり、数ページにわたって写真付きで載せられているメニューには、焼餃子(350円)、水餃子(350円)、ピータン(380円)、冷やっこ(380円)、白菜の辛味漬物(辣白菜、380円)、大根もち(380円)、焼羊肉(380円)、腸詰め(480円)、香菜(380円)、バンバンジー(480円)、広東風モミジ(480円)、豚耳の醤油煮(醤猪耳、480円)などなどと、500円未満の品々も数多い。

しかも、豚タンの醤油煮(醤猪舌、580円)、豚マメの炒め(炒腰花、680円)、豚仔袋の炒め(炒生腸、780円)など、もつ好きにはたまらんメニューも並んでいます。

「まいにち酒飲み」にも登場するセロリ水餃子は「値下げサービスキャンペーン」中で、通常480円のものが、なんと180円。これは食べとかないと、いかんでしょう。もう1品、ピータン豆腐(380円)もいただきましょう。

ピータンも、ピータン豆腐も380円。ところが、メニューの写真で見るとピータン豆腐は、ピータンと同じだけのピータンが並んでいる上に、大きな豆腐(一丁分!?)も入っている。これって、豆腐の分だけサービスってことなのか? な~んて思いながら注文したのですが、出てきてみると、豆腐の大きさは同じようなもの(一丁分!?)ながら、ピータンは小さく刻んだものが豆腐にトッピングされているもの。あはは。やっぱりそうだよねぇ。メニューの写真の状態は、ありえないもんなぁ。

このピータン豆腐には、中華風のタレがたっぷりとかかり、大きなスプーンも添えられています。豆腐は食べやすいように、小さく切られているので、これをピータンや、同じくトッピングのネギごと、ドカッとスプーンにすくって、大きな口を開けてハグッといただくと、ピータンと豆腐のバランスもよくて、おいしいこと。

今日び、冷奴だけでも同じくらい(380円位)する店はざらですもんね。それにピータンまで付いて、この値段というのは、写真とは違うけどすばらしい。

セロリ水餃子は180円ながら、ひと皿6個で一人前と、とにかく安い。このキャンペーン期間中(いつまでなんだろう?)に、ぜひ食べておいたほうがいい一品です。

セロリ水餃子以外にはキャンペーンの品はないのですが、曜日替りで半額になるメニューがあります。月曜日は玉子の日で、ニラと玉子の炒めが通常780円のところが半額の390に。火曜日はチャーハンの日で玉子チャーハン680円が340円に、以下、水は豆腐の日でマーボー豆腐580円が290円、木は麺の日でソース焼そば780円が390円、金は野菜の日で野菜炒め780円が390円というラインナップ。残念ながら、土曜、日曜は半額品は、ないようです。

3人ほどいる、店のおにいさん、おねえさんは中国の人なのかな。それとは別に、奥の厨房にも何人か店員(料理人)さんがいるようです。

まわりを見てみると、食事をしている人、お酒を飲んでいる人が半々くらい。食事のお客さん用として、メニューには定食類もあって、たとえば酢豚セットは880円、ニラ玉セット780円、豚肉野菜炒めセット780円などなど。それぞれ御飯とスープ、シュウマイ(2個)、ザーサイに、デザートの杏仁豆腐が付いています。テーブル席ばかりだけど、ひとり客も何人かいて、これまた食事をしていたり、私と同じように何品かもらって、お酒を飲んでいたりと、本当に使い勝手のいいお店のようです。

ビールもなくなったので温かい紹興酒(小180ml、480円)と、つまみには焼羊肉(カオヤンロー串、380円)を注文します。

紹興酒(小)は、180ml入りの小さなボトル1本。これはまた可愛らしくていいですねぇ。

焼羊肉は、串焼きの羊肉が、お皿に3本。スパイスたっぷりで、口に含んでも香りがいっぱいです。肉はけっこう硬め。こういう羊肉も好きだなぁ。

初回の今日は、1時間ちょっと愉しんで、お勘定は1,890円(1,800円+税)でした。今度は何人かでやって来て、いろんなものを食べなきゃね。

なお、この店は朝の4時まで営業していて、午前1時から4時までの間は、「朝食」として、「A.ラーメン」か「B.麻婆丼」のいずれかが280円で食べられるというサービスもあるようです。すっかり飲み終えた真夜中に、朝食ならぬ、シメの食事にやってくることもできそうですねぇ。「御天」も「福來門」も、わが家からは同じくらいの距離なりよ!(^^)v

070505a 070505b 070505c
中華料理「味二番」 / やきとり「せんぼん屋」 / 大衆酒場「和田屋」

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中国飯店「福來門」 / ビール中瓶 / ピータン豆腐

070505g 070505h 070505i
セロリ水餃子 / 紹興酒(小) / 焼羊肉

店情報

《平成19(2007)年5月5日(土)の記録》

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店情報: 中華料理「福來門(ふくらいもん)」(高円寺)

    070505d
  • 店名: 中国飯店「福來門」(福来門)
  • 電話: 03-3315-3925
  • 住所: 166-0003 東京都杉並区高円寺南4-45-7
  • 営業: 11:00-04:00、無休
  • 場所: JR中央線・高円寺駅南口を出て左へ。ガード沿いに中野方向へ30秒ほど進んだ右手ビル1階。
  • メモ: セロリ水餃子は「値下げサービスキャンペーン」中で、通常480円のものが180円。普通の水餃子は350円。鴨の手羽先醤油煮580、鴨の塩味煮込み680、焼餃子350、水餃子350、ピータン380、冷やっこ380、白菜の辛味漬物(辣白菜)380、大根もち380、焼羊肉380、腸詰め480、空心菜780、香菜380、バンバンジー480、広東風モミジ480、豚耳の醤油煮(醤猪耳)480、豚タンの醤油煮(醤猪舌)580、豚マメの炒め(炒腰花)680、豚仔袋の炒め(炒生腸)780、広東風チャーシュー680、醤油漬シジミ680。曜日替りサービスメニュー:月・玉子の日・ニラと玉子の炒め780→390、火・チャーハンの日・玉子チャーハン680→340、水・豆腐の日・マーボー豆腐580→290、木・麺の日・ソース焼そば780→390、金・野菜の日・野菜炒め780→390。時間限定(01:00-04:00)の朝食は、A.ラーメン、B.麻婆丼のいずれかが280円。公式サイトあり。

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力を抜いてリラックス … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

連休中の「近くの名店を探る」旅。新しいお店を回ったあとは、自宅近くの行きつけのお店でシメるのが、いつものパターン。新しいお店でちょっと緊張した後、行きつけのお店で力を抜いてリラックス、といった感じですね。今日の行きつけのお店は「川名」です。

「川名」には、開店直後の午後4時に「よじかわ」として来ることが多いのですが、今日は午後8時をまわった時間。どうかなぁ、と思いながら入ると、カウンターは満席、さすがですねぇ。

「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」

はるかさん(店を手伝っている女性)が、かろうじて空いているC卓に案内してくれます。

「川名」の店内は、左手が7席のカウンター席、右手は4人掛け×3卓のテーブル席になっていて、カウンター席は手前(入口側)から1番、2番、3番、……、7番と番号で呼ばれ、テーブル席は、同じく手前からA卓、B卓、C卓とアルファベットで呼ばれているのです。これとは別に奥の別室に小上がり席があります。

この店のお通しは、いつも果物。今日は、なんとスイカです。夏が近づいてきましたねぇ!

テーブル席に座って、やれやれとくつろぎつつ、飲み物の選択です。「奇天烈な店」で最後にいただいた、石ガレイの胆汁の味が残っている間に、日本酒をいただきましょうか。今現在、この店に置いてある唯一の地酒は「黒牛」(462円)。これをいただくことにしましょう。

受け皿付きのグラスが出され、はるかさんが一升瓶からキリッと冷えた「黒牛」を注いでくれます。おっとっとっと。もうちょっと受け皿に溢(こぼ)してくれてもいいよん。どーれどれ。……ッカァ~ッ! この冷たさが、ちょっと酔った咽喉(のど)に心地いいですねぇ。石ガレイの胆汁が効いてるのか、今日はまた一段とうまいや。

ほんじゃ、そのカレイつながりということで、肴はカレイの炭焼(231円)をいってみますか。

ここの焼魚は、焼き鳥を焼くのと同じ焼き台で、炭火で焼き上げてくれるので、表面はカリッと、そして内部はほっこらジューシーにできあがります。

なにがすごいって、この値段(231円)でありながら、出されるカレイは丸まる1尾の、いわゆる尾頭付きですから、驚いてしまいます。カリッと焼きあがったヒレのところもおいしいなぁ。

「これ食べて」と店主が持ってきてくれたのは鮑(あわび)の煮貝。それも丸まる1個分です。ありゃりゃ。きっと早い時間(開店直後)に大挙してやってくる大常連さんたち用のサービス品だったんでしょうねぇ。こんな遅い時間にやって来たのに、私にまで出していただいてすみません。どうもありがとうございます。

アワビは古来から食べられてきた酒の肴(さかな)。当然、日本酒にもピッタリです。

どれくらい古来から食べられてきたかというと、文字による記録の残る奈良時代(平城京の時代)には、すでに海胆和鮑(うにあえあわび)という、アワビを刻んでウニとあえた、今考えても贅沢な肴が紹介されているほか、長鰒(ながあわび)という、乾燥させた身を叩いて伸ばした、後の“熨斗(のし)あわび”の原型のようなものもあったのだそうです。

それにしても、常連さんサービスの一貫でアワビとは! ここもある意味、奇天烈な店だよなぁ。

一見(いっけん)すると、お持ち帰り用のお土産を売ってる冴えない(失礼!)焼き鳥屋さんにしか見えないのに、店の中に入ると一変して凛とした雰囲気。しかも店いっぱいに集う酔客たちの前には、新鮮で安価な魚介類がずらりと並んでいるんですからねぇ。

本当にこれで儲かってるのかなぁと、ときどき心配になってしまいます。

カレイ1尾とアワビ1個を肴に、ゆっくりと地酒をいただいた1時間。今日のお勘定は693円でした。うーむ。ちっとも儲からないお客でごめんなさい。

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「黒牛」とお通しのスイカ / カレイ炭焼 / アワビの煮貝
・「川名」の店情報前回

「川名」から、わが家までは徒歩10分ほど。まっすぐ帰ればいいものを、今日もふらりとラーメンです。今日のお店は、早稲田通り沿いにある「らーめん大慶(たいけい)」。店を改装したのか、なんだかきれいになってますねぇ。

ここのメニューは、普通のラーメン(550円)のほか、味噌ラーメン(650円)、塩ラーメン(650円)、和風ラーメン(濃口醤油たれ、背脂なし。650円)、冷し中華(ゴマだれ。750円)、つけ麺(しょうゆだれ。650円)と幅広いのが特徴。麺も細麺だったり、太麺だったりとバラエティ豊かなのです。

久々なので無難に普通のラーメン(550円)を注文。ここのラーメンは豚の背脂(せあぶら)がたっぷりで、こってりと美味しいのです。

ここは、「御天」のような、居酒屋兼ラーメン屋といった形態ではなくて、純粋にラーメン屋さん。飲み物はビール(中瓶、500円)しかおいていなくて、つまみ(なのか?)も餃子(6個300円)しかありません。

お酒の種類がもうちょっとあると、トッピングメニューのチャーシュー(300円)、めんま(150円)、のり(100円)、味つけ玉子(50円)などをつまみに、お酒も飲めそうな感じがするのですが、カウンターだけの小さいお店なので、そういう路線はねらわないんでしょうね。

うー、完食。この連休、飲んだ最後をラーメンでシメるのがクセになってきてるなぁ……。

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らーめん「大慶」 / メニュー / らーめん
・「大慶」の店情報前回

《平成19(2007)年5月4日(金)の記録》

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店情報: ラーメン「大慶(たいけい)」(下井草)

    070504d
  • 店名: らーめん大慶
  • 電話: 03-3399-9170
  • 住所: 167-0022 東京都杉並区下井草1-23-8
  • 営業: 11:30-15:00 & 17:00-04:00、水休
  • 場所: 早稲田通り沿い。中杉通りとの交差点から、西へ約300mほど行った右手。
  • メモ: らーめん550、もやしらーめん600、ねぎらーめん750、ちゃーしゅーめん850、みそらーめん650、みそバターらーめん750、みそねぎらーめん850、みそちゃーしゅーめん950、しおらーめん650、しおねぎらーめん850、しおちゃーしゅーめん950、和風らーめん(濃い口しょうゆたれ、背脂なし)650、冷し中華(ゴマだれ)750、つけ麺(しょうゆだれ)650、みそつけ麺750。麺の大盛は100円増し。基本的にらーめん、塩らーめんは細麺で、みそらーめん、和風らーめん、冷し中華、つけ麺は太麺だが、希望により変更可能。トッピングはちゃーしゅー300、ねぎ200、めんま150、わかめ100、のり100、バター100、コーン100、もやし50、味つけ玉子50。他に餃子(6個)300、ビール(中瓶)500、ライス150、半ライス100。(2007年5月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (03.04.18)

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