夕食前のアペリティフ … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)
「横浜に単身赴任してるんなら、横浜で飲むほうが多いんですか?」
そんな質問を、よく受けます。
月曜日の朝、横浜に向かい、金曜日の夜、東京に帰ってくる。つまり、月曜から木曜の4泊は横浜、金曜から日曜の3泊は東京なので、夜の数は横浜のほうが1泊分だけ多いんですね。
ところが、月曜日と火曜日の2日間は、特に予定がなければ二日連続の休肝日にすることにしているので、実際に飲む日で言うと、横浜が水・木の2夜、東京が金・土・日の3夜となって、その数が逆転するのでした。
「そうは言っても、日曜日に開いてるお店は少ないでしょう?」
これもまた、よく聞かれる質問のひとつ。たしかに一般的には日曜日が休みという酒場が多いのですが、うちの近所の行きつけの酒場は、どういうわけだか日曜日もやってくれてるところが多いのです。
日曜日でも、午後4時開店が阿佐ヶ谷の「川名」と野方の「秋元屋」。午後5時に開くのが都立家政の「竹よし」や鷺ノ宮の「くしとも」「丸山」などなどと、近くをウロウロしているだけで、飲むのには全く困らないという、とても嬉しい状況なのです。
そんな日曜の昼下がり。
「今日は、どちらへ出かけますか?」とメールをくれたのは、近所に住む酒友・にっきーさんです。日曜日に開いている酒場がたくさんあって嬉しい状況なのは、私だけではなくて、この近所に住んでる人たちみんなに言えることですもんね。
「今日は、ヨジアキ(開店時刻の午後4時に「秋元屋」)ねらいです!」
「了解です。では後ほど」
わが家から「秋元屋」までは、トコトコ歩いて20分ほど。今日は、昼間は30度近くまで気温が上がるほど(5月にしては)暑い1日だったのですが、午後4時に近いこの時間は、かなり過ごしやすくなってきました。
「秋元屋」まで、あと1~2分で着くというところで、にっきーさんからポンとメール。
「祝さん夫婦もいらっしゃいました。奥の部屋に入ってます」
おぉ、それはそれは。祝さんは「丁稚飲酒帳」のブログ著者で、昨年末に結婚されたばかりの新婚さんなのです。
「こんにちはー」と到着した「秋元屋」は、なんと、もう満席じゃん! 開店直後なのに、大人気ですねぇ。
まぁ、日曜日に開いている本格的なもつ焼き屋というのは、おそらく「秋元屋」以外にはないんじゃないかと思いますので、界隈のもつ焼き好きは、みんな集まってきてる状態なのでしょうか。(他にも開いてるお店があったら、ごめんなさい。しっかりと確認しているわけではありません。もしかしたら「石松」も開いてたりする?)
「秋元屋」の店主に以前聞いた話では、「日曜日は食肉市場が休みなので、もつ焼き屋も日曜日に休むことが多い」のだそうです。
そんな満席のカウンターの後ろ側を通り抜け、縄のれんをくぐって、奥の部屋へと進むと、こちら(10人ほど収容可能)もまたけっこう満席模様。右手奥の4人がけのテーブルに、にっきーさんと祝さん夫婦が座っています。
「こんにちは。ごぶさたしてます。お元気そうで」と、そのテーブルの残る1席に腰をおろします。うーむ、祝さんところは相変わらず爽やかカップルですねぇ。若さが、まぶしい!
「あら、いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれるヨッちゃん(店を手伝っている女性)に、
「瓶ビールを、ラガーのほうでお願いします」と、サッポロラガービール大瓶(530円)を注文。にっきーさんがサッポロ黒ラベル大瓶(530円)をもらっていたので、どれどれと飲み比べます。
いつもはホッピーから飲み始めることが多いのですが、なにしろ昨夜遅くまで「赤坂グレース」で、スコッチをストレートでガンガンいただいたので、今日はちょっと控えめです。
「お客さんが多いので、注文はこれに書いて渡してね」とヨッちゃんがメモ用紙とボールペンを渡してくれます。なるほど。これはいい仕組みだ。注文を間違えることもないし。
それぞれ、メモ用紙に名前を書いて、青のり1、煮玉子1、……と自分の注文を書いて、ヨッちゃんに手渡します。
まず出てきたのは青のり(150円)。常連のガンちゃんが、この青のりが大好きで、いつも来るなりダブルで注文し、その後もさらにおかわりするほどの、ものすごさ。私も、1度食べてみたいと思っていたのでした。小鉢に盛った生の青のりに、ポン酢醤油をかけ、ワサビをちょっとトッピング。さっぱりとしていて、味わいもよく、ガンちゃんがはまるのもわかるなぁ。
こいつはやっぱり燗酒(菊正宗、280円)かな。
カウンターではチロリで出される燗酒ですが、こちら奥の間には徳利で出してくれました。
煮玉子(100円)は、もつ煮込みの鍋でコトコトと煮込まれた玉子を1個、小鉢に入れてくれるもの。刻みネギをパラリと添えて、煮汁も少し入れてくれています。
燗酒のおかわりをもらって、今日の焼き物は鳥皮(100円)とネギ間(120円)。どちらも塩でいただきます。
鳥皮は、ずらりと並んだ鳥皮の間に、ピーマンがひと切れ入った、荻窪の「鳥もと」のものと似たスタイル。
ネギ間は、1本の串に鶏肉、ネギ、鶏肉、ネギ、鶏肉と刺して焼きあげたもの。プリッと大きな身がうれしいなぁ。
やきとん(もつ焼き)屋にきて、鳥の串焼き(皮と肉)だけを注文するという、これまでにあまりない注文の仕方をしてみたわけですが、そこはさすが「秋元屋」。火の通し方がすばらしいですねぇ。鳥皮もネギ間もうまいや!
「さぁ、それじゃ、そろそろ帰りますか」
にっきーさんも私も、日曜日の夕方散歩はたいてい午後6時まで。その後は、自宅で家族との夕食タイムです。今、ここで飲んでいるのは、言ってみれば夕食前の食前酒(アペリティフ)といった位置づけなんですね。あんまり飲むと、明日(月曜日)の朝が、きついですし。
今日のお勘定は1,760円でした。どうもごちそうさま。
テラス席もいっぱい / サッポロ黒ラベルとラガービール / 青のり
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