飲んで食べてラーメン … ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)
「石松」をあとに、西武新宿線で向かったのは下井草(しもいぐさ)。駅から北に向かって徒歩約5分。新青梅街道に突き当たると、そこが「御天」です。
店に近寄るだけで、ガンガンと漂ってくる濃厚な、とんこつスープの匂い。
学生時代に、はじめて福岡に行って、はじめて博多のラーメン屋に行ったときには、「なんじゃ、こりゃ!」と、実際に口に出してしまうくらい強烈な異臭に感じたものですが、その地で焼酎やラーメンに染まること数年。今や、その香りが漂ってくるだけで「うわぁーっ、うまそぉーっ」と、つい吸い寄せられてしまうほど、とんこつラーメンのファンになってしまったのでした。
そして、福岡のラーメン屋台といえば、付きものなのが屋台での焼酎やお酒。ラーメン屋台でも用意ができるような、簡単なつまみを肴に、焼酎の湯割りなどをグイグイといただくわけですね。
当時(今から30年ほど前)は、ラーメン1杯が250円、替玉(かえだま。麺のおかわり)が50円という時代でした。
焼酎はコップ1杯が120円ほどで、それとは別に空のコップが出され、そのコップに焼酎を半分ほど移して、ドンと置かれているポットからお湯を入れて、都合2杯分のお湯割りにして飲んでましたねぇ。つまり、お湯割り1杯が60円相当だったということですね。
つまみで秀逸だったのは「酢豚」(250円)。
「ぬわにぃ~っ! 酢豚が250円だってぇっ! なんと安いっ」と、ビックリしながら注文すると、出てきたのは小皿に盛られたチャーシューに、刻みネギをたっぷりとトッピングして、それに酢をかけたもの。酢豚というのは、酢かけチャーシューってことだったんですね。
ま、屋台にある材料だけで、ちょいちょいと作るつまみなので、考えてみたら中華の酢豚が出るなんてことはあり得ないんだけど、この酢豚には笑ってしまいました。
博多ラーメンのチャーシューは、チャーシューといいながらも実際には焼豚ではなくて、煮豚です。その煮豚に酢がよく合って、簡単なわりには美味しいつまみでした。
さてさて、時代は現代に戻って、下井草の「御天」。
この店も、ラーメンのうまさもさることながら、酒場としても楽しめる、正しき(?)長浜ラーメンのお店なのです。東京で「そば屋酒」に相当する飲み方が、博多の「ラーメン屋台酒」なのかなぁ。
ただし、ここ「御天」は屋台ではなくて、がっちりとした厨房設備もあるため、おつまみメニューも豊富。マカロニサラダ(250円)、ポテトサラダ(300円)といった大衆酒場定番のつまみからはじまって、手打ち水餃子(280円)やネギチャーシュー(550円)、ピータン(400円)、海老のチリソース(580円)などの、いわゆる中華もあるのです。
飲み物は玉露割り(400円)をもらって、地鶏のたたき(600円)と、このところの定番・せん菜炒め(550円)を注文します。
せん菜というのは、新種の細いモヤシなんだそうで、シャキシャキとした歯応えと、塩コショウのビシッと効いた味わいに、玉露割りがどんどん進んでしまう一品。ちょこっとレバーが入っているのも、いいバランスなんですよねぇ。
そしてシメはもちろんラーメン(680円)なりーっ!
いやいや。これが食べたかったんだ。
ドロリとなるほどよく煮込まれた、とんこつスープ。長浜ラーメン独特の細くて硬いストレート麺。これにゴマをパラパラっといれて、紅生姜をのせ、胡椒もパラリ。今日はおろしニンニクに加えて、辛子高菜(からしたかな)も入れましょうね。この辛子高菜は、爆発的によく効くので注意が必要です。どっさりと入れると、もう食べられないくらいの辛さになってしまいます。
ズズッ、ズズッと細麺をすすり込んで大満足。そば前(ラーメン前?)のつまみも、たくさんいただいたので、さすがにこれで満腹です。
お勘定はふたりで3,900円(ひとりあたり1,950円)でした。
今日、早くから飲んでいた私は、ここで戦線離脱。同行のにっきーさんは、遅くから参戦されたため、この店が実質的に1軒目。これから地下の「Goten's Bar」で飲んでいくそうです。先にシメのラーメンにおつき合いいただき、ごめんなさい。でも、おかげで私の「御天」不足は、解消となりました。どうもありがとうございました。
うぅーっ。満足じゃ!
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