高円寺酒飲み商店街? … 中華料理「福來門(ふくらいもん)」(高円寺)
毎日楽しみに見ているインターネットサイトのひとつに、「まいにち酒飲み」というブログがあります。
そのブログタイトルのとおり、作者のkasumixさんが、毎日飲むお酒のことなどについて書かれたブログなのですが、本当に“毎日”飲んでいらっしゃる。ブログの中では、ときどき“休肝日”なんて表現も出てくるのですが、それとて、ご本人が他の人の質問に答えて曰くは『休肝日というのは、普段より肝臓を休ませる日なので、缶チューハイ1本はOKなのよん。飲まずに全く休ませると、その後の仕事(もちろん肝臓の)に影響がでちゃうんだもの』というほどの強者(つわもの)なのです!
そんなkasumixさんが行きつけにしているのが、高円寺駅前にある中華料理屋、「福來門」。長かった9連休も残すところ、今日を含めてあと2日となってしまいましたが、今日の「近くの名店を探る」は、その「福來門」をメインターゲットとして、高円寺あたりを巡ってみたいと思います。
JR中央線で、わが家の最寄駅は阿佐ヶ谷駅。その新宿側のとなり駅が高円寺駅、逆側のとなり駅が荻窪駅です。同じとなり駅同士なのに、立ち飲み「やき屋」や、もつ焼き「カッパ」などのある荻窪にはよくやってくるのですが、高円寺はあまり来たことがないんですよねぇ。
荻窪駅前から、わが家の近くを通るバス路線が出ているということも、荻窪によく行く理由のひとつではありますが、それだけではないような気がします。
阿佐ヶ谷、荻窪に比べても、高円寺はなんだか若者比率が多くて、お店のほうも、そういう客層に即したようなところが多いように感じるのです。今風のお店は多いのですが、私の好きな、いい意味で“古汚い”大衆酒場が少ないように思うんですよねぇ。
そんなわけで、今日はダイレクトに「福來門」に行くのではなく、そういった高円寺の酒場状況も調査しつつ向かってみたいと思います。
阿佐ヶ谷駅や荻窪駅の周辺に商店街が多いのと同様に、高円寺駅の周辺も商店街がとても多い。有名な高円寺純情商店街(旧名・高円寺銀座)をはじめ、高円寺パル商店街、高円寺ルック商店街、高円寺あづま通り商店街、高円寺庚申通り商店街、高円寺中通り商店街、高円寺北中通り商店街。ざっと挙げるだけでも、これだけの商店街が高円寺駅の南北に広がっているのです。
わが家からトコトコと高円寺に向かうと、高円寺駅から北西に伸びる、高円寺北中通り商店街の出口あたりから入っていくのが、近いルート。この商店街には中華定食屋「味二番」や、路地に入ったところにある、やきとり・お食事の「せんぼん屋」など、ちょっと古びたお店は何軒かあるものの、あまり活況ではない様子。
沖縄料理の「抱瓶」を過ぎて、怪しげな風俗店が出てきはじめたところで、右折して高円寺駅西側(阿佐ヶ谷方面)に広がる、ガード下の商店街に向かうと、その路地にあるのが大衆酒場「和田屋」です。おぉ。開けっ放しの入口から見える店内は、比較的年配のお客さんがいっぱい。これはなかなか良さそうですよ。
瓶ビールはエビスビールの大瓶しか置いていないようで580円ながら、生ビール中ジョッキは450円と安い。清酒(仁勇)が290円というのも、正しい(?)大衆酒場価格ですねぇ。
つまみもジャガバター360円、さつま揚げ焼280円、なす焼350円、ししゃも400円、いわし丸干350円、目ざし280円、ほうれん草おひたし260円、げそわさ360円、山かけ500円などなどと500円以下のものが、ずらりと並んでいます。
店の看板には「和田屋」という店名の後に、わざわざ「チェーン店」なんて書いてある。「和田屋っていうチェーン店あったっけ?」と思って調べてみると、杉並区内だけでも阿佐ヶ谷(「鳥久」のとなり)や西荻窪(駅南側、荻窪寄りのガード脇)、浜田山(これまた駅南側、西永福寄りのガード脇)という4店舗がある。都内全域では、同じ「和田屋」という店が(先ほどの4軒も含んで)12軒ほどあるようですので、「大林酒場」や「三州屋」などと同じように、古くからノレン展開しているお店なのかもしれませんね。
「和田屋」を過ぎて、高円寺駅ガード下にはいると、左手にあるのが件の「まいにち酒飲み」にもよく登場する、「ちゃんこ谷」。ガード下を南側に抜けると、そこに高円寺では有名な「大将」などの焼き鳥屋さんが軒を連ねていて、お客さんが店の表まで、はみ出すように座って盛り上がっています。
このあたりのお店にも引かれるところはあるんですが、どうも独り客が少なそうなのが躊躇(ちゅうちょ)している点なのです。グループ客でワイワイと盛り上がっているような感じ。グループ客の度合いが高くて、しかも席の間隔が狭いお店だと、独り客は楽しめないことが多いんですよねぇ。あくまでも外から見た印象ではありますが……。
もう少し駅に近づいて、南側に伸びるパル商店街の入口近くにあるのが、高円寺で一番古い酒場と言われている大衆酒場「南よし」。やきとんなども置いていて、一度は来てみたいお店なんですが、残念ながら、連休中の今日はお休みです。
さらに西へと進み、高円寺駅南口のロータリーを通り過ぎて、駅の西側(中野方面側)に抜けると、そこのビル1階にあるのが本日のメインターゲット「福來門」です。
ずぅーっと歩いてきたので回りくどかったですが、高円寺駅から言えば、南口を出て左(中野方面)へ、徒歩30秒もかからないくらい。まさに駅前の中華料理店です。店の前のショーウィンドウには、中華定食類のサンプルが並び、いかにも町場の中華屋さんって感じ。
プシュンと自動ドアの入口を入ると、左右にずらりと並ぶテーブル席。各テーブルにびっしりと詰めれば30~40人くらいは入るでしょうか。祝日(昭和の日)午後7時半の店内はテーブル数で見て7割程度の入り。各テーブル(4人掛けが多い)とも、2~3人で使っているところが多いので、比較的ゆったり目です。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」と通されたのは、右手中央あたりにある2人掛けテーブル席。右側に衝立(ついたて)があって、そのとなりの4人掛けテーブルと仕切られているので、2人掛けながら、あまり孤立感はありません。
やぁ、歩きつかれた。まずはビールでしょう。ビールはアサヒスーパードライ中瓶が380円(価格表記は税別。以下、同じ)。クゥ~ッと最初の1杯を飲み干して、ひと息つきます。「あぁーっ。たくさん歩いてきて、よかったなぁ」という一瞬。この1杯をおいしく飲むために歩いたようなものです。
「まいにち酒飲み」でも、「近くて、美味しくて、安い」と紹介されているとおり、数ページにわたって写真付きで載せられているメニューには、焼餃子(350円)、水餃子(350円)、ピータン(380円)、冷やっこ(380円)、白菜の辛味漬物(辣白菜、380円)、大根もち(380円)、焼羊肉(380円)、腸詰め(480円)、香菜(380円)、バンバンジー(480円)、広東風モミジ(480円)、豚耳の醤油煮(醤猪耳、480円)などなどと、500円未満の品々も数多い。
しかも、豚タンの醤油煮(醤猪舌、580円)、豚マメの炒め(炒腰花、680円)、豚仔袋の炒め(炒生腸、780円)など、もつ好きにはたまらんメニューも並んでいます。
「まいにち酒飲み」にも登場するセロリ水餃子は「値下げサービスキャンペーン」中で、通常480円のものが、なんと180円。これは食べとかないと、いかんでしょう。もう1品、ピータン豆腐(380円)もいただきましょう。
ピータンも、ピータン豆腐も380円。ところが、メニューの写真で見るとピータン豆腐は、ピータンと同じだけのピータンが並んでいる上に、大きな豆腐(一丁分!?)も入っている。これって、豆腐の分だけサービスってことなのか? な~んて思いながら注文したのですが、出てきてみると、豆腐の大きさは同じようなもの(一丁分!?)ながら、ピータンは小さく刻んだものが豆腐にトッピングされているもの。あはは。やっぱりそうだよねぇ。メニューの写真の状態は、ありえないもんなぁ。
このピータン豆腐には、中華風のタレがたっぷりとかかり、大きなスプーンも添えられています。豆腐は食べやすいように、小さく切られているので、これをピータンや、同じくトッピングのネギごと、ドカッとスプーンにすくって、大きな口を開けてハグッといただくと、ピータンと豆腐のバランスもよくて、おいしいこと。
今日び、冷奴だけでも同じくらい(380円位)する店はざらですもんね。それにピータンまで付いて、この値段というのは、写真とは違うけどすばらしい。
セロリ水餃子は180円ながら、ひと皿6個で一人前と、とにかく安い。このキャンペーン期間中(いつまでなんだろう?)に、ぜひ食べておいたほうがいい一品です。
セロリ水餃子以外にはキャンペーンの品はないのですが、曜日替りで半額になるメニューがあります。月曜日は玉子の日で、ニラと玉子の炒めが通常780円のところが半額の390に。火曜日はチャーハンの日で玉子チャーハン680円が340円に、以下、水は豆腐の日でマーボー豆腐580円が290円、木は麺の日でソース焼そば780円が390円、金は野菜の日で野菜炒め780円が390円というラインナップ。残念ながら、土曜、日曜は半額品は、ないようです。
3人ほどいる、店のおにいさん、おねえさんは中国の人なのかな。それとは別に、奥の厨房にも何人か店員(料理人)さんがいるようです。
まわりを見てみると、食事をしている人、お酒を飲んでいる人が半々くらい。食事のお客さん用として、メニューには定食類もあって、たとえば酢豚セットは880円、ニラ玉セット780円、豚肉野菜炒めセット780円などなど。それぞれ御飯とスープ、シュウマイ(2個)、ザーサイに、デザートの杏仁豆腐が付いています。テーブル席ばかりだけど、ひとり客も何人かいて、これまた食事をしていたり、私と同じように何品かもらって、お酒を飲んでいたりと、本当に使い勝手のいいお店のようです。
ビールもなくなったので温かい紹興酒(小180ml、480円)と、つまみには焼羊肉(カオヤンロー串、380円)を注文します。
紹興酒(小)は、180ml入りの小さなボトル1本。これはまた可愛らしくていいですねぇ。
焼羊肉は、串焼きの羊肉が、お皿に3本。スパイスたっぷりで、口に含んでも香りがいっぱいです。肉はけっこう硬め。こういう羊肉も好きだなぁ。
初回の今日は、1時間ちょっと愉しんで、お勘定は1,890円(1,800円+税)でした。今度は何人かでやって来て、いろんなものを食べなきゃね。
なお、この店は朝の4時まで営業していて、午前1時から4時までの間は、「朝食」として、「A.ラーメン」か「B.麻婆丼」のいずれかが280円で食べられるというサービスもあるようです。すっかり飲み終えた真夜中に、朝食ならぬ、シメの食事にやってくることもできそうですねぇ。「御天」も「福來門」も、わが家からは同じくらいの距離なりよ!(^^)v
中華料理「味二番」 / やきとり「せんぼん屋」 / 大衆酒場「和田屋」
・店情報
| 固定リンク
コメント
はじめまして、「まいちに酒飲み」kasumixでございます。
こちらでご紹介していただくとは、なんとも光栄であります!
ずっと以前より「居酒屋礼賛」を読ませていただいておりました。記事をみて、行った飲み屋も数知れず……。
これからも楽しみにしております。
投稿: kasumix | 2007.06.04 14:01