“丸いの”を塩で2本 … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)
1時間ほどで「魚屋よ蔵」を切り上げて「石松」へ。通常席7席は満席ながら、にっきーさんは一番奥の補助席に、私はカウンター内の特別席(?)に、かろうじて入り込むことができました。カウンターには先ほど「パニパニ」で飲んでいたBUSHさんをはじめ、常連のみなさん方がずらりと並んでいます。
カウンターの中では、ちょうど店主(マスター)がレバーを切っているところだったので、まずはレバ刺し(380円)を1人前、便乗注文します。注文を受けてから切り出すのが「石松」の大きな特長。考えてみれば、普通の魚料理屋に行くと、注文を受けてから刺身を引いたりするのは当たり前なのですが、もつ焼き屋で、注文を受けてから刺身に引いてくれるところは、あまりないんですよねぇ。
まず1枚をチュルンと、そのままいただきます。レバーは、ひとつひとつ味が違っていて、あま~い感じのものもあれば、ちょっと苦味を感じるようなものもある。また、こってりと脂っぽいものもあれば、とても淡白であっさりとしたものもあって、来るたびに食べてるのに、食べ飽きることがないのです。
飲み物は、にっきーさんたちと連名でキープしている金宮ボトルを出してもらって、生茶割り。このところ、焼酎のお茶割り(緑茶、抹茶、玉露、生茶などなど)が好きなのですが、その始まりは、この店か、北千住の「徳多和良」か、どっちかだったような気がするなぁ。いろんな料理にお茶が合うのと同じように、お茶割りはどんな料理にでも合うのです。焼酎、特に甲類焼酎は、それ自体にはあまり味も香りもないこともあって、お茶で割ると、そのお茶の甘さ、旨さを味わうことができます。
今日のお通しはモヤシとセンマイ刺し。この店の定番のお通しは、これら2品のほかに豚耳と冷奴の、合わせて4種類あって、何人かで行くと、それぞれ別のお通しを出してくれたりするのです。ときどき、定番のお通しじゃないときもあって、それはそれで、また楽しみなのです。
店主が挽肉(ひきにく)を、こねはじめたのを見て、まわりから「おっ、丸いの作るの? じゃあ、こっちもひとつもらおうかな」と、次々に声がかかります。我われも、もちろん便乗注文です。いつからそうなのか知りませんが、ここの常連さんたちはツクネ(1本150円)のことを「丸いの」と呼んでいるのです。レバ刺し、レバ串焼きと並ぶ、この店の名物のひとつです。
「今日は、いつにも増して、向かいの「パニパニ」がにぎやかですねぇ」
と聞いてみると、
「今日は「パニパニ」のマスターの誕生日なんですよ。別に誕生会というわけではないんだけど、常連さんたちが集まってきてて」
そう教えてくれたBUSHさんたちは、もう一度「パニパニ」に行くといってお勘定をしています。「行く」といっても、なにしろ「石松」の目の前が「パニパニ」なので、席を移るくらいの感覚で移動することができちゃうんですね。
昨年の7月にオープンした「パニパニ」も、いまや大人気店になってきて、「石松」も「パニパニ」もお客さんがいっぱい。向かいあった両店が繁盛しているので、なんだかこのあたりも活気に満ち溢れています。
最近では「パニパニ」で「石松」が空くのを待ちながら立ち飲んで、「石松」が空いたところで「石松」のスーパーもつ焼きを堪能し、シメのチャーハンを食べるために、また「パニパニ」に寄るなんて飲み方も流行っているのだとか。今日のBUSHさんのパターンも、まさにそれなんですね。
「それじゃ、我われも帰る前にちょこっと、向かいの店にも寄ってみますか」
と、お勘定をお願いします。
午後11時まで、2時間弱の滞在は、新しい金宮ボトル(1,500円)を1本入れて、ふたりで2,980円(ひとりあたり1,490円)でした。どうもごちそうさま。
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