好みの品はすべて網羅 … もつ焼き「ホルモン」(沼袋)
西武新宿線・沼袋(ぬまぶくろ)駅を降りて、駅の北側の小さな路地に入ると、そこに古びた酒場街が現れます。店頭で持ち帰り用の焼き鳥も売っている焼き鳥屋さんあり、「奥様公認の店」という看板を掲げた店あり。こういう路地が、わが家の近くにあったら、毎日どこかに寄ってしまうかもなぁ。
そんな路地の奥にあるのが、もつ焼き「ホルモン」。この界隈に何軒かある、もつ焼きの名店の1軒です。
角地にある店は、角をはさんだ両側に入口があり、どちらにも「ホルモン」と大書された大きな暖簾(のれん)がかかっています。手前(駅に近い側)の入口を入ると、横向きのカウンターが6席ほど。向こうの入口を入ると、右手に、先ほどのカウンターと平行に向かい合う直線カウンター8席ほど、左手に4人掛けのテーブル席が2つの、合計20席強。ここが毎夜、毎夜、満席になるのでした。
金曜日の今日、仕事の帰りに店にたどり着いたのは午後9時20分。この店は、午後10時までなので、あと40分しかありません。でも、この時間になると、やっと店もすいてくるので、すっと入ることができます。
まずは小瓶のビール(サッポロ黒ラベル、310円)と、いつも注文しているお新香(今日はキュウリとカブ、100円)をもらい、さらに時間がないのでレバちょい焼き(100円)を2本と、焼酎(210円)も合わせて注文してしまいます。
小瓶のビールは350ml入り。グラスに3杯程度の量なので、飲みはじめの喉潤しに、ちょうどいいのです。
レバちょい焼きは、串に刺したレバを、文字どおり、ちょっとだけ炙ったもの。刻みネギと、おろし生姜を添えて、醤油をかけて出してくれるので、レバ刺しと同じような食感を味わうことができるのです。
口の中にレバの濃厚な旨みが広がったところで、よーく冷えた梅割り焼酎をグビッ! これがまた、なんとも言えず合うこと合うこと。
2巡目は、アブラ、オッパイ、タン(各100円)を塩で。アブラとオッパイは、どちらも脂肪分の甘さを味わう一品。これらは、新鮮なネタを出してくれる店じゃないと、臭くてとても食えたものじゃないのです。中でもオッパイは、ここで出してくれるものが一番好きです。
「今日はハツシタもありますよ」と、店主がハツシタの塩焼きも出してくれます。タンやハツシタ(ハツ)は、塩焼きがとてもよく合いますねぇ。
焼酎をおかわりして、今度はタレ焼きでカシラとヒモ(各100円)をもらいます。
カシラは、豚の頭(ホホやコメカミあたり)の肉。脂と肉のバランスがよくて、どういう味付けにしても美味しくいただける一品。今日はタレ焼きにしてみたのでした。
ヒモは、豚の腸。シロと呼ぶ店も多く、ここ「ホルモン」も、メニュー上の表記はヒモとなっていますが、シロと注文しても通じます。これもタレ焼きも、塩焼きもおいしくいただけますが、タレで注文する人が多いかな。プリプリ、クニュクニュとした食感が楽しめます。
そしてラストは、このところの定番、ガツとテッポウ(各100円)の醤油焼きです。ガツは豚の胃袋。しっかりとした弾力感が、ガツの大きな特長。テッポウは豚の直腸。トロと呼ぶ店もあるくらいで、最初に口に入れた瞬間はやわらかい感じなのですが、噛みしめるにつれて弾力感が増していくという不思議な食感。これもまたクセになる一品ですよねぇ。
そんなこんなで、気がついたらもう10時15分。最後のお客になっているではありませんか。いやいや、どうもすみません。お勘定は1,730円。短時間ですが、好みの品はすべて網羅という、密度の濃い、もつ焼きタイムでした。どうもごちそうさま!
「ホルモン」 / ビール小瓶と焼酎、お新香 / レバちょい焼き2本
アブラ、タン、オッパイ、ハツシタ(塩) / カシラ、ヒモ(タレ) / ガツ、テッポウ(醤油)
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