濱の酒場めぐり(2) … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(横浜・日ノ出町)
「福田フライ」や「三陽」「萬里」「若竹」がある、この通りが野毛小路(のげこうじ)。この道を、まっすぐ西(JR桜木町駅から離れる方向)へと進むと、「新京」「トモ」「末広」「パパジョン」などの前を通りながら、ちょっと大きめの野毛本通り(のげほんどおり)と交差します。これを左に行けば都橋(みやこばし)方面ですが、現在の時刻は午後4時。おそらく、まだどこも開いていないので、今日はそのまま直進です。
道幅は狭くなりが、どんどん道成りに進んでいくと、そのうち怪しげなお店が両側に出てきます。これにかまわず、さらにどんどん進むと、日ノ出町の大通り(バス通り)に突き当たる直前、左手にあるのが中華料理の「第一亭」です。
「第一亭」は、昼前の11時から、真夜中12時までの営業。月曜定休の店が多い野毛にあって、火曜定休のお店なのです。
土曜日、午後4時過ぎの店内は、さすがにガラガラ。カウンター席、テーブル席、小上がりの座敷席の、どこにでも座れる状態ですが、4人で入口近くのテーブル席に陣取ります。
ここではずせないのは、表の名物メニューである、特製・チート(豚胃)の生姜炒め(600円)と、裏の名物メニュー、パタン(600円)です。シジミの醤油漬け(600円)も、もらいます。
チートの生姜炒めは、その名のとおり、豚の胃(ガツ)を食べやすい大きさに切って、野菜とともに生姜炒めにしたものなのですが、中華料理らしく、最後にとろみがつけられていて、これが実にチートの食感とよくマッチするし、生姜の風味をよく感じられるしと、他では味わったことのない仕上がりになっているのです。
パタンは、実は賄い(まかない)料理なのだそうで、メニューには載っていません。冷した麺を、ニンニク醤油ダレでさっと和えてできあがるりょうりなのですが、そのニンニクの量が半端ではない。なんでも、このニンニクをつぶすときに、包丁でパタンと叩いていたから、パタンという名前になったのだそうです。
しじみの醤油漬けは、台湾料理の定番ですね。ちょっとだけ開いた貝殻を、こじ開けるようにして、プルンとした身をすすり込みます。
合わせる飲み物は紹興酒。ボトルごと燗をつけてもらったものに、オプションでレモンスライスを添えてもらいます。前回、台湾に出張したことのある同僚から「紹興酒にレモンをひとしぼり入れると、いくらでも飲めるんですよ」と教えてもらって、さっそくやってみたところ、これがまたウソのように美味しかったのです。今日はそれを、まるで自分で発見したことかのように「こうやると美味しいんだよ!」と、同行の諸氏に紹介します。
そうこうしている間に、時刻はそろそろ午後5時になってきました。
「さぁ、そろそろ、いろんな店が開店するよ!」
「よーし。それじゃ、次に向かいますか!」
お勘定を済ませ(ひとり千円程度)、「ごちそうさま」と店を出ます。朝10時半から、6時間以上飲み続けてるのに、みなさん、まだまだ元気いっぱいです!!
パタン / チートの生姜炒め / しじみの醤油漬け / 紹興酒
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