いい店はトイレが清潔 … 大衆酒場「佐原屋(さわらや)」(御徒町)
「槇島商店」を出て、JR御徒町駅の反対側(湯島側)に回ると、ガード下にあるのが大衆酒場「佐原屋本店」。入口を入ると、左右両側にカウンターがあり、それぞれ壁に向かう方向で座るのです。右側カウンターのお客さんと、左側カウンターとのお客さんは、それぞれ背中合わせ(とは言え、そんなに狭い間隔ではありませんが…)になるんですね。
右側のカウンターは奥まで続きますが、左側のカウンターは、店の半ばで切れていて、その先が厨房です。
火曜日、午後9時半前の店内は6~7割りといった込み具合。我われ(2人)も、右手カウンター奥のほうに陣取って、ウコンハイ(350円)からスタートです。
つまみは、この店の名物の湯豆腐(200円)。中まで熱々の豆腐の上に、刻みネギ、揚げ玉、そしてカツオ節がたっぷりとトッピングされて登場です。サッと醤油をかけて食べると、こんなに単純なのに、とってもうまいのです。
そして、とんぶり(300円)。「畑のキャビア」とも言われる、とんぶりは、秋田の特産品。緑色の粒々とした身に、ウズラの卵(生)がのり、横にはワサビが添えられています。これまた、ちょいと醤油をかけて、ぐりぐりとかき混ぜていただきます。
とんぶりも、この店の名物メニューのひとつ。普通のとんぶり(300円)に始まって、納豆とんぶり(350円)、月見とんぶり(450円)、山かけとんぶり(500円)と、合わせて4種類の、とんぶりメニューが用意されています。今いただいている、普通のとんぶりにもウズラの卵が入ってるのに、月見とんぶりになると、どうなっちゃうんだろう!?
御徒町駅界隈は、もともと立ち飲み屋をはじめとして、庶民が憩えるような酒場が多い町。ここ「佐原屋」も、飲み物はビール大瓶が500円、日本酒は1合300円、チューハイ類が350円、ホッピー、レモンハイが400円という、まずまず価格ながら、食べ物のほうは納豆や温泉玉子、ピーナッツみそなどの100円から始まって、湯豆腐、チーズ、塩辛などが200円、お新香、ポテトサラダ、トマト、しらすおろし、板わさ、めかぶなどが250円と続き、一番高いのが、刺身や穴子天などの600円と、懐(ふところ)にやさしいのです。
100円のつまみ、ピーナッツみそは、その名称とは裏腹(うらはら)に、ねっとりとキャラメルのように甘いつまみ。箸先で、一粒、一粒、はがすように取って食べると、口の中いっぱいが甘くなるほどなのに、これがどういうわけだか、つまみになるのです。
飲み物の2杯目は、抹茶ハイ(350円)をいただきます。
そうそう。この店の、もうひとつの特長は、トイレがきれいなこと。店全体が古いので、トイレも当然、ものすごく昔のものなんですが、掃除が行き届いているのです。これは、いい酒場の条件のひとつでもあると思います。いい酒場は、建物は古くても、しっかりと掃除されていて清潔です。特にトイレは、きちんと掃除ができているかどうかが、わかりやすい場所。トイレが清潔だと、大体において店中が清潔なのです。
1時間ちょっと楽しんで、お勘定は、ふたりでちょうど2千円(ひとりあたり千円)でした。どうもごちそうさま。
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