名物にうまいものあり … 居酒屋「大はし(おおはし)」(北千住)
「夏休み中に、ふだん行くのが難しい店々に行ってみよう!」という企画。二日目となる火曜日は、地理的に行きにくい、都内の東側エリアに出かけてみることにしました。
やってきたのは北千住(きたせんじゅ)。
名物に うまいものあり 北千住
牛のにこみで わたる大橋
という狂歌でおなじみ。旧・日光街道沿いに明治10(1877)年に創業した老舗居酒屋、「大はし」です。
店に着いたのは開店3分後の、午後4時33分。平日だけあって、開店前に長蛇の列ができることもなく、店内の先客は5人ほど。ゆったりとしたものです。
煮込み鍋近くのカウンターに陣取り、まずはビール(キリンラガー大ビン、500円)と、肉とうふ(320円)を注文すると、鍋前のオヤジさん(=4代目店主)から「はいよっ!」と大きな返事が返ってきます。お客さんが少なくても、オヤジさんは、すでにキビキビと元気いっぱい。これぞまさに「大はし」って感じですねぇ!
肉とうふは、牛にこみ(320円)の肉が半分になるかわりに、同じ鍋で煮込んだ豆腐がひとつ添えられるのです。肉もさることながら、この豆腐がツルリとやわらかくて。熱々の肉とうふに、よく冷えたビールが止まりません。
牛にこみが有名すぎて、影に隠れてしまっていますが、北千住といえば千住市場のお膝元。ここ「大はし」だって、魚介類メニューも多いのです。壁にずらりと張り出された短冊(たんざく)は、キンメダイ刺身(550円)や、活ハモ刺身(550円)、新サンマ刺身(480円)に、青柳(あおやぎ)刺身(450円)や子持ちシャコわさび(450円)などなど。
そんな中に、わざわざ「新子」と注記されたコハダ酢(480円)を発見。さっそくそのコハダ酢を注文し、飲み物も燗酒(320円)に切り換えます。
「おいきたっ」と、すぐに出された燗酒は「山形正宗」という銘柄。ガラス瓶(1合)のまま燗付けされたものが、ハカマ(徳利の下に置く受け皿)とともに出されます。猪口(ちょこ)もガラス製。燗で飲んでも、冷やで飲んでも、同じものにしてるんでしょうね。
新子のコハダ酢は、小イワシやママカリ、キビナゴといった大きさのコハダが4切れ、小鉢に美しく盛り付けられて出てきます。
現在、開店から20分経った、4時50分。この時刻をもって、店内は満席になりました。うーむ。普通の火曜日なのに、すごいなぁ。
コハダ酢は、とても美しくて、美味しいんだけど、なにしろ少量なので、すぐに食べ終わってしまいました。さぁ、どうする。さっき肉とうふだったから、今度は牛にこみをおかわりするか。それとも、短冊の中で気になっている、穴子の煮こごり(350円)をもらうか。となりのおじさんが食べているカニコロッケ(480円)も、おいしそうなんだけどなぁ。えーと…
「煮込みの、豆腐だけをお願いします」
悩んだ結果、豆腐だけ(320円)をもらうことにしました。メニューには明記されていないのですが、こう注文すると、煮込み鍋の中の豆腐を2つ、小皿に入れてくれるのです。この豆腐。色がつくほど煮込まれてるのに、豆腐の形は保たれてるし、それでいて、ものすごくやわらかい。この店専用に作られた豆腐に違いないと思うのですが、どうなんでしょうねぇ。
ゆっくりと豆腐を食べ終えて、1時間弱の滞在は、1,940円でした。
「大はし」 / 肉とうふとビール、お通し / こはだ酢と燗酒
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