夏限定、冷やしおでん … 居酒屋「多古菊(たこぎく)」(渋谷)
冷やしおでん
午前中のうちに30度を超えてしまうような厳しい残暑の中、「麻布十番納涼まつり」にやってきました。酒友・呑んだフルさんが、毎年、この夏祭りで屋台を手伝っているのです。しかしまぁ、今年も麻布十番の街全体が、人・人・人であふれかえって、すごいことになっている。年々、人が増えてくるような気がするなぁ。
そんなわけで、今年はフルさんの屋台の横から動かず、宇ち中さんやここっとさんご夫妻とともに、目の前を通り過ぎていく、国際色豊かな人々の姿を眺めながらの路上飲みです。
呑んだフルさんは、後片付けの終わる10時過ぎまでフリーにならないので、我われは7時半頃には、お先に麻布十番をあとにします。なにしろ、今日は浅草もサンバカーニバル(夕方6時まで)なので、あまり遅くまでいると、浅草からお祭のハシゴをしてくる人で、ますます身動きが取れなくなりそうですからねぇ。
人であふれかえる地下鉄を避けて、4人でタクシーに乗って渋谷へ。麻布十番、渋谷間はタクシーで1,500円ほど。歩いても1時間ほどあれば着く距離なのです。
渋谷まで来れば、もう安心。いつもと同じ、にぎわいを見せている渋谷の人ごみも、今日はなんだかゆったりと感じてしまいます。
「もう1軒、寄って帰りますか」
と入ったのは、マークシティのすぐ横にある居酒屋「多古菊」です。
入ってすぐのところに、カウンターも兼ねたような大テーブルがあって、そのまわりにテーブル席が何卓か。土曜日、午後8時の店内は、そこそこの客の入りです。
「いらっしゃいませ。4人さん、奥へどうぞ!」
と店のおねえさんから声がかかります。なんと! 奥にも部屋があったんですね。これは知りませんでした。
店の右手から奥に進むと、奥にはとても広い次の間があって、ここにもテーブル席がずらりと並んでいるほか、さらに奥には小上がりの座敷席まであります。そうかぁ、こんなに大きいお店だったんですね。
4人でテーブルを囲み、呑ん兵衛たちは示し合わせたようにアサヒミラー生(320円)を、そして呑ん兵衛ではない、ここっとさんのご主人(Mさん)はレモンサワー(270円)を注文して乾杯です。(注記:Mさんが「呑ん兵衛ではない」というのは、あくまでも、ここっとさんと比較した場合の話であって、一般社会の中では普通以上に飲める方です。)
そして、なぜ呑ん兵衛たちは「示し合わせたようにアサヒミラー生」なのかといいますと、コストパフォーマンスがいいからです。通常、どこの飲み屋でもビールはコストパフォーマンスが悪いお酒で、中でも生ビールは500ml弱の中ジョッキが5~600円と、最もコストパフォーマンスが悪い部類に入るのです。ところが、ここのアサヒミラースペシャル生ビールは中ジョッキが320円ととっても安い。アサヒスーパードライ生ビールも中ジョッキが350円と安いのですが、それよりも30円安いですからねぇ。何杯も飲む人たちは、ついついミラービールに走るのでした。
あ! そうそう。この店の生ビールは安いのですが、ホッピーは高いので注意が必要です。ナカ、ソトのセットで570円。ナカ(追加焼酎)は270円です。
閑話休題。乾杯を終えると、お通し(300円)として出された、小鉢のゲソ天をつつきながら、「お一人様一品料理ご注文お願いします」と書かれたメニューから、料理を選びます。
店の看板にも「おでん、串揚げ、焼き鳥」と書かれているとおり、この3種は、まさに店の看板メニュー。
おでんはツミレ(2個)、ハンペン、ちくわぶ、玉子などが150円。こんにゃく、大根などが180円。ガンモと、さつま揚げが200円といった価格帯。盛り合せならば650円です。そんな中から、夏季限定の冷やしおでん(650円)を注文します。この冷やしおでん、売り切れていることが多いのですが、ラッキーにも今日は残っていたのでした。
冷やしおでんは、コンニャク、ちくわ、玉子、大根など、おでん盛り合わせで出される定番のおでんを、大ぶりのプリンのような形に煮こごらせたもの。ガラスの器に盛られた透明な煮こごりの中に、それぞれの具材が並んでいます。玉子の切り口(黄色)が表面に見えるように並べられているほか、おでんの具材にはないエビ(赤)や枝豆(緑)なども散りばめられていて、見た目も鮮やかで、涼やかです。てっぺんには三つ葉も添えられています。これに、好みによって練り辛子をぬって、添えられたレンゲですくっていただくのです。んーーー。煮こごりもお酒に合うし、おでんもお酒に合うし、これはいいつまみですねぇ。いつも売り切れるほど人気があるのがわかります。
串揚げは1人前が3串で、ししとう、玉ねぎが300円、うずら玉子や、イカ、ギンナンなどが350円、エビやキスなどが400円といったラインナップ。串揚げも、盛り合せ(6串)は650円です。
焼き鳥も1人前が3串で、焼き鳥が550円、つくね焼、砂肝焼、レバ焼がそれぞれ500円で、タレ焼き、塩焼きが選べます。こちらは盛り合せは4本(各種1本ずつ)で600円です。
これら3種の看板メニューのほかにも、刺身はカツオたたき(500円)、マグロ中おち(600円)、シメサバ(600円)、刺身三点盛り(900円)など、ひと通りそろっているほか、焼き物や揚げ物、サラダ類に食事物まで、メニューの幅は非常に広くて、その数、実に100品ほど! しかも、一番高いのが、先ほどご紹介した刺身三点盛りの900円で、焼酎やワインのボトル以外には千円以上の品物はありません。
若者が好みそうな、なすみそチーズ焼き(500円)や、じゃがマヨ明太(500円)、そしてボリュームたっぷりの、むちゃくちゃサラダ(500円)などと数多くそろっています。そんな中から、チーズ好きの、ここっとさんはピザポテト(500円)を注文します。
もちろん、モツ類の好きな我われ向けにも、牛すじ煮(500円)や、鳥皮ポン酢和え(400円)、砂肝ピリ辛和え(400円)、ガツの辛子和え(450円)、コブクロ辛子和え(500円)、鳥なんこつ揚(350円)などがラインナップされています。こちらはガツの辛子和えをセレクト。ネギやキュウリとともに、キムチソース風のタレで和えられたガツが、レタスの葉の上に盛られています。ガツは、そのしっかりとした弾力感が決め手。その点、ここのガツ辛子和えは、ひと切れ、ひと切れのサイズも大きく、持ち前の弾力感をたっぷりと味わえます。
それぞれミラー生ビール(320円)や、梅酒ロック(320円)をおかわりし、約1時間の滞在は、4人で5,910円(ひとりあたり1,500円弱)でした。
若者の町・渋谷も、ここマークシティ周辺には、ここ「多古菊」をはじめ、「細雪」や「第三福ちゃん」「とりすみ」「鳥竹」「鳥升」「山家」などなど、呑ん兵衛の強い味方となってくれるお店が、まだまだ多いのが嬉しいですねぇ!
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