毎月第2土曜は夕食会 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
カワハギ刺身
近所にある、魚料理と天ぷらの店、「竹よし」では、毎月、第2土曜日の午後5時から夕食会を開催しています。その日は、通常の営業はやめて、予約があったお客さんたちだけの会となるのです。
参加資格は特になく、会費はひとり5千円。この会費には、その月ごとに決められる料理代のほかに、飲み物代も含まれています。飲み物は、店にあるものならなんでも飲み放題です。
人数にも制限はなくて、店の着席キャパシティ(14席)を超えた場合には、立ち飲みになったり、天候によっては、店の外にオープンエアの臨時テラス席が用意されたりするのです。
今月の夕食会は、昨日(8日)開催され、ちょうど着席キャパシティいっぱいの14名の参加があったのだそうです。今回のテーマ食材はカワハギと関サバ。先日、ここ「竹よし」に来たときに、店主(マスター)が、
「今年は、もうカワハギが市場に出てるんですよ。次回の夕食会は、カワハギでいってみようと思ってまして」
なんて話をされていたのでした。店主によると、冬場はブリ、タラ、アンコウなど、夕食会の食材としてはずせない魚が多くて、カワハギなども美味しいのに入る隙(すき)がないのだそうです。
「だからねぇ、この時期にカワハギが出てきてくれると、ありがたいんですよ。仲買さんにお願いしてるんだけど、どうなりますかねぇ」
そう店主が心配していたとおり、先週、関東地方を台風9号が直撃。本当は佐島(神奈川県横須賀市)あたりのカワハギをねらっていたらしいのですが、もちろん漁はなし。これはダメかもしれないということで、代わりの食材として関サバを仕入れて準備していたところ、ギリギリになって四国は鳴門産のカワハギを仕入れることができたのだそうです。
そんなわけで、今回の夕食会参加者は、ラッキーにもカワハギと関サバという、四国の東側と西側からやってきたダブル食材を楽しむことができたのだそうです。
そして、今日、日曜日。夕食会の翌日の「竹よし」には、昨日の夕食会の食材が残っている(店主が残してくれている?)ことが多いので、夕食会で出されたメニューを味わうことができるのです。
夕食会は予約制、会費制なので、歩留まりよく高級食材を入荷することができる。その食材を、普通営業のときに食べることができるんだから、ありがたいではありませんか。
今日のホワイトボードメニューにも、カワハギ(950円)と、関サバ(900円)がラインナップされています。どっちにしようかなぁ、としばらく考えて、結局は両方とももらうことに決定。この機会(夕食会の翌日)じゃないと食べられませんもんねぇ。
活けじめのカワハギは、注文してからビビビッと皮を剥(は)いで造ってくれます。
「この皮が剥ぎやすいからカワハギというんでしょうが、実はこの剥ぎやすい皮の下に、もうひとつ薄い皮がついていて、これがけっこう硬いんですね。これをとらないと美味しい刺身にならないんですよ」
と説明してくれながら、まっ白なカワハギの造りができあがっていきます。
「やはりまだ季節が早いんでしょうか。肝は冬のものよりは小さいですね」
そう言いながら添えてくれる肝も、なかなかどうして、たっぷりとしたいるではありませんか。さっそく肝醤油にして、プリッとした刺身にたっぷりと絡めていただきます。んー、いい歯応えですねぇ。
合わせるのは、今回の夕食会用に新たに仕入れたという、新潟の地酒、「麒麟山(きりんざん)」の純辛(純米吟醸辛口)です(1合500円)。
そして関サバ。この店では、普段から豊後水道産のサバは、よく入荷されているのですが、関サバは久しぶりです。同じ豊後水道のサバでも、佐賀関(さがのせき)漁協で取り扱うものだけが関サバ。水産物では全国で初めて商標登録された品なのです。
他にも、鯨の竜田揚げ(600円)をいただいて、最後はカワハギの吸い物でしめて終了。ゆっくりと2時間の滞在は4,250円でした。どうもごちそうさま。
夕食会メニュー / お通しの湯葉と瓶ビール / 鳴門のカワハギ
高清水・氷温生貯蔵酒 / 鯨の竜田揚げ / カワハギの吸い物
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