アジの干物で燗酒一献 … 居酒屋「柳津(やないづ)」(横浜・洋光台)
自家製干物(あじ)
会社の帰りに、ふらりと立ち寄ったのは、JR京浜東北・根岸線は洋光台(ようこうだい)駅のすぐ近くにある居酒屋「柳津」です。
この店に来るのは、今回で3回目。4年ほど前に最初に来たときは、魚中心のけっこう和風な感じの酒場だったのに、去年、飲み会のあと、何人かで立ち寄ったところ、魚介類もあるものの、洋風なメニューもあり、また日本酒や焼酎の品ぞろえもよくて、「今度また来てみよう」と思っていたのです。
駅のすぐ近くにあるマンションの1階にある店は、平成12(2000)年の創業と言いますから、今年で7年目。店主夫妻と、その息子さんの、家族3人で切り盛りされています。店内は、右手のL字カウンター12席と、左手のテーブル席2卓。テーブル席にはゆったり座って2人、ギュッと詰めれば3人座れるベンチシートが、手前の卓に2個、奥の卓に3個並べられていて、テーブル席2卓を合わせると約15人ほど座れます。カウンター席の椅子12個が、2個ずつペアに並べられているところを見ると、カップルのお客さんが多いんでしょうか。
水曜午後8時の店内は、テーブル席には会社帰りらしきお客さんがずらりと座り、カウンター席も夫婦連れや、女性ふたり連れでほぼ埋まっている状態。かろうじて空いていた、カウンター手前の角付近に座り、瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶、490円)をもらって、まず1杯。
料理のほうは、テーブル席近くの壁に掛けられている、日替りの黒板メニューから、豊後サバ刺身(790円)を注文します。
他の黒板メニューは、カツオ刺身(590円)、サンマ刺身(590円)、青柳ぬた(590円)、マグロ切り落とし(590円)、イカ刺身(390円)、とりわさ(390円)などなど。豊後サバなどの790円がメニューの中では最高値で、逆に最安値は枝豆の290円。高くもなく、かといってバカ安でもなく、といった感じですね。
出された豊後サバ刺身は、プリッと美しい、大きなのが5切れ。うーん。こりゃ日本酒ですね。カウンター上に置かれた「柳津特選 日本酒」というメニューの中から、静岡の喜久酔(きくよい、550円)をもらうことにします。
「お酒は、お燗でお願いできるんですか?」
「はい。どれでも燗づけいたしますよ」
「じゃ、喜久酔を、ぬる燗でお願いします」
個人的には、冷酒よりも、燗をつけたお酒のほうが好きなのですが、店によっては「燗酒は、これだけです」と銘柄が限定されている(しかも、あまりいい酒ではない)ことも多いので、こうやってどのお酒も燗をつけてくれるところは嬉しいですね。
「これくらいの温度でいいでしょうか」
と、おかみさんが徳利を出してくれます。どーれどれ。あぁー、うまいっ。
「ちょうどいいです。美味しいです」
そう返事して、サバの刺身をつまみます。んんんーーーっ。やっぱり合うなぁ。
サバを食べ終えたあとは、カウンター上に置かれた定番のおつまみメニューから肴(さかな)を選びます。いかの沖漬け(350円)や、塩辛ジャガチーズ(490円)、つくねの梅じそ(400円)といった、日本酒に合いそうな品々にならんで、自家製干物(390円)もあり、「魚は日替りですので、おたずねください」なんて注意書きがある。
「今日の自家製干物はなんですか?」
さっそく、たずねてみたところ、
「今日はアジとサンマができます」
という店主の返事。
「アジをお願いします」
季節柄、サンマにも引かれたのですが、このところサンマの塩焼きをいただく機会が多かったので、今日は干物の定番、アジの開きにしてみました。
アジの干物が焼きあがったところで、燗酒(喜久酔、550円)もおかわりです。
店内のひとり客は私だけだったのですが、となりに座っていた女性二人組みが帰ったのと入れ代わりに、会社帰りのサラリーマンらしき男性ひとり客が、その場所に座り、ビールと料理を注文すると、カバンの中から文庫本を取り出して読み始めます。
店内にはBGMとしてジャズが流れているものの、テレビやラジオは置かれていません。店を切り盛りする3人は寡黙で、聞かれたことには笑顔で答えてくれますが、他のお客さんたちに話しかけたりすることはないようです。ひとりで静かに過ごしたいときに、いいお店ですね。
ゆっくりと2時間弱の滞在は、2,770円でした。どうもごちそうさま。
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