サイドメニューも充実 … もつ焼き「ホルモン(ほるもん)」(沼袋)
もつ焼きの名店には、もつ焼き以外のサイドメニューも充実しているお店が多いように思います。ここ、沼袋の「ホルモン」も例外ではありません。サイドメニューは、お新香に、冷奴、トマト、月見と4品しかないものの、その4品が、それぞれ秀逸なのです。
お新香(100円)は、ほとんどのお客さんが、店に入るなり注文するほどの人気の品。メニューのところに、日替わりで「今日のお新香は白菜とキュウリ」と、その内容が書き出されるのが、いかにも自家製の品っぽいですよね。醤油皿のような小皿に、こんもりと盛って出してくれるのですが、最初から「ダブルで!」なんて注文してる人もいます。ダブルの場合は、小鉢で出してくれるようです。
今日も、店に入るなり、お新香を注文したのですが、おかみさんからは、
「ごめんなさい。今日はお新香、売り切れました」
という残念な返事。金曜日の8時半近い時間ですもんねぇ。この店は午後10時までの営業なので、この時間だと売り切れてても仕方ないよなぁ。
冷奴(250円)も、この店の名物メニューのひとつ。大きな塊のまま、丸ごと出される、しっかりとした豆腐は、この店のすぐ近くにある、明治30(1897)年創業の手造り豆腐の店、「尾張屋豆腐店」のものらしいのです。残念ながら、冷奴もすでに売り切れで、札が裏返っています。
いつも真っ赤に熟れてるトマト(250円)。この店に来ると、まずまっ先に、このトマトを食べるおじいさんもいて、その人が店に入ってくると、注文も聞かずにトンとトマトが出されるほどなのです。
そのトマトを注文すると、おかみさんから
「トマトは塩ですか?」
という確認が入ります。もつ焼き屋さんだけに、思わず「タレで」なんて答えちゃいそうですが、トマトの場合は、きっと醤油とか、マヨネーズといった答え方をするんでしょうね。私は、ここのトマトはシンプルに塩で食べるのが一番合うように思うので、
「はい。塩でお願いします」
と答えます。
トマトは大きな丸1個が一人前。まん中で二つに切ったものを、縦方向にスライスして出してくれます。けっこうボリュームがあるのに、スルリスルリと、あっという間に食べ終えちゃうのが不思議なり。こういう品質のトマトを、定常的に仕入れることができるというのが、素晴らしいことですよねぇ。
これまた今日はすでに売り切れてますが、絶妙な食感を与えてくれるのが、月見(250円)です。山芋をすりおろした月見を出す店は、よくありますが、この店の月見は、山芋を細く千切りにしたものを出してくれるのです。トッピングの、うずら生卵、青のりとともに、グリグリグリとかき混ぜると、すりおろした月見と同じようにドロリとしたトロロ状になっていきます。しかしながら、なにしろ元が千切りなので、このトロロをズズズッとすすり込んで噛みしめると、トロトロっとやわらかい口内の感覚と、シャキッとした歯応えとを同時に楽しむことができるのです。
この4品。毎回、すべてを食べたいくらいのものですが、そうすると、それだけで満腹になってしまって、もつ焼きを食べることができないのでした。
今日は4つのサイドメニューのうち、3品までが売り切れてたので、迷うこともなく残りの1品(トマト)を注文し、あとはいつものようにレバとコブクロのちょい焼き(2本ずつ)からはじまって、アブラ、カシラ、タンシタ、オッパイの塩焼き(1本ずつ)、そして、ウズラ、シイタケ、テッポウ、ガツの醤油焼き(1本ずつ)をいただきます。
「最近、醤油で、と注文される方も増えてますよ」
と店主。私自身、テッポウ、ガツは、よく醤油で焼いてもらってましたが、ウズラ(玉子)や、シイタケまで醤油焼きにしてもらったのは、今回がはじめて。シイタケは、注文したときから、絶対に醤油に合うはずだという確信がありましたが、ウズラ玉子も合いますねぇ!
飲み物のほうは瓶ビール(サッポロラガー大瓶、490円)を1本いただいた後は、今夜は燗酒(金寶、260円)を3杯。
ゆっくりと10時前まで楽しんで、お勘定は2,520円でした。どうもごちそうさま。
レバ、子袋 / アブラ、カシラ、タンシタ、オッパイ / うずら、椎茸、テッポウ、ガツ
| 固定リンク
コメント