シメ炭はペスカトーレ … バー「ピュアー(PURE)」(野方)
中野の「路傍」で樽酒を楽しんだ後は、自宅のすぐ近くの野方まで帰ってきて「ピュアー」です。
前回もいただいた、生ビール添えのアクアビット(630円)を注文すると、今日のお通し(310円)は生ハムのサラダです。
バーで、ひとりで飲み始めたのは、今から10年ほど前。三十代後半だったでしょうか。
若い頃は、バーとスナック、クラブなどの区別がついてなかったのです。そういう形態のお店は、否応なくボトルキープさせられたウイスキーの水割りが出て、これまた否応なく値段のわからない料理が出てきて、店には(けっこう年配の)おねえさんがいて、そのおねえさんの飲み物も「1杯いただいていいかしら?」なんて、これまた否応なくおごらざるを得なくて、しかも会話が途切れてくると、半ば無理矢理にカラオケを歌わされる。区別なくそんなイメージだったのです。
十数年前に、海外出張時にホテルのバーで飲んだりしたのをきっかけに、国内でもホテルのバーや、ガイドブックなどに書かれている、いわゆるオーセンティック・バーと言われるような店に行きはじめたのですが、それでもなんだか慇懃無礼な感じがするし、値段も決して安くないしと、大衆酒場とくらべると、あまり好んで行きたい酒場ではありませんでした。
しかし、その後もときどきバーに顔を出したりしているうちに、自宅近くにある「日登美」や「ブリック」「ペルル」、そしてここ「ピュアー」などの、気取りがなくて居心地がよく、値段も安く、それでいて、きちんとしたお酒や料理が楽しめるようなお店に出会い、徐々に「バーもいいなぁ」と思い始めたのでした。そんなバーの良さに気づいてしまうと、実は自宅近くだけではなくて、各地にいいバーがあることも分かりはじめてきました。
さらに、ここ5年ほど、横浜に単身赴任しているうちに、横浜ではバーが大衆酒場的な位置づけで、ごくごく普通にくつろげる空間であることを知るに至り、やっと自分でもバーが楽しめるようになってきたのでした。
そんなことを思い出しながら飲んでいるところへ、
「マスター、ペスカトーレをお願いします」
と隣のおにいさんが、スパゲティを注文します。
「じゃ、私も同じものを、小さいので!」
と便乗注文。この時間(午前1時前)になると、なんだかお腹がすいてきて、シメの炭水化物(略して“シメ炭(しめたん)”)が欲しくなってくるんですよねぇ。メタボリックへまっしぐらのシメ炭ですが、これがなかなか止められない。サイズを「小さいの」にすることで、せめてもの自己弁護です。
この店は、もともと店主が料理人だったこともあって、料理がうまいし、種類も多い。しかも、料理の量が、M(1人前)とS(半人前)で選べるものが多いので、ちょっとつまみたいときや、最後にちょっと小腹に入れたいときに、ちょうどいいのです。
ペスカトーレは魚介類とトマトソースのスパゲッティ。私のもらったSが520円で、となりのおにいさんのMは840円です。いつもは、もうちょっと太い麺で作るのだそうですが、今日は麺のストックが切れていて、急きょ細麺で対応してくれたのですが、これがソースによく絡んで、飲んだあとにはちょうどいい。
スルスルと、あっという間に食べ終えて、今日のお勘定は1,460円でした。やぁ、おいしかった。
「ピュアー」 / アクアビット、生ビール添え / お通しの生ハム
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