ふわりふわりと酒場浴 … バー「クライスラー(CHRYSLER)」(横浜・日ノ出町)
間もなく(2009年6月)開港150周年を迎える横浜は、古くから外国人を受け入れてきた土地だけあって、バーなどの洋風酒場文化がごくごく自然に生活の中に溶け込んでいる町でもあります。
今日やって来たバー「クライスラー」も、昭和25(1950)年創業という老舗バー。今日もまた界隈の呑ん兵衛たちでにぎわっており、その様子は、大衆酒場そのもの。みなさん、普通にバーにやってきて、当然のようにウイスキーの水割りやハイボール、カクテルなどを注文し、楽しそうに語らって帰っていく。まったく日常的なひとコマなのです。
そんなカウンターの一角に腰をおろし、ウイスキー(オーシャン・スペシャルオールド)の水割り(420円)を注文すると、いつものとおりブーツ型のグラスに注がれた水割りと、今日はお通しとして柿の種が出されます。この店に来て、お通しが出されたのは、はじめてですね。
店はバーテンダーの男性と、料理の注文が入ると厨房を担当する女性のふたりで切り盛り。バーテンダーのお兄さんは寡黙で、私もほとんど話したことがありません。お姉さんのほうは、忙しくないときはカウンターの中で話し相手になってくれたりするのですが、今日は料理の注文が多いようで、厨房にべったりで忙しそうです。
大衆酒場のようにコの字型のカウンターだったら、ひとり客同士で話をしたりもできるのですが、さすがにここはバーらしく、長い直線カウンターなので隣近所同士としか話をすることはできません。私の場所は、カウンターの一番左端で、右どなりは夫婦らしい男女ふたり連れなので、となりと話をすることもなく、静かにチビリチビリ。
こうやって、ふわりふわりと酔いながら、ひとり静かに過ごす時間もまたいいんですよねぇ。温泉につかっているのと同じような感じで、酒場浴。あぁー、くつろぐよなぁ。
カランッ。
飲み切ったグラスの中で氷が音を立てます。それに気がついて、こちらに顔を向けてくれるバーテンダーのお兄さんに、水割りのおかわりをお願いします。
厨房から、この店の名物でもあるミックスピザ(1,050円)を持って出てきたお姉さんが、横を通り過ぎながら「いらっしゃいませ」と笑顔を向けてくれます。
ゆっくりと1時間ほど酒場浴を楽しんで、今日のお勘定は1,050円でした。
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