酔わせて下町ツアー2 … もつ焼き「江戸っ子(えどっこ)」(立石)
「今日、みなさんにご紹介したかった1軒目はここです」
立石を案内してくださっている、「酔わせて下町」のFさんが、そう言いながら立ち止まったのは、もつ焼き「江戸っ子」の前です。
やったー。「江戸っ子」は、先ほど入れなかった「宇ち多゛」と並び立つほどの立石の人気店。私も、ぜひ1度来てみたかったお店なのです。
この店の開店時刻は午後4時半。ところが、ずらりと並ぶサッシの窓越しに見える店内は、開店からまだ30分も経っていないのに、もうほとんど満席なのです。
店内には、ダブル「コ」の字を変形させたような、一筆書きでウネウネと続くカウンターが張り巡らされていて、そのキャパシティは50人分ほど。一番端っこの、階段の下のような空間に、ポツンとひとつ、4人掛けのテーブル席があり、そこだけが空いています。
「まず、編集長と、はじめて来た人がテーブル席に座って飲みはじめてください」
と、Fさんが、橋本さん、Y-TABEさんと私を、先に店内に入れてくれて、焼酎ハイボール(300円)と、Fさんのおすすめである、豆腐入りの煮込み(280円)などの注文まで済ませてくれます。すると、カウンターのお客さんたちがギュギュッとずれてくれて、テーブル席のすぐ横のカウンターに、残るメンバーもみんな、すぐに座ることができたのでした。
焼酎ハイボールは、この店のほとんどのお客さんが注文している人気の飲み物。みなさん、「ボール」という略称で呼んでいるようです。ハイボールは、アサヒビールのマークが入ったサワーグラスに、氷なしで注がれ、レモンスライスが半枚(半月状)。薄黄色に濁った感じなので、サワー(←レモン風味で、等分が多い割りもの)かと思いきや、味は甘くなくて、おいしいハイボールです。
煮込みは、シロを中心とした白みそ味。すぐ近く同士なのに、「宇ち多゛」のこってりとした煮込みとは対照的な、あっさりタイプです。しかし、Fさんが一押しするだけあって、これはこれでまた美味しいよなぁ。煮込みの中に入っている豆腐は、数に限りがあるので、早い時間じゃないと食べられないのだそうです。
もつ焼きは、これまたFさんがおすすめと言う、カシラのタレ焼きと、だんごの塩焼きです。ここのもつ焼きは4本1皿で280円。2本ずつの組み合わせで4本にすることもできるそうですが、組み合わせ方には約束ごとがあるのだそうです。
煮込みもそうでしたが、いろんなところで「宇ち多゛」(以下「宇」)と、ここ「江戸っ子」(以下「江」)は対照的ですよねぇ。
「宇」はテーブル席主体なのに、「江」はカウンター席主体。
「宇」ではほとんどの人が宝焼酎ストレート+梅/葡萄なのに、「江」は金宮ハイボール+薄黄色っぽいの。
「宇」のもつ焼きは1人前2本で170円。「江」は1人前4本で280円。
「宇」はもつ焼きのすべてを生(とはいえレバ以外は茹でてある)で食べられるが、「江」はもつ焼きとは別にレバ刺(280円)などのメニューがある。
はじめてやって来て、パッと見ただけで、これくらいの違いに気づくのですから、実際にはもっといろんな違いがありそうです。近くにありながら、こうやって個性差があるところも、我われにとってはうれしいところ。その日の気分で、あっちに行ったり、こっちに行ったりできそうですもんね。(本格的な常連さんたちは、あちこち行ったりせず、「宇」か「江」のどちらかで固定化されてるんでしょうけど…。)
「お皿に残ったタレは、このキャベツにつけて食べるといいんですよ」
とFさんがキャベツを渡してくれます。カウンター上には、そこここにザク切りのキャベツが置いてあって、自由に食べていいんだそうです。
店に入れない人も大勢いるようなので、ここはそれぞれハイボールを2杯ずつ飲んで、40分間ほど滞在しただけで早めに切り上げます。
今度は、ひとりでゆっくりやって来て、ぜひカウンター席で飲んでみたいですね。
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