中華風刺身にモツ料理 … 中華料理「楽園(らくえん)」(横浜・石川町)
「これが中華風刺身です。これから混ぜてしまいますから、写真を撮る人は今のうちですよー!」
濱の酒場通・iiさんの言葉に、われもわれもと集まる面々。まるで披露宴のケーキカットのような状況に、これから中華風刺身を仕上げようと準備していた店のおかあさんもビックリの様子です。
今日は、「帰り道は、匍匐ぜんしん!」の、ここっとさんの発案による、横浜地区での忘年会。iiさんが、昔から行きつけにしている横浜中華街は「楽園」の2階座敷席を予約してくれたのでした。
集まったのは横浜方面から、そのiiさんに、「Gaily Amaha の 未熟な舌 過敏な腸」のG.Aさん、小田原の泥酔院さん、「HAMAZARE」のsatさんに、酒豪美女・ひろたろうさん。東京方面からは、ここっとさん夫妻に、ここっとさんの妹・ミキちゃん、「Y-TABEのレミング2」のワイタベさん、呑んだフルさん、「宇ち中」のuchidaholicさんに私の12名です。
「予約したときに、中華風刺身はお願いしてるんですが、あとは店におまかせしてますから」
とiiさん。ここ「楽園」は、海鮮とモツがおいしいと評判の広東料理のお店。今日はモツ好きなメンバーが多いので、楽しみです。
まずはビールで乾杯すると、1品目として出されたのが白いセンマイとネギの和え物(白灼牛百葉)。センマイと言えば黒いのが当たり前のようになっているのに、こうやって脱色して真っ白になっていると、見た目も美しく、違う食べ物みたいです。
そして2品目に登場したのが、本日のスペシャル料理。件(くだん)の中華風刺身だったのです。大皿のまん中に盛られた鯛の刺身を取り囲むように、松の実、モヤシ、千切りの生姜とネギ、香菜、そして小さく切ったワンタンの皮を揚げたものが美しく盛られています。これを店のおかあさんが、両手に持った箸とスプーンで混ぜ合わせていき、最後に大皿のまん中にこんもりとまとめたら、できあがり。
醤油とレモン、胡麻油などで味付けされているようで、カルパッチョのようでもあり、海鮮サラダのようでもあり。香菜(パクチー)の風味もあって、いくらでも食べられそうな刺身です。
飲み物は、ビールから紹興酒に移行。ボトルごと燗をつけてもらって、飲むときに氷を1個入れて燗冷ましにしていただきます。紹興酒を「燗つけてロックで」飲むというのは、iiさんに教えてもらった飲み方ですが、個人的にはこの飲み方がすっかり定番化し、紹興酒を飲むときはいつもこの飲み方にしているのでした。
中華風刺身が終わると、ミノ、鶏足、コブクロ、ガツ、ハチノス、フエと畳み掛けるようにモツ料理のオンパレードです。
東京と比べると、横浜あたりはもつ焼き屋が少ない。その大きな要因がこの中華料理の存在ではないかと思うのです。1859(安政6)年の横浜開港に起源をおく横浜中華街。その中華街で、昔からこれだけおいしいモツ料理を食べることができたために、もつ焼き文化が入り込んでくるすき間がなかったのではないかというのが私の考えなのです。
モツ料理以外の料理も、もちろん出されます。この店の名物のひとつでもあるマテ貝の炒め物(炒堅貝)は、残念ながら夏場が旬なのでありませんでしたが、代わりに出されたのが牡蠣と厚揚げの煮物。とろみがついてプリッとした牡蠣の食感が絶妙です。青菜炒めは豆苗(とうみょう)。えんどう豆の新芽です。
横浜地区の面々からの「ぜひ食べたい」というリクエストで追加注文したのが巻揚(まきあげ)。千切りにしたネギ、タケノコ、シイタケを、豚の網脂で細巻き寿司のようにギュッと巻いて、そのまま揚げ、これまた細巻き寿司のように、ひと口大にカットしたものが大皿に並んでいます。中に入っている肉は鶏肉かな。これもまた「楽園」の名物のひとつなんだそうです。
さらには焼餃子に、蒸した鰻(うなぎ)、最後にレタス炒飯でしめて、3時間におよんだ忘年会もお開きです。ぜいたくに食べて、たっぷりと飲みに飲んでのお勘定は72,000円(ひとりあたり6,000円)でした。うーっ、満腹。
白センマイとネギ和え / 混ぜ終えた刺身 / ミノとブロッコリー炒め
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