焼き台の店主と初会話 … もつ焼き「金ちゃん(きんちゃん)」(練馬)
都内での仕事を終えて、久しぶりにやって来たのは練馬の「金ちゃん」です。
金曜日、午後5時半(開店30分後)だというのに、店内はすでにほぼ満席状態。それだけ地元の常連さんたちが多いということなんでしょうねぇ。
「ひとりなら、ここに座りな」
入口すぐ右手にある焼き台で、もつ焼きを焼いている店主が、そのすぐ背後のカウンターの端っこの席を指し示してくれます。そこは、串に刺された生のもつ焼きが入ったバット置き場。そのバットを焼き台の近くに移動させて、空間を作ってくれたのでした。
やぁ、よかった、よかった。まずは入ることができて、ひと安心です。
すぐに注文を取りに来てくれる、おかみさんに、瓶ビール(サッポロラガー大、480円)と、煮込み(330円)を注文します。同じ値段(330円)で煮込み豆腐もあって、そちらのほうが人気のようですが、今日は豆腐よりもモツが食べたくて、シンプルに煮込みにしてみたのでした。
店内は向かいあった2本の平行カウンターのほかに、テーブル席がずらりと並び、全体では50人ほど入れるキャパシティです。基本的には、ひとり客がカウンターに、2人連れ以上のグループ客がテーブルに、それぞれ案内されます。
煮込みをつつきながら、ビールを飲んでいると、さっきまでいっぱいだった焼き台も空いてきた様子。ここぞとばかりに注文したもつ焼きは、カシラ、ハツ、タンの塩焼きを、それぞれ1本ずつ。ここのもつ焼きは1本なんと80円。それでいて、ボリュームもしっかりとしているのです。
平行カウンターの向かい側に座っているおじさんが、お新香を注文すると、小皿に盛られた白菜漬が出されます。
『へぇ~。白菜のお新香もあるんだ』
と思いながら、壁のメニューを確認すると、このお新香がなんと100円。これは注文しなきゃいかんですね。
「燗酒(300円)と、お新香(100円)をお願いします」
飲み物も合わせて注文します。ここの日本酒は「奥の松」という銘柄。ちなみに焼酎(250円)の銘柄は「源氏」です。
白菜のお新香の100円は、もつ焼き以外では、この店の最安価メニュー。しかし、これだけが特別安いわけではなくて、冷やっこ、トマト、オニオンスライス、おひたしなどが150円。センマイ、山芋千切り、ワカメ酢、じゃがバターなどが、それぞれ200円。いか塩辛や、もずく、ししゃも、月見とろろ、枝豆などが各250円などと、とにかくいろんな品が安いのです。たとえば、ホッピー(350円)に、お新香(100円)と冷やっこ(150円)を注文したとして、総額で600円ですからねぇ!
燗酒(300円)をおかわりして、2巡目のもつ焼きとして、レバ、シロ、焼き鳥を、1本ずつ(各80円)、今度やタレで焼いてもらうと、このタレがかなり醤油味が効いたもので、ガツなどにも合いそうです。
焼き物が一段落したのか、店主もちょいと一服。そこで、「阿佐ヶ谷ホルモン」時代の話を伺ってみることにしました。昔、阿佐ヶ谷駅北口に「阿佐ヶ谷ホルモン」というもつ焼き屋があり、ここ「金ちゃん」の店主や、沼袋「ホルモン」の先代、すでに閉店しましたが鷺ノ宮「鳥芳」の女将などが修業した先として知られているのです。現在の「川名」の常連さんの中にも、「阿佐ヶ谷ホルモン」の常連さんだった人が多いのです。
「学生時代にバイトを始めて、6年くらい働いたかなぁ。そのあと、昭和39(1964)年に、この店を開いたんだよ」
と店主。沼袋「ホルモン」の先代や、「鳥芳」の女将のことも、「同じ釜のメシを食ったからねぇ」と懐かしそうです。
とそこへ向こうのお兄さんが、イカとナンコツを注文。なんと、この店にもイカのナンコツがあるのかと、私もイカ、ゲソ、ナンコツ(各80円)を注文すると、出てきたナンコツは、イカのナンコツではなくて、普通に豚の軟骨でした。あらら。私の勘違いだったんですね。残念。
1時間半ほどの滞在は2,230円でした。どうもごちそうさま。
それにしても、この店にはじめて来てから、もう6年半。今日、はじめて店主と会話を交わしました。
「金ちゃん」 / カシラ、ハツ、タン(塩) / お新香と燗酒
焼き鳥、レバ、シロ(タレ) / 燗酒おかわり / ナンコツ、ゲソ、イカ(塩)
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