モツが鶏で、レバは豚 … 焼き鳥「末広(すえひろ)」(横浜・桜木町)
もつ焼き屋が少ない横浜ですが、焼き鳥屋は多いのです。今日やって来たのは、横浜屈指の飲み屋街・野毛にある昭和25(1950)年創業の老舗焼き鳥屋「末広」。店内は左手がL字カウンター14席で、右手壁際に4人掛け×4卓のテーブル席。そして奥が4~8人分ほどの座敷席です。
いつも外から見ても満席がわかるほど満席で、入れないことが多い店なのですが、火曜日午後6時半のこの時間、カウンターの入口側が2席分空いており、そこにすべり込みます。おそらく、ふたり連れが帰ったところだったんでしょうね。ラッキー!
すぐに注文を取りに来てくれたお兄さんに、小瓶のビール(キリンラガー、420円)と、モツのタレ焼き(160円×2本)、皮の塩焼き(160円×2本)を注文すると、すぐにビールと、お通し(サービス)のキャベツ漬けが出されます。小皿のキャベツ漬けには爪楊枝が添えてあり、これで突き刺して食べるのです。そういえば店内に割箸などは置いてないですね。箸が入りそうなメニューは冷やしトマトくらいのものなので、そのときだけ出してくれるのかもしれません。
この店の焼き鳥は、基本的に2本ずつ。2本以上であれば奇数本でも注文できるようです。
店内はホールを担当しているのが、先ほどのお兄さんと、お姉さんのふたり。カウンターの中にはお父さんとお母さんの、合計4人で切り盛りしています。カウンター内では、お父さんがまん中あたりに陣取って、黙々と肉を切っては串に打つという下ごしらえ作業をしており、それを焼き台のお母さんが焼き上げるという連携で、次々と焼き鳥が焼き上げられていきます。
よく注文が入っている人気の品はモツとレバ。どちらもタレ焼きで注文する人が多いようです。両者の違いを、目の前の焼き台にいるお母さんに聞いてみると、「モツが鶏で、レバが豚よ」とのこと。モツは鶏レバをはじめ、鶏ハツの内臓がミックスされた状態で串に刺されているのです。
皮の塩焼きが出てきたところで、大タヌキ(740円)をもらいます。大タヌキというのは日本酒のこと。タヌキの形をした酒器に入れられてくるので、タヌキと呼ばれているし、メニューにもそう記載されているのです。小タヌキもあって、大タヌキのちょうど半額(370円)。店の看板にも、このタヌキ型の酒器のイラストが書かれているほどなのです。
横浜の焼き鳥屋には、ニンニクを練りこんだような味噌が必ず置かれていて、これを塩焼きの焼き鳥に付けて食べると、いい味わいになるのです。
このあたりで、お客さんたちが次々にお勘定をして席を立ちはじめて、店内は比較的ゆるやかな状態になりました。なるほどねぇ。午後7時ごろのこの時刻が、開店(午後5時)直後に入った人たちがちょうど1回転する頃合いなのかもしれませんね。
カウンターのまん中あたりに座っている、常連さんと思しき男性客が、
「今なら1本ずつ焼いてもらってもいいかな?」
と目の前の店主(お父さん)に聞くと、
「しょうがないな。今なら手が空いてるから、特別だ。何を焼く?」
なるほど。基本的には2本ずつだけど、今みたいにゆったりした状態の時には1本ずつ焼いてもらえる場合もあるんですね。なにしろ焼き鳥の1本ずつが、けっこうボリュームがあるので、2本ずつだと数種類しか食べられませんもんねぇ。だから、2人連れ以上のグループ客が多いのかな。
最後に、砂肝を塩焼き(160円×2本)をいただいて、1時間弱の滞在は2,120円でした。
| 固定リンク
コメント