ほろ苦、くわい唐揚げ … 大衆割烹「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)
四ツ木の「ゑびす」を出て、自宅最寄り駅である鷺ノ宮(さぎのみや)に到着したのは午後11時半。ここまで帰ってくれば、もう安心。文字通り、はってでも自宅にたどりつくことができます。
そんなわけで、最後にもう1軒、と立ち寄ったのは、鷺ノ宮駅南口の路地にある「ほ里乃家」です。
J字カウンターのみ、十数人分の店内は、店主夫妻が切り盛りしており、金曜も深夜となるこの時間、先客は3人。私もその3人の奥、ちょうどカウンターが折れ曲がったあたりに陣取り、このところの定番飲み物である抹茶割り(340円)を注文すると、今日のお通し(200円)はウドのきんぴらです。
壁にずらりと並んだ品書きは30品ほどと、そんなに多いほうではありませんが、おでんに焼き鳥、刺身など、呑ん兵衛が好む肴(さかな)は、ほぼ網羅しています。季節の品が味わえるのも、この店のいいところ。しかも、すべての料理はカウンターの中で、みんなから見える状態で作られるので、それを見ているだけでも楽しいのです。
今日も季節ものの、くわい唐揚げ(350円)を注文すると、その場で揚げた、できたての熱々を出してくれます。
ちょと芽が出たくわいのほろ苦さに、抹茶割りも進んで、すぐにおかわりです。
私のすぐ近くに座っているお客さんは、なんと店主の小学校からの同級生。近所に住んでいた幼馴染でもあるんだそうです。
「そこの川(妙正寺川)でも、鮒(ふな)がとれたり、泥鰌(どじょう)がとれたりして、このあたりももっと田舎だったんだけどねぇ」
ふたりで懐かしそうに話しながら、このあたりの昔の様子を教えてくれます。
そんなふたりの話を聞きながら、2品目の料理としてニラ玉(400円)を注文します。季節に無関係にいつでも食べることのできる玉子料理も、呑ん兵衛に人気のある酒場料理のひとつ。この店にやってくると、できたてホワホワの状態で出される玉子焼き(400円)を注文することが多いのですが、今日はちょっと気分を変えてニラ玉にしてみたのでした。ニラ玉も、玉子焼き同様に注文を受けてから調理をはじめ、熱々のできたてが出されます。
ニラ玉が出てきたところで、3杯目となる抹茶割りをおかわりします。
入口近くに座っているのは、この店に来るたびに、必ずお会いする大常連のKさん。きっと毎晩やって来ているに違いありません。そのKさんは、その近くに座っている、これまたこの店でよく見かける女性ひとり客と楽しそうに話しながら、いつものように豪快に「ガハハハハ!」と笑って燗酒をおかわりしています。なにしろ毎日、この店だけでも、ひと晩に10本近く(つまり1升分!)の燗酒を飲んじゃうそうですからねぇ! さらにその後、他の店にもハシゴされたりするというのだから驚きです。私が知っている呑ん兵衛の中でも、一番の酒量だと思います。
さあて。そろそろ私も腰をあげますか。日付けをまたぐ1時間ほどの滞在は1,970円でした。どうもごちそうさま。
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