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かわ、きも、すじにく … おでん「あわもり」(呉・広)

かわ、きも、すじにく


「小瓶のビールに、皮と肝、それとスジ肉をお願いします」

 今日は呉の「あわもり」にやって来ました。この町で暮らしていたのは今から20年ほど前のこと。独身寮から程近いこの酒場に、友人たちとしょっちゅう飲みに来ていたのです。

 店主夫妻ふたりで切り盛りする、この店の料理はおでん(1品90円均一)のみ。飲み物も、店名にもなっている泡盛(160円)のほかは、日本酒(200円)と瓶ビール(大500円、小350円)に、ソフトドリンク(150円)のみというシンプルさ。それにもかかわらず、カウンターのみ20席ほどの店内は夜な夜な満席状態が途切れないのです。

 今日も、店に着いた午後6時には店内は満席。ちょっと考えた店主が、カウンターのお客さんたちに、ちょっとずつずれるように指示してくれて、かろうじて1席分の空間が出現したのでした。その空間に、カウンターの背後に何個か置かれている椅子のひとつを持ってきて、両側に「すみません。ありがとうございます」と挨拶しながら間に入れてもらって、冒頭の注文をしたのでした。

 おかみさんがコップを用意してくれて、店主が小瓶のビールを抜いてくれて、右どなりのお客さんが醤油と爪楊枝をこちらに押しやってくれて、左どなりのお客さんが、ゆるめに溶いた練り芥子をこちらにまわしてくれてと、みんなに動いてもらって大恐縮です。

 注文したおでん3品は、それぞれこの店の名物。丸くて、ある程度深みのある大鍋にたっぷりと煮込まれているおでんの中から、注文した品を丸皿に取り分けてくれます。

 皮は、豚の皮。朝からじっくりと時間を掛けて下ごしらえをするという豚の皮は、弾力感と、コラーゲンのねっとり感の絶妙なバランス。生まれてこの方、この店でしか味わったことのない一品なのです。

 肝も、豚の肝で、2~3センチ角くらいにカットしたレバーを串に刺し、おでん鍋で煮込んだものです。レバ刺しや、レバのもつ焼きはよく食べるのですが、レバのおでんというのは、これまたこの店でしか食べたことがありません。

 スジ肉は、文字通りスジ肉なんですが、噛み締めるとコリッ、コリッと音がするほど、しっかりとした噛み心地。もつ焼きの軟骨と比べても遜色ないほどです。(軟らかいのが好きな人は「スジの軟らかいの」とお願いすれば、軟らかい部分を取り出してくれるようです。)

 こうやって3品を食べている間にも、新たなお客さんが次々にやってきますが、店主が「ごめん。満席」と断っています。普段でもいっぱいなのに、金曜日ですからねぇ。

 私も飲み物をお酒(西条鶴、200円)に切り換えて、次なるおでんは厚揚げと玉子です。

 「お酒」と頼んだだけで燗酒が出されるところがありがたいですねぇ。燗酒は鍋で湯煎されたものがポットに入れられていて、それをコップすりきりに注いでくれます。

 おでん2品(厚揚げ、玉子)は、特に名物というわけではなくて、とても懐かしい名物3品を食べて、ひと安心したところで、ちょいと腹ごしらえしようという注文です。

 まわりの人たちはと見ると、だいたい、おでんを3~4品をちびちびとやりながら、飲み物を2~3杯飲もうかというペースのようです。

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のれん / かわ、きも、すじにく / あつあげ、たまご、日本酒(燗)

店情報前回)(つづく

《平成20(2008)年1月25日(金)の記録》

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 就職してすぐ、独身時代の6年間を過ごした呉(くれ)のおでん屋、「あわもり」に来ています。  松山(愛媛県)の高校を卒業し、博多で6年間を過ごしたあとの、呉の町。博多の印象が焼き鳥、焼酎、ラーメンだったのに対して、こちら呉の印象は鳥屋、日本酒、うどんです。  鳥屋(とりや)は、言ってみれば焼き鳥屋なんですが、店内には生簀(いけす)があって、新鮮な魚介類を食べることができるのです。ここで地元の人たち... [続きを読む]

受信: 2008.02.11 11:34

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