〔コラム〕 天玉そばの食べ方は?
麺類がとっても好きなので、朝食として麺類を食べることも多いのです。特に単身赴任寮で過ごすウイークデイの朝食は、会社の食堂で天玉そば、というのがお決まりのパターン。刻みネギもたっぷりとトッピングして、甘辛いダシ汁とともに、ズズズッと麺をすすり込むと「さぁ、今日もがんばろう!」という力がわいてくるのでした。
ところで、この天玉そばの生卵。みなさんはどうやって食べてますか?
この問題、10年ほど前にも取りあげたことがありまして、未だに自分の中では結論が見出せていない奥深いテーマ(なのか?)なのです。
まずひとつは、生卵のままつぶさず置いておいて、そばを食べている途中、しかるべきタイミングで、生のまま、つるりといただくというやり方。この方法だと、汁(つゆ)も濁らず、汁そのものの味を楽しむことができるほか、玉子も「丸のまますべていただいた」という満足感があります。
玉子を食べるタイミングですが、食べはじめ早々に生卵をすすってしまっては、まだ口中が暖まっていないので、冷たい感覚ばかりが残ってしまうし、麺も具(かき揚げ天ぷら)も全部食べきってから、最後に生卵を食べるというのも口の中に生卵っぽい後味が残って、あまりよろしくない。麺も具も、それぞれ半分くらい食べた頃合いが望ましいように思います。天玉そばをすすり込むことで、口中が熱くなったところへ、冷たい生卵がスルリと入ってきて、ちょうどいいリフレッシュ(口直し)になるのです。
そんなわけで、現時点では、この「途中で生卵を丸ごとすすり込む」というのが、私の中での主流の食べ方になっています。
もうひとつは、生卵をつぶしてかき混ぜ、汁と一体化してしまう方法。汁の味がマイルドになるとともに、食べている間中、ずっと均等に玉子の味わいが楽しめます。ただし、汁を完飲しない限り、玉子を全部食べることができないのが難点です。
呉(広島)で、毎日のように天玉うどんを食べていた時代(今から20年ほど前)には、この食べ方が私の主流で、汁(つゆ)も毎日、完飲でした。
「天玉そばの生卵。どうやって食べてますか?」
この質問を、よく路麺のことも書かれているG.Aさんに投げかけてみたところ、返ってきた答えは、
「溶いて、すき焼きのように絡めて食べます」というもの。
翌朝の天玉そばで、さっそくこの食べ方を試してみました。天玉そばの生卵は、丼のふちのところに入れられていることが多いのですが、これをプツンとつぶして、あまり汁に混ざりこんでしまわないように、玉子の部分だけを軽く混ぜます。そうすると、汁の中でこの一角だけが、すき焼きの溶き玉子状態になります。この溶き玉子の中をくぐらせるようにしながら麺をすすり込むと……。
なぁーるほど。こうやって食べると、玉子の味わいも濃厚ですねぇ。
関東の路麺は、醤油、砂糖、味醂でかなり甘辛く味付けされています。この味付けは東京(関東地方)の標準的な味付けのようで、すき焼きも、どじょう鍋も、鳥鍋も、桜鍋も、基本的にこのタイプ。これらに溶き玉子がよく合うのと同じように、溶き玉子を絡めながらいただくそばもまた合うのです。
汁(つゆ)の上で作った溶き玉子なので、そばを絡めながら食べているうちに、じわりじわりと玉子が汁の中に混ざっていって、食べ終わるころには完全に汁と一体化していくのですが、混ざり込む玉子の量は、最初に生卵をつぶしてかき混ぜた場合と比べると、ほんのわずか。汁を完飲しないでも、ほぼ玉子を全部食べられたんじゃないかなぁ、という満足感が得られます。
これはいいですねぇ。しばらくはこの食べ方でいってみることにしましょう。
みなさんが実践されている食べ方や、おすすめの食べ方、おもしろい食べ方がありましたら、ぜひこの記事へのコメント、トラックバック等でご紹介ください。
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