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オリジナルひっつみ麺 … 食酒「くらのすけ」(西荻窪)

ひっつみ麺


 昨年末、西荻窪駅南口にオープンした高橋さんのお店、「くらのすけ」に来ています。

 それにしても、なぜ「みちのくの料理とお酒」のお店を開いたんですか? 高橋さんは東京の人じゃありませんでしたっけ?

「そうなんですよ。私自身は、東京生まれの東京育ちなんですが、実は両親が仙台の出身で、ルーツは東北地方なんですよ」

 あらら。そうだったんですか。ご両親が仙台ということならば、自宅の食事なども自然に仙台風になっていたに違いありません。わが家だって、カミサンが広島、私が愛媛なので、料理は知らず知らずのうちに、そのあたりの味に近い物になっています。うちの子供たちは、東京生まれの東京育ちですが、味の記憶としては、瀬戸内の味が刷り込まれているに違いありません。なるほどなぁ。高橋さんの場合は、それが仙台の、引いては東北の味だったんですね。

 先客の男性は、「仙台牛すじ肉の煮込み(ガーリックトースト添え)」(550円)を注文。ガーリックトーストが付いてるってことは、スープまで余さず飲んで欲しい、ってことですよね。

 新たに入ってきた若い男性ひとり客は、私と同じく、今日が初来店の様子。3品のほかに、コンポーク(550円)を注文します。これは自家製ハムなんだそうで、薄くスライスすると、まるで生ハムのような感じです。

 カウンター奥の壁に「農園便り 300~400円」と書かれたメニューを発見し、高橋さんに聞いてみたところ、栃木県の川田農園から届けられる野菜で作った料理なんだそうで、そのときに届いたもので内容が変わるんだそうです。今日の「農園便り」は、「大根のビール漬け」(400円)なんだそうです。

大根のビール漬け さっそくそのビール漬けを注文して、飲み物のほうも、今度は「阿部勘」の特別本醸造(650円)を燗でもらいます。出されたビール漬けは、これがビールっぽい感じは全くなくて、あっさりと大根の旨みがよくわかる仕上がりに、燗酒も進みます。

 入口近くに入ってきたお客さんは、すでに何度か来ているらしく、すぐに注文したのは「仙台麩(ふ)の卵とじ」(550円)。まるで厚揚げのように見える、大きな麩(ふ)が2枚、フライパンの上に並んで調理されていきます。へぇーっ。仙台麩、はじめて見たなぁ。

 その他にも、「これはいったいなんだろう?」「どんなものが出されるんだろう?」と興味津々のメニューが、それぞれ4~600円くらいで並んでいて、何度かやって来ないと全品制覇はむずかしそうです。

 店に入るのが午後9時半と遅かったので、気がつけばもう11時。そろそろシメにかかりますか。

 事前にこの店の「ぐるなび」を見ていて、ぜひ食べてみたかったのが「ひっつみ麺」(530円)。曰く「ラーメンでも日本そばでもない、つるりとした麺の喉ごしは一度食べたらやみつきです。スープは昆布とかつお、そして比内鶏のガラから丹念に取ったWスープ」。これは食べてみないといかんでしょう。

 その、ひっつみ麺を注文すると、高橋さんが他のお客さん(3人)にも「ひっつみ麺を作りますが、いかがですか?」と声をかけて、結局、私も含めて4人全員で、ひっつみ麺をいただくことになりました。

「その場で麺を打つので、4人くらいから注文してもらえるとありがたいんですよ」

 と言いながら、高橋さんが麺を作り始めます。水で練った小麦粉を、ひっつんで(引きちぎって)作るから「ひっつみ」(←岩手の郷土料理)と言うらしいのですが、高橋さんオリジナルの「ひっつみ麺」の麺は、パスタマシンで延ばしたものを、適度な大きさに切り分けて作っていきます。

 お椀に盛られて出された「ひっつみ麺」は、Wスープにとろみが加わった汁の中から、小さいラザニアのような平たい麺がチュルンと出てきます。

 なるほど。普通の「ひっつみ」の場合は、ひっつんだ部分がグルテン化して、麺のコシが生まれるらしいのですが、高橋さんの「ひっつみ麺」はパスタマシンで作っているので、全体にコシがある。うーん。これはまさにジャパニーズ・パスタですね。

 おろした長芋でつけているというとろみも絶妙。シメとしてももちろんですが、これ自体が十分に酒の肴になりますよねぇ。

 オリジナル・ひっつみ麺を堪能して、午後11時半まで、2時間ほどの滞在は3,680円でした。

 西荻窪も、いろいろと行ってみたいお店が多いエリアながら、これまで何故か足が向きにくかったのですが、これからはここ「くらのすけ」を拠点として、西荻窪も散策できそうですね。楽しみです。

店情報前編もあり)

《平成20(2008)年3月7日(金)の記録》

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受信: 2008.07.19 09:09

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