昭和24年創業の老舗 … 居酒屋「萬歳本店(ばんざいほんてん)」(広島)

出張で広島に到着したのは午後9時。すぐに駅近くのホテルにチェックインし、小雨の中を「源蔵本店」へと向かうと、なんと、もう看板の灯りが消えて、片付けモードに入っているではありませんか。そうか。この店は朝9時半から夜9時半までの12時間営業だったんですね。やられたー。事前チェックが甘かったですねぇ。
広島駅方面に戻りながら、どこかで食事をしようと信号交差点を渡ると、すぐそこにあったのが、大衆食堂のような、大衆酒場のような雰囲気の「萬歳本店」です。店は古いし、店名もなにやら「源蔵本店」にも似たところがあるし、店頭に置かれたメニューを見ると小イワシの刺身などもあるようです。今日はここにしてみますか。
「こんばんは」と入った店内は、まるで教室のように広くて、右手は店の奥まで続く直線カウンター、そのカウンター部分以外の、中央から左手にかけてはずらりとテーブル席が並んでいます。
この店も午後10時までの営業ということで、テーブル席にひと組いたサラリーマン5人連れが今まさにお勘定をしていて、他にはカウンター席に男性客がひとりいるのみ。
そのカウンターの手前側、テレビの下あたりに陣取り、瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、520円)に、「瀬戸の味、広島の味」と注記された、小イワシ刺身(470円)と小イワシ天ぷら(470円)を一気に注文します。なにしろ営業時間があと1時間もないので、食べたいものは急いで注文しておかなければ。
すぐに出された小イワシ刺身は、10尾分ほどで、長方形のお皿に山盛りです。生姜醤油でいただくと、小さいのに旨みたっぷり味わいが口の中いっぱいに広がります。
小イワシの天ぷらもできあがってきました。こちらも同じく10尾分ほどで、丸ごと天ぷらにされている熱々のものを、サクッといただきます。
カウンターの中にいる店主に伺ったところ、この店は昭和24(1949)年の創業で、来年で創業60年。古いこの建物(ほめ言葉です!)も、そのときに建てたものなんだそうで、天井の辺りにむき出しの鉄骨が走っていたりするところにも歴史を感じます。
「最近は取材の依頼なども多いんですが、あと数年で広島市民球場がこの近くにやってくる計画があって、そのときにはこのあたりも再開発されてしまうんですよ」と店主。
このあたりも、広島駅のすぐ近くにありながら、昔ながらの闇市的な雰囲気の漂う町なのですが、やはり再開発の波は押し寄せてきているようです。この風情がなくなってしまうのは残念だなぁ。
ビールの後は、日本酒です。メニューには「お酒・正一合」の「上」(350円)と「並」(300円)の2種類があり、店主に違いを確認してみると、
「どちらも西条鶴(さいじょうづる)なんですが、上は本醸造、並は普通酒です」
と言いながら、ガラスの1合瓶に入った両方のお酒を見せてくれます。
「じゃ、上のほうを、燗でお願いします」
小イワシの刺身には、広島の日本酒がぴったりです。
この店は、外観もそうだったのですが、実際にずらりと並んでいるメニューも大衆食堂と大衆酒場を兼ねたようなもので、酒の肴のほかにも、定食や丼物、ラーメンなどが並んでいます。そんな中に鍋物メニューもあって、すべてひとり用として注文できるようです。カキ鍋(750円)、カワハギのちり鍋(680円)、寄せ鍋(680円)、ホルモンニンニク鍋(700円)と、それぞれ引かれる品ぞろえ。そんな中から「ばんざい名物、安くて、うまい!」と、イラスト付きのメニューも出されているトーフ鍋(500円)を注文します。
出されたトーフ鍋は、野菜がたっぷりと入ったスープで豆腐を煮て、最後に玉子でとじたもの。野菜のいい甘みが出ていて、このままいただいても十分においしいのですが、熱々の豆腐は、添えられた小鉢のポン酢醤油でいただいくのも、また美味です。これが500円というのは、本当に安いなぁ。
店主の話も伺いながら、閉店時刻を少し過ぎるまでゆっくりさせていただいて、お勘定は2,310円でした。遅くにどうもすみませんでした。ごちそうさま。
いやぁ、それにしても、この店が再開発でなくなってしまうというのは、まことにもって残念ですねぇ。
・店情報
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コメント
本日、夕方に立ち寄りました。生ビール二杯と鰯やホルモンをいただき2000円。
まだ健在です。来月から単身赴任で広島にいきます。こういう店は貴重ですね。
投稿: ももぱぱ | 2010.07.22 19:40