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カラスの足跡に導かれ … 居酒屋「烏森醸造(からすもりじょうぞう)」(新橋)

カラスの足跡


「場所がわかりにくいので、カラスの足跡を見つけてください」

 なぬ? 新橋でカラスの足跡だって? マジかい!?

 と疑いながらも、烏森(からすもり)神社前の細い路地を進んでいくと……。

 や、本当にあった! 路地の左手地面に黒や赤のカラスの足跡です。その足跡の先には、人ひとり、やっと通れるかどうかの細い路地(というよりもビルとビルの間のすき間)が続いています。ここに違いない。

 最近、めっぽう新橋づいている感がありますが、金曜日の今日は、築地王こと、小関敦之(こせき・あつし)さん(「東京ランチレボリューション」「東京・築地 五つ星の味、極上の逸品」など著書多数)主催のオフ会で新橋の居酒屋「烏森醸造」です。

 カラスのマークがついた引き戸を開けて店内に入ると、奥に長い長方形の店内には、その形に合わせたような大きなテーブルが1卓。まわりには10個ほど椅子が並んでいます。

 この店は完全予約制で、1日2組まで。今日は我われが7人で予約しているので、これにて打ち止めです。次のオフ会は「烏森醸造」でやろうという話は、かなり前に持ち上がっていたのですが、その時点で予約できる日が、今日しかなかったというほど人気があるお店です。(定員が少ないということもありますが…。)

 すでに到着されていたのは、つきじろうさん。「お久しぶりです」なんて挨拶を交わしているところへ、店主があったかいお絞りを出してくれます。このお絞りが、ミントの香りがスッと漂って、とっても心地よい。

 すぐに小関さんや、月島仮面さん、くにさんジュネさんに、小関さんの本を編集されているYさんも到着されて、本日のメンバー7人が勢ぞろいです。

 ここには何度かいらっしゃっている小関さんが「最初はビールで」と注文してくれて、まずはエビスビールの小瓶からスタートです。この店は、基本的に料理もおまかせ、飲み物もおまかせで、おいしい料理と、おいしい日本酒が飲めるんだそうです。

 最初に登場したのは、モンゴウイカの雲丹和え。「よくかき混ぜて食べてくださいね」という店主の言葉に従って、グリグリとかき混ぜて、細く切られたモンゴウイカの刺身を口に含むと、フワッと雲丹の風味が漂ってきます。うーーーん。日本酒が欲しい。でも、最初から飛ばすと、長丁場が持たないからなぁ。ガマン、ガマン。

 2品めは長崎産・鰆(さわら)の焼き魚。ふんわりと焼きあがった重量感のある身を、酢橘(すだち)を搾った煮きり醤油でいただきます。

 3品め。厚岸(あっけし)産の牡蠣(かき)を酢ガキで。大粒の牡蠣が、ひとりにたっぷりと6個ずつ。このポン酢醤油がまた、カツオダシがよく効いていて美味しいのです。「ほとんどのお客さんは飲み干しますよ」と店主。これは絶対日本酒だ。3個だけをツルリといただいて、残り3個は日本酒用に取っておくことにします。

 そして出された1本目の日本酒は、岡山の「歓びの泉」(純米大吟醸)。ふだんはグラスで出してくれるそうなのですが、今日は7人いるので、新しい一升瓶がドンと置かれます。店主は日本酒にも詳しいらしく、これはという日本酒を自分で選んできて店で出しているんだそうです。

 続いて(4品め)は、牡丹エビをひとり2尾ずつ生で。「頭のところは、足を引っ張るようにすると上手く取れるから」と教えてもらって、殻の中の濃厚なミソをチューチューとすすります。1品1品のボリュームがけっこうあるので、いつも少量の肴で酒を飲んでる私なんて、もうほとんど満腹です。

 5品めは、焼きホタテと焼き平貝の盛り合せ。平貝は瀬戸内産で岡山に上がったもので、厚みがすごくあるので、厚さ方向に半分にスライスして焼いたんだそうです。ホタテは北海道産で、小鉢のど真ん中にデンと鎮座しています。これに刻んだ万能ネギをたっぷりとのせて、ワサビマヨネーズでいただきます。

 たたみ込むように、出されたのはアン肝(6品め)。このアン肝は、ニッカの蒸留所のある余市(よいち)でとれたアンコウのものなんだそうです。これもポン酢醤油なんだけど、ポン酢は柚子(ゆず)と酢橘(すだち)とのことで、アン肝の甘みを引き立てます。

 2本目のお酒は、ひやづめ純米山田錦「開運」。静岡のお酒です。

 7品めの料理は、和歌山で上がったという本マグロの大トロ。さっきの岡山のお酒に岡山の平貝という瀬戸内同士の組み合せも良かったのですが、今回の静岡のお酒に和歌山のマグロという黒潮文化圏の組み合せもいいですねぇ。しかし、もう満腹で苦しいほど。

 飲むほどに酒の進みは速くなって、3本目は秋田の「春霞」美山錦・純米吟醸です。

 もう、これ以上の食べ物は無理、という8品めはキュウリの漬物。これなら大丈夫かな。それにしても、グルメブログの方々は、さすがにみなさん健啖家で苦しい様子も見せずにペロリと平らげてしまいます。

 閉店時刻の午後11時まで、3時間の滞在は、ひとり11,000円ずつでした。うーー、満腹。

            ◆   ◆   ◆

「このお店、11時からはワインバーとして営業するんですよ。ワインバーにも残る人?」

 という小関さんの問いかけに、「はーい!」と手が上がります。私も「電車がなくなるので、少しだけ…」と手を上げて、7人中5人が残ることになりました。

 午後11時までの居酒屋の部の店主は、ここで帰り支度をして帰路につかれ、入れ代わりに、イタリア人のマウロさんがやって来て、朝まで店を切り盛りするんだそうです。

 ワインバータイムになった店内は、照明が落とされ、テーブル上の3~4箇所にキャンドルが置かれます。たったこれだけのことで、店内の雰囲気がうんと変わってしまうのが素晴らしいですねぇ。

 スパークリングワイン(米国のアーガイル)を1本飲みきったところで、月島仮面さんと私はタイムアップ。この時点でいったんお勘定をしてもらい、ひとり1,260円ずつ支払って「お先にー!」と二人で戦線離脱です。

 やぁ、実におもしろくて、おいしくて、ボリュームたっぷりのお店でした。今回も、どうもありがとうございました。

店情報

《平成20(2008)年2月22日(金)の記録》

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コメント

先日は一緒に戦線離脱して頂き、ありがとうございました。

面白い日本酒を手に入れましたので、是非、一緒に飲みましょう~詳しくは、くにさんから聞いて下さい。

投稿: 月島仮面 | 2008.03.16 20:57

>月島仮面さま
こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました。
面白い日本酒、気になります。ぜひぜひ。

投稿: 浜田信郎 | 2008.03.23 12:01

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