広島での朝食と言えば … 広島駅弁当「うどん」(広島)
広島での朝食と言えば、広島駅在来線1番ホームにある立ち食いうどんです。
今回の出張の本来の目的地は呉なのですが、昨晩のうちに呉まで移動してしまわないで、広島に宿をとった理由のひとつが、この朝食にあります。今日は、天ぷらうどん(340円)と巻き寿司(2切れ100円)をいただきます。
大学を卒業して、はじめて配属になった赴任地が、これから向かう呉の町。その時代(今から25年ほど前)には、今のように新幹線も速くなく、飛行機も運賃が高い上に便数が非常に少なかったので、本社(東京)への出張はもっぱら夜行寝台特急「あさかぜ」を利用していました。最初のころはご多分にもれず、私もちっとも眠ることができなくて、本社への出張は嫌で嫌で仕方がなかったのです。
ところが就職して何年かがたち、ひとりでも酒が飲めるようになってくると状況が変わってきました。広島から東京に向かうときは、当時広島駅ビル内にもあった「源蔵」で小イワシの天ぷらや刺身をつつきながら「あさかぜ」の出発時刻(午後8時)までを過ごし、ウイスキーのポケット瓶と簡単な乾きもののつまみを買って電車に乗り込む。電車に乗っても、すぐに自分の寝台に行くことはせず、ラウンジカーの一角に陣取って、移りゆく車窓の風景もつまみにしながら夜遅くまでチビリチビリとウイスキーを楽しみ、「それではこれにて車内放送も終わらせていただきます。明朝まで、みなさまお休みなさい」なんて放送が流れ、車内のメインライトも消灯されてから、おもむろに寝台まで戻ると、酒の酔いも手伝って本当にぐっすりと眠ることができ、ふと気がつけばもう東京に到着です。
飲みながら旅情が楽しめ、かつ長時間の移動をゆっくりと寝ながら過ごしてしまえるという世界でした。
逆も同様で、東京駅の八重洲地下街や日本橋あたりで一杯飲んでから寝台特急に乗り込んで、ラウンジカーでゆるりゆるり。本当は食堂車が付いていると一番うれしいのですが、私が寝台特急をよく利用していた時代には、残念ながら、すでに食堂車は廃止されていました。
ただし、東京発の「あさかぜ」は、出発時刻が午後7時と早いのが難点。慣れてくると、午後9時ごろまで東京駅近くの酒場で過ごして、それから新幹線で名古屋まで。途中で追い越した「あさかぜ」に名古屋駅で乗り換えて、爆睡しながら広島へと向かったものでした。
そして、寝台特急「あさかぜ」が広島駅1番ホームに到着すると、ちょうどそのホームにあるのが、この立ち食いうどん屋だったのです。
我われは、ここで「あさかぜ」を降りて、呉方面に行く電車に乗り換えるので、比較的ゆっくりと朝のうどんを楽しめるのですが、まだ先まで行く乗客たちも、そのうどん屋にやって来ては、「あさかぜ」が発車するまでの短時間の間に、お持ち帰り用のうどんを作ってもらって、大急ぎで車内へと引き返していた姿を覚えています。
そうやってせっかく大好きになった寝台特急での出張だったのに、その後、新幹線も速くなり、飛行機も新幹線と十分競争できるほど値段が下がってきて、今や日本国内、たいていのところは日帰りで出張ができてしまう状態。当然のように夜行寝台特急もどんどん廃止されて、たいへんお世話になった「あさかぜ」も、今はもう走っていないのでした。
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昼も昼とて、社員食堂で天玉うどん(230円)に、盛り合せ寿司(220円)。もともとが瀬戸内(愛媛)の生まれなので、こちらのダシが身体に合うのか、こっち方面に帰ってくると、うどんを食べることが多いのです。
以前にも何度か書きましたが、呉のうどんは麺がとっても細いのが特徴。この細い麺に、おいしいダシがよく絡むのです。
盛り合せ寿司は、いなり寿司が2個に、巻き寿司が3切れ。朝食でも天ぷらうどんと巻き寿司をいただいたように、こちらでは、うどんにあわせて巻き寿司を食べることが多いのです。
こちらに勤務していた若いころは、普通に昼食を食べた上に、さらに追加で天玉うどんをペロリと食べたりしていたものですが、今は天玉うどんに盛り合せ寿司の組み合せでも、苦しく感じてしまいます。うーむ。年かなぁ……。
1番ホームの「うどん」 / 呉の天玉うどん / 盛り合せ寿司
・「うどん」の営業は06:00-22:00(無休)(前回)
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コメント
はじめまして、私も先日1番ホームのうどんを食べました。時代も変わって出張の形態も変化しましたね。
投稿: うてきなぷりぱ | 2008.05.17 19:31
ご無沙汰しております。
偶然「浜田信郎」のリンクを見つけてここにやってきました。
駅のうどんはときどき食べます。
とくに冬の朝に唐辛子を力一杯かけて食べると体が温まります(笑)
麺はボソボソで褒められたものではないですがダシはおいしいですよね。
5月の終わりに松山の青空食堂久米店という定食屋(居酒屋ではない)で晩飯を食べましたが、ここは美味しかったです。
投稿: 高木毅 | 2013.10.06 20:38