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みちのくのお酒と料理 … 食酒「くらのすけ」(西荻窪)

調理中の店主


 「竹よし」などで、よくご一緒させていただいていた高橋さんが、昨年の12月に、ご自分で居酒屋を開業されたのだそうです。場所は、中央線沿線のグルメタウンとして知られる西荻窪。駅からもほど近い場所に、高橋さんのお店、「くらのすけ」はありました。

 ビルの半地下にあるお店は、透明なガラスの入った入口扉ながら、半地下ということもあって、店内がちらりと見える、ちょうどいい状態になっています。あまり見えないと、なんだか開けるのが怖いし、見え過ぎると、店に入ってからが落ち着かない。ちょうどいいバランスが必要なんですね。

 半地下への数段の階段を下りていくと、そのガラス窓から徐々に店内の様子がよく見えるようになってきます。やぁ、高橋さんだ。本当に店主をしてる!

「こんばんは。ご無沙汰してます」

 と、高橋さんに声を掛けながら店内に入っていくと、

「いやぁ、実はこんなことになりまして」

 なんて言いながら、高橋さんも笑顔で迎えてくれます。

 自分の知り合いが、店主としてカウンターの中に立ってる姿というのも、最初のうちはなんだか違和感があるんですよねぇ。「秋元屋」に最初に伺ったときもそうでした。なかなか「マスター」とも呼びにくくて、つい今までの呼び方で呼んでしまうのです。

 店内は軟らかい曲線を使ったカウンター席のみ10席ほど。これを高橋さんひとりで切り盛りされています。

 金曜日、午後9時半の店内には先客は男性客ひとり。このお客さんも高橋さんの知り合いの様子です。その先客の奥側に座って、まずは瓶ビールを注文すると、瓶ビールは初めていただくエビスのザ・ホップ(中瓶、600円)です。

「日替り、週替りで、東北の酒肴9菜というのを出してましてね。お通し代わりに3品ほど選んでもらうようにしてるんです」

 そう言いながら見せてくれる今日の9品(3品で750円)は、小じゃがのみそ漬、玉こんにゃく、秋田なめこピリ辛煮、生じゅんさいの酢のもの、仙台長なす漬け、仙台笹かまぼこ、小玉ねぎの甘酢漬け、茎わかめのゆずみそ和え、焼みそ。これらが9つに仕切られたお皿の、ひとつひとつの部屋に並んでいます。こうして見せられると、全部に引かれてしまいますねぇ。うーむ……。

「今日は生じゅんさいがおすすめでしょうか。焼みそも人気があるんですよ」

 迷っていると、高橋さんが助け船を出してくれます。

「それじゃ、そのふたつと、あと笹かまぼこをお願いします」

 ビールを飲み終わったところで、日本酒に切り換えます。店の奥の冷蔵保管庫の中に入っているのは、青森の「田酒」、山形の「上喜元」、福島の「大七」、岩手の「南部美人」、秋田の「刈穂」など、東北6県の地酒群。なかでも宮城の「阿部勘」は、特別本醸造、特別純米、純米吟醸と3種類そろった、この店の看板地酒的な存在のようです。

 その「阿部勘」の特別純米(750円)を冷酒でいただくと、「阿部勘」と書かれた塗りの升にグラスが置かれ、一升瓶からトクトクと、グラスからあふれて、受け皿代わりの升が表面張力になるまで注いでくれます。

「これでちょうど正一合になるんです」

 と高橋さん。以前から、日本酒がお好きでしたもんねぇ。質も良く、量もたっぷりと、というわけですね。

生じゅんさい 笹かまぼこ 焼みそ
生じゅんさいの酢のもの / 仙台笹かまぼこ / 焼みそ

店情報後編に続く)

《平成20(2008)年3月7日(金)の記録》

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 昨年末、西荻窪駅南口にオープンした高橋さんのお店、「くらのすけ」に来ています。  それにしても、なぜ「みちのくの料理とお酒」のお店を開いたんですか? 高橋さんは東京の人じゃありませんでしたっけ? 「そうなんですよ。私自身は、東京生まれの東京育ちなんですが、実は両親が仙台の出身で、ルーツは東北地方なんですよ」  あらら。そうだったんですか。ご両親が仙台ということならば、自宅の食事なども自然に仙台風... [続きを読む]

受信: 2008.03.29 10:14

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