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開店第1号のお客さま … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

鯛かぶと酒蒸し


 日曜日、夕食前のちょい飲み散歩は「竹よし」です。午後5時をちょっと回ったところで店に到着すると、右手カウンター席(6~7名分)の一番奥で、すでに大常連のTさんが飲み始めています。私もそのすぐ手前の席に腰をおろし、いつものように瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶、500円)からスタートすると、お通し(200円)には数の子(カツオ節と和えて、三つ葉をのせたもの)が出されます。

 「竹よし」は、昨日、3月8日(第2土曜日)が、通算74回目となる夕食会の日。開店15周年に当たる今回は、豪勢に「鯛づくし」がテーマだったのだそうです。

 用意されたのは3種の鯛。キンメダイ(金目鯛)はシャブシャブと、あら煮で。マダイ(本鯛)は刺身と塩焼きで。そして、アマダイ(甘鯛)は鯛めしと酒蒸しで楽しんだということを、まだ残っている大きなマダイの頭(かぶと)や、半身だけ残ったキンメダイを見せてくれながら聞かせてくれます。

 こうやって見せてもらうと、ますます食べたくなりますよね。まずはそのキンメダイの刺身(800円)を注文します。

 夕食会の食材は、会費制で歩留まりよく仕入れることができるので、グッといいネタが入ることが多いのです。もちろん夕食会で完食になってしまうと翌日には残らないので、確実に食べるには、やはり夕食会に参加するのが一番です。

 脂がたっぷりとのったキンメダイ刺身が出されたところで、飲み物も燗酒(菊正宗、350円)に切り換えます。

 今日は帆立貝や平貝などの貝類も多くそろっています。キンメダイ刺身を食べ終えた大常連のTさんが、「この帆立を焼いて出してよ」と注文すると、身(貝柱)の部分は貝殻の上で焼かれ、肝(実は卵?)の部分は蒸し器で蒸して出されます。いやぁ、これは美味しそうだ。「ちょっと食べてみる?」というTさんの言葉に、遠慮なく箸を伸ばしてしまいます。(いつもすみません。>Tさん)

 私自身の2品目は、鯛カブトの酒蒸し(600円)を選択。カブトと言っても、カマのあたりの身もたっぷりと付いてますからねぇ。ボリューム感たっぷりです。

「蒸しあがるまでに、これを食べてみますか?」

 と店主が出してくれたのは、山菜の煮びたし。昨日の食事会のときにサイドメニューとして出したものなんだそうです。入っているのはフキノトウ、コゴミに、タラの芽。天ぷらでいただくことは多いのですが、こうやって煮びたしとしていただくのは、きっと初めてです。ほろ苦さが、いかにも春っぽくていいですねぇ。燗酒にもよく合って、2本目をもらいます。

 さぁ、鯛カブト酒蒸しの登場です。大きなタイもさることながら、まわりに添えられたアスパラやカボチャ、シメジなどの野菜類がまた美味しそうだこと。タイと一緒に蒸したんですね。蒸した野菜は美味しいですからねぇ。「魚だけじゃなくて、野菜にも少し力を入れてみようと思いましてね」と店主。タイのほうも、桜鯛の季節を迎えるだけあって、なにもつけなくてもいいくらい、いい味が出ています。

 私のあとに入ってきた男性ひとり客は、まずキンメダイ刺身を食べ終えた後、店主に「カマ焼きは何がある?」と質問。

「今日はブリ(600円)や、サワラ(500円)、キングサーモン(500円)などがありますが、鯛のカブト焼きはいかがでしょう? さきほどこちらにお出しした酒蒸しの半身なので、カマの部分の身もたっぷりと付いてますよ」

 なるほどなぁ。このタイの半身なら、焼いても絶対に美味しいに違いない。そのお客さんも「じゃそれ」と鯛カブト焼きを注文します。

「こちらのお客さんはMさんとおっしゃいましてね」と、そのお客さんを店主が紹介してくれます。「15年前のちょうど今日、3月9日にふらりと入ってこられたんですよ。そのときは女房と二人で、店で出す料理の確認などの開店準備をしてましてね。でも、Mさんがいかにも自然に店に入ってこられて、そのままいかにも自然に料理を注文されたので、こちらも普通に営業させていただいたんですよ。だから、こちらのMさんが「竹よし」の第1号のお客さんなんです」

「そうだったの。私はこの店ができる前に、ここでやってた店に通っててね。しばらく休みが続いているなぁ、と思ってたら、その日は開いてたから、再開したのかと思って入ったんだよ」

 とMさん。そんな偶然から、この店の第1号のお客さんになっちゃんたんですね。それ以来、店も15年。お客のMさんも通い続けて15年ですか。開店のときから来てくれてるお客さんが、ずっと通ってきてくれるというのは素晴らしいことですよねぇ。

 その後、jirochoさんもいらっしゃって、夕食前に軽く飲むつもりが、今日もまた気がつけば午後9時。ついつい長居してしまうお店なんですよねぇ。今日のお勘定は2,800円でした。

 なお、次回夕食会は4月12日(土)、午後5時から。食材として、日本海の高級魚・ノドクロ(赤ムツ)が候補にあがっているそうです。

金目鯛刺身 帆立貝焼 山菜煮びたし
金目鯛刺身 / 帆立貝焼 / 山菜煮びたし

店情報前回

《平成20(2008)年3月9日(日)の記録》

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