ハワイアンな大衆酒場 … 炭火焼「モアナ(Moana)」(関屋)
立石の「鳥房」を出て、タクシーでやってきたのは京成・関屋駅と東武・牛田駅にはさまれたところにある「モアナ」です。モアナ(Moana)というのはハワイの地名で、「海」という意味の言葉でもあるんだそうです。そんな名前を店名にした「モアナ」も、外観はすっかりハワイアン。我われのようなオッチャンが入ってもいいの、って感じなのです。
ところが、中に入ってメニューを見ると、空気は一変。ホッピーや、下町ハイボールなどの飲み物をはじめ、レバー焼き、タン焼き、タンモト焼き、ハツ焼き、カシラ焼き、ハラミ焼き、ナンコツ焼き、和牛シビレ焼き、和牛シロモツ焼きなどの炭火焼類、さらにはレバ刺し、タン刺し、ハツ刺し、テッポウ刺しといった刺身類や、和牛モツ煮込み、和牛スジ煮込み、和牛スジ煮コゴリといった、もつ好き垂涎のメニューが、それぞれ300~400円くらいでずらりと並んでいるのです。
まずはホッピー(400円)を注文すると、キンキンに冷えたジョッキにキンミヤ焼酎を入れ、まっさかさまにして注がれる瓶入りホッピー。これが“モアナ風ホッピー”と呼ばれる独特の作り方です。しかも2ジョッキ並べて片手で作るのが面白いですねぇ。
実は「モアナ」の店主(マスター)は、かつてフレアと呼ばれる、まるでジャグリングをするかのようなやり方でカクテルを作るバーテンダーだったんだそうで、2瓶のホッピーを逆さにしてカクテルを作るくらいはお手のものなのです。その場でクルクルと空き瓶を回して見せてくれます。なるほど、だからカクテル系の飲み物も多いんですね!
料理のほうは、カレーキャベツ(400円)にSPAM焼き(300円)、ミミガーのピリ辛醤油(300円)と、「酔わせて下町」のFさんおすすめの品々が並びます。
ユニークなのはカレーキャベツ。これは、お皿にザク切りのキャベツを盛り、その上にカレーをかけたもので、文字どおりカレーライスのライスの代わりがキャベツになったものなのです。カレーそのものが美味しいということもあるんでしょうが、「鳥房」の唐揚げで満腹なはずなのに、このカレーキャベツが進むこと進むこと!
前にきたとき(2年ほど前)は、もっと小さいお店だったのにと思っていたら、実はこの店、その後、前の店のとなりの店を買い取って、そちらに移ったので大きくなったんだそうです。後継者難などで閉店を余儀なくされる酒場もあるなか、こうやって店が大きくなったり、新たに開店したりする酒場があるのはうれしいですね。
飲み物も、奇跡のフルーツ・カムカムソーダ割り(400円)や、Fさんおすすめのモアナ風ハワイアンチチ(500円)などをいただいていると、「これも食べてみて」と店主が出してくれたのは、お皿にのった大きな羊羹(ようかん)のようなもの。これは和牛スジ煮コゴリ(一人前は300円)なんだそうです。
「それじゃ、これも食べてみて!」
と、その和牛スジ煮コゴリに負けじとFさんが追加注文したのは「丸ごと酢イカ」(150円)。文字どおり丸ごとの酢イカが串に刺さっていて、エイヤッと食いちぎりながらいただきます。
まだまだおすすめの品がたくさんあるというなか、本日最後にいただいたのは「カレー白モツ」(500円)です。長円形のお皿の片側に炒めたて熱々の白モツ炒めが盛られ、中央にはたっぷりと刻みネギ、そしてもう片側にはカレーがつがれていて、3色がくっきりと分かれています。これをグリグリとかき回して、まんべんなく混ざり合ったところでいただくと、プリッとしたモツ炒めの食感と、カレーのスパイシーさが一度に口の中に飛び込んできます。うーん。もつカレー煮込みのような味を想像してたのですが、もつ、ネギ、カレー、それぞれの味わいがしっかりしていて鮮烈ですねぇ!
「ちょっとずつだけど、最後に飲んでいって」
と店主が出してくれたのはモアナ・スープ(一人前は200円)は、これだけでも酒の肴(さかな)になりそうな一品です。
すでに満腹のはずなのに、またまたたっぷりと飲んで食べて、お勘定は5人で7千円(ひとり1,400円)ほどでした。どうもごちそうさま!
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