〔コラム〕 食事中に楽しむウイスキー
「BAR-NAVI」(サントリー)の公式ブロガーとしても活躍されている、くにさんにお誘いいただいて、山梨県北杜市白州町にある、サントリー白州蒸溜所にやってきました。
大自然に囲まれた広大な敷地の中にある白州蒸溜所は、京都の山崎蒸溜所につぐ、サントリー第2の蒸溜所として昭和48(1973)年に開設されたのだそうです。
国内の主なモルトウイスキー蒸溜所は、サントリーの2箇所に加えて、ニッカが北海道の余市蒸溜所と、仙台の宮城峡蒸溜所の2箇所、そしてキリンが富士御殿場蒸溜所と軽井沢蒸溜所の2箇所の、合わせて6箇所です。
本場・スコットランドのモルトウイスキー蒸溜所は、それぞれの蒸溜所で1種類の個性あるモルトウイスキーを作っているのに対して、日本の蒸溜所は、それぞれ複数のモルトウイスキーを作っているのが特徴。日本のウイスキー・メーカーでは、ブレンデッド・ウイスキーを作るときに、自社のモルトウイスキーだけを使うので、個性の異なる複数のモルトウイスキーを作らざるを得なかったのだそうです。
さて、今回の蒸溜所見学のテーマは「ウイスキーと食とのマリアージュ」。ウイスキーというと、食事も終わってからバーなどでチビリチビリというイメージがあるお酒。それに対して、ウイスキーによく合う料理を提案することで、食事中にもウイスキーを楽しんで欲しいというのが、そのねらいなんだそうです。
チーフブレンダー推奨の肴として出されたのは、ポークハムとチーズの自家製ピンチョス、地場産季節の野菜マリネ、岩魚と山女の燻製、あわびの煮貝、そして無花果(いちじく)のカクテルの6品。
あわせるウイスキーは白州の10年、12年、18年のほか、山崎の12年です。
飲み方は、最初にストレートでちょっといただいた後、同量の水を入れてトワイス・アップに。そして大ぶりのグラスでは水割りや、ソーダ割りにしていただきます。
普通、シングルモルトは、けっこうクセ(個性)が強いのですが、サントリーのシングルモルトは、どちらかと言えば非常にマイルド。シングルモルトなのに、ブレンデッド・ウイスキーのようなクセのなさなのです。
だから、たしかに料理と合わせることもできるんだけど、これだけいいウイスキー(特に18年もの!)になると、それ自体でも美味しいですよね。とっても贅沢なウイスキーと食とのマリアージュです。
会社の先輩で、自宅でも、外飲みでも、いつも角(サントリー角瓶)の水割りを飲む人がいます。その先輩が、角を置いていない店で注文するのは、焼酎のウーロン茶割り、いわゆるウーロンハイです。サントリーのウイスキーは、薫製っぽい香りがあまりしないので、どっちかというと度数の高い長期熟成麦焼酎といった感じで楽しめるんですね。「百年の孤独」や「野うさぎの走り」と同じようなものと考えると、ウイスキーの安さが際立ちます。
この先輩の影響を受けて、私も自宅で食事中にウイスキーを飲むときは「角の水割り」です。ウイスキーは、日本酒やワインと違って、抜栓したあとも味わいがあまり変わらないので、「あわてて飲みきらなきゃ」と思わなくていいのがいいところです。
角と同じように、水割りにして食事に合わせることができるウイスキーは「シーバス・リーガル」です。これもスコッチにしては珍しく燻蒸香・樽香が少ない(全体としてクセがない)のが特徴です。
単身赴任寮では、食事の後、寝るまでの間にウイスキーだけを楽しむことが多いので、香りの高いニッカの「余市」や「宮城峡」、アイラモルトの「アードベッグ」などを、トワイス・アップでちびちびといただくことが多くなっています。このつまみなしでお酒だけという飲み方も、いかにもウイスキーらしくて好きだなぁ。
蒸溜所見学 / リチャー実演 / 帰りの車中でもウイスキー
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コメント
その節はお疲れさまでした。
いろいろな目線があるなぁと愉しく興味深く読めました。
またどこかでご一緒できたらと思いますので、
よろしくお願いします。
投稿: まさぴ。 | 2008.06.18 13:14