名焼酎がずらりと並ぶ … 串揚げ「揚派(あげは)」(鷺ノ宮)
昔(20年以上前)、同じ独身寮に串揚げが好きな先輩がいて、ときどき「串の坊」に串揚げを食べに行っていました。メニューの基本は「串揚げおまかせコース」。飲み物だけ注文して待っていると、1本、また1本と、その季節の食材を串揚げにしてくれるのです。
そして、ひとしきり食べて、お腹がいっぱいになったところで、「ストップ!」と声をかけると、それまで食べたもので清算してくれる仕組み。
当時は、先輩も私も20代の食べ盛り、飲み盛りだったので、食材がぐるりと一周してしまうくらいまで食べて、散財していたものでした。
思い起こせば、まさに独身貴族と言える時代でしたねぇ。
そんな「串の坊」チェーンのお店で修業をした店主が独立して、3年程前に開店した串揚げ料理屋が鷺ノ宮にあるということで、今日の3軒目は、その「揚派」にやってきました。
このお店は、2軒目までご一緒させていただいた、近所のソムリエ・Iさんが何度かいらっしゃってるんだそうで、
「串揚げもおいしいんだけど、焼酎の品揃えが素晴らしいんですよ」
とつい先ほど教えてもらったばかりなのです。残念ながら、主婦でもあるIさんは今日はご帰宅。にっきーさんとふたりで「揚派」へと入ります。
店内はU字カウンターのみ、10席程度。(実は2階に座敷席もあるらしい。) そのカウンターの右側に、男女三人連れの先客がいるので、我われはUの左側へと入り、まずは瓶ビール(スーパードライ中瓶、630円)で喉潤しです。
この店も、「串の坊」同様に、基本は「串揚げおまかせコース」の様子。その他に串揚げ8種の「味咲コース」(1,575円)、串揚げ10種におぶづけセット(汐昆布、御飯、香の物)の「舞コース」(2,310円)、串揚げ12種におぶづけセット、デザート付きの「揚派コース」(2,730円)があるようです。
基本はこういうコースながら、単品ごとの値段も明示されていて、肉団子、うずらの卵、ピーマン肉詰め、タマネギなどが105円。ツブ貝や、レンコン、イカなどが158円。キスや、牛ヒレ、くじらなどが210円。ホタテやアスパラが263円。そして、カニのキス巻きと車エビが420円という5つの価格帯になっています。
「今日は2軒ほど回ってきて、申し訳ないんですけど、けっこうお腹がいっぱいなんです」と店主に相談してみたところ、
「わかりました。じゃ、おまかせをゆっくり目にお出ししますね」と、ニコニコ笑顔で提案してくれました。
Iさんが教えてくれたとおり、焼酎の品揃えは、焼酎通のにっきーさんが驚くほどものすごい様子。しかも、そのほとんどが小(50ml)473円、大(100ml)683円という均一の価格設定なのです。
そんな中、にっきーさんが選んでくれたのが、芋焼酎の「池の鶴」と「田倉」です。どちらも、最近はあまり飲めないものなんだそうです。
ワインや日本酒の銘柄も、どれがどれだかよく分からないほど種類が多いのですが、焼酎も似たような状況ですよねぇ。どれも非常に美味しいのがうれしい限り。
料理のほうはお通しの稚貝とキノコ(シメジ)の煮物に続いて、エビのしそ巻き(210円)、牛ヒレ(210円)などの串揚げが1品、また1品と、本当にゆっくりと出てきます。店主ひとりで店を切り盛りしているため、1品揚げ終わったら、カウンター側に出てきて我われの話につき合ってくれて、またしばらくしたら次の1品を揚げに行ってくれるといった具合で、1品ごとが出される間合いが非常にいい。いつまででも食べ続けられそうな感じがするほどです。
飲み物は、「限定3550本」と書かれている、麦古酒の「桜井」です。これはなんと封切り口開けの1本。
「えぇーっ、いいんですか!」と遠慮する我われに、
「いいんですよ。喜んでくれる人がいらっしゃるときに口を開けるのが一番いいんです」と、その「桜井」を注いでくれます。あぁ、熟成された麦焼酎がうまいこと。
串揚げのほうは、ホタルイカや、うずらの卵、セロリのキス巻きなど、ひとり8品ずつをいただいたところで「ストップ!」。最後にデザートのシャーベットが出されて終了です。
なんだかんだと2時間半ほども長居してしまい、ふたりでビール1本に、焼酎が5杯。お勘定は7,875円(ひとりあたり4千円弱)でした。
どうもごちそうさま。今度は、1軒目としてやってきたいお店です。
・店情報
| 固定リンク | 0
コメント