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2008年7月

マグロ刺身が130円 … 立ち飲み「いこい」(赤羽)

マグロ刺身


 赤羽での2軒目は、これまた朝から開いてる立ち飲みの「いこい」です。しかもこちらは午前7時からの営業で、定休日も第1日曜のみというものすごさ。

 土曜日、午後1時の店内は立ち飲みカウンターのみにゆるやかにお客さんが入っている状態で、フロアに置かれた何卓かの立ち飲みテーブルはまだ空いています。このゆるやかな感じでも、客数でいうと25人ほどは入っているでしょうか。なにしろ80人ほど入れるキャパシティがありますからねぇ。

 私もカウンターの一角に立ち、瓶ビール(サッポロ黒ラベル大瓶、390円)とマグロ刺し(130円)をもらいます。

 大瓶のビールが390円というのは安いですよねぇ。生ビール(中ジョッキ)も同じく390円。ビール以外の飲み物も、お酒が180円、ハイボールも180円。レモンサワーやウーロンハイなどのサワー類が210円、黒ホッピーが320円。そしてつまみはずらりと並んだ小皿もののほとんどが110~130円です。

 この店は、品物と引き換えに料金を支払う、キャッシュオンデリバリー方式を採用しています。キャッシュオンデリバリーの立ち飲み屋に行く場合は、2千円ほど出しておけば、たいてい足りるので、今日もなにも考えずに目の前に2千円を置いたのですが、「いこい」の場合は千円もあれば十分でしたね。普通に飲んで2千円は使いきれないかもしれません。

「520円、いただきます」

 と言いながら、店のおにいさんが千円札を1枚取り、おつり480円を、カウンター上に残ったもう1枚の千円札の上に置いてくれます。

 マグロ刺しも130円ながら、赤身が1切れ、中とろっぽい身が2切れの合計3切れ。ツマとして千切り大根が付き、練りワサビも添えられています。これにカウンター上に置かれた醤油をサッとかけていただきます。

 朝から開いてるとても安い酒場でありながら、店の表には「酔った方の入店、お断りします」の張り紙が、そして店内にも「暴言をはいたり、店の雰囲気をこわしたり、お客様に迷惑をかけたりする方は一切出入り禁止します」という張り紙があって、店内の空気はしっかりとしています。この軽い緊張感(凛とした雰囲気)があるのが、名店の証なんですね。

 この店には、もつ焼きのメニューもあって、レバ焼、タン焼、カシラ焼、シロ焼、ナンコツ焼、豚バラ焼などがそれぞれ1皿3本で220円。つくね焼は1皿2本で220円。その並びにレバホルモン(220円)なんてメニューもあり、ちょっと気になったので注文してみました。

 待つことしばし。出されたレバホルモンは、レバーの唐揚げでした。それにしても、この値段ながら、作り置きではなくて、揚げたての熱々を出してくれるところがありがたいではありませんか。

「サラダ(110円)もください」と追加注文すると、

「スパ? ポテト?」と確認してくれるおにいさん。スパゲティサラダとポテトサラダが選べるんですね。

「スパでお願いします」

 サラダはカウンターの中に置かれた冷蔵ガラスケースの中に並んでいるものをサッと出してくれます。しかしこのサラダも、スパとポテトの両方を出してもらったとしても220円ですから、安いですよねぇ。

 40分ほどの立ち飲みタイム。カウンター上に残った1,150円をポケットに入れ、カウンター内の店主に「ごちそうさま」と声をかけながら店を後にしたのでした。やっぱり千円かからなかったか……。

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「いこい」 / レバホルモン / スパサラダ

店情報前回

《平成20(2008)年6月21日(土)の記録》

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昼前から楽しむ鯉と鰻 … 大衆酒場「まるます家(まるますや)」(赤羽)

鯉のあらい


 長男(中学3年生)の参観日で板橋方面に出かけ、そのまま保護者会に出席するというカミサンを残し、ひとり赤羽に向かいます。赤羽に到着したのは午前11時半。まだ午前中なのに飲めるというのが赤羽のすごいところですねぇ!

 向かったのは、赤羽駅近くにある鯉とうなぎの「まるます家」です。この店は朝9時からの営業で、しかも月曜(月曜が祝日の場合は翌火曜)定休とあって、土日祝日でも平日と変わることなく朝から飲める(食事もできる)大衆酒場なのです。

 うーむ。朝から開けてる店も店ならば、この時間帯でもほぼ満席という、この地域の呑ん兵衛さんたちも素晴らしい。魚心あれば水心と言いますが、まさにこうやって朝から飲みに来てくれるお客さんが大勢いて、朝から開いてる店があるという、どっちが鶏(にわとり)で、どっちが玉子かは分かりませんが、呑ん兵衛にとっての好循環(なのか!?)スパイラルができあがってるんですね。

 かろうじて空いていた、Wコの字カウンターの手前側角に座り、まずは瓶ビール(サッポロラガー大瓶、500円)と、名物の鯉のあらい(400円)、そしてエビステーキカツ(400円)を注文します。

 すぐに出されるのは鯉のあらい。とても美しいピンクの身を一切れとって、酢味噌につけていただくと、シャッキリといい歯応えだこと!

 看板メニューの鯉料理は、ほかにも鯉こく(みそ汁、300円)、鯉生刺(600円)、鯉のうま煮(650円)があります。

 そしてエビステーキカツ。名前が豪華な割りに、値段が400円と安いこの一品は、小さな海老の身をギュッと集めて、厚さ1センチ程度、長さは丸いお皿にちょうど載るくらいの長方形に整形して、パン粉をつけてカツにしたもの。揚げあがってから食べやすいように5分割し、キャベツの千切りと練り辛子、マヨネーズを添えて出してくれます。熱々のうちに、ウスターソースをかけていただくのが美味しいんですよねぇ。

 まだお昼前だというのに、店内にはすっかりできあがっているおじさんたちもたくさんいて、夜の大衆酒場とほとんど変わりはありません。しかも、お客さんも途切れることがなく、いまや入口あたりで空席待ちをしている人たちもいる状況です。

 私の隣にいたおじさんがお勘定をして席を立つと、次に待っているお客さんはふたり連れ。

「はい、お待ちはおふたりさんね。んーと、どうしようかな…」

 と店内を見渡すおかあさん。パッと見渡すと、私の隣のほかに、Wコの字カウンターのまん中も1席空いている状態です。ということは私があそこに移れば、次に待ってるふたり連れがここに座れるってことですね。

「じゃ、私が向こうに移りましょう」

 とおかあさんに声をかけると、

「すみません。ありがとうございます。じゃ、おふたりさんここへどうぞ」

 そう言いながら、コップやお皿などを移してくれます。新しい場所で瓶ビール(サッポロラガー大瓶、500円)をおかわりし、つまみにはカルシウム(うなぎの中骨、350円)を追加します。

 こうやって、席を譲りあったりしながら飲むのも大衆酒場らしいところでしょうか。私だけではなくて、あちこちで自主的に席をずれたり、ひとり客の人が別の場所に移ったりしながら、待ってる人たちみんなが早く楽しめる状況を作り出しているのです。だから、この店には中途半端にあいてる空席が少ないんですね。このあたりも名店と言われる所以(ゆえん)ではないでしょうか。

 1時間ほどの滞在は2,150円でした。どうもごちそうさま。

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「まるます家」 / エビステーキカツ / カルシウム

店情報前回

《平成20(2008)年6月21日(土)の記録》

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釜あげしらすオムレツ … 鉄板焼き「剣(つるぎ)」(都立家政)

釜あげしらすオムレツ


 金曜日。横浜の職場を出て、都立家政駅に着いたのは午後9時。ちょっと魚を食べて帰ろうかな、と思いながら向かった「竹よし」は、外から見てもそれとわかるほど満員です。うーむ。となると、「魚がし寿司」か「剣」か。「魚がし寿司」には先日も伺ったので、今日は「剣」にしましょうか。

 「剣」は平成9(1997)年にオープンした、お好み鉄板焼きを看板に掲げたお店。したがってお好み焼きや鉄板焼きはもちろんのこと、地元では海の幸と焼酎(特に芋焼酎)が美味しい店としても知られているのです。店主の趣味が魚釣り、そして奥さんの出身地が鹿児島なので、その特性が十分に活かされてるんですね!

 カウンターと小上がりのテーブル席の店内には、カウンターの中央奥寄りにサラリーマンらしき男性二人連れがひと組。私もカウンター手前側に座り、まずは生ビール(中ジョッキ、540円)をもらうと、一緒に出されるお通し(200円)は昆布の佃煮です。

 その生ビールをゴクンゴクンと3口程度飲んでから、おもむろに今日のおすすめが書き出されたホワイトボードメニューを確認します。

 ボードに並ぶ魚介類は20種類ほどで、産地も明記されていて600~800円ほど。刺身では久里浜のアジやサバがそれぞれ650円、鳥取の本マグロ中とろが780円ですか。お、佐世保の赤むつ(のどくろ)も900円だ。しばらく迷ってから、やっと決めた1品目は、明石産の近海タコ刺身(600円)です。

 待つことしばし。出されたタコ刺身の美しいこと。表面の赤と、内部のまっ白さの対比がきわ立ちますねぇ。あぁ、うまいっ。

 生ビールに続いては、この店オリジナルの「かめつぼ焼酎」をロック(480円)でいただきます。鹿児島産の芋焼酎をブレンドし、垂水温泉水で割った状態で、カウンター内の甕(かめ)に寝かせているんだそうです。これをロックか、黒ジョカの燗でいただくことができます。

 合わせる料理は、これまたホワイトボードメニューの中から、釜あげしらすオムレツ(600円)です。鉄板で焼き上げられた熱々のオムレツに閉じ込められている釜あげしらすが美味しいですねぇ。

 ホワイトボードには、ほかにも白身魚ふわふわチーズ焼(700円)や、つぶ貝ガーリックバター焼(700円)といった、呑ん兵衛好みのする品々が並んでいます。

 カウンターの一番入り口側に入ってきた、常連さんらしき女性ひとり客は「生ビールを2杯ね」と注文。お連れの方が来るのかな、と思っていたら、その生ビール2杯をキューッ、キューッと飲み干して、「どうもごちそうさま。お勘定して」と席を立ちます。ひゃーっ。粋(いき)ですねぇ。

 私のほうは午後10時過ぎまで1時間ほどの滞在で、2,420円。

 もちろん、このまま終わるはずはなく、まだまだ満席が続いている「竹よし」前を再び通り過ぎて、2軒目は「ペルル」、3軒目は「満月」と地元酒場でハシゴ酒。金曜の夜ですものね。

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「剣」 / 生ビールとお通し / ホワイトボードメニュー

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明石の近海タコ刺身 / かめつぼ焼酎ロック / 釜あげしらすオムレツ

店情報前回

《平成20(2008)年6月20日(金)の記録》

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祝さんご夫妻を囲んで … バー「ホッピー仙人」(横浜市・桜木町)など

ホッピーを作る仙人


 祝さんご夫妻が、あじさい見学に鎌倉まで来られたということで、夕方から軽く飲み会です。まずは横浜駅西口の「豚の味珍」本店2階に集まって、豚足やタンブツ、カシラブツ、尻尾などを堪能します。

 タンブツやカシラブツは、腐乳に刻みネギをたっぷり入れたものを酢で溶いていただく、いわゆる「石井バージョン」という食べ方が美味しいのですが、これまでどう注文したらいいのかがよくわからなかったのです。

「ネギ豆腐のネギ多めでお願いします」

 と、その腐乳を注文してくれる大常連のiiさん。なるほど、そうたのめば良かったのですね!

 そのiiさんは、愛犬を散歩に連れて行かないといけないので、途中で帰路につかれますが、ちょうど入れ替わるように来られたのは、にっきーさんです。

 1軒目の「豚の味珍」は2時間ほど楽しんで、ひとり2千円ほど。

 桜木町駅まで1駅移動して、2軒目として向かったのは「ホッピー仙人」です。みんなで白ホッピー(500円)や黒ホッピー(500円)をもらう中、お酒が飲めない祝さんの奥さんは焼酎のないホッピーのみ。

 ここ「ホッピー仙人」では、この“ホッピーだけ”という飲み方は“抜きッピー”(300円)なんて呼ばれていて、お酒が飲めない人はもちろんのこと、これから仕事に向かわないといけない人や、ちょっと体調を崩している人、お酒を控えないといけない人などでも「ホッピー仙人」の雰囲気を味わうことができるようになっているのです。

 みんなの飲み物の準備が整ったところで、店中のお客さんたちとともに乾杯するのも、「ホッピー仙人」の定番になっちゃいましたね! 乾杯のたびに店中が一体化していきます。

 カウンターの後ろにもずらりとお客さんが並ぶほど満員の店内で、1時間半ほど楽しんで、男性陣はひとり1,000円(ホッピー2杯)ずつ、祝さんの奥さんは300円でした。どうもごちそうさま。

 この時点で、午後10時半過ぎ。祝さんご夫妻を囲む会はここで終了し、ご夫妻とともに、昨日もこちらで泊まりだったというにっきーさんも帰路につかれます。

 都橋商店街の下で3人を見送った後、最後にもう1軒と、ひとりで入ったのは、すぐ近くにあるバー「日の出理容院」です。

 店に入ると、お客が誰もいなくて、店内はバーテンダーのメグミさんだけ! いやぁ、入れないほど満員というところはよく見ますが、お客のいない「日の出理容院」というのは初めて見たなぁ。びっくりです。

「ちょうど今、団体さんが帰られたところなんですよ」

 とメグミさん。ちょうどいいタイミングで入ったようですね。午後10時半過ぎという時間帯は、祝さんご夫妻や、にっきーさんがそうであったように、都内など、遠くから来ている人たちが帰らないといけない時間帯なのでしょうね。

 角のハイボールを作ってもらって飲みはじめると、ひとり、またひとりと常連さんたちがやって来て、いつもの「日の出理容院」らしい感じになってきました。

 2杯目はIWハーパーのソーダ割りをもらって、1時間半ほどの滞在。日付けが変わるころに帰路についたのでした。

・「ホッピー仙人」の店情報前回

《平成20(2008)年6月19日(木)の記録》

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〔コラム〕 旅先で食べるその土地の名物

 出張などで旅に出ると、楽しみなのがその土地その土地の名物である食べ物です。今回は広島への出張に絡めて、週末の三連休を利用して、四国・松山にも帰省して帰ってくるというコースで、各地の食べ物をいただいてきました。

シウマイ弁当 新横浜から新幹線に乗る前に、崎陽軒のシウマイ弁当か横濱チャーハンかを買って乗ることが多いのですが、今回は乗り換え時間が少なかったこともあってパス。両方とも、最近は首都圏では比較的簡単に手に入っておすすめです。特にシウマイ弁当は、つまみから食事までオールインワンの優れもの。シウマイ弁当+缶ビールで、晩酌付きの夕食が楽しめるのです。


080726c1 広島駅に到着したのは午後9時ごろ。急いで隣接する駅ビル(ASSE)の2階にある、お好み焼きの「麗ちゃん」に向かいます。「麗ちゃん」のラストオーダーは午後9時半。のんびり移動していると、その時刻に間に合わないのです。

 「麗ちゃん」は広島風お好み焼きの有名店ですが、もちろん地元・広島では「広島風」とは言いません。普通に「お好み焼き」と言えば、それが広島風で、逆に具材を練り込んで焼く関西風のスタイルを「関西風」とか「大阪風」と呼んで、普通の広島風と区別するのです。

 一番普通のお好み焼き(豚肉・玉子・そば入り、730円)と、瓶ビール(エビス中瓶、500円)を注文して、ビールを飲みながら待っていると、目の前の鉄板でお好み焼きの準備が始まります。広島風のお好み焼きは、必ず店の人が焼いてくれるのです。このお好み焼きに、ビールがまたよく合うこと。


080725c2 その日は広島駅近くのホテルに泊まって、翌日の朝食は、広島駅一番ホームの立ち食いうどん屋で、天玉うどん(390円)と、もぐり寿司(200円)です。もちろん天玉うどんの玉子は、黄身を軽く溶いて麺を絡めるようにしていただきます。(→〔コラム〕やみつきの天玉そば、その理由(わけ)は!?

 広島に来ると、必ずここのうどんを食べていますが、いつもは、いなり(2個160円)か、まき寿司(2個100円)と一緒に食べていて、もぐり寿司にしてみたのは今回がはじめて。もぐり寿司は、いわゆるちらし寿司ですが、その具が酢飯の中にもぐり込むように入っていることから、もぐり寿司と呼ばれているんだそうです。本格的なもぐり寿司は、海の幸、山の幸がたっぷりともぐり込んでるらしいのですが、ここのもぐり寿司の具は、エビ、穴子、レンコンの3種類。透明なパックに盛られたもぐり寿司を、パックのまま渡してくれます。

 こっちのうどんには、寿司がベストマッチ。いなり、まき寿司もそうですが、このもぐり寿司もよく合います。


080726c3 松山で、飲み会の三次会として、地元の人と二人で入ったのが、三番町にある中華そばの「瓢太」。こちらでは有名なラーメン屋なんだそうです。おでんをはじめ、酒の肴になりそうな料理もたくさんあって、カウンターの中の棚には焼酎のキープボトルもずらりと並んでいて、ラーメン居酒屋風です。

 注文を地元の人に任せたところ、いきなり、

「中華そばを2人前。それと生ビールを2杯」

 と中華そばの注文から入ったのには驚きました。「えぇーっ!」と思いながら周りを見渡してみると、ほとんどのお客さんが飲んでるんだけど、目の前にはちゃんとラーメン丼が置かれているのです。

 中華そばが出されたところで「オクラもお願いします」と、それからつまみも注文です。

 もしかすると、こちらではシメにラーメンじゃなくて、ラーメンもつまみのひとつとして酒を飲むのが普通なのかもしれませんね。びっくりです。

 さらにこのラーメンの汁(つゆ)の味が甘いのにもびっくり。

「これが「瓢太」の中華そばの特徴なんですよ。甘味は干し椎茸の甘さです」

 と同行者が教えてくれます。この日は、結局この後、じっくりと六次会まで…。まさに、飲んでる真っ最中でのラーメンとなりました。


080726c4 よく飲んだ翌日は、昼間から父親の兄弟が集まっての宴席に加わります。なにしろ9人兄弟(6男3女)なので、その配偶者も含めると、それだけで大宴会です。急な帰省にも関わらず、夕方からは、同級生たち5~6人ほど集まってくれて飲み会をやってくれることになり、ダブルヘッダーでの宴席参加です。

 親戚の宴会が終わったのが午後3時。それから夕方の宴会が始まるまでの時間を利用して向かったのが、鍋焼うどんの「ことり」です。松山では「アサヒ」と「ことり」という2軒の鍋焼うどん屋が有名。お腹がすいていれば、両方をハシゴしたいところですが、宴席の後だし、この後まだ宴会が控えているので、最初にたどりついた「ことり」だけにしました。

 メニューはシンプルに鍋焼うどん(460円)と、いなりすし(2個240円)の2品のみ。お水を持ってきてくれるおばさんも、「鍋焼うどんでよろしいですか?」と確認してくれるだけです。

 それに対して「はい。あと、いなりもお願いします」と応えると、あっという間に、大きないなりが2個のった皿が出されます。

 松山の鍋焼うどんは、甘い汁(つゆ)と、柔らかい麺が特徴。アルマイトの鍋で出されるのです。


080726c5 横浜への帰り道は、特急「しおかぜ」で瀬戸大橋を渡り、岡山駅から新幹線に乗り継ぎます。この乗り継ぎ時に、いつも買うのが三好野本店という会社で作っている駅弁「祭ずし」です。

 特におすすめなのは1,250円の「特上祭ずし」。これは駅構内でも三好野本店の直売店でしか扱っていないので、そこを探していく必要があります。しかしながら新幹線ホームにも直売店がありますので、見つけにくいことはありません。

 今日もその「特上祭ずし」をもらおうとしたのですが、残念ながら売り切れとのこと。しかたなく普通の「桃太郎の祭ずし」(1,000円)にしました。

 祭ずしというのは、酢飯の上に岡山名物のママカリ酢漬や、瀬戸内を代表する高級魚・サワラの酢漬、さらには錦糸玉子、えび煮、椎茸煮、穴子煮、も貝煮、筍煮、菜の花醤油漬、れんこん酢漬、紅生姜、つなし(このしろ)酢漬、焼穴子、シャコ酢漬、タコ酢漬などがのった豪勢なもの。特上になると具材の量も質もよくなるのです。


080726c6 横浜に到着して、単身赴任寮への道すがら、旅の締めくくりとして出かけたのは、洋光台の中華料理屋、「中華日和(ちゅうかびより)」です。

 この旅の間、うどんやラーメンをたくさん食べてきたからもういいじゃないかと思いつつも、注文したのは半チャンラーメン(790円)。これは醤油ラーメン(500円)と半チャーハン(370円)のセットメニューで、それぞれ単品で注文すると合計870円になるところ、80円分、約1割ほど安くなるのです。

 ラーメンもさることながら、できたて熱々のチャーハンがうまいこと。

 さぁ、明日からまた仕事だ!

《平成20(2008)年7月17日(木)~21日(月)の記録》

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美人姉妹の切り盛りで … 居酒屋「ねこ屋(ねこや)」(築地)

和服に割烹着姿の美人女将


 八丁堀までやって来たら、ぜひ向かいたいのが築地の「ねこ屋」。八丁堀と築地とは、地下鉄ひと駅区間なので歩いてもすぐに到着します。

 店の外にある急な鉄の階段を2階に上るとそこが「ねこ屋」の入口。「こんばんは」と入った店内は、今日は予約の団体客(といっても8人ほど)が座敷に入っているらしく、奥の座敷にはすでにお客さんがいるものの、店の入口近くにあるカウンター席には空きがある状態。一番入口に近い席に座らせてもらいます。

「もっともっと日本酒に力を入れていこうと思うんですよ」

 という美人女将から手渡された日本酒メニューには、日本酒好きの女将厳選の地酒がずらり18種類。その中に「発泡日本酒」のコーナーもあって、5銘柄が並んでいます。

 前回来たときは発泡日本酒は四合瓶(720ml)だけだったのですが、今回は300ml瓶が4種に、180ml瓶が1種。この量だと、ひとりで注文しても飲みやすいですね。

 その発泡日本酒の一番トップにリストアップされている広島の「瑞冠」(純米にごり、300ml、1,350円)をもらうと、すぐに出されるお通し(席料込み500円)は、自家製ゴマ豆腐のウニのせです。つまみにはハムポテトサラダ(400円)を注文します。

 目の前では、奥の団体さんように、おすすめ品の「刺身とあぶり、まぐろ三昧」(750円)が用意されています。築地という場所柄もあって、まぐろなど魚介類はいいものを仕入れてるんだそうです。今日のまぐろも見るからに美味しそう。

「奥の団体さんの分で、今日のまぐろはお仕舞いなんですよ」

 と残念そうな美人女将。そういういいまぐろだけに、あまり大量には仕入れられないんでしょうね。

 今日の女将は和服の上に白い割烹着姿。最近はこの姿で店に出ているんだそうです。普段でも美人なのに、こういう格好をして、髪をアップにまとめると近寄りがたい美しさ。真剣な表情で料理に対峙しているところなど、絵になり過ぎていて怖いくらいです。

「奥のお客さんが、さっきのお酒を一升瓶ごともらいたいそうです」

 お店を手伝っている、かわいらしい女性が、そう女将に告げます。その一升瓶の残りをちらっと確認した女将、

「このお酒はこれしかないので、残ってる分全部を○○円でお出ししてください」

 とテキパキと対応します。すごぉーいっ。一緒に飲んだときの女将(=当時はまだ女将ではありません)は、いつもニコニコとふんわりとした感じだったのに、こんなにテキパキと切り盛りできるんですねぇ。着物姿の外観などもあって、まるで違う人みたいです。

「私の妹なんですよ」と紹介してくれる女将。

 なんとなんと。このかわいらしい女性は妹さんでしたか。そう言われてみると顔だちが似ています。

「ときどき手伝いに来てくれるんです。どのくらい年が離れているように見えますか?」

 と女将。今日の女将は和服に割烹着で、とても大人びて見えるし、妹さんは今風の若い女性らしい、とても若々しく見える出で立ちをしているので、実際の年の差がわかりにくいなぁ。

「お客さんによっては10歳くらい離れてるなんて言う人もいるんですよ。ひどいでしょう!?」

 そう憤慨する女将ですが、それはやはりこの外観がそう見せてるんでしょうねぇ。残念ながら正解は教えてもらえませんでした。

 料理は丸干し3点盛り(はたはた・目光・かれい)(600円)を注文し、それができあがったところで、日本酒は福島の「会津娘」(純米吟醸、850円)です。

 開店後、ちょっと経った時点で、すでに店内は満席状態。カウンターも、いつものようにやってくるという常連さん(みなさん男性ひとり客)でいっぱいで、その後はもう、たとえ一人客でも「ごめんなさん。満席なんです」と断らざるを得ない状況です。開店3カ月にして、すでにものすごい人気店になっちゃってるんですねぇ。

 最後に、となりのお客さんから、「これはめったに手に入らないお酒です」と教えてもらった「飛露喜」(大吟醸、福島)の「出品受賞酒」(950円)をいただくと、女将が「カマンベールチーズ酒盗がけ」(500円)をサービスしてくれました。

 じっくりと3時間半近くくつろいで、今日のお勘定は4,650円でした。どうもごちそうさま。

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お通しと瑞冠 / ハムポテトサラダ / 丸干し3点盛り(目光・はたはた・かれい)

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妹さんに注いでもらう会津娘 / 飛露喜 / カマンベールチーズ酒盗がけ

店情報前回

《平成20(2008)年6月17日(火)の記録》

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オフィス街でもつ焼き … 立ち飲み「増家(ますや)」(八丁堀)

レバ刺し


 今から6~7年前、八丁堀の近くにも会社のオフィスがあって、ときどきそこへも出かけていました。そのときに、なんとなく気になっていたのが大通りから、小さな広場1個分入ったところに垣間見えた、立ち飲み・もつ焼きの「増家」というお店でした。しかしながら、当時はなんとなくもう一歩が踏み込みきれず、結局、「増家」には入れないまま八丁堀のオフィスはなくなったのでした。

 今日、久しぶりに八丁堀近くで、午後5時ごろに仕事が終わったので、その「増家」に向かってみることにしました。

 店に向かってみると、店と広場の間の道が私道で、広場はその私道から1メートルほど高い位置にあります。その段差を利用して、広場のふちには立ち飲み用のテーブルが4~5卓セットされていて、店内が満員になった場合でも、この私道の脇で飲むことができるようです。

 午後5時過ぎの店内は、さすがに先客はおらず、私が第1号。

 店の入口のところで「いらっしゃいませ」と迎えてくれるこの男性が、ここ「増家」の店主のようです。

 店内は左手が厨房になっていて、右手側は3方の壁を取り囲むように外側に向かって立ち飲みカウンターが設置されていて、その真ん中には長方形の立ち飲みテーブルが1卓だけ設置されています。店内だけで20人ほどは立てるかなぁ。

 外側に向かったカウンターの一角に立ち、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、490円)とレバ刺し(300円)を注文します。

「レバ刺しはニンニクとショウガ、どちらにしますか?」と店主。

「ショウガでお願いします」

 まだ火曜日なので、ニンニクは避けておきました。コクをより増す感じのニンニクと、さっぱりとレバーのコクを感じさせなくするショウガ。どちらもいい薬味だと思います。今はなき鷺ノ宮の「鳥芳」では、ガツ酢を注文するときに「ニンニクとショウガのミックス」なんて味付けも注文できたことを思い出します。

 ずっと昔からあるような気がしていたのですが、店主によると8年前からやっているんだそうで、店主とともに店を切り盛りするのは、店主の奥さんとお母さんという、家族3人なんだそうです。

「人を雇うと、この値段ではやっていけないんですよ」

 こんな東京駅からもほど近いオフィス街にあってもそうなんですねぇ。

 看板メニューであるもつ焼きは1本120円で、ナンコツ、フワ、ハツ、タン、カシラ、レバ、シロの7種類。通常は2本で1セットとのことですが、他にお客さんもいないからか「2本以上になれば1種1本ずつでもいいですよ」と声をかけてくれます。

「フワと…」と、珍しいフワ(肺)を注文しようとしたところ、

「ごめんなさい。フワは入荷してないんですよ」と店主。

「それじゃ、ナンコツ、タン、カシラ、シロを1本ずつ。シロだけタレでお願いします」

 そのもつ焼きが焼きあがったところで酎ハイ(260円)を注文すると、酎ハイはサーバーから注がれます。

 もつ焼き以外のメニューは、冷奴(220円)、塩辛(220円)、お新香(280円)、枝豆(280円)、シューマイ(300円)、厚焼玉子(300円)、もつ煮込(300円)など17種類ほど。一番高いものでも300円というのが嬉しいではありませんか。

 飲み物は酎ハイ、サワー類は260円均一で、日本酒は280円です。

 オフィス街だけに、オフィスが休みとなる土日祝日は、店も休みなんだそうです。店の外には猫もいて、「ニャンコ専用」と書かれた櫛(くし)もあるのがおもしろいですねぇ。

 ちょうど1時間ほどの滞在は1,530円でした。どうもごちそうさま。

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店内の様子 / もつ焼き / 酎ハイ

店情報

《平成20(2008)年6月17日(火)の記録》

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店情報: 立ち飲み「増家(ますや)」(八丁堀)

    080617z1
  • 店名: もつ焼「増家」
  • 電話: 03-3551-8120
  • 住所: 104-0041 東京都中央区新富1-13-18
  • 営業: 17:00-22:00(21:30LO)、土日祝休
  • 場所: 八丁堀駅A3出口を出て、新大橋通りを築地方向へ約100m、右手。
  • メモ: 平成12(2000)年創業。〔120均一〕ナンコツ、フワ、ハツ、タン、カシラ、レバ、シロ、〔220均一〕もやしキムチ、やっこ、酢の物、塩辛、〔260均一〕酎ハイ、レモンサワー、梅サワー、ライムサワー、ウーロンハイ、リンゴサワー、〔280均一〕おろし明太子、お新香、白菜キムチ、枝豆、〔300均一〕レバ刺し、おしたし、生竹輪、牛カツ2本、特選ポークシューマイ、厚焼玉子、もつ煮込、磯辺揚、竹輪の磯辺揚。生ビール400、瓶ビール(大)490、日本酒280。(2008年6月調べ)

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たっぷりとカクテルを … バー「日登美(ひとみ)」(落合)

バーボンソーダ


 おでんの「こなから」を出て、東(江戸川区)方面に帰るCさんを御茶ノ水駅で見送って、同じ西(中野区)方面に住むEさんとふたりでやって来たのはカクテルラウンジ「日登美」です。Eさんは、この店の近くに住んでいながら来たことがなかったのだそうで、「それじゃ、ぜひ」と帰り道にお誘いしたような次第です。

 土曜日、午後10時過ぎの店内は、5割程度(先客が4人)の入り。我われ二人も、空いていたカウンターの奥のほうに腰をおろし、私はスティンガーをハードシェイクで、Eさんは「少し甘めのショートカクテルを」というオーダーで、スティンガーと同じブランデーベースのショートカクテルを作ってもらって乾杯です。

 店内に女性客が多いこともあって、今日もマスター得意の駄洒落(だじゃれ)が炸裂しています。

 2杯目に、これまた同じブランデーベースのサイドカーをもらうと、Eさんは「今度はロングで」という注文で、アクアヴィットをベースにした、この店のオリジナルカクテル、レッドバイキングです。

「マスターの駄洒落は毎度のことなんだけど、もっと興がのってくると、マジック(手品)も披露してくれるんですよ」

 なんて話していたら、マスターが惜しみなくそのマジックも繰り出してくれます。

 Eさんの3杯目はアマレットの入ったロック、私は火が出るような辛いウォッカで作るブラッディ・シザーズで酔いを覚醒したつもりになりながら、実はより酔っ払って、4杯目のマティーニに突入します。「アマレットの味が好きなんですよ」というEさんの4杯目はアマレットのロングカクテル。

 ここに来る道すがら「最後はマティーニでしめることが多いんですよね」なんて話しながら来たので、

「マティーニを注文したってことは、もう終わりですか?」とEさん。

「いやいや。そんなことはありません。もう1杯いきましょう!」

 そう言いながら注文した5杯目はメーカーズマークのソーダ割り。最後に緩やかなロングカクテルに逃げちゃいましたねぇ。それに対してEさんの5杯目は、ビシリと強いショートカクテル、XYZ。

「ショートカクテルは、すぐに飲み干さなきゃダメなのよ」

 と言いながら、キューッとXYZを空けるEさん。強いですねぇ!

 日付けが変わるころまで楽しんで、お勘定はふたりで9,300円(ひとりあたり4,650円)。この店はショートカクテルは800円、ロングカクテルは900円です。

 駅前までEさんを見送って、5杯のカクテルにへろへろになりながら家路についたのでした。

店情報前回

《平成20(2008)年6月14日(土)の記録》

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ひょうたん型おでん鍋 … おでん「こなから」(御茶ノ水)

おでん盛り合わせ


 以前、京風おでんと明石たこ焼の店「多幸兵衛」でご一緒させていただいたKさんにお誘いいただき、今日は御茶ノ水の人気おでん屋、「こなから」です。

 今日はそのKさんを中心に、Eさん、Cさんという女性陣おふたりも参加されて、男女それぞれ二人ずつで飲むという、絶妙の(なのか!?)飲み会の予定だったのですが、Kさんに已(や)むを得ない急な事態が発生し、3人で飲み会決行となりました。

 まずは生ビールをもらって乾杯すると、すぐに出されるお通しは、マグロのづけと、山いもとイクラののったモズク酢、そして定番だという茶碗蒸しという三品です。

 たいていのおでん屋では、おでんそのものが、すぐに出せるお通しがわりになっていることが多いのです。こうやってはじめにお通しが出てくるおでん屋は珍しいのではないでしょうか。しかも、一品一品が、それぞれしっかりとした料理ですからねぇ。

 店内は、入口から奥に向かって長い直線のカウンターが伸びており、一番手前側と、一番奥側が、それぞれ左手の壁に向かって折れていて、そこもカウンターになっています。つまり、縦に長~い「コ」の字の形をしていて、全体で20人座れるかどうかといったキャパシティです。

 その「コ」の字のちょうど真ん中あたりのカウンター内に、「こなから」のトレードマークでもある瓢箪(ひょうたん)型の比較的浅いおでん鍋が据え付けられていて、瓢箪型に中心部がくり抜かれた大根などがずらりと並んでいる様子が見えるのです。

 店には靴を抜いで上がるようになっていて、「コ」の字のカウンターには掘り炬燵(ごたつ)式に座る方式。我われが到着した、開店時刻の午後6時には先客はおらず、我われは「コ」の字の一番奥の短い辺のところに3人並んで座ったのでした。

 おでんは、それぞれ1品300円均一で、いわしつみれ、鶏スパイスつくね、はんぺん、丸ごとごぼう天、じゃが丸、かぼ丸、さと丸、さつ丸、帆立入りさつま揚げ、京がんも、大麦若葉のすいとん、生椎茸しんじょう、ひょうたん大根、京厚揚げ、地たまご、生芋こんにゃく、餅きんちゃく、とうふ、こんぶ、京ゆば、京みずな、関東すじ、ちくわぶ、はすいも、などのおでん種が選べるほか、盛り合わせもあって、まずは盛り合わせを3人分と、夏牡蠣のバター焼きを注文します。おでん以外の料理は「本日のおすすめ」としてホワイトボードに書き出されているのですが、値段は書かれていません。

 店を切り盛りしているのは、若い女性ふたり。このカウンター内のふたりとは別に、ここからは見えない厨房にも板前さんがいて、おでん以外の料理を作っているようです。

 飲み物を燗酒に切り換えて、肴も「しょっぱい、うまい!」と注記された、ぬか漬いわしや、これまたこの店の名物のひとつであるらしい牡蠣おでん(1,000円)などを追加注文します。

 実は今日の店内は、予約だけで満席近い状態だったらしく、開店から1時間もしないうちに、すっかり満席になりました。この店によく来るEさんの話によると、入口近くにお客さんとして座っている男性が、この店の店主なんだそうです。今は「こなから」、丸ノ内や青山など、都内に4店舗を展開するほどの勢いになり、ここ本店も娘さん(カウンター内で切り盛りしている女性のひとり)に任せたりもしているんだそうです。その店主が、近くを通ったついでにEさんに、「いらっしゃい。今日はKさんはどうしたの?」と言いながら、「ここに1本出してあげて」と燗酒を出してくれました。

 もともとは下町大衆酒場系が大得意のKさん。こんな有名店に誘ってくれるなんて、どうしたのかなぁと、ちょっと不思議に思っていたのですが、Eさんの話しによると、Kさんがこの店に来はじめたのは、この店が無名だった頃なんだそうです。その頃、たまたま近くに住んでたこともあって、当時はまだお客さんが少なかったこの店に通っていたのだそうです。そのうち、店がどんどん有名になっていって、今に至っているのですが、今もKさんは「こなから」に通っているし、店主にもかわいがられているのだそうです。なるほど、そういう経緯があって、今日はこの店に誘ってくれたんですね。

 こう見えて(?)、女性と軽妙なやり取りをしたりするのは、とっても苦手なので、女性二人との飲み会に、「大丈夫かなぁ…」とすごく心配していたのですが、実際に飲み始めてみると、そんな心配も杞憂に終わりました。

 EさんもCさんも、よく飲めるし、共通の知人も何人もいるので、EさんとCさんがいろんな話をしてるのを、お酒を飲みながらフンフンと聞いていると、それ自体が酒の肴(さかな)です。

 ゆっくりと楽しく過ごした3時間半。お勘定は3人で19,500円(ひとりあたり6,500円)でした。今度は、ぜひ大常連のKさんと一緒にやって来なきゃね。

080614a 080614b 080614c
お通し3品 / 夏がきのバター焼き / ぬか漬いわし

080614d 080614e 080614f
京みずななど / かきおでん / はんぺんとずいき

080614g 080614h 080614i
いか塩辛 / あんこ玉さんなど / きくらげ

店情報

《平成20(2008)年6月14日(土)の記録》

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店情報: おでん「こなから」(御茶ノ水)

    080614z1
  • 店名: おでん処「こなから本店」
  • 電話: 03-3816-0997
  • 住所: 113-0034 東京都文京区湯島1-9-6
  • 営業: 18:00-22:30(22:00LO)、日祝休
  • 場所: JR御茶ノ水駅・聖橋口を出て、聖橋(ひじりばし)を渡り、東京医科歯科大学の先の信号交差点を渡ったところを左へ。右手の「小川軒」の先を右に折れた少し先、右手。
  • メモ: おでんはすべて300円均一。いわしつみれ、鶏スパイスつくね、はんぺん、丸ごとごぼう天、じゃが丸、かぼ丸、さと丸、さつ丸、帆立入りさつま揚げ、京がんも、大麦若葉のすいとん、生椎茸しんじょう、ひょうたん大根、京厚揚げ、地たまご、生芋こんにゃく、餅きんちゃく、とうふ、こんぶ、京ゆば、京みずな、関東すじ、ちくわぶ、はすいも。その他に、かきポン酢1000、かきおでん1000、湯葉の刺身800、長芋の塩焼き700、ごまだれ ごますり 出世うどん1000など。(2008年6月調べ)

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〔コラム〕 今夜も赤ちょうちん

「ひとり呑み」


 販売が開始された、新著「ひとり呑み - 大衆酒場の楽しみ」。7月1日に見本ができあがったのと同時に、各新聞社や雑誌社に書評依頼等のために発送されたほか、出版社の営業の人たちもその見本を持って、各書店や取扱店を巡ったりし始めたのだそうです。

 その見本が到着するや否や、といった感じで、すぐにご連絡をいただいたのが毎日新聞・夕刊編集委員の鈴木琢磨(すずき・たくま)さん。

 北朝鮮問題の専門家で、TBSテレビ「みのもんたの朝ズバッ!」にもコメンテイターとして出演されている方ですが、その一方で、毎週火曜日の夕刊に「今夜も赤ちょうちん」という記事を連載されるほどの“居酒屋バカ”(←コラムの中で、鈴木琢磨さんご自身が付けた自称)でもあるのです。

 私自身、「今夜も赤ちょうちん」の熱心な読者でもあるだけに、鈴木琢磨さんからの取材の申し込みはうれしい限り。「はいはい」と二つ返事でお引き受けし、向かったのは行きつけの魚料理店、「竹よし」です。

 鈴木琢磨さんは、前著「酒場百選」の出版記念オフ会にもいらしていただいて、面識もあったため、「ごぶさたしてます」と乾杯し、すぐにワイワイと飲み始めます。生まれ年が同じ(生まれ月の関係で学年は1つ違い)ということもあって、共通の話題も多いのです。

 「今夜も赤ちょうちん」の中では、今回のように、どこかの酒場で誰かと飲んだことが題材になることもあれば、どこかの酒場でおひとりで飲んでいる状況を書かれていることもある。文章の頭、100文字程度の導入部に続いて、2段落目の「で、」という書き出しで本題に入り、全体として800文字(原稿用紙2枚分)で店の情景や、インタビューした人のことなどを伝えるというスタイルです。

 文字数の決まっている文章を書かれたことのある方なら、すぐに分かっていただけると思うのですが、店の状況を伝え、自分の伝えたいことを伝え、ということを800字で完結させるというのは非常に難しいのです。

 MS-Wordの標準的な文字の大きさと配置で、A4用紙1枚程度に書いた文章が、だいたい800文字ですので、企業にお勤めの方であれば、「A4用紙1枚以内でまとめてください」という宿題をもらったときが、これに近い状況だろうと思います。

 ダイヤモンド・オンラインに連載中の「千円台で楽しむおとなの居酒屋」も、実は「800文字程度で」というご依頼だったのですが、やってみると、なかなか800文字にはおさまらず、いつも1,000文字程度になってしまっています。

 ウェブ上だからそれでもOKなんでしょうが、紙面の決まった新聞だと、そうはいきませんものねぇ。

「いや、我われは常に何文字という世界ですからねぇ」

 と、事も無げにおっしゃる鈴木琢磨さん。先ほどご紹介した100文字程度の導入部に続いて、2段落目の「で、」という書き出しを使ったりするのも、そのリズムを取るのにいいのだそうです。

「ある程度、形式を決めてしまったほうがまとめ易いんですよ」とのことでした。

 さて、今日取材していただいた内容を題材にした「今夜も赤ちょうちん」。他に大きな出来事がなければ、ここ数週間のうちに、毎日新聞・火曜日夕刊の紙面に登場する予定だそうです。とっても楽しみです。

【その後の顛末】
 7月22日(火)の毎日新聞夕刊「今夜も赤ちょうちん」に「キャプテンと酒場浴」というタイトルの記事を載せていただきました。ご笑覧ください。

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今夜は中野でハシゴ酒 … 「北国」「石松」(中野)

北国


 金曜日。都内での仕事を終えて中野で途中下車。午後6時過ぎのこの時間は、まだとても明るくて、まるで昼間の続きのようです。そんな明るい街なかを歩いて、南口の路地の中にある昭和32(1957)年創業の老舗酒場、「北国」にやってきました。

 午後6時が開店時刻の「北国」は、少し前に開いたばかり。それでも店内は、毎日やってくる常連さんたちで半分くらいは埋まっています。

 去年まで店を手伝っていた、女将さんの姪(めい)のユミさんが、今年から手伝うのをやめたので、店は女将さんひとりで切り盛りという状態ではありますが、そのユミさんが、

「他人じゃないんだから、忙しいときにはほっとけないじゃない」

 と言いながら、ほぼ毎日のようにお客さんとしてやって来られて、女将さんが大変そうなときにはちょっとサポートしたりしてくれるのです。今日もカウンターの奥のほうにユミさんご夫婦の姿が見えます。女将さんがややご高齢なだけに、ユミさんも心配なんでしょうね。

 カウンターの一角に腰を下ろして、まずは瓶ビール(キリン一番搾り大瓶)をもらうと、お通しには削り節がたっぷりとのった冷奴が出されます。

 子供の頃は豆腐は、味がないように感じて、あまり好きではなかったのですが、大人になって酒を飲むようになるにつれ大好物に変身していきました。飲み始めの一品として豆腐が出されると、これだけで立派なつまみにもなるし、お腹にもやさしいしで、まったく言うことなしの肴(さかな)です。

 しばらく飲むうちに、カウンター席は満席になってきました。

 となりのお客さんから、小田原あじ(400円)の注文が入ったので、私もその小田原あじを便乗注文します。小田原あじは、小田原沖で3月から6月ごろに水揚げされるあじなのだそうで、小田原あじという特別な名称がつくほど美味しいあじなんだそうです。

 開いたアジが2枚、熱々で焼きあがってきたところで、飲み物はウイスキー(サントリー・ホワイト)の水割りに切り替えます。ここの水割りには、半月状のレモンスライスが1杯ごとに1個ずつ入れられて、レモンスライスの枚数で何杯飲んだかわかるようになっているのです。

 2時間弱の間に、大瓶ビールとウイスキーの水割りを2杯いただいて、今日は2,150円でした。どうもごちそうさま。

080613a 080613b 080613c
お通しは冷奴 / 小田原あじ / ウイスキー水割り

・「北国」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆


 「北国」を出て、今度は中野駅の北口側に飲み屋街に入り、向かった先はもつ焼きの「石松」です。午後8時過ぎという「石松」にとっては早い時間帯でありながらも、金曜日ということもあってか、すでに店内はほぼ満席で、見知った顔もちらりほらり。

 キープしているキンミヤ焼酎をお茶割りで飲み始めると、すぐに出されたお通しは牛ハツの刺身です。

 「石松」の店主(マスター)は、このところ牛ハツにはまっているらしく、お通しにも牛ハツが出されることが多いのです。しかし、さすがに店主が力を入れているだけあって、この赤身の美しさはどうですか! 6枚並んだ刺身のすべてが、同じ色、同じ肉質で、プリリとその色艶を誇っています。ックゥ~ッ、うまいっ!

 その牛ハツの炙りも作るということで、それにも便乗です。牛ハツの炙りは、ある程度大きなかたまりのままの牛ハツを、そのまま炭火で炙って、それをスライスしたもの。生とはまた違った、炙りならではの食感が楽しめるのです。

 さらには定番の牛ミノや、最近「秋元屋」でも出されるようになった“カシラのアブラ”の元祖・石松版ももらいます。

 入口側に座っている大常連のSさんが、店の奥のトイレに行くついでに、

「今日はクリカラ焼き(230円))があるようなので、絶対に食べたほうがいいですよ。塩もタレも、うまいです!」

 と教えてくれます。それはぜひいただかなければなりますまい。塩とタレで1本ずつお願いします。

 クリカラ焼きは、ウナギの身を皮ごと縦にさいて、くねくねとうねるように串に刺して焼き上げたもの。この形が、倶利迦羅龍王(くりからりゅうおう)という竜が、剣に巻きついている様子に似ているのでクリカラ焼きと呼ばれるんだそうです。

 もしかすると「石松」の店主には、串に刺された肉の中が見えてるんじゃないかと思うくらい絶妙な焼き加減の「石松」のもつ焼きですが、このクリカラ焼きもそれとまったく同様で、まさに絶妙な火の通り具合です。たしかにこれは美味しいや!

 見知ったみなさんたちとワイワイと過ごすうちに、気がつけば10時前。明日も飲み会の予定なので、今日はこのくらいで切り上げますか。どうもごちそうさま。お勘定は1,080円でした。

080613d 080613e 080613f
牛ハツ刺し / 牛ハツあぶり / 牛ミノ

080613g 080613h 080613i
カシラのアブラ / くりから塩 / くりからタレ

・「石松」の店情報前回

《平成20(2008)年6月13日(金)の記録》

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冷奴に塩辛のせて冷酒 … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

冷奴に塩辛のせて冷酒


 都内での仕事を終えて、やってきたのは荻窪の「やき屋」です。前回来たのが4月の終わりだったので、1ヶ月半ぶりくらいでしょうか。なんと、その間に値上がりしたようで、つまみはほぼ全品170円均一。ただし、今度は消費税込みの価格になっていますから、実際の値上げ幅は12円(8%)ほどということですね。もつ焼き「宇ち多゛」の値上げと同じく、『それでも安い』といった感じです。

 ちょうど空いていたカウンターの中央部に立って、まずは瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶、400円)とゲソ揚げ(170円)をもらって飲みはじめると、もともと雨だったのが、よりひどくなり、稲光と雷鳴の間隔もより短く、そして激しくなってきました。

「やぁ、大変だ」

 と、びしょ濡れになりながら飛び込んできたお客さんの話では、三鷹駅かどこかに落雷があって、中央線が止まってしまったのだそうです。やぁ、私もギリギリのタイミングで荻窪までたどり着いたということですね。

 こんな天候ゆえに、「やき屋」の店内もいつもほどは多くなくて、比較的ゆったり気味。とは言っても、ゆるやかに満員状態であることは変わらず、しかもバケツをひっくり返したような雨の上に、ピカピカゴロゴロがものすごい現状では、だれも店の外に出て行くことすらできない感じです。

 こういうときは、腰を据えてのんびりと、ですね。

「冷奴(170円)と塩辛(170円)をください。あと、日本酒(250円)を冷たいので」

 冷奴に、自家製のイカ塩辛をのせて、コップ酒の冷酒です。この呑ん兵衛3点セットで590円というんだから嬉しいですよねぇ!

 ゲンさん(この店の店長)の話では、ここのイカ料理を考案したのは大将(=中野「やきや」の店主)なんだそうですが、その中野の「やきや」では、ミミ刺と塩辛しか出していないというのもおもしろいですよねぇ。イカはもっぱら荻窪で、といったメニュー構成です。

 お酒を飲み干して、外の様子を確認すると、雷雨はずいぶん弱まってきたものの、もうちょっとかな。

 そんなわけで、もう1杯、冷酒(北の誉、250円)をもらって、今度はみそきゅうり(170円)をもらいます。みそきゅうりは、1本のキュウリの端々を落とし、縦に二つに切って、長方形の皿にのせ、横に味噌を添えただけのシンプルな一品。なのに、これが(特に夏場には)人気があるのです。

 2杯目のお酒を飲み終わる頃には、予想どおり雨もあがります。ちょうど1時間の立ち飲みタイム。お勘定は1,580円でした。どうもごちそうさま。

080609a 080609b 080609c
ゲソ揚げと瓶ビール / 新しいメニュー / みそきゅうりと冷酒

店情報前回

《平成20(2008)年6月9日(月)の記録》

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こだわりはプレミアム … バー「エンジェル(ANGEL)」(都立家政)

サージャー上のギネス


 わが家の近くには「ペルル」、「ピュアー」、「アルフォンソ」などを始めとする名バーがそろっていますが、この5月末に都立家政にも新しいショットバーができたということで、今日は、そのバーにやってきました。

 店の名は「エンジェル」と言います。

 この地域でバー好きの方は、沼袋のバー「エンジェル」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。ここ都立家政の「エンジェル」も、その姉妹店で、正式な名称は「バー エンジェル ワンショット セカンド(BAR ANGEL OneShot 2nd)」と言います。中野の立ち飲み屋、「魚屋よ蔵」も同じグループです。

 店内はL字型のカウンター8席のみ。この小さな空間を、この店の店長でもある、若い女性バーテンダーがひとりで切り盛りします。

 背の高い、ちょっとオシャレな椅子に腰を下ろし、まずはジントニック(800円)を注文すると、目の前で「ボンベイ・サファイア」を使ったジントニックが作られていきます。

 そのジントニックを飲みながら、ゆっくりとメニューを確認すると、「マッカラン12年」の800円や、「アードベッグ10年」の700円などは、まずまず普通として、驚くのは年代の高いウイスキー群です。たとえば「バランタイン30年」が1,800円、「ロイヤルサルート21年」が1,500円、「ジョニーウォーカー・ブルーラベル」が1,400円と、他所(よそ)だと数千円くらいするウイスキーが千円台で飲めるのです。

「いいウイスキーほど、相対的に安いんですね。角のハイボールだとか、そういった、安く飲めるウイスキーは置かないんですか」と聞いてみたところ、

「小さなスペースしかないので、いいお酒だけを置きたいんです。それがわかってくださる方がいらしてくださったらいいな、と思ってるんです」というしっかりとした返事が返ってきました。そういう店にしたいと決めて、このエンジェル・グループの社長にも納得してもらって、この店を任されたんだそうです。

 そんな話をうかがいながら、2杯目としていただいたのはギネス(800円)です。ここのギネスは瓶からギネス専用のグラスに注がれたあと、カウンターの中にあるサージャーという機械にのせて、スイッチをオン。ウィーンという小さな音とともに、真っ黒だったギネスの中が茶色く変色しはじめ、ジワァーッとクリーミーな泡がグラスの表面に上がってきます。超音波で泡を立ててるんだそうです。おもしろいなぁ。

 厨房スペースも、カウンター内の狭い空間に限られているため、ホワイトボードに書き出されている本日のおすすめメニューは、ブルーチーズ(700円)、生サラミ(600円)、ガーリックトースト(600円)の3品のみ。これに定番のナッツ(600円)、チョコレート(600円)、ビーフジャーキー(600円)を加えた6品が、この店の今日の全フードメニューです。

 目の前にあるコンビニの照明が、こちらの店内まで入ってきてちょっと明る過ぎるのと、そのコンビニのとなりのゲームセンターから聞こえてくる電子音がちょっと耳障りなところはありますが、こういうプレミアムなお酒ばかりをそろえたバーというのは、この地域にもあまりなかったので、これからが楽しみですね。

 1時間半ほどくつろいで、今日のお勘定は1,600円。チャージなどの別料金は発生しないという明朗会計もうれしいではありませんか。どうもごちそうさま。

店情報

《平成20(2008)年6月6日(金)の記録》

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店情報: バー「エンジェル(ANGEL)」(都立家政)

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  • 店名: BAR ANGEL OneShot 2nd
  • 電話: 03-3330-5753
  • 住所: 165-0033 東京都中野区若宮3-18-4
  • 営業: 17:00-02:00、日休
  • 場所: 西武新宿線・都立家政駅を出て、都立家政商店街を南(大和町、高円寺方面)に約80m左手。店の向かい側にセブン・イレブンあり。
  • メモ: 平成20(2008)年5月26日にオープンしたカウンター8席だけの小さなバー。沼袋のバー「エンジェル」や、中野の立ち飲み「魚屋よ蔵」などを運営するエンジェル系の店のひとつ。公式サイトあり。
    〔ビール〕レーベンブロイ700、ギネス800、〔ブレンデッドウイスキー〕シーバース12y700、バランタイン17y900、バランタイン30y1800、ジョニーウォーカー・ブルーラベル1400、ロイヤルサルート21y1500、〔モルトウイスキー〕グレンリベット・フレンチオーク15y700、マッカラン12y800、タリスカー・ダブルマチュアード900、アードベッグ 10y700、ボウモア・ダーケスト800、ラフロイグ・カスクストレングス800、カリラ18y1000、アイルオブジュラ21y1300、〔バーボンウイスキー〕I.Wハーパー12y700、ベーシルヘーデン800、ワイルドターキー12y800、フォアローゼス・プラチナ800、ブッカーズ900、ブラントン・ゴールド1000、オールドエズラ15y1300、メーカーズマークVIP1300、〔その他〕グラスワイン700、シェリー700、ロングカクテル800、ショートカクテル800~1000など。〔フード〕ナッツ600、チョコレート600、ビーフジャーキー600、本日のオススメ(ホワイトボードメニュー)600~。チャージ/チャーム等なし。(2008年6月調べ)

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満を持してのもつ焼き … もつ焼き「ホルモン」(沼袋)

ホルモン


 今週は出張ウイークで、神戸から呉へと3泊4日で回ってきたのですが、新著「ひとり呑み-大衆酒場の楽しみ」と「東京 居酒屋名店三昧」の最終校正が重なってしまったため、残念ながら、出張先での居酒屋新規開拓はまったくなしで、仕事を終えて移動する新幹線の中でも、滞在中のホテルでも、赤ペン片手に原稿と取っ組み合いの状態でした。

 ホテルの部屋の照明は暗いのですが、フロントに言えばちゃんと電気スタンドを貸してくれるんですね。夕食に行く間も惜しんで、近くのコンビニで買ってきた弁当やカップ麺をすすりながらの校正作業。旅先のホテルでは、比較的、外界と遮断された状態にあるので、非常に集中的な作業がしやすいということを改めて感じたような次第です。

 ただし、こういう校正などには向いてますが、新しい文章を作るなどの、レファレンス(参考図書類)が必要な作業のときはつらいですね。こういう場合は、そういうレファレンス類の多い自分の部屋のほうが向いているように思いました。

 帰りの新幹線車中までびっちりと作業をした結果、最終校正も無事に終了。WAVE出版分は自宅に帰る道すがら、つい先ほどご担当のNさんにお渡しし、東京書籍分も明日にでもご担当のYさんに郵送するのみ、という状態になりました。

 そんなわけで、「よしっ、今日はゆっくりと飲むぞ!」と鼻息も荒くやってきたのは、沼袋のもつ焼き屋、「ホルモン」です。

 金曜日、午後9時前の店内は、すでにピークを過ぎたのか8割程度の入り。この店は10時までの営業なので、残り1時間ほどしかありません。急げ急げ。

 ちょうど空いていた焼き台横の席に陣取って、まずはビール(サッポロラガービール大瓶、490円)に、すぐに出る料理であるお新香(100円)と煮込み(290円)を一気に注文します。

「今日は、ちょい焼き(レバとコブクロ)が売り切れたんですよ」

 煮込みを出してくれながら、店主(マスター)がそう教えてくれます。

「それじゃ、タン、ハツ、カシラを1本ずつ、塩でお願いします」(もつ焼きはそれぞれ1本100円)

 と、嫌いな人はまずいないと思われる、無難な塩焼きトリオから入ると、「今日はタンモトとハツモトもありますよ」と、それも出してくれました。この時間にやってきても、ときどきレアな部位が残ってることがあるのです。しかしながら、これまた好物のヒモ(シロ)とオッパイは売り切れでガックリ。やっぱり早い時間に来なきゃね。

 飲み物を焼酎の梅割り(210円)に切り替えて、今度はヒラ、アブラ、ナンコツをタレで焼いてもらいます。

 ヒラは、ヒモ(腸)とテッポウ(直腸)との中間的な部分なんだそうで、食感的にもヒモの強い弾力感と、テッポウの柔らかさを持ち合わせています。アブラやナンコツは、塩でいただくことが多いのですが、タレ焼きもまたいいですねぇ。

 焼酎(210円)をおかわりして、最後にガツ、テッポウ、ウズラを醤油味で焼いてもらいます。

 「秋元屋」の醤油焼きは、素焼きで焼き上げて、最後にさっと醤油をかけるスタイルですが、ここ「ホルモン」では、最初から醤油を付けて焼き始め、串を返すときにもまた醤油を絡めていく焼き方で、醤油の芳ばしい香りが食欲をそそります。ガツ、テッポウもさることながら、こうやって焼いたウズラの玉子がまたいいんですよねぇ!

 閉店時刻の午後10時がやってきて、お客さんたちもみなさんお勘定。1時間ちょっとの滞在は2,200円でした。どうもごちそうさま。久しぶりのもつ焼き、久しぶりの焼酎梅割りが身体に染み入るようでした。

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煮込みとお新香 / 焼き台の様子 / タン、カシラ、ハツ、タンモト、ハツモト(塩)

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アブラ、ヒラ、ナンコツ(たれ) / 焼酎梅割り / テッポウ、ガツ、ウズラ(醤油)

店情報前回

《平成20(2008)年6月6日(金)の記録》

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店名変更になりました … 東北料理「みちのくらさん」(西荻窪)

新じゃがのみそ煮、山形・玉こんにゃく、たけのこ炊き合わせ


 「ひとり呑み-大衆酒場の楽しみ」の仕上げに向けた打ち合わせを、WAVE出版編集のNさんと阿佐ヶ谷の「川名」で行ったあと、二次会としてやってきたのは西荻窪駅南口のすぐ近くにある、東北料理をベースにした創作料理のお店、「みちのくらさん」です。

 「みちのくらさん」は、もともと「くらのすけ」としてオープンしたのですが、同名のチェーン店が商標を登録しているということで、店名を「みちのくらさん」に変更したのだそうです。

 開店してまだ5ヶ月くらいしかたっていないので、今、店名変更しても大きなダメージはないだろうと思いますが、看板の書き直しなど、想定外の出費を強いられるのが残念ですね。

 宮城の「阿部勘 特別本醸造」(正一合、650円)を燗でもらって、お通し代わりの本日の大皿料理(3品で750円)は、新じゃがのみそ煮、たけのこ炊き合わせ、山形・玉こんにゃく、仙台・長なす、仙台・笹かまぼこ、きくらげとゴボウの旨煮、あぶりししゃも、焼みその中から、頭の三品を選びます。

 筍(たけのこ)の炊き合わせの中に入っている、プリッとした脂状のものは「セシカラ」という、宮崎特産の豚の皮なのだそうです。豚の皮とはいっても、ラードを取るために煎ったあとの「煎じ殻(せんじがら)」で、それが「セシカラ」という名前の由来になったとも言われているそうです。

 燗酒(阿部勘・特別本醸造)をおかわりしつつ、次にもらったのは「自家製ハム(コンポーク)」(550円)と、「仙台麩(ふ)の卵とじ」(550円)です。

 自家製ハム(コンポーク)は、豚肉のかたまりにじっくりと火を通して作ったものだそうで、拍子木状にカットして、ポテトサラダを添えて出してくれます。

 仙台麩の卵とじのほうは、大きな仙台麩を4切れ、キャベツとともに煮汁で煮て、最後に玉子でとじた一品。前回、ほかのお客さんが食べてるのを見て、次に来たときはぜひ食べようと思っていたメニューです。熱々のフワフワがいいですねぇ。

 さらに燗酒をおかわりし、次にもらったのは珍味・ハムユイ(450円)です。これは香港魚のアンチョビなんだそうで、お酒が進みます。

 そして栃木県の川田農園から届けられる野菜で作った「農園便り」のお新香は、キュウリとキャベツ。これもまたお酒が進みます。

 その後、Nさんの友人がやっているという、これまた西荻窪駅近くのバル「ガティータ」でワインなどを軽くいただいて終了。このバーも、地元のみなさんたちでけっこう人気があるようで、それほど大きくない店内はお客さんたちでいっぱい。飲み物が450~700円程度で、食べ物もオリーブ2種(アンチョビ、パプリカ)の350円から始まって、新じゃがのポテトサラダやトルティージャ(スペイン風オムレツ)が400円など、400~600円台のものが多くて安く感じます。ここもまた今度、じっくりと来てみたいお店です。

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自家製ハム(コンポーク) / 仙台麩の卵とじ / ハムユイ

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お新香 / 「ガティータ」の外観 / 店内の様子

・「みちのくらさん」の店情報前回

《平成20(2008)年5月31日(土)の記録》

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〔コラム〕 東京 居酒屋名店三昧

「東京 居酒屋名店三昧」


 つい先日、新著「ひとり呑み ~大衆酒場の楽しみ~」(WAVE出版)をご紹介させていただきましたが、さらにもう1冊。今度は、「jirochoの居酒屋大好き!」のjirochoさんこと石原誠一郎(いしはら・せいいちろう)さん、「築地市場を食べつくせ!」の築地王こと小関敦之(こせき・あつし)さん、「酔わせて下町」のFさんこと藤原法仁(ふじわら・のりひと)さんと私の4人で共著の居酒屋ガイドブック、「東京 居酒屋名店三昧」です。この本は東京書籍から7月22日発売予定で、定価は1,365円(本体1,300円+税)です。

『今宵も、至福の時間を。
 東京の一度は行ってみたい居酒屋の名店を、出版やブログなどで活躍する居酒屋の達人4人が巡り、紹介したガイドブックです。
 今日も一日お疲れさま。これから一杯のお供にどうぞ。』

 という「東京 居酒屋名店三昧」は、築地王・小関さんが「東京ランチレボリューション」(東京書籍)を出版された直後に、「居酒屋でも同じような本が作れないだろうか」と、同書を出版した東京書籍の編集のYさんに働きかけてくださったのがきっかけでした。

 「東京ランチレボリューション」は、築地王・小関敦之さんを筆頭に、OL美食特捜隊のみなさん、ラーメンの大崎裕史さん、カフェの川口葉子さん、美食の王様・来栖けいさん、カレーの水野仁輔さん、うどんの蓮見壽さん、焼肉のYAKINIQUESTのみなさん、B級グルメ・柳生九兵衛さんという、マスメディアやインターネットなどで活躍中のフードライターのみなさん10人が共著された1冊。

 これと同じような居酒屋本を、と小関さんと、東京書籍のYさんから声をかけていただいて、その場でjirochoさん、Fさんにもご連絡をとったところ、おふたりからもご快諾をいただいて、この本の出版企画が決定。これが、今年の正月早々の話でした。

 それ以来、ときどき集まったりしながら、掲載候補店の洗い出しを行って、我われ執筆班は店の紹介記事を書き、写真班と取材班の方々はそれぞれ店に出かけて写真撮影と、飲み物や料理の値段、営業時間などを調べてきてくれてと、それぞれが短い時間のあいだに原稿を仕上げていったのでした。

 かなりご苦労されたのは、取材の許可取りを行ってくれた方のようです。

 「東京 居酒屋名店三昧」では、これまであまり本に載ったことのないような下町大衆酒場などもリストアップされていたため、お店のほうも取材依頼を受けるのが初めてというところもあったようです。だから、「すみません」と電話で事情を話し、取材のお願いをしても「間にあってます」とガチャ切りされたりしたところもあったのだそうです。

 掲載されているのは東京23区内の居酒屋ですが、大まかに地域で分けた場合、東京の南東部をjirochoさんが、そこから時計回りに南西部を築地王さんが、北西部を私が、そして立石・北千住などを有する北東部をFさんがという切り分けになっていますが、そのエリアに限ったわけではなくて、ときどき他の地域の酒場も担当しているのがおもしろいところ。それぞれの記事に、その担当者のネット上の特徴が表れていたりしますので、そのあたりもお楽しみいただければありがたいです。

 それにしても、同じ趣味を持つネット上の人たちと、いつかはコラボレーションした本を出してみたいなぁ、という漠然とした思いはあったのですが、こんなにも早く実現しようとは! 企画いただいた築地王・小関さん、東京書籍のYさん。そしてお忙しい中にも関わらず、共著いただいたjirochoさん、Fさん。本当にありがとうございました。

 今月は、「TOKIO古典酒場」シリーズで毎回対談している橋本健二(はしもと・けんじ)さんも「居酒屋ほろ酔い考現学」(毎日新聞社、1,575円)を上梓されるなど、にわかに新酒場本月間となっています。

 読み物としての「酒場百選」「ひとり呑み-大衆酒場の楽しみ」と合わせて、オールカラーのハンディ(四六変型判)なガイドブック「東京 居酒屋名店三昧」も、ぜひよろしくお願いいたします。

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古典酒場巡り・3軒目 … 大衆酒場「兵六(ひょうろく)」(神保町)

「兵六」


 「TOKIO古典酒場」の美人編集長と巡る、東京古典酒場ツアー。3軒目は神保町(じんぼうちょう)に移動して、1軒目の「河本」で合流した荒木又右衛門さん、呑んだフルさん、おふたりが行きつけの「兵六」です。

 「兵六」もまた、昭和23(1948)年の創業以来、今年で60年になるという老舗です。

 「兵六」の歴史については、前回の記事に書いたとおりで、現在は三代目となる柴山真人氏が店を引き継いでいます。

 そろそろラストオーダーという、午後9時半の店内は、月曜日ながらお客さんが多く、我われも、又右衛門さんと、残る3人に分かれて、丸太棒を2本渡した長椅子に腰をおろします。

 飲み物には芋焼酎(薩摩無双)のお湯割り(650円)をもらい、つまみにはオニオンスライスや、つけ揚げ、赤かぶ漬けなどをもらいます。フルさんがオニオンスライス好きなので、先ほどの「大坂屋」でもそうでしたが、オニオンスライスがある店ではほぼ必ずといっていいくらいオニオンスライスを注文するのでした。

 ここ「兵六」には、初代店主・平山一郎氏が作ったという「兵六憲法」があります。

一.居酒屋兵六に於いては店の女がお客にお酌する事を厳禁す。

 今も、酒を注いでくれるのはカウンター中央部にある店主席に座る三代目店主であるように、「兵六」では、女性客が来店することがあっても、客に応対するのは男に限られているのです。

一.葷酒山門に入るを許さずとは反対に、居酒屋兵六の山門内ではアルコール抜きの飲物は一切売るを許さず。

 これについては、平山一郎氏自らが書かれた文章(心意気)が素晴らしいので、そのまま引用させていただきます。

『お茶やお冷やと同様、御代さえ頂かなければジュースやサイダー等サービスすることは自由という訳です。商売というものは、絶対売買してはならぬものがある事を知らない商売人は、必然社会の痛烈な侮りを受ける事を覚悟せねばなりません。その店の風格を決定するものは案外無料サービスの一杯のお茶であることが多いかも知れません。』

一.宣伝広告は必要止むを得ざるもの以外厳に慎む様心掛ける事。

 自己宣伝はすべきでなく、いかに商売とはいえ過大広告はしてはダメだというもの。

一.兵六店内の大掃除は遠慮す可き事。

 これもおもしろくて、実は昭和23年創業の「兵六」は、『何とかして神田の下町の一軒の居酒屋に大正時代の雰囲気を残したい』というコンセプト(平山氏は「念願」という言葉を使っています。)で、店内では蛍光灯を使用せず、不便でも電話は置かず、また冷暖房等は一切使用禁止ということを守り続けているんだそうです。『大掃除はするな』というこの憲法は、その『大正時代の雰囲気を壊すな』という意図のようです。

 今、平成の世の中に、昭和レトロをねらった酒場が出てきているのと同じように、創業当時の「兵六」は大正レトロをねらった酒場だったんですね。しかしながら、それを60年も貫くうちに、これが「兵六」独自のスタイルとして、きっちりと定着しています。

一.清酒は地酒の二級酒に限り特級や一級酒は絶対に置かぬ事。

一.洋酒、泡盛等は御遠慮申上げる事。

一.日本の代表的な酒である蒸留酒の焼酎を皆に再評価して頂く様大いに宣伝する事。

 この3つの条項に従って、今も「兵六」では、芋・麦・米の3種類の焼酎のほか、日本酒は「美少年」の普通酒(昔の二級酒)とビール(キリンラガー大瓶)を置いているのみです。

 『清酒は地酒の二級酒に限り』というのも時代を反映していておもしろいですね。当時は一級以上は自己申告制で、認められれば等級が与えられる代わりに税金も高くなるという世の中だったので、「そんなくだらないもののために、高い酒を入れるな」ということだったんだろうと思います。今の時代なら、どういう条項にしていたでしょうか。

一.居酒屋兵六は半分は店主のものであるが半分は社会のものと心得置く事。

 この最後の条項が素晴らしいですよねぇ! 長らく海外(上海)で生活してきた平山一郎氏ならではの酒場感だろうと思います。英国のパブなどと同じように、「酒場はパブリックスペースである」という考えが根底にあっての、この条項なのではないでしょうか。

 そしてまた、これら「兵六憲法」の各条項が、今も守られ続けていることがすごいことだと思います。

 そろそろ閉店時刻(午後10時半)も近くなって、このあたりでお勘定をすると、こちら側に座った3人の分は3,250円(ひとりあたり1,080円ほど)でした。どうもごちそうさま。

 さて、せっかく編集長とご一緒させていただきましたので、「TOKIO古典酒場」の情報も少し。昨(2007)年4月に、第一弾の「TOKIO古典酒場」が登場して以来、数ヶ月ピッチで、第二弾「TOKIO古典酒場-昭和下町和み酒編」、第三弾「TOKIO古典酒場 闇市・横丁編」、第四弾「TOKIO古典酒場 沿線酒場〈京成・世田谷線〉編」と続編が出版され、通算5巻目となる次号は、今年9月に発売予定だそうです。その中で「ホッピー酒場の南限・北限を探る!」として、北限・北海道でホッピーが呑める酒場情報も募集しているそうですので、情報をお持ちの方はご協力をお願いします、とのことでした。(詳細はこちら。)

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芋焼酎「無双」 / オニオンスライス / つけ揚げ / 赤かぶ漬

店情報前回

《平成20(2008)年5月26日(月)の記録》

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古典酒場巡り・2軒目 … 煮込み「大坂屋(おおさかや)」(門前仲町)

焼酎と牛煮込み


 木場の「河本」をあとに、「TOKIO古典酒場」の美人編集長と、「河本」で合流した荒木又右衛門さん、呑んだフルさんと4人で、テクテクと酔い覚ましをしながら向かったのは、大正13(1924)年創業の、牛にこみの名店「大坂屋」です。

 所用により、1週間ほどお休みしていた「大坂屋」。ちょうど今日から再開です。

「こんばんは。4人です」

「大坂屋」の店内は、入口右手の煮込み鍋を囲むように弧を描くカウンター6~7席のほかに、入口左手の壁に作りつけられたカウンターが3~4席程度の、全10席ほど。その10席がびっしりと満席です。

 しかし、ちょうど鍋前のお客さんがお勘定をしているところに加えて、常連さんが奥の茶の間に移ってくれて、カウンターの前に4席分の空席が登場です。どうもありがとうございます、みなさん。

 狭い狭いこのお店ながら、お客さんがやってくると、なんとか入れてくれようと、女将さんをはじめ、お客さんたちも一緒に動いてくれて、空席を作ってくれるのです。どうしても入れないときや、煮込みが終了したときも、ちゃんとそう言ってくれます。

 4人で焼酎(390円)のロックをもらって、さっそく煮込み(1本120円)をひとり3~4本ずつほど取ってもらいます。

 ここの煮込みは、とにかくコクが素晴らしい。グツグツと煮える汁(つゆ)の甘み、シロの裏についたたっぷりのアブラ。1度食べるとクセになります。

 とはいうものの、昔、すぐ近くに勤めてたときには数回しか来たことがないんですよねぇ、このお店。当時は今のように、ひとりで飲んだりしてなくて、会社の仲間たちと飲み歩いてたから、10席ほどしかないこのお店には、まず入れなかったのです。今にして思えば、残念なことをしたなぁ。

 そして、このコクのある煮込みを、より楽しむことができるのが玉子入りスープ(320円)です。

 注文を受けてから煮込み鍋の中で半熟状態に仕上げてくれた玉子を、煮込み汁とともに小鉢にもってくれるのが玉子入りスープ。そのまま玉子を食べても、もちろん美味しいのですが、おすすめなのは半熟卵を軽くつぶして、そこに串からはずしたモツを入れて、まぶして食べるというやり方。絶対にやみつきになります!

 今日は、再開直後だったので、煮込みは少なめにしか仕込んでなかったのだそうで、午後9時前には売り切れます。しかし、今日ははじめていただくオニオンスライス(300円)にありつけて、ラッキーでした。これで、この店のメニュー、全品制覇だ。

 そうそう。茶の間で客さんが飲んでるところも、今日、はじめて見ました。今日は何だか、はじめて尽くしですね。

 1時間ちょっとの滞在は4人で6,210円(ひとり1,550円ほど)でした。どうもごちそうさま。

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オニオンスライス / 玉子入りスープ / 玉子を崩して、煮込みを絡めて

店情報前回

《平成20(2008)年5月26日(月)の記録》

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古典酒場巡り・1軒目 … 大衆酒場「河本(かわもと)」(木場)

ホッピーと煮込み


 「TOKIO古典酒場」の美人編集長から、木場の「河本」に行ってみたいというお話をいただき、今日は「河本」です。

 地下鉄東西線・木場駅の出口で待ち合わせて、とことこと歩いて「河本」に到着すると、まずそのたたずまいにびっくりされる編集長。のれんこそ今年新調したばかりですが、建物は東京大空襲で焼けたあと、昭和21(1946)年に建てられた、今年で築62年という古い(失礼!)ものですからねぇ。

 ちなみに「河本」について詳しく書かれた「深川的日常」によりますと、「河本」は昭和7(1932)年に甘味屋として創業し、戦後、昭和21年の建て替えのときからお酒を扱うようになったのだそうです。したがって、創業76年でありながら、酒場としての歴史は建物と同じく62年なんですね。

 青いのれんをくぐって店内に入ると、月曜日ながら、午後6時過ぎの「ン」の字カウンターは8~9割方の入り。我われも「ン」の字の右端の、ちょうどカウンターが切れた辺りに陣取ります。(なお、「ン」の字の上側にあたる、壁際の直線カウンターが大常連さん席です。)

 ここに来たら、なにはさておき、まずはホッピー(300円)ですね。なにしろ、昭和23(1948)年に東京赤坂で「麦酒様清涼飲料水ホッピー」が開発販売されると同時に、この店でホッピーを扱うようになったというのだから、元祖中の元祖です。

 そして、肴(さかな)は、これまた「河本」名物の、にこみ(300円)です。ゆで玉子入りの、にこたま(にこみ玉子入り、300円)をもらいます。

 少なくとも私がこの店を知って(8年ほど前)からは、にこみはズゥーッと200円だったのですが、世の物価上昇のあおりを受けたのか、前回から300円に値上がりしたのでした。

 ホッピーも、私が知ってる間は、ずっと300円だったのですが、こちらも、ホッピー自体(いわゆるソトの部分)の値上がりを受けて、6月2日から400円に値上がりするんだそうです。

 やっこさん(小が100円、大なら200円)や、かけじょうゆ(400円)の値段は変わっていないようですので、どうしても値上げしないといけない品物だけ、限定的に値上げしたんですね。

 ガタピシと入口引き戸が開いて入ってきたのは、酒友・呑んだフルさんです。ちょうど空いていた私のとなりに座り、ホッピーにシメサバ(400円)です。平日にやってくると、こういう生もののラインナップが充実してていいですね。よくやってくる土曜日は、生ものは置いていないことが多いのです。

 カウンターの数人向こうには、「兵六」常連の荒木又右衛門さんの姿も見えます。我われが入るより前から、その席で飲んでたようです。

 こうやって打ち合せたわけでもないのに、呑ん兵衛たちがそろってしまうお店というのも素晴らしいですよねぇ。「宇ち多゛」や「秋元屋」「川名」などでも、よくこういう現象が起こります。

 編集長が、これまた名物である、やっこさんを大(200円)で注文したところで、追いかけるように塩辛(200円)ももらいます。

 やっこさんというのは冷奴のこと。小(100円)で半丁分の冷奴が出され、大(200円)なら、それが2個分、ちょうど1丁分の冷奴となるのです。添えられた醤油でいただくのも、もちろん美味しいのですが、個人的には塩辛をのせて、一緒に食べるのがとっても好きなのです。

「なるほど。これも美味しいですね」

 とニコニコと喜んでくれる編集長は、お酒を飲んでるときには、いつもすごく幸せそうな満面の笑顔。まさにこの編集長にして「TOKIO古典酒場」あり、って感じなのです。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在は、二人で2,200円(ひとりあたり1,100円)でした。どうもごちそうさま。

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新しいのれん / シメサバ / 塩辛と奴さん(大)

店情報前回

《平成20(2008)年5月26日(月)の記録》

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名物・つぶ貝の塩焼き … 寿司「魚がし寿司(うおがしずし)」(都立家政)

つぶ貝の塩焼き


 西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅のすぐ近くにある、地元で人気の寿司屋が「魚がし寿司」です。出前などはやっておらず、夕方から開店する店内で飲み食いすることができるだけ、というシンプルな営業スタイルながら、その店内はいつも満席状態なのです。

 土曜日、午後8時の店内も予想どおりほぼ満席。なにしろカウンター10席程度分しか席がありませんからねぇ。しかしながら、ちょうど二人連れのお客さんが帰ったところなのか、カウンター中央部にポカンと二つ、空席があり、そこに座ることができました。

 お店はカウンターの中で寿司をにぎる店主と、ホールを担当するおかみさんの二人で切り盛り中。席に座るとすぐにお絞りを持ってきてくれるおかみさんに、燗酒(500円)を湯飲みでもらって、肴(さかな)には、この店の名物メニューのひとつ、つぶ貝の塩焼き(600円)を注文します。

 ちょうど昨日(2008年7月7日)くらいから書店に並び始めた新著「ひとり呑み」の中で、酒場をジャンル分けしているところがあります。その中では、寿司屋を「専門料理」というジャンルにしました。このジャンルには、ほかに、おでん屋、そば屋、天ぷら屋、うなぎ串焼き屋などが入ります。

 寿司屋で酒を飲むというのは、今ではごくごく当たり前の風景。もとは江戸時代の呑ん兵衛が、握り寿司のネタの部分だけをつまみに飲みはじめたらしいのですが、現在はつまみ用のメニューを別途用意している店のほうが多いくらいですね。

 ここ「魚がし寿司」にも、握りとは別に専用のおつまみメニューが張り出されています。今日は、今いただいている、つぶ貝の塩焼きのほかに、シマアジの刺身(700円)、生ダコ刺身(700円)、カツオ刺身(700円)、ホタルイカおつまみ(400円)などが並んでいます。

 ホタルイカのおつまみ、というのにもちょっと引かれつつ、シマアジの刺身を注文し、お酒(500円)もおかわりをもらいます。

 こうやってつまみでもらったときは、普段、刺身をつまみながら飲むときと同じように、ゆるりゆるりと食べればいいのですが、握り寿司そのものをつまみに飲むときは、寿司が出ると同時に、間髪をいれずにそれを食べて、食べ終わってから、次の握りをもらうまでの間に飲むのがいいように思います。

 シマアジの刺身に続いては、コハダ(1個100円×2個)と、穴子(1個150円×2個)を握ってもらいます。ここに来ると、この2品は必ず食べてますねぇ。大好きなネタです。

 1時間強の滞在は、2,800円でした。どうもごちそうさま。

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シマアジ刺身 / 小肌にぎり / 穴子にぎり

店情報前回

《平成20(2008)年5月24日(土)の記録》

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飲むだけの利用もあり … インスタントラーメン「さくら」(新井薬師前)

赤いウインナーと沖縄シークワーサー


 インスタントラーメンの「さくら」にやってきました。国内外、各地のインスタントラーメンが280~380円ほどで食べられるお店として有名ですが、もとは居酒屋だったので、お酒を飲みにくるお客さんも多いのです。

 土曜日、午後6時半の店内には先客はふたり。それぞれ年配の男性ひとり客で、ふたりともサワー(400円)を片手に、カウンター内に置かれたテレビを見ながら、ゆっくりと過ごしています。ふたりともラフないでたちで、いかにも近所の常連さんといった風情。

 私も沖縄シークワーサーサワー(400円)をもらって、つまみには赤いウインナー(300円)を注文します。

 飲み物は、青りんご、レモン、グレープフルーツ、沖縄シークワーサー、ウーロン、緑茶割り、紅茶割りというサワー類がそれぞれ400円のほか、ファイト1発割りや、コーヒー割り、イモ焼酎、生ビール、日本酒がそれぞれ500円というラインナップ。

 つまみも、はくさい漬、冷やっこ、赤いウインナー、ピスタチオ、冷やしトマト、柿ぴー、ほうれん草のおひたし、ネギチャーシュー、タコぶつ、青い卵の玉子焼き、おかかチーズ、杏仁豆腐がそれぞれ300円のほか、おでんが1品100円、そして缶詰類が1個200円です。

 今日、店を切り盛りしているのは、さくらママではなくて、マサミさん。

 「さくら」は2年前(2006年1月)にオープンした、まだ新しいお店ですが、「全国各地のインスタントラーメンが食べられる」というコンセプトが大当たりして、今や都内に4軒(ここ本店と、南砂店、秋葉原店、練馬光が丘店)のほか、対馬店(長崎県)、所沢店(埼玉県)、小山店(栃木県)、大阪日本橋店(大阪府)、熊本店(熊本県)にもフランチャイズ展開。全国9店舗の規模を誇るお店に成長しているのです。

 「さくら」で食べられるラーメンは、一番安いのがチキンラーメンの190円。ネギと玉子をトッピングしてくれます。普通のラーメンは、ほうれん草、メンマ、ネギ、チャーシューを入れてくれて280円。各地のご当地ラーメンは、同じ具材が入って340円か380円。ほかにも、煮たまご、のり、コーン、バター、キムチなどが各50円でトッピングしてもらえるほか、チャーシューW、野菜セットもそれぞれ100円です。

 お土産としてインスタントラーメンを持ち帰る場合には、店内で食べて280円のものは100円。340円、380円のものは、それぞれ150円、180円で販売してくれます。ラーメンを大盛り(2袋分)で注文したり、おかわりしたりする場合には、2杯目はお土産価格と同じなんだそうです。

 新しく入ってきたおにいさんは、生ビール(500円)に、つまみは焼きそばの大盛り(280円+100円)を注文しています。

「焼きそばでお酒を飲む人は、けっこう多いのよ」

 とマサミさん。なるほど。焼きそばならば、そのままつまみになりますものね。でも、つまみを注文したのは、私と、このおにいさんだけで、ほかの人たちはグイグイともっぱらサワーだけ。まるでバーのような飲み方です。こうやってお酒を飲んで、最後にラーメンでしめて帰るのかなぁ。

 私のほうは2杯目は紅茶割り(400円)をもらおうとしたのですが、残念ながら品切れ。かわりに緑茶割り(400円)をもらって、1時間半ほどの滞在は1,200円でした。

「ラーメン、食べまなくてすみません」とマサミさんに断ったところ、

「普通に飲みに来る人も多いのよ。気にしないで」とのこと。今日のような「飲むだけの利用もあり」のようです。

 そうそう。公式サイトによると、「さくら」の新井薬師本店は、6月16日(月)から近くのビルの地下に移転し、営業時間も15:00~24:00に変わるそうですので、気をつけてくださいね。(日曜定休は変わらないようです。)

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「さくら」外観 / メニュー / バックバーにずらりと並ぶインスタントラーメン

店情報前回

《平成20(2008)年5月24日(土)の記録》

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〔コラム〕 やみつきの天玉そば、その理由(わけ)は!?

大船軒の天玉そば


 以前、「天玉そばの食べ方は?」という記事で、「生卵に絡めるようにしながら食べる」という方法をG.Aさんから教えてもらったことをご紹介しましたが、それ以来、すっかりこの食べ方にはまってしまい、平日はほぼ毎朝、生卵に絡めて食べる天玉そばを食べているような状態になってしまっています。

「なんでこんなにもはまってしまったのかなぁ」

 と思っていたところ、その答えは図書館で偶然借りた「コクと旨味の秘密」(伏木亨)の中にありました。

 コクというのは、簡単に言うと、栄養素そのものの味わいのことで、豊富な栄養素を含むものにはコクがある。全体としては非常に複雑な構成となるコクですが、そのコアになるのは糖と脂肪とダシのうま味の三要素なんだそうです。

 これらは生命維持のための血糖維持、カロリー補給、タンパク質合成に直接つながる重要な栄養素なので、それらが最も美味しいと思うのは動物の本能です。それらを食べると、「いいものを食べたぞ」ということで、脳からドーパミンやβエンドルフィンなどのご褒美(ほうび)物質が出されるんだそうです。つまり、麻薬を摂取したときと同じような陶酔感や快感が生み出されるわけですね。

 塩や水も、生命維持のために必須のものですが、取れば取るほどいいというものではなくて、ちょうどいい量というのがあって、それ以上は欲しいとは思わないようになっているんだそうです。だから脳からのご褒美物質も出されません。

 一方でコクのほうは、十分に満ち足りた状態であっても、脳からご褒美物質が出され続けますから、いくらでも食べたくなってしまう。つまり「やみつき」状態になるんですね。これが満腹でも食べられる「別腹(べつばら)」という言葉にもつながっているんだそうです。

 振り返って天玉そばを見てみると、まずしっかりとしたダシに、関東風に醤油と砂糖(=糖分)で甘辛く味つけた汁(つゆ)。かき揚げ天ぷらの油分。まさにコアのコクの三要素の揃い踏みです。

 そして極めつきは生卵。卵はそれだけで雛(ひな)が育ったり、稚魚が育ったりすることのできる、濃縮された完全栄養食品。まさにコクのある食材の代表格なんだそうです。

 さらにその生卵を、そのままツルリと食べるでもなく、すっかり汁に溶かして食べるでもなく、黄身をつぶして絡めながら食べるという、なんだか中途半端なこの食べ方。

 この「不均一」というのもまた、コクの要素のひとつなんだそうで、成分をわざと均一にしないことで、口の中で、さまざまな味のバリエーションが楽しめることが、コクに拡がりを持たせてくれるんだそうです。

 しかも、混ぜてしまわないことで、最初のうちは黄身そのものをたっぷりとまぶして食べることになるので、濃厚なコクがそのまま入ってきますもんね!

 なるほどこれが毎朝、天玉そばを食べ続けてしまうことの科学的理由だったのか。本能に導かれるままに天玉そばに向かっていたというわけですね。

 答えが分かって少しは安心したものの、この毎朝の天玉そばによって、確実に体重が増加傾向なのが困りもの。しかも生卵が混ざった汁(つゆ)をすするので、塩分も取り過ぎだ。どこかでこの「やみつき」状態を断ち切らなければ!

社食のちくわ天玉そば 武蔵野の天玉そば 社食の天玉そば
かしわ玉子うどん ちくわ天玉そば 広島駅の天玉うどん

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専門店で食べる焼き鳥 … 焼き鳥「鳥久(とりきゅう)」(阿佐ヶ谷)

「鳥久」


 もつ焼きも好きだけど、純粋に鶏を使った焼き鳥も好き。特に専門店で食べる焼き鳥には独特の味わいや食感があって、ときどき無性に食べたくなる品のひとつです。

 今日はJR中央線・阿佐ヶ谷(あさがや)駅のすぐ近くにある「鳥久」にやってきました。

 いつも満席状態が続く「鳥久」。今日は絶対に入れるように、午後5時の開店時刻をねらって入店したのですが、同じタイミングで入った同好の士が、私以外にも3人。それぞれ一人客というのがおもしろいですねぇ。

 他の食べ物だと、何人かでいって、いろんな料理をシェアしながら食べるというのも楽しみのひとつなのですが、焼き鳥やもつ焼きの場合には、1本ずつ注文可能なお店であれば、ひとりでもいろんなものが食べられますもんね。ひとり呑みに適した肴(さかな)と言えると思います。

 そんなわけで、8席分しかないカウンターは、開店と同時に半分が埋まり、カウンター後方のテーブル2卓を含む残りの席も、開店30分以内にすっかり埋まったのでした。雨の日にもかかわらず、相変わらずすばらしい集客力です。

 まず瓶ビール(サッポロ黒ラベル大瓶、570円)をもらうと、おかみさんが一緒に出してくれたお通し(170円か?)はキュウリとミョウガがトッピングされた冷奴。これはさっぱりとしていいですねぇ。

 カウンターの中から店主が「なにを焼きましょう?」と笑顔を見せてくれます。店は店主夫妻で切り盛り中。ご主人が焼き台を、おかみさん(奥さん)がそれ以外の全般を担当されているのです。

「しんぞうと、くび肉焼き。それと、つくねと、ればをお願いします。つくねと、ればはタレで」

 しんぞう(120円)は鶏の心臓。1串に、ざっくりと二つに切り分けた心臓が3切れです。くび肉焼き(130円)は、せせりとも言われる部分で、鶏の首の肉を集めたもの。ジューシーな食感がたまりません。

 つくね(120円)は肉団子串。ここのは1度カリッと揚げてから焼き上げたもので、予想どおりタレ焼きがよく合います。(タレ焼きがいいんじゃないかと思った話はこちら。)

 ればも、ここのは鶏のレバー(肝臓)。大き目の塊のまま串に刺して焼き上げています。牛や豚などと同じく、新鮮な鶏のレバーはまったく癖もなくて、じっくりとレバーの持つコクが味わえます。

 レバーが苦手な方は、ぜひ焼き鳥専門店や、もつ焼き専門店の爆発的に新鮮なレバーを味わってみてください。「本当にこれがレバーなのか!」とびっくりするとともに、「これなら食べられる」と思うに違いありません。レバーに限らず、内臓肉全般は専門店で食べることをおすすめします。味が全く違います。

 このあたりで、最初に一緒に入ったお客さんたちが、ひとり、またひとりとお勘定をして席を立っていきます。時間にして40分ほど。ちょっと刺身(これも鶏の肉や内臓)をつついて、焼き鳥を食べてといったところ。なかなか粋な飲み方ですね。

 私も最後に、さつま鶏(170円)と伊達鶏(220円)を焼いてもらいます。これらは、タレ・塩は聞かれず、普通は塩焼きで仕上げられます。

 さつま鶏は、皮付きの大ぶり肉が3切れ。伊達鶏は、それよりは少し小ぶりながら、しっかりとした食感の肉が4~5切れ。地鶏は、身そのものの味わいが濃いのがいいですねぇ。

 1時間弱の滞在は1,620円でした。やぁ、おいしかった。

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しんぞう、くび肉焼 / つくね、れば / さつま鶏、伊達鶏

店情報前回

《平成20(2008)年5月24日(土)の記録》

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いつも変わらぬ安心感 … 酒亭「武蔵屋(むさしや)」(横浜市・桜木町)

武蔵屋


 久しぶりの野毛。久しぶりの「武蔵屋」です。

 2月末から一時休業していた「武蔵屋」が、営業を再開したのはゴールデン・ウイーク明けの5月7日(水)。再開を待ちわびていた「武蔵屋」ファンが、どっと繰り出したのでした。

 そろそろ、再開後の混雑も緩和してきたかな、と思いながら「武蔵屋」に到着したのは午後7時過ぎ。ガラリと引き戸を開けると、カウンターもテーブル席も、あふれんばかりに満杯です。うーむ。まだまだ多かったか。ちょっと一回りしてくることにして、いったん店を出ます。

 そして向かったのは「ホッピー仙人」。野毛にやって来ると立ち寄らないわけにはいかないお店で、今日も「武蔵屋」のあと2軒目は「ホッピー仙人」に行こうと、もともと計画していたのです。順番が逆になっちゃいましたね。

 その「ホッピー仙人」も、もちろん満席。ただし、こちらはカウンターに座るみなさんの後ろに立って飲むことができるので、さっそくホッピー(500円)を1杯。

 午後8時過ぎに、再び「武蔵屋」に行くと、今度はカウンターにもテーブル席にも空きがあり、久しぶりにカウンターの一番奥、燗付け場の前に座って、燗酒からスタートです。

 ここ「武蔵屋」には特にメニューはなくて、最初から燗酒を飲むか、その前にビール(大瓶、小瓶が選べる)を飲むかを選ぶだけ。つまみも自動的に玉ねぎ酢漬け、おから、たら豆腐が出され、2杯目の燗酒で納豆が、3杯目の燗酒でお新香が出されて終了です。

 つまみが足りない人は、コハダ酢や煮貝などの料理を追加することもできますが、お酒は、どれだけ常連さんになっても3杯限り。別名「三杯屋(さんばいや)」と言われる所以(ゆえん)は、ここにあります。

 店の営業は午後5時から9時までで、8時半を過ぎると入口に鍵がかけられ、新しいお客さんは入ってこれなくなります。こうなってくると、お店の中もゆったりモード。

 カウンターの一番奥の席は、おばちゃんや、手伝っているアミちゃん(宝塚風美女)とも話しやすい場所で、これまた久しぶりにお二人とも会話を交わします。こうやって話していると、数ヶ月間お休みだったなんて思えないくらいです。

 3杯のお酒を飲み終えて、今日のお勘定は、これまた以前どおりの2千円。なにも変わらない「武蔵屋」がここにあります。

 さて、この記事を書いているのは6月の終わりですが、野毛通のハルさんに確認したところ、6月18日(水)から、また「武蔵屋」が一時休業中なんだそうです。おばちゃんたちお二人が高齢なだけに、ちょっと心配なのですが、いつも「細く長くやっていこうと思います」と話しているおばちゃんのこと。体調も考慮されて、休み休みになったとしても、できるだけ長く続けてもらいたいですね。またの再開を心待ちにしています。

店情報前回

《平成20(2008)年5月22日(木)の記録》

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初めてわかった計算法 … バー「ブリック(BRICK)」(中野)他

ブリック


 パソコン通信時代の同窓会。「吉祥寺麺通団」から始まって4軒目となるお店は、中野駅北口からも程近いバー「ブリック」です。今までじっくり見たことがなかったのですが、店頭の丸い看板には、ローマ字で銀座、八重洲、渋谷、中野、田町と書いてあります。この看板ができた当時は、「ブリック」も5軒もあったんですね。今、残ってるのは銀座と、ここと2軒だけでしょうか。

 土曜日、午後8時の店内は5~6分目の入り。我われ3人は、1階奥のテーブル席に案内されます。

 まず1杯目は、全員で名物のトリハイ(200円)をもらって乾杯です。

 トリハイは、サントリー・トリスのハイボール。1ジガー(45ml、1.5ショット分)のウイスキーを使って、大ぶりのタンブラーに作られるのが大きな特長です。

 しかし、このトリハイ。この店では一時期、出されていなかったのだそうです。

 もともとトリスを飲むための「トリスバー」として、東京オリンピックの年、昭和39(1964)年に開業したこのお店。ところが昭和30年代にブームだったトリスも、世の中の経済成長に合わせるように、みんながホワイトから角瓶、そしてオールドを飲むようになり、ついに大阪万国博の年、昭和45(1970)年に、トリスの販売中止に踏み切ったのだそうです。

 それから15年の歳月を経た昭和60(1985)年。今度は巷(ちまた)には酎ハイブームがやってきます。その酎ハイに対抗できる飲み物を、ということで1ジガー、200円のトリハイ(トリス・ハイボール)が復活したのでした。

 料理のほうも、「ブリック」に来たなら、これという、ポテトサラダ(400円)、野菜スティック(400円)、そしてスペイン風オムレツ(600円)を注文すると、すぐに出されるお通し(ひとり300円)はイカの燻製です。へぇー、こんなお通しもあったんだ。はじめて食べたかも。

 人気のポテトサラダは、マスタードが添えられて、しかもウスターソースも一緒に出されます。野菜スティックは、セロリ、キュウリ、ニンジンのスティックが3本ずつ。パリッとした食感が野菜スティックの持ち味。セロリ、キュウリはもちろんのこと、ニンジンまでが「パキッ!」と音がするほどのシャッキリ感なのです。

 ebisuさんと私はトリハイ(200円)をおかわりし、おーばさんはボウモア12年(550円)をストレートでもらったところで、スペイン風オムレツもできあがってきました。注文したときから「スペイン風オムレツは、ちょっとお時間をいただきますが、よろしいですか?」と確認してくれていたのでした。

 スペイン風オムレツは、ポテトとトマトの入ったボリュームたっぷりのオムレツ。厚さ2センチ、直径15センチくらいの円形に焼き上げられたオムレツは、仕上げに4等分され、その断面にたっぷりの具が見えています。表面の焦げ目もいいですねぇ。

 ゆっくりと2時間ほどの滞在は、注文したものの合計3,850円に、サービス・チャージ10%(390円)が付いて、合計4,240円でした。

 なるほどなぁ。そういうい計算方法になってたんですね。今日はテーブル席で、じっくりとレシートを見ることができたので、はじめて「ブリック」のお勘定の仕方がわかりました。どうもごちそうさま。

080517m 080517n 080517o
トリハイ / お通しのイカ燻 / ポテトサラダ

080517p 080517q 080517r
野菜スティック / テーブル席の様子 / スペイン風オムレツ

・「ブリック」の店情報前回


            ◆   ◆   ◆

 中野駅でお二人を見送って、私はバスで野方へ。最後にちょっと「秋元屋」です。

 午後10時半近い時間にも関わらず、まだまだ「秋元屋」の店内はいっぱい。かろうじて空いていた入口のテーブルに相席させてもらい、サッポロラガービール(大ビン、550円)をガツ酢(200円)をつまみに飲むうちに、カウンターの一番奥あたりの席があきました。

ガツ酢 ガツ酢は茹でた豚の胃を細切りして、お酢に浸けこんだもの。小皿にちょとりと盛ってくれるのですが、プリッとした弾力感と、お酢のサッパリ感で、満腹のときでも、飲み過ぎてるときでも、いいつまみになるのです。もちろん、空腹の飲みはじめのときにも、いいつまみです。

 そろそろラスト・オーダーも近くなってきて、煮込み鍋の中の玉子も、バットに上げはじめられます。

「その玉子、ひとつもらっていいですか」

「あいよっ」

 という心地よい返事とともに煮玉子(100円)が用意されます。

 午後11時半まで、1時間ほどの滞在は、席料100円が入って950円。おぉ。今日は千円にも届きませんでしたか。ごめんなさーい。

・「秋元屋」の店情報前回

《平成20(2008)年5月17日(土)の記録》

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東小金井にも大衆酒場 … 居酒屋「スタミナの城(すたみなのしろ)」(東小金井)

常連さんたちが集う店内


 吉祥寺を後に、中央線でやってきたのは東小金井駅のすぐ近くにある居酒屋、「スタミナの城」です。吉田さんとおっしゃる、「竹よし」や「秋元屋」にもいらっしゃっているお客さんから、「スタミナの城」のことをご紹介いただいたのは、今から5年ほど前のこと。

「もともとは愛媛出身の、元漁師のおじさんがやってたお店なんですが、今はその息子さんがやっています。四国の天ぷら(じゃこ天)や、イワシの味醂干しなんかが売りのようですよ」

 ということで、「スタミナの城」というインパクトのあるネーミングもあって、「いつか行かなきゃ」と思っていたのです。やっと今日、来ることができました。

 店内は、うなぎの寝床のように細長く、入口のあたりは冷蔵庫や2階(座敷席)へと上がる階段があり、そこを通り過ぎると、左手には直線カウンターが店の奥に向かって伸び、右手には4人掛けのテーブル席が3卓ほど。カウンター席とテーブル席の間隔はほとんどないほどの細長い造りで、店の一番奥が厨房になっています。

 土曜日、午後5時半の店内には、先客は二人くらいしかおらず(ただし2階の座敷は予約の宴会が入っている模様)、我われ3人は一番奥のテーブル席に座り、瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、550円)をもらって乾杯です。

 カウンターの中の壁にずらりと並ぶ短冊メニューは、その数およそ50種類。やきとりの1本100円(注文は2本から)からはじまって、高くてもカツオ刺身(450円)や、アジなめろう(500円)と、ほぼ1品500円以内におさまっています。

 そんな中から、四国天ぷら(200円)や、生しらす(350円)、じゃが塩こんぶ(250円)などをもらいます。

 じゃが塩こんぶは、茹でて四分の一にカットした新じゃがに、塩こんぶを和えたもの。塩だけで食べる場合に比べて、昆布の旨みが加わります。塩こんぶを使うのは、この店の特徴でもあるのか、メニューには他にも、きゅうり塩こんぶ和え(250円)、ゴーヤ塩こんぶ和え(250円)、厚揚げ塩こんぶ(300円)などが並んでいます。

 飲み物を燗酒(大徳利、500円)に切り替えると、カウンター奥の自動燗付け器で燗づけされた「杜氏のこころ」(普通酒)が、「スタミナの城」と書かれた徳利で出されます。

 追加のつまみは、2人前で700円というスペシャル・メニューのカシラチャーシューに、岩のり(200円)と、きゅうり塩こんぶ和え(250円)です。

 カシラチャーシューは、大きなカシラ肉の塊りをじっくりと煮込んだもの。2人前と書かれているだけあって、かなりのボリュームです。

 燗酒をどんどんおかわりしているうちに、店内も近所の常連さんらしきお客さんが増えてきます。カウンター席とテーブル席があまりにも近いので、ちょっと心配していたのですが、ほとんどが顔見知りらしきお客さんたちは、カウンター席のお客さんも後ろ向き、つまりテーブルのほうに向かって座って、みんなでテーブルを囲む形で盛り上がっています。

 ゆっくりと2時間ちょっと楽しんで、お勘定は3人で4,950円(ひとり1,650円)でした。

 それにしても、さすが中央線沿線。各駅ごとに、大衆酒場がありますねぇ。

080517g 080517h 080517i
四国天ぷら / 生しらす / じゃが塩こんぶ

080517j 080517k 080517l
カシラチャーシュー2人前 / 岩のり / きゅうり塩こんぶ和え

店情報

《平成20(2008)年5月17日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「スタミナの城(すたみなのしろ)」(東小金井)

    080517z2
  • 店名: スタミナの城
  • 電話: 042-381-9602
  • 住所: 184-0002 東京都小金井市梶野町5-2-36
  • 営業: (未調査)
  • 場所: JR中央線・東小金井駅北口を降りて、駅前広場の左側。中央線の線路沿いにある。
  • メモ: 野菜炒め350、ポテトサラダ300、焼そば(大)400、かにみそ550、なんこつ煮450、カシラチャーシュー(2人前)700、浅漬キャベツ250、きゅうり塩こんぶ和え250、ゴーヤ塩こんぶ和え250、冷とまと250、あつあげ300、もつ炒め400、棒さめ300、ニンニク串焼150、いわし丸干250、枝豆250、いか丸焼350、まぐろ納豆350、げそ焼250、おしんこ250、もつ煮込み500、四国天ぷら200、岩のり200、冷やっこ250、もろきゅう250、きゅうりキムチ250、塩辛、らっきょう、ギョーザ、たこわさび300、キムチ納豆300、キムチのせ奴350、鹿児島鶏のたたき400、ほっけ焼(大)400、じゃが塩こんぶ250、厚揚げ塩こんぶ300、さば西京漬焼350、しめさば300、いわしなめろう450、かつをなめろう500、あじなめろう500、いか刺身350、あじ刺身450、初かつを刺身450、生しらす350、いわし刺身350、ネギ間(1本)150、ねぎ串(1本)150、つくね(1本)150、ぼんじり串(1本)100、やきとり各種(タン、ハツ、カシラ、シロ、レバー、皮、スナギモ、若鳥、ナンコツ、ガツ)1本100円(2本より)。日本酒(大)500、サワー400、にごり酒500、アサヒスーパードライ大瓶550。(2008年5月調べ)

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