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古典酒場巡り・1軒目 … 大衆酒場「河本(かわもと)」(木場)

ホッピーと煮込み


 「TOKIO古典酒場」の美人編集長から、木場の「河本」に行ってみたいというお話をいただき、今日は「河本」です。

 地下鉄東西線・木場駅の出口で待ち合わせて、とことこと歩いて「河本」に到着すると、まずそのたたずまいにびっくりされる編集長。のれんこそ今年新調したばかりですが、建物は東京大空襲で焼けたあと、昭和21(1946)年に建てられた、今年で築62年という古い(失礼!)ものですからねぇ。

 ちなみに「河本」について詳しく書かれた「深川的日常」によりますと、「河本」は昭和7(1932)年に甘味屋として創業し、戦後、昭和21年の建て替えのときからお酒を扱うようになったのだそうです。したがって、創業76年でありながら、酒場としての歴史は建物と同じく62年なんですね。

 青いのれんをくぐって店内に入ると、月曜日ながら、午後6時過ぎの「ン」の字カウンターは8~9割方の入り。我われも「ン」の字の右端の、ちょうどカウンターが切れた辺りに陣取ります。(なお、「ン」の字の上側にあたる、壁際の直線カウンターが大常連さん席です。)

 ここに来たら、なにはさておき、まずはホッピー(300円)ですね。なにしろ、昭和23(1948)年に東京赤坂で「麦酒様清涼飲料水ホッピー」が開発販売されると同時に、この店でホッピーを扱うようになったというのだから、元祖中の元祖です。

 そして、肴(さかな)は、これまた「河本」名物の、にこみ(300円)です。ゆで玉子入りの、にこたま(にこみ玉子入り、300円)をもらいます。

 少なくとも私がこの店を知って(8年ほど前)からは、にこみはズゥーッと200円だったのですが、世の物価上昇のあおりを受けたのか、前回から300円に値上がりしたのでした。

 ホッピーも、私が知ってる間は、ずっと300円だったのですが、こちらも、ホッピー自体(いわゆるソトの部分)の値上がりを受けて、6月2日から400円に値上がりするんだそうです。

 やっこさん(小が100円、大なら200円)や、かけじょうゆ(400円)の値段は変わっていないようですので、どうしても値上げしないといけない品物だけ、限定的に値上げしたんですね。

 ガタピシと入口引き戸が開いて入ってきたのは、酒友・呑んだフルさんです。ちょうど空いていた私のとなりに座り、ホッピーにシメサバ(400円)です。平日にやってくると、こういう生もののラインナップが充実してていいですね。よくやってくる土曜日は、生ものは置いていないことが多いのです。

 カウンターの数人向こうには、「兵六」常連の荒木又右衛門さんの姿も見えます。我われが入るより前から、その席で飲んでたようです。

 こうやって打ち合せたわけでもないのに、呑ん兵衛たちがそろってしまうお店というのも素晴らしいですよねぇ。「宇ち多゛」や「秋元屋」「川名」などでも、よくこういう現象が起こります。

 編集長が、これまた名物である、やっこさんを大(200円)で注文したところで、追いかけるように塩辛(200円)ももらいます。

 やっこさんというのは冷奴のこと。小(100円)で半丁分の冷奴が出され、大(200円)なら、それが2個分、ちょうど1丁分の冷奴となるのです。添えられた醤油でいただくのも、もちろん美味しいのですが、個人的には塩辛をのせて、一緒に食べるのがとっても好きなのです。

「なるほど。これも美味しいですね」

 とニコニコと喜んでくれる編集長は、お酒を飲んでるときには、いつもすごく幸せそうな満面の笑顔。まさにこの編集長にして「TOKIO古典酒場」あり、って感じなのです。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在は、二人で2,200円(ひとりあたり1,100円)でした。どうもごちそうさま。

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新しいのれん / シメサバ / 塩辛と奴さん(大)

店情報前回

《平成20(2008)年5月26日(月)の記録》

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 木場の「河本」は昭和7(1932)年の創業。現在の建物は終戦後、昭和21年に建てられたもので、今年で築62年となります。コの字カウンターのみ15席分ほどの店内を切り盛りするのは女将の真寿美さんと、その弟さんで通称“あんちゃん”の二人です。最寄り駅からも近くなく、ほとんどの人が素通りしてしまいそうな目立ちにくい立地に加えて、午後4時から8時までの、たった4時間しか営業しないにも関わらず、営業時間中... [続きを読む]

受信: 2008.08.31 07:39

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