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2008年9月

酒好き店主が自ら開業 … 居酒屋「いし井(いしい)」(新橋)

お通しと球磨焼酎


 新橋あたりで飲み歩くことが多いという酒友から、「酒と肴(さかな)のおいしい店ができたよ」という話を聞いて、今日はそのお店、「いし井」にやってきました。店は烏森(からすもり)神社の参道から、小さな路地に入ったところにあります。

 「いし井」という電灯看板の横に、木戸の入口。他には窓もなく、店内の様子をうかがい知ることはできません。うーむ。これは敷居が高く感じるなぁ。

 えいっ! と気合を込めて引き戸を開けて店内へ。

 「いらっしゃいませ」と迎えてくれるのは、店主と、アルバイトらしき女性の二人。店内は、入口のすぐ左手がカウンターと厨房スペースになっており、右手が手洗いと日本酒の冷蔵庫。奥に進むと4人がけと6人がけのテーブルが、それぞれひとつずつあるフロアという、全体でも16席ほどの小ぢんまりとした造りです。

 「こちらにどうぞ」と通されたのは、カウンター席の中央あたり。入口側には男性二人連れが、奥側にはカップルがいて、その間に空いている2席のうちの1席です。奥のテーブル席にも、両方ともお客さんが入っていて、店内はほぼ満席の状態です。

 ちょうど目の前に球磨(くま)焼酎の一升瓶があったので、その球磨焼酎(500円)ををロックでもらうと、お通し(680円)として、おから、高野豆腐、三つ葉のおひたしの3点盛りが出されます。いやいや、お通しからして呑ん兵衛好みのする品々が並んで、嬉しいではありませんか。

 「おすすめの「いし井」で飲んでます」というメールを携帯から送ると、新橋の別の店で飲んでいたという酒友たち3人が、すぐに「いし井」に移ってきてくれて、ちょうど帰るところだったカウンターのお客さんと入れ替わりに、カウンターに並んで座ります。

 この店の店主は、酒好きがこうじて脱サラし、しばらく築地で修業をしたあと、昨年(2007年)末にこの店を開いたんだそうです。店主の作った公式サイトにも、「酒好きによる、酒好きの為のお店」というのが店のコンセプトであることが謳(うた)われており、全国から厳選した日本酒を仕入れ、魚には旬の天然物をそろえ、自家製の燻製を出すという「こだわり」が書き記されています。

 日本酒好きの酒友たちがそろったところで、飲み物も上喜元(650円)、豊盃(800円)などの日本酒に移り、料理のほうも自家製のアユの燻製(500円)や、二つの味が味わえるポテトサラダ(600円)などを出してもらいます。

 酒好き、酒場好きの人が、自らオープンした店にはいい店が多いのです。パッと思いつくだけでも、野毛の「ホッピー仙人」、野方の「秋元屋」、阿佐ヶ谷の「善知鳥」に「燗酒屋」、最近では西荻窪の「みちのくらさん」や、築地の「ねこ屋」などなど。『こういう酒場で、こういう酒を、こういう肴で味わいたい』というものを、自らがお客であった時代にたっぷりと感じ取っているので、他の呑ん兵衛たちにも支持されるお店造りができるのかもしれませんね。好きこそものの上手なれ、なんて言いますが、本当にそのとおりかもしれません。

 続いては、もろきゅう(500円)をもらって、日本酒は美少年喜多蔵(550円)、石鎚(650円)、東力士夏にごり(900円)、来福雄町(1,050円)です。飲むほどに珍しいお酒、いいお酒が飲みたくなったりするんですよねぇ。

 2時間ほど楽しんで、お勘定は4人で10,070円(ひとりあたり2,520円弱)でした。どうもごちそうさま。今度は築地の天然魚も食べなきゃね。

080822d 080822e 080822f
あゆの燻製 / ポテトサラダ / 夏にごり

080822g 080822h 080822i
日本酒保冷庫 / もろきゅう / カウンター上の酒瓶

店情報

《平成20(2008)年8月22日(金)の記録》

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店情報: 居酒屋「いし井(いしい)」(新橋)

    (C) ぐるなび
  • 店名: 旬の魚に旨酒尽くし「いし井」
  • 電話: 03-3593-0141
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋2-15-10
  • 営業: 18:00-24:00(23:00LO)、土日祝休
  • 場所: 新橋駅烏森口を出て、烏森通りを山手線の内側(虎ノ門方面)に向かう方向に進み、新橋3丁目信号交差点を渡った次のトの字を右折し、烏森神社参道の飲み屋通りに入る。20mほど先の左に入る路地に入った左手2~3軒目。新橋駅から徒歩3分ほど。
  • メモ: 平成19(2007)年12月創業。カウンター6席、テーブル4+6席の合計16席。公式サイトおよびぐるなびあり。(2008年8月調べ)

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三原橋地下の最古参店 … 小料理「三原(みはら)」(東銀座)

するめいかゴロ焼きと焼酎


 先日に引き続き、日本で2番目に古い地下街、銀座の三原橋地下街にやってきました。この中に5軒ほどある飲食店の中で、一番の古株なのが映画館側の入口近くにある季節料理・食事処の「三原」です。暖簾(のれん)を掲げて四十数年といいますから、1960年代の創業なんですね。

 表の置き電灯看板には「季節料理・食事処 三原」と書かれていて、入口の横にはホワイトボードに手書きされたメニューが置かれています。それによると、冷奴や冷しトマト、そら豆、ほうれん草のおひたしなどがそれぞれ400円で、刺身類が600~800円ほど。その他、全部で25品ほどの料理が400~800円ほどで並んでいます。

 入口引き戸を開けて、暖簾を分けながら店内へと入ると、店内は左手L字カウンター8席ほどと、右の小上がりに4人掛けの座卓が2卓の全16席ほどの小ぢんまりとした造り。カウンターの中から「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた女将ひとりで切り盛りされているようです。

 先客はカウンターの長辺の中央部に男性がひとり。私は短辺のところに座り、まずは瓶ビールを注文すると、サッポロ黒ラベルの中瓶と、お通しとしてトマトが2切れ出されます。この店には飲み物メニューがなくて、この瓶ビールもいくらか分からなかったのですが、後日、「古典酒場~銀座昭和浪漫編」に載った情報によると、この中瓶のビールが650円で、キリンやアサヒもえらべるようです。中瓶のビールは、小料理屋などでは500円程度のことが多いので、それと比べるとちょっと高い値付けかもしれませんね。

 つまみに冷奴(400円)を注文すると、ミョウガやオクラ、カツオ節がたっぷりとトッピングされた冷奴が、涼しげにガラス皿に盛られて登場です。

 瓶ビールに続いて、芋焼酎(黒甕、700円)をロックでもらうと、受け皿付きの計量用も兼ねたグラスに焼酎を注いでくれて、それとは別に氷がたっぷりと入ったロックグラスと、水とマドラーのグラスの、合わせて3つのグラスが次々と出されます。生(き)で飲むもよし、ロックにするもよし、水割りにするもよしで、いいですね。先客の男性はキープしている焼酎(720mlで2,500円)を飲んでるようです。1杯売りの値段(700円)がけっこう高いので、4杯以上飲む場合にはボトルを入れたほうがよさそうですね。(焼酎の値段も店内にはなくて、あとで「古典酒場」で調べたものです。)

 2品目の料理は、するめいかゴロ焼き(450円)をもらいます。

 先客が注文したのは新サンマの刺身(800円)。女将はカウンター内のまな板で、まる1尾のサンマをスイーッ、スイーッと刺身に引いて「内臓は焼く?」と男性客に確認します。「うん。焼いて」と男性客が返事すると、内臓のところを奥のサラマンダーで焼いて、「はいどうぞ」と別皿で出しています。なるほど。サンマの内臓だけ焼いたものも美味しそうだなぁ。燗酒にぴしゃりと合いそうです。

 ガラリと引き戸が開いて、入ってきたのは年配の男性客。見るからに常連さんのようで、先客とも互いによく知っている様子です。女将さんも「お酒でいいの?」と確認しながらも、もう燗付けの用意をしています。

「昨日は7本も飲んじゃったからさぁ。久しぶりに朝も残ってたよ」

 と苦笑しながらも、今日もまた燗酒(400円)をスタートしています。先日行った「おごじょ」もそうだったのですが、ここもまた常連さん率の非常に高い店のようです。おそらく三原橋地下街の店はすべてそうなでしょうね。この地下街に下りてくるのもちょっと敷居が高いし、さらにこの古びた店々に入ってくるのはもっと敷居が高いですもんね。

「トイレはどこでしょう?」

 最後にトイレに行ってから帰ろうかと、トイレの場所を確認したところ、

「トイレは、地下街の反対側の入口のところです。そこの鍵を持って行ってください」

 と、店の入口横に置かれた鍵を指し示してくれます。なるほど。共同トイレだけど、鍵がない人は入れない仕組みなんですね。

 その共同トイレのある、反対側(銀座5丁目側)入口のすぐ近くにあるのが、これまた食事処「三原」です。うーむ。同じ地下街の向こうの端と、こっちの端に同じ「三原」って店があるんですね。

「向こう側の「三原」とは、何か関係があるんですか?」

 店に戻って、鍵を返しながら聞いてみると、「まったく関係ないんですよ」とのことで、単に店名が同じというだけのようです。

 1時間半ほどの滞在は、2杯と2品(+お通し)で2,400円でした。ということは、お通しは200円だったんですね。

080822a 080822b 080822c
瓶ビールとお通し / 冷奴 / 焼酎のセット

店情報

《平成20(2008)年8月22日(金)の記録》

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店情報: 小料理「三原(みはら)」(東銀座)

    080822z1
  • 店名: 季節料理・食事処「三原」
  • 電話: 03-3564-1587
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座4-8-7
  • 営業: 11:30-22:00、日休
  • 場所: 地下鉄・東銀座駅A1出口またはA2出口を出て、晴海通りを地下鉄銀座駅方向に50mほど。銀座シネパトスのある三原橋地下街の映画館側入口近く。地下鉄・銀座駅からだとA5またはA6出口を出て、東銀座・築地方面へ150mほど。
  • メモ: L字カウンター8席、小上がりテーブル8席(4席×2)の合計16席の店内を、女将ひとりで切り盛り中。瓶ビール(中瓶)650、焼酎(そば:雲海、いも:黒甕)700(720mlボトル2500)、日本酒(菊正宗)400、樽酒1000。メニューはその日の仕入れによってホワイトボードに書き出される。某日のメニューは、特選いわし丸干450、小女子おろし400、なめ子おろし400、野菜やきそば800、するめいかポポ焼450、初かつを刺身800、赤玉の玉子焼550、鯵たたき600、真だこの刺身600、するめいか刺身600、帆立の貝柱とエリンギ・ベーコンのバター炒め800、キムチの白菜と黒豚・モヤシ・ニラ炒め800、秋茄子・ピーマン・ベーコン炒め800、天豆400、冷トマト400、冷奴400、切り干し大根400、ほうれん草のおひたし400、生とり貝の刺身550、月見500、新キャベツ一夜漬(しらす、桜えび入り)500、新玉ネギ・新ワカメ和え500、新竹の子と新ワカメ煮500。定食(ライス、新香、みそ汁、小鉢付き)は、牛肉オイル焼750、牛肉豆腐750、新さんま塩焼850さばみそ煮750、まぐろ刺身850、あじたたき850、たらこ焼1000、いか丸焼850、山かけ850。(2008年8月調べ)

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〔コラム〕 酒場のローカル・ルール

「ホッピー仙人」


「写真撮りまーす。ブログにも載せてもいいですかー?」

「いいよー」「載せて載せて。楽しみぃ!」

「じゃぁ撮りまーす。はいっ、ポーズっ」

 野毛にあるホッピー専門のバー、「ホッピー仙人」では、新しいお客さんが入ってくると、その人が一見(いちげん)さんであろうと、常連さんであろうと、まったく関係なく、その人の1杯目のホッピーに対して店中で乾杯するというのが、なんとはなしに店の決まり(ローカル・ルール)として定着しています。

 この乾杯ひとつで、アッという間に、みんなの輪(店の雰囲気)の中に溶け込めるし、お客さんがやってくるたびにその乾杯を何度も繰り返すうちに、知らない人同士であっても一緒に写真を撮っても平気なほどの連帯感が生まれてくるのです。

 他の店がマネしようと思っても、すぐにはマネすることができないこのローカル・ルール。じわりじわりと時間を掛けて、ここまでのローカル・ルールを確立してきたんでしょうねぇ。

 各家庭や各職場にそれぞれローカル・ルールがあるのと同じように、どの酒場にも必ず、その店だけの決まりごと、ローカル・ルールが存在しています。それを明示的に張り紙などで示してくれたりする店もたまにはありますが、ほとんどの場合は不文律として存在するだけで、どこにも書き出されたりはしていないのです。

 有名なところでは、野毛「武蔵屋」の「酒は3杯まで」というルール。ほとんどの人が知っているこのルールも、実は店内のどこにも書かれていないのです。お客さんが書いた色紙の句に、その片鱗をうかがうことができる程度です。

 門前仲町「魚三酒場」には「注文は、まず生ものから」というローカル・ルールがあり、いきなり煮物や焼き物などを注文すると「生からっ!」と、短く鋭く指摘されたりします。

 荻窪「やき屋」では、大人気のイカ大根や珍味わた和えは、ひとり1回しか注文することができません。そうしないと、それを食べたくてやってくる大勢のお客さんに行き渡りませんもんね。それでも途中で売り切れることが多いのです。

 立石「宇ち多゛」のもつ焼きの注文方法などもローカル・ルールと言えますよね。

 そのローカル・ルールがどうやって作られてきたんだろうなぁ、ということを考えながら飲んだりするのもまた楽しいものなのですが、はじめて行く店では、その店のローカル・ルールがよく分からなくて戸惑うこともあります。そんなときは素直に分からないという顔をしていれば、お店の人が教えてくれたり、まわりの常連さんが教えてくれたりします。

 最初に横浜の「豚の味珍」に行ったときには、注文をしたあと、ひとり、カウンターでボォーッとしていると、カウンターの中の店長と、横に座っている常連さんが「待ってる間にタレを作るんだよ」と、まさに手取り足取りといった感じでタレの作り方を教えてくれたのでした。

 ローカル・ルールを知っててそれを守らないお客には厳しいけれど、ローカル・ルールそのものを知らない人に対しては、たいていの店は寛容ですので、安心して出かけてください。事前にちょっとだけ調べて、中途半端に通ぶったりするほうが、むしろ嫌(いや)がられますのでご注意を!

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これぞ迫力居酒屋だ! … 大衆酒場「鳥万本店(とりまんほんてん)」(蒲田)

「鳥万本店」


 蒲田での2軒目は、「升本」からJR蒲田駅方面に少し戻ったところにある5階建てビルの大衆酒場「鳥万」です。この1階から4階までがすべて酒場フロア(5階は事務所)というんだから驚きます。

 店の表の置き電灯看板には、ビールの大瓶が490円、生ビール(中)なら370円、日本酒(古都桜)は200円、ハイサワーが280円、やきとり90円、鶏の唐揚380円、鶏皮煮込み280円という、おそらくこの店の目玉なんだろうという7品が書き出されています。飲み物も食べ物も安いですよねぇ。さすが蒲田です。

 ガラリと入口引き戸を開けて店内へと進むと、午後6時過ぎの店内は、まだ満席ではないものの、お客さんでいっぱい。これはすごいなぁ。奥にいる店のおねえさんが、「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ!」と店の奥左手の、空いているカウンター席に誘導してくれます。その席に座りつつ、

「瓶ビールと、鶏皮煮込みをお願いします」

 と外の看板を見て、ある程度選んでおいた品を注文します。すべての席には、「鳥万」と店名入りの袋に入ったペーパーナプキンと、お通しらしい豆菓子が置かれています。

 すぐに出された瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、490円)の1杯目を飲んだところで、鶏皮煮込み(280円)も出てきます。

 そうしている間にもお客さんがどんどん入ってきて、ひとり客は1階に、グループ客は2階以上にと、入口を入ったところで案内されていきます。1階席は、ほぼ中年男性のみ。入ってくるお客、入ってくるお客が、口々に「サービス!」と注文しながら席に着くのです。

 さっきの「升本」でも品数の多さにびっくりしたのですが、こちら「鳥万」もそれに勝るとも劣らぬ、ものすごい品数で、これまたテーブル上の定番メニューに、壁の短冊メニュー、そしてホワイトボードの今日のおすすめメニューと、とてもすべては見られないほどの状態です。

 そんな中に、ひときわ目立つ「特別サービス品」というメニューがあり、日替りで決められた刺身が200円で提供されるようなのです。入ってくるお客さんたちは、この特別サービス品を注文しながら席に着くのがいつもの流れなんでしょうね。

 遅ればせながら、私もサービスを注文すると、今日のサービスは、注文を受けてから用意してくれる甘エビの刺身6尾分です。

 飲み物メニューの中にトリスハイボール(290円)を発見し、さっそく注文すると、なんとジョッキにたっぷりのトリハイが出てきました。これで290円とは、なんと安い!

 トリハイを飲みながら、メニューにくまなく目を通してみると、この店で一番高いメニューが刺身盛り合せ(特)の880円で、同じ価格で2位なのが普通の刺身盛り合せと海鮮丼の680円。その次の4位は鯨ベーコンの420円で、最多価格帯は刺身なども含めて280~350円ほどなんだから驚きです。

 ごはん物も安いなぁ。各種お茶漬けが330円で、焼きそば、焼きうどん類が350円。なんとオムライスだって380円ではありませんか!

「すみません。オムライスお願いします」

 ついつい注文してしまったオムライスは、やや小ぶりながらもちゃんとしたオムライスです。やぁ、これは嬉しいなぁ。

 じっくりと1時間半ほど腰を据えて、お勘定は1,690円でした。

080819d 080819e 080819f
瓶ビールとお通し(豆菓子) / 鶏皮煮込み / サービス(甘えび)

080819g 080819h 080819i
カウンター上の短冊メニュー / トリスハイボール / オムライス

店情報

《平成20(2008)年8月19日(火)の記録》

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店情報: 大衆酒場「鳥万本店(とりまんほんてん)」(蒲田)

    080819z2
  • 店名: 大衆酒場「鳥万本店」
  • 電話: 03-3735-8915(予約可)
  • 住所: 144-0051 東京都大田区西蒲田7-3-1
  • 営業: 16:00-23:00(日祝は15:00-22:00)、無休
  • 場所: JR蒲田駅西口を出て右(大森方面)へ。横断歩道を渡り、そのまま左手・東急プラザアネックスと右手・パチンコ屋の間の道を直進し、次の四つ角を左に曲がった先の、左手前角。駅から徒歩2分ほど。
  • メモ: 昭和39(1964)年創業。5階建てのビル全体が1軒の大衆酒場。1~2階はカウンター席とテーブル席(2階には座敷もあり)、3~4階は座敷席、5階は事務所。宴会は5名~最大65名。
    飲み物:瓶ビール(大)490、清酒古都桜(小)200、清酒古都桜(大)390、ワイン230、梅酒230、ウイスキーハイボール320、いか酒320、バイスサワーセット320、いいちこロック350、ホッピーセット370、冷酒490、焼酎ハイボール290、ウーロンハイ290、シークワサー290、レモンサワー290、焼酎お茶割290、焼酎ウコン茶割290、梅サワー290、カルピスサワー290、梅酒サワー290、グレープフルーツサワー290、ジュース(大)280、コーラ(大)280、焼酎ボトル(ビダン他)1,280、いいちこボトル1,500、ウーロン茶ボトル380、ミネラル・氷140、バイスビン150、ホッピービン180、ウーロン茶180、クリアアサヒ(樽生)250、アサヒスーパードライ生ビール(特大)690・(中)370。
    食べ物:お通しの豆菓子50、日替わりの特別サービス品200。
    〔鶏料理〕若鶏の唐揚420、やきとり(鶏正肉、レバ、つくね、たん、なん骨、かしら、砂肝、鶏皮)90、合鴨つくね100、鴨もも串100、手羽餃子280、鶏砂肝唐揚280、鶏手羽焼280、鶏皮煮込み280、鶏なん骨唐揚300、鶏皮揚300、鶏煮込み豆腐300、鶏南蛮350、鶏ねぎ塩だれ350、鶏もも焼・唐揚420。
    〔炒め物〕コーンバター280、とうふステーキ300、きくらげ玉子炒300、なすみそ炒め320、いか玉炒め320、もやしニラ玉焼320、ねぎホイコーロー320、ウィンナーポテト炒め320、ホルモンキャベツ320、いかバター350、レバニラ炒め350、豚肉炒め350、肉野菜炒め350、マーボ豆腐350、マーボなす350、豚肉キムチ炒め350。
    〔刺身〕〆こはだ刺280、あじたたき320、いわしたたき320、いか刺350、くじら刺380、たこ刺380、たこぶつ380、甘えび刺380、かつおたたき380、まぐろぶつ380、はまち刺420、まぐろ刺450、刺身盛合せ740、刺身盛合せ(特)980。
    〔一品料理〕オニオンスライス250、もろ・梅きゅう250、お新香250、塩らっきょ250、冷やっこ250、梅干し280、豚もやしポン酢280、白菜キムチ280、しそ巻みそ280、しゅうまい280、パリパリキャベツ280、冷トマト300、板わさ300、ポテトチーズ320、いわしオイル350、いか沖漬350、生春巻350、とんかつ鉄板400。
    〔焼き物〕野菜串(しいたけ、長ネギ、ピーマン、しし唐、玉ねぎ)100、厚揚げ270、丸干し270、焼はんぺん280、うるめいわし280、ホルモン焼300、いわしつみれ串300、じゃがバター300、じゃこ天300、鮭ハラス焼300、豚トロ塩焼300、焼餃子350、さば文化干350、丸さんま350、いか丸焼350、にしん塩焼380。
    〔あえ物〕しらすおろし280、納豆おろし280、いか納豆320、いかぬた320、まぐろ納豆350、まぐろぬた350。
    〔酢の物〕わかめ酢250、もずく酢280、ふぐ皮ポン酢320、たこ酢380、酢の物盛合せ420。
    〔サラダ〕豆腐サラダ300、ポテトサラダ320、生野菜320、棒棒鶏サラダ350。
    〔揚げ物〕ポテトフライ280、春巻き280、肉コロッケ280、アメリカンドック280、小えび唐揚300、ごぼう唐揚300、揚なす300、あじフライ320、にんにく丸揚320、厚揚げ煮おろし320、チーズ揚320、にんにく丸揚320、アジ骨せんべい320、揚出し豆腐320、串かつ350、イカフライ350、イカ唐揚げ350、メンチカツ350、豚天350、チーズカリカリ揚げ350、かれい唐揚380。
    〔ごはん物〕焼おにぎり(2個)280、磯辺もち280、焼うどん(醤油)380、焼うどん(ソース)380、やきそば(塩)380、やきそば(ソース)380、ライス150、茶漬け(のり・梅)350、鮭茶漬け380、オムライス380、ナポリタン380。
    〔宴会コース〕(それぞれプラス1,000円で2時間半の飲み放題が付けられる。コース料理の中の鍋は、夏季は山海鉄板焼きになる。)
    • 《1,600円》
      Aコース:さしみ盛合せ(3点盛)、焼とりとつくね、とうふサラダ、春巻、厚玉子焼、焼おにぎり。
      Bコース:おでん鍋、焼とりとつくね、ポテトサラダ、揚ギョーザ、板わさ、ソース焼そば。
    • 《2,000円》
      Aコース:さしみ盛合せ(3点盛)、鍋(牛すき鍋、豚キムチ鍋、ちゃんこ鍋から1品選択)、シーザーサラダ、合鴨つくねと鴨もも串、鶏の唐揚とポテトフライ、ソース焼そばorソース焼うどん。
      Bコース:さしみ盛合せ(3点盛)、鍋(牛すき鍋、野菜きのこ鍋、鶏の水炊き鍋から1品選択)、春雨サラダ、焼とりとつくね、手羽ギョーザ、ちぢみor焼おにぎり。
    • 《2,500円》
      Aコース:さしみ盛合せ(3点盛)、鍋(牛すき鍋、豚キムチ鍋、かき鍋、鶏の水炊き鍋から1品選択)、変わり串揚、チキン南ばん、シーザーサラダ、鴨野菜巻、ちぢみorソース焼そば。
      Bコース:さしみ盛合せ(3点盛)、鍋(牛すき鍋、野菜きのこ鍋、豚キムチ鍋、ちゃんこ鍋から1品選択)、季節の焼き魚、鶏の唐揚と野菜唐揚、アボカドサラダ、鴨野菜巻、ちまきor焼おにぎり。
    • 《3,000円》
      Aコース:(真鯛姿造り)さしみ盛合せ(3点盛)、寄せ鍋、鴨野菜巻、鶏の唐揚とかきフライ、サーモンカルパッチョ、合鴨つくねと鴨もも串、ちまきorちぢみ。
      Bコース:(真鯛姿造り)さしみ盛合せ(3点盛)、寄せ鍋、サーモンカルパッチョ、変わり串揚、鶏ねぎ塩だれ、シーザーサラダ、焼とりとつくね、ソース焼そばorソース焼うどん。
    〔日替り手書きメニュー(ある日の例)〕豚ガツさし380、くじらさし380、〆サバ350、生しらすさし320、サーモン中おち320、サーモンさし320、赤貝さし350、ホヤさし350、タイさし380、中おちユッケ420、おつまみうなぎ380、鯨尾羽明太320、ところ天280、スパサラダ320、ブロッコリー320、豆サラダ320、カオヤーピン300、タン下塩350、あこう鯛380、あゆ塩350、サバ一夜350、ホタテバター380、チョリソー320、カレイフライ350、銀むつフライ350、かきあげ350、サバ竜田350、エビカツ350、甘エビ唐380、ワンタンスープ280。(2017年6月調べ)

    メニュー(表) メニュー(裏) 宴会コース




    飲み物:瓶ビール(大)490、ワイン230、発泡酒230、梅酒230、清酒古都桜(小)200、清酒古都桜(大)390、トリスハイボール320、ホッピーセット370、冷酒490、焼酎ハイボール290、ウーロンハイ290、シークワサー290、レモンサワー290、焼酎お湯割290、焼酎ウコン茶割290、梅サワー290、カルピスサワー290、梅酒サワー290、グレープフルーツサワー290、ジュース(大)280、コーラ(大)280、焼酎ボトル1,280、ウーロン茶ボトル380、ミネラル・氷140、ホッピーびん180、ウーロン茶180、生クリアアサヒ250、生ビール(特大)690、生ビール(中)370。

    食べ物:お通しの豆菓子50、日替わりの特別サービス品200。

    〔鶏料理〕若鶏の唐揚420、やきとり(鶏正肉、レバ、つくね、たん、なん骨、かしら、砂肝、鶏皮)90、合鴨つくね100、鴨もも串100、手羽餃子280、鶏砂肝唐揚280、鶏手羽焼280、鶏皮煮込み280、鶏なん骨唐揚300、鶏皮揚300、鶏煮込み豆腐300、鶏もも焼・唐揚420。

    〔炒め物〕コーンバター280、豆腐ステーキ300、きくらげ玉子300、なすみそ炒め320、イカ玉炒め320、もやしニラ玉炒め320、ねぎホイコーロー320、いかバター320、ウィンナーポテト炒め320、レバにら炒め350、肉野菜炒め350、麻婆豆腐350、麻婆なす350、豚肉炒め350、豚肉キムチ炒め350。

    〔刺身〕〆こはだ刺280、あじたたき320、いわしたたき320、いか刺350、くじらさし380、たこさし380、たこぶつ380、かつおたたき380、まぐろぶつ380、はまち刺420、まぐろ刺450、刺身盛合せ740、刺身盛合せ(特)980。

    〔一品料理〕オニオンスライス250、もろ・梅きゅう250、お新香250、塩らっきょ250、冷や奴250、いか塩辛280、梅干し280、冷トマト280、白菜キムチ280、ポテトチーズ280、しそ巻きみそ280、しゅうまい280、パリパリキャベツ280、そら豆300、豚もやしポン酢280、板わさ300、いか沖漬け300、生春巻き320、豚足380、山かけ380、とんかつ鉄板380。

    〔焼き物〕野菜串(しいたけ、長ネギ、ピーマン、しし唐、玉ねぎ)100、厚揚げ270、丸干し270、焼はんぺん280、うるめいわし280、ホルモン焼280、いか一夜干し280、いわしつみれ串280、じゃがバター300、じゃこ天300、鮭ハラス焼300、こまい干300、ピーマン肉詰め300、ししゃも300、豚トロ塩焼300、えいひれ320、焼餃子320、さば文化干320、丸さんま320、いか丸焼320、粗挽きハムステーキ320、ぶり照焼350、あこう鯛350、にしん塩焼380、ほっけ380、網焼きベーコン420。

    〔サラダ〕水菜サラダ300、豆腐サラダ300、ポテトサラダ320、アボカドサラダ320、生野菜350。

    〔酢の物〕わかめ酢250、もずく酢280、ふぐ皮ポン酢320、たこ酢380、酢の物盛合せ420。

    〔揚げ物〕ポテトフライ280、春巻き280、肉コロッケ280、イカフライ300、黒豚メンチカツ300、ごぼう唐揚300、揚なす300、川えび唐揚300、あじフライ300、にんにく丸揚320、厚揚げ煮おろし320、アジ骨せんべい320、チーズ揚320、揚出し豆腐320、串かつ320、げそ唐揚320、豚天350、かれい唐揚380。

    〔あえ物〕しらすおろし280、納豆おろし280、ハチノスねぎあえ300、いか納豆320、いかぬた320、まぐろ納豆350、まぐろぬた350。

    〔ごはん物〕焼おにぎり(2個)280、磯辺もち280、焼うどん(醤油)380、焼うどん(ソース)380、やきそば(塩)380、やきそば(ソース)380、ライス150、茶漬け(のり・梅)350、鮭茶漬け380、オムライス380。

    〔ホワイトボードメニュー〕あじたたき・骨せんべい320、かつおたたき380、くじらさし380、ほやさし350、そら豆280、冷おでん280、穴子蒲焼350、えんがわさし350、はまちさし420、酢だこ420、くじらさし380、豚ガツさし380、サーモン中落ち380、まぐろさし450、
    まぐろぶつ380。(2013年9月調べ)



    飲み物:瓶ビール(大)490、ワイン230、発泡酒230、梅酒230、清酒古都桜(小)200、清酒古都桜(大)390、トリスハイボール290、ホッピー350、黒ホッピー350、ふぐヒレ酒320、冷酒470、焼酎ハイボール280、ウーロンハイ280、シークワサー280、レモンサワー280、焼酎お湯割280、焼酎ウコン茶割280、梅サワー280、カルピスサワー280、梅酒サワー280、カシスウーロン300、+生グレープ70、ジュース(大)300、コーラ(大)300、焼酎ボトル1150、ウーロン茶ボトル380、ミネラル・氷140、ホッピーびん180、ウーロン茶180、生ビールピッチャー1750、生ビール(特大)690、生ビール(中)370。
    食べ物:特別サービス品200、〔鶏料理〕若鶏の唐揚380、やきとり(鶏正肉、レバ、つくね、たん、なん骨、かしら、砂肝、鶏皮、鶏せせり)90、合鴨つくね100、手羽餃子280、鶏砂肝唐揚280、鶏手羽焼280、鶏皮煮込み280、鶏なん骨唐揚300、鶏皮揚300、鶏煮込み豆腐300、鶏もも焼・唐揚380、〔炒め物〕レバにら炒め300、いか玉炒焼300、もやしニラ炒め300、豚肉炒め300、いかバター300、ウィンナーポテト炒め300、なすみそ炒め300、野菜ちぢみ焼300、鶏とピーマン炒め320、麻婆なす350、肉野菜炒め350、麻婆豆腐350、豚肉キムチ炒め350、〔刺身〕〆こはだ刺280、いわしたたき320、あじたたき320、〆さば320、サーモンさし320、たこぶつ・刺320、いか刺350、牛たたき350、かつおたたき350、まぐろぶつ350、豚ガツ刺350、ねぎとろ350、はまち刺380、まぐろ刺400、刺身盛合せ680、刺身盛合せ(特)880、〔一品料理〕オニオンスライス250、もろ・梅きゅう250、お新香250、塩らっきょ250、いか塩辛280、梅干し280、冷トマト280、冷やっこ280、白菜キムチ280、豚もやしポン酢280、ポテトチーズ280、にしん昆布巻280、しそ巻きみそ280、芽かぶ山芋千切280、たこワサビ280、アメリカンドック280、パリパリキャベツ280、そら豆300、ゆば巻(えび入)300、板わさ300、ピータン300、生春巻320、鶏ネギソース320、粗挽きソーセージ320、豚足350、山かけ350、とんかつ鉄板350、くじらベーコン420、〔焼き物〕野菜串(しいたけ、長ネギ、ピーマン、しし唐、玉ねぎ)100、厚揚げ270、丸干し270、ホルモン焼280、うるめいわし280、めざし焼280、焼はんぺん280、じゃがバター300、鶏レバー焼300、いか一夜干し300、いわしつみれ串300、じゃこ天300、鮭ハラス焼300、こまい干300、ピーマン肉詰め300、えいひれ300、ししゃも300、豚トロ塩焼300、焼餃子320、にしん塩焼320、さば文化干320、丸さんま320、いか丸焼320、さつま揚320、あこう鯛330、網焼きベーコン420、〔揚げ物〕揚なす280、ポテトフライ280、にんにく丸揚300、豚レバー唐揚300、肉コロッケ300、黒豚メンチカツ300、ごぼう唐揚300、うずら串300、厚揚げ煮おろし300、チーズ揚300、川えび唐揚320、あじフライ320、揚出し豆腐320、串かつ320、いわし唐揚320、げそ唐揚320、たこ唐揚350、グラタンコロッケ350、チキンカツ350、かれい唐揚380、海老カツ380、〔サラダ〕ポテトサラダ280、アボカドサラダ300、ブロッコリーサラダ300、豆腐サラダ300、生野菜320、〔和え物〕しらすおろし280、納豆おろし280、いか納豆320、いかぬた320、まぐろ納豆320、まぐろぬた320、〔ごはん物〕焼おにぎり(2個)280、磯辺もち280、焼うどん(醤油)350、焼うどん(ソース)350、やきそば(塩)350、やきそば(ソース)350、ライス170、のり・梅茶漬け330、鮭・たらこ茶漬け350、オムライス380、サラダうどん380、海鮮丼680、〔酢の物〕わかめ酢250、氷頭なます280、もずく酢280、ふぐ皮ポン酢320、たこ酢350、酢の物盛合せ400。
    ホワイトボードメニュー:〆小肌さし280、生のりポン酢280、ほやさし300、車子さし320、サーモンたたき320、つぶ貝(ボイル)320、あじたたき320、さんまたたき320、〆さば350、牛たたき350、豚ガツさし350、かつおたたき350、しまあじさし380、まぐろぶつ350、まぐろさし400、くじらベーコン420。(2008年8月調べ)>

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300円均一に大変身 … 居酒屋「升本(ますもと)」(蒲田)

升本


 東京23区の南端に位置する酒場タウン、蒲田にやってきました。ここから多摩川を渡ると、そこはもう神奈川県(川崎市)です。(実はその手前に、多摩川に突き出すように雑色、六郷土手のエリアがあって、そこも私にとって課題地域なのです。)

 蒲田駅を降りると、どの出口に向かってもずらりと酒場がそろっているというのが素晴らしい土地ですよねぇ。そんな中、まずは前に一度行ったことのある「升本」に向かいます。大きな升の中にコップを置いて出される燗酒や、できたてサクサクでボリューム満点のかき揚げを、もう一度食べようと思っているのです。

 あれっ!?

 ここだよなぁ。店の名前はたしかに「升本」なんだけど、なんだか外観も違っていて、しかもいろんなところに、でかでかと「300円均一」と書き出されている。外の置き電灯看板にも、入口の暖簾にも、「300円均一 升本」の文字です。

 うーむ。ちょっとイメージが違いますが、入ってみますか。

「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」

 と案内してくれるのは若い外国人女性。店内の内装は、外に面する窓のところは大きなガラス(外にメニューが書き出され、中にはブラインドがあったりするので、完全に素通しというわけではない)に変わっているものの、内装そのものは、昔の店のものを継承しているようです。

 客席も以前の木製のテーブル席をそのまま使っていて、12人掛け1卓、6人掛け5卓、4人掛け1卓の、全46席。もしかすると厨房との間にあるカウンター席も使えるのかもしれません。案内されたのは、ちょうど店の中央に位置する12人掛けの長テーブルです。

 火曜日、午後5時の店内には先客は男性客ひとり。入口に一番近い6人掛けのテーブルに座り、チューハイ(300円)を飲みながら、カレイの煮魚(300円)をつついているのですが、このカレイの大きいこと。これで300円は安いなぁ。

 テーブル上に置かれたメニューを確認すると、食べ物は刺身9品をはじめ、天ぷらや焼き物、煮物から、ごはん類・麺類まで、その数なんと83品。これがすべて300円均一です。飲物も、生ビールから、日本酒(以前から続く高砂鶴に、地酒5種)、焼酎(8種)、サワー各種、梅酒、ホッピー、ウイスキー、ワインまでが、これまたすべて300円均一とわかりやすい。そのかわり、ホッピーの中身(焼酎のおかわり)やソフトドリンクも、これまた300円均一です。

 それ以外にも、店内の壁にはずらりと短冊メニューが並び、ホワイトボードには「本日のおすすめ」が書き出されていて、それらもすべて300円均一。いったい何品あるんだろうという品ぞろえです。

「何にいたしましょう」注文を取りに来てくれる先ほどのおねえさんに、

「生ビールとアジのたたきをお願いします」

 ビールは生ビール(アサヒスーパードライ)1種のみです。その生ビールは小ジョッキで出され、それと一緒にお通し(これも300円)の竹の子の煮物が出されます。アジのたたきは、大根のつまの上にたっぷりと盛られ、刻みねぎを散らして、おろし生姜が添えられています。

 店は店主らしき男性と、先ほどの外国人女性、奥の厨房の男性の3人で切り盛り中ですが、もっとピークの時間帯になると店員さんも増えるのかもしれません。前に来たときの、いかにも好々爺といった感じの店主はいなくて、現在の店主に代がわりしたようです。

「いつから300円均一の店になったんですか?」と聞いてみたところ、「去年の10月からです」という返事。代がわりに合わせて、店の業態も変更したのでしょうね。

 同じ長テーブルの反対側に入ってきた男性ひとり客が注文したのは、もつ煮込み。これが、ひとり用の土鍋にたっぷりと盛られているのです。先ほどのカレイ煮付けといい、このもつ煮込みといい、とても300円とは思えないようなボリュームです。

 私も、前に来たときの組み合わせ、燗酒とかき揚げ(海鮮かき揚げ)を注文しますが、残念ながら燗酒は普通の湯呑みで出され、かき揚げも揚げ立てながら、前回のようなボリュームはありませんでした。ちょっとがっかり。

 でも、代がわりすることができずに、閉店したりする酒場も多い中、こうやって継続していくというのは嬉しいことですよね。

 1時間ほどの滞在は、2品と2杯に、お通しで、1,500円でした。

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生ビールとお通し / あじたたき / 海鮮かき揚げと燗酒

店情報前回

《平成20(2008)年8月19日(火)の記録》

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さすがは下町、新小岩 … もつ焼き「もつ重(もつじゅう)」(新小岩)

こぶくろ刺


 前回のコラムでもご紹介した、新小岩の「小岩トロ函」での「古典酒場 銀座昭和浪漫編」の座談会を終えた後、そのメンバー(編集長、カメラマンの遠藤さんFさんワイタベさんやなちゃんと私の6人)で二次会として向かったのは、もつ焼きの「もつ重」です。

 この店は、名著「下町酒場巡礼 もう一杯」(ちくま文庫)でも取り上げられていて、『通りに面した部分が立ち飲みコーナーになっていて、客が目の前の皿からもつをつまんでは、焼き台で勝手に焼いている』なんて紹介されているのです。

 その焼き台のある店頭には、夏らしく、すだれがかけられていて、立ち飲むとするとここで飲むのかな、という小さなカウンターが焼き台の前に出っ張っています。お盆(8月16日)の土曜日、午後7時過ぎの店頭には立ち飲み客はおらず、我われ6人も店内に何卓か並んだ長テーブルを囲んで、酎ハイ(300円)でスタートです。

 店はおばちゃん二人で切り盛りしている様子で、我われ以外の先客は、奥のテーブルで飲んでいる年配のお客さん3~4人ほど。比較的静かな店内です。

 看板メニューのもつ焼きは、たん、はつ、レバー、ねぎ焼き、なんこつ、しろもつ、かしら、という7種類がそれぞれ1串100円。地元、葛飾区在住のFさんが、

「全部3本ずつで、タン、ハツ、カシラ、ナンコツを塩。レバー、シロをタレ」とテキパキと注文してくれます。

 もつ焼き以外の「もつ重」のメニューは煮込み(300円)やガツ刺(400円)、レバ刺(400円)といった定番のもつ料理から、アジ(300円)やメザシ(300円)、ハタハタ(400円)などの魚もの。さらにはトマト(300円)、冷奴(300円)、ポテトサラダ(300円)といった定番ものもあって、もつ焼きを1品とカウントした場合、全部で20品強という、比較的少数精鋭の品揃えです。ゆで玉子の100円が一番安いつまみで、一番高いのがレバ刺などの400円もの。さすがに下町は安いですねぇ!

 飲み物のほうは、酎ハイ(300円)、ウーロンハイ(300円)以外は、瓶ビール(大、600円)と日本酒(大関上撰、400円)しかないという潔さです。

 1時間半ほど楽しんで「もつ重」を後にし、続いて向かったのは「銘酒庵」という立ち飲み屋。まるでスナックのママさんのような出で立ちの女将ひとりが切り盛りしている、この立ち飲み屋は、なんと立ち飲み屋なのにカラオケまであるのです。恐るべし新小岩、恐るべし葛飾区、って感じですね。

「最後はここでシメなけりゃ」と、Fさんがみんなを引き連れて向かったのは「支那麺 はしご」というラーメン屋さん。時刻はすでに午後10時を回っていますが、それでもやっぱり、とりあえずビール(中瓶、550円)ですね。

 ラーメンは、Fさんが「ここに来たら絶対にこれ!」と一押しの鶏すい麺(ちいすいめん、850円)です。長時間飲んでいると、あったかい汁物が食べたくなるし、お腹も減ってくるしで、ついラーメンに走っちゃうんですよねぇ。ひとりで飲むときは、この最後のラーメンをなんとか我慢するように努力しているのですが、久しぶりに食べるシメのラーメンは美味しいなぁ。

 しかも壁には「麺類にはごはんを無料でお付け致しております」の張り紙が! 「毒食わば皿まで」。残った汁に、無料のごはんを投入し、たっぷりとおじやもいただいてしまったのでした。あぁ~あ。

080816a 080816b 080816c
酎ハイ / たん、はつ、なんこつ、かしら(塩) / レバー、しろもつ(タレ)

080816d 080816e 080816f
たらこ / ポテトサラダ / 「はしご」の鶏すい麺

店情報

《平成20(2008)年8月16日(土)の記録》

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店情報: もつ焼き「もつ重(もつじゅう)」(新小岩)

    080816z
  • 店名: もつ焼専門店「もつ重」
  • 電話: (未調査)
  • 住所: 124-0024 東京都葛飾区新小岩1-42
  • 営業: (未調査)
  • 場所: 新小岩駅南口から徒歩2~3分の路地の中。
  • メモ: ビール大600、日本酒(大関上撰)400、ウーロンハイ300、酎ハイ300、もつやき(たん、はつ、レバー、ねぎ焼き、なんこつ、しろもつ、かしら)100、ガツ刺400、煮込み300、ゆで玉子100、トマト300、お新香200、冷奴300、レバ刺400、納豆200、たらこ300、ポテトサラダ300、あじ300、かぼちゃ300、酢の物300、キムチ納豆300、子持ちししゃも300、月見とろろ300、あつあげ300、もろきゅー300、はたはた400、めざし300、さつま揚げ300、にらのおひたし300。(2008年8月調べ)

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熱々の海老しんじょう … 居酒屋「鳥八(とりはち)」(鷺ノ宮)

えびしんじょう揚げ


 西武新宿線・鷺ノ宮(さぎのみや)駅を南側(改札口を出て左側)に降り、目の前の橋を渡りきったところを左へ。そのまま川(妙正寺川)に沿ってトコトコ、トコトコ歩くこと15分ほど。左手に鷺宮製作所の建物がある右手の橋のたもとに忽然と現れるのが老舗の居酒屋「鳥八」です。

 8月15日にも関わらず、金曜日・午後7時過ぎの店内はなんと満席状態で、かろうじて空いていたカウンターの一番手前側の席に座らせてもらいます。この席は荷物置き場として使われていることが多い場所で、満席で入ることができない場合に、補助席的に座れる場所なのです。

 よく拝読している「有田芳生の『酔醒漫録』」というブログの7月22日の記事の中で、

『阿佐谷で五十嵐茂さんと待ち合せ。「鳥八」で内談。住宅街にある名店。「鳥」の名があるが、刺し身が充実。街並みが変わるにもかかわらず33年間変わらず維持してきたことに驚く。店主夫妻が『ひとり呑み 大衆酒場の楽しみ』(WAVE出版)という本で紹介されたらしいという。先日浜田信郎さんのその本が送られてきたところだった。帰宅して「老舗 小料理 酒亭」を見ると「できたて絶品シメサバ」という文章があった。』

 として、「鳥八」ばかりか、私の本までご紹介していただいたこともあって、早く顔を出さなきゃと思いながらも、なんだかんだで今日になってしまったような次第だったのです。

 さっそく瓶ビール(サッポロ黒ラベル中瓶、500円)を注文すると、今日のお通しはコンニャクの炒り煮です。

 表の看板に「天然あゆ塩焼き(釣りもの)」(790円)というのが出ていて、入ってくる前から、絶対にそれを食べようと心に決めていたのですが、満員状態の店内に、店主夫婦ふたりはテンテコ舞いの忙しさ。ここに新たな注文を入れるというのもまた大変そうです。

 店主がコネコネと練っているのは「えびしんじょう揚げ」(890円)の生地かな。

「そのえびしんじょう揚げ、追加可能ならこちらにもお願いします」と声をかけると、

「はい、大丈夫ですよ」という返事で、今宵の注文は、えびしんじょう揚げから、ということになりました。もともと練り物が大好きだし、しかも目の前で揚げたてを作ってくれるとあっては見逃すわけにはいかないですもんね。

 出されたえびしんじょう揚げは、直径5センチほどのまん丸いのが3個。これをあったかい汁(つゆ)につけて、ハフハフ、ホンワリといただきます。表面のカリカリのところを噛み破ると、中から海老の風味が立ちのぼり、フワァーッとやわらかいのがいいですねぇ。

 瓶ビールに続いてはウーロンハイ(450円)をもらって、店内に並んだメニューから、新じゃがサラダ(500円)を注文します。

 新じゃがサラダは、いわゆるポテトサラダながら、そのポテトサラダは新じゃがのみで作られたシンプルなもので、これに粒胡椒がかけられているだけです。そのかわりに、ガラスの器にはレタスが敷かれ、ポテトサラダの横にはピーマンと茹でオクラが添えられていて、全体として野菜サラダっぽい仕上がりになっているのでした。

 ゆっくりと1時間半ちょっとの滞在は2,600円でした。どうもごちそうさま。

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「鳥八」 / ビールとお通し / 新じゃがサラダ

店情報前回

《平成20(2008)年8月15日(金)の記録》

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みそ焼チキンでビール … 串焼処「くしとも」(鷺ノ宮)

みそ焼チキン


 久しぶりに焼き鳥を食べようかなぁ、とやってきたのは鷺ノ宮駅から中杉通りに沿って2分ほど南下(阿佐ヶ谷方面)したところにある焼き鳥屋、「くしとも」です。店内は右手が直線カウンター、左手がテーブル席、そして奥の小上がりで、全部で二十数名は入れる大きさ。今年で創業20年になるというこの店を、店主とそのお母さんの二人で切り盛りしています。

 瓶ビール(キリン一番搾り中瓶、500円)をもらって、焼き鳥5本セット(700円)を注文すると、すぐにお通しのクラゲ酢と、生のキャベツが出されます。

 最初に焼きあがってきたのはレバー、正肉、とり皮焼きの3本。レバーと正肉はタレ焼きで、とり皮は塩焼き。お皿には櫛切りのレモンも添えられます。塩焼きの焼き鳥にはレモンを搾りかけても美味しいのですが、もっとおすすめは卓上に置かれた壺の中のニンニク味噌をつけて食べるやり方。ピリッと辛さが加わって、実にいいのです。

 ここの焼き鳥は一皿2串で、250円、300円、350円、450円の4つの価格帯に分かれています。すなぎもや、とり皮などは250円、レバーや正肉、なんこつなどは300円、しそ巻や、ささみわさび焼などが350円、つくね(玉子付き)や手羽先、アスパラ肉巻、プチトマト巻などが450円。この他に、今いただいている串5本のおまかせセット(700円)や、串7本のおまかせセット(950円)などが用意されているのです。

 4本目として、すなぎも(塩焼き)が、そして5本目は、ささみわさび焼きが出されます。ささみわさび焼きは火の通り具合も絶妙で、ふんわりとした肉の柔らかさとジューシーな味わいが実にうれしい一品です。

 さてこれで5本セットは終了したわけですが、もうちょっと何かを食べたいところ。この店は焼き鳥以外のメニューも豊富で、たとえば鳥わさ(550円)や鳥刺(600円)、とりサラダ(400円)、とり皮おろしポンズ(400円)、親子煮(450円)、和風とり唐揚(550円)といった鳥料理や、和風豆腐サラダ(400円)、おしんこ(400円)、酢の物(400円)、いか一夜干(450円)、山いも千切り(450円)、餃子(焼・揚・水、450円)湯豆腐(400円)といった居酒屋定番の料理類、さらに仕上げ用として、お茶漬け各種(400円)や、焼おにぎり(400円)、茶そば(400円)、そうめん(400円)、うどん(かけ・冷し、450円)に、きじ焼丼(650円)、そぼろ丼(650円)、焼とり丼(650円)まで並んでいるのです。

 そんな中から、初めて食べる、みそ焼チキン(400円)を注文し、瓶ビールもおかわりします。

 丸皿で出された、みそ焼チキンは、鶏肉とネギ、ゴマ、獅子唐を炒めて、みそ味で仕上げたもの。焼き鳥もいいですが、このみそ焼チキンも鶏肉がおいしくていいですねぇ。ビールが進みます。

 1時間ちょっと楽しんで、今日のお勘定は2,500円でした。どうもごちそうさま。

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レバー、正肉、とり皮焼 / すなぎも / ささみわさび焼

店情報前回

《平成20(2008)年8月15日(金)の記録》

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〔コラム〕 古典酒場・銀座昭和浪漫編 … 「小岩トロ函」(新小岩)

小岩トロ函


 ここしばらく、銀座や六本木、麻布十番などの小じゃれた街に飲みに出かけることが多かったのですが、これには大きな理由があります。来週、9月26日(金)に発売予定の「TOKIO古典酒場」第5弾のテーマが「銀座昭和浪漫編」ということで、恒例となっている「居酒屋通ブログ五人衆よもやま話」の対談テーマも「高級エリア~銀座・赤坂・青山・六本木など~にある古典酒場」というものだったのです。

 日ごろ、そんなエリアには(仕事の都合でもない限り)ほとんど出かけることがないので、まさに対談直前の一夜漬けといった感じで、高級エリアにある以前行ったことのある酒場や、行きたいと思っていたのに行けていなかった酒場などを巡ってきたのでした。

 今回の対談の場所は、第2弾の「昭和下町和み酒編」(2007年7月発売)で紹介された新小岩の「小岩トロ函」です。今回もまた「酔わせて下町」のFさん、「Y-TABEのレミング2」のワイタベさん、「やなちゃんの大阪一人酒の日々」のやなちゃんが勢ぞろいですが、残念ながら「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本さんは海外出張のため欠席です。

 集まって乾杯するなり、ワイタベさんから倉嶋編集長に質問が飛びます。

(ワイタベ)「今回のテーマは、なぜ銀座になったんですか?」

(編集長)「銀座などの高級エリアに出かけたときに、ふらりと古い大衆酒場に連れて行ってくれたりすると、そのギャップに女性も喜ぶと思うんですよね」

(全員)「………」

(ワイタベ)「それはきっと編集長だけですよ。ほとんどの女性は『銀座に来ていながら、なぜ大衆酒場なの!? 私はレストランのほうがいいわ』と思うに違いありません」

(編集長)「えぇーっ。そうなんですか!? 私は大衆酒場のほうがいいんだけどなぁ……。ところでFさんは、銀座でどんな酒場によくいらっしゃいますか?」

(F)「うーん。銀座にはほとんど行きません(キッパリ!)。各地にある、なんちゃって銀座にはよく行くんですけどね」

 なんて具合に始まったこの対談。収拾はつくのか!? ことの顛末は、間もなく発売予定の「古典酒場 銀座昭和浪漫編」をお楽しみに! (発売日の9月26日(金)と、30日(火)には書店販売イベントも行われるそうです。詳細はこちら!)

 さて、今回の会場となった「小岩トロ函」。一昨年(2006年)5月にオープンしたばかりの新しい店ながら、店内は今はやりの昭和レトロ風をねらったもの。ビールや酒のケースを重ねたテーブルの上に、炭火の七輪が置かれ、目の前で新鮮な魚介類を焼き上げて食べるという趣向です。

 飲物もチューハイからホッピー、ホイスまで、大衆酒場で飲めるものなら、なんでもござれといった感じです。

 この「トロ函」はチェーン展開もしているようで、ここ新小岩のほかに、赤羽の「まるます家」のとなりにもあり、今年7月には新宿思い出横丁にも新しい店がオープンしたようです。

 ただし、この座談会が行われたのが、夏真っ盛りの8月中旬とあって、開けっ放しの上に七輪の火まである店内は猛烈な暑さ(熱さ)。こんな熱気の中で、高級エリアの酒場を語るというのも、これまたものすごいギャップですよねぇ!(笑)

  • 店名: 小岩トロ函(こいわとろばこ)
  • 電話: 03-3656-1280
  • 住所: 124-0024 東京都葛飾区新小岩1-24-6
  • 営業: 17:00-23:00(土日祝は 16:00- )、無休
  • 場所: JR新小岩駅南口を出て右へ。バスのロータリーを回りこんで右(サウナなどのある方面)へ約100m進んだ右手角。
  • メモ: 酎ハイ、ホッピー、ホイスなど399、活貝浜焼き盛合せ999など。(2008年8月調べ)

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銀座で破格のこの安さ … バー「ネルソンズバー・ガビァーノ」(銀座)

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 森下賢一さんの著書に「大人の「教養」としてのBAR入門」(彩流社)があります。この本は都内の洋風酒場を12のカテゴリーに分類して、それぞれの楽しみ方を紹介したもので、載っているバーの数は実に140軒にも及びます。中でも銀座エリアは40軒近く取り上げられていて、他の地域を圧倒しています。

 森下さんご自身が「一貫して銀座に腰をすえることが多い」と書かれるくらい、銀座の酒場通で、「銀座の酒場 銀座の飲り方」(角川文庫)も出版されているのです。

 そんな40軒近くの銀座のバーの中で、『内装に船材を生かし港酒場の雰囲気だが、全品500円均一で、銀座で破格の安さ』と紹介されているのが、「ネルソンズバー・ガビァーノ」です。

 今から10年ほど前に、銀座二丁目の「三州屋」の向かいに「ネルソンズバー」という、やはり食べ物も飲み物も500円均一のバーがあって、ときどき行っていたのですが、ある時から見かけなくなったのです。

「やはり銀座で500円均一というのは、やっていけなかったのかなぁ」なんて勝手に思い込んでいたのですが、今回調べてみると、ちゃんと公式サイトもあって、森下さんの本で紹介されている「ネルソンズバー・ガビァーノ」を含めて、銀座地区に500円均一のバーを3軒も経営するほどの大成功を遂げているではありませんか!

 住所を頼りに向かってみると、昔の「ネルソンズバー」からひとすじ新富町側の通りの路地の2階に、目指す「ネルソンズバー・ガビァーノ」はありました。

 暗い店内には、丸テーブルや四角いテーブルなどが並んでいます。奥にカウンターもありますが、ここはお酒などのサービス用なのか、椅子はないようです。午後7時の店内は、お盆の平日ということもあってか客もまばら。私も入口近くの丸テーブルに座り、まずはメーカーズマーク(バーボン)のソーダ割り(500円均一)をもらうと、支払いはキャッシュ・オン・デリバリー(商品と引き換え払い)です。

 森下さんは、ここ「ネルソンズバー・ガビァーノ」のようなバーを、12の分類の中で「リーズナブル・バー(手頃な値段のバー)」というカテゴリーに分類しています。

 欧米の場合、アメリカのバーにしても、イギリスのパブ、フランスのカフェ、さらにはイタリアやスペインのバールにしても、すべて本来リーズナブルなもので、毎日の仕事のあとに軽く1、2杯ひっかけても勘定の心配をする必要がない場所なんだそうです。それに比べると日本の酒場は国際水準よりかなり高いのが実情なので、あえて「リーズナブル・バー」というジャンルを設けて、安いバーを紹介してくれているのです。

 「ネルソンズバー・ガビァーノ」の他には、同じ銀座の「ブリック」、「TARU(たる)」、「ロックフィッシュ」、新宿の「イーグル」や中野の「ブリック」などが挙げられており、フムフムと納得です。

 「ネルソンズバー・ガビァーノ」の内装は、森下さんも書かれているとおり船材を生かした、港酒場の雰囲気。この空気の中でいただく2杯目として、カリブの海賊の酒、モヒート(500円均一)をもらいます。添えられたスプーンで、お酒の中に入っているミントの葉っぱや、ライムをつっついて、たっぷりと味を出しながらいただきます。

 1時間ほどの滞在は、ちょうど千円でした。

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店の入口 / バーボンソーダ / モヒート

店情報前回

《平成20(2008)年8月13日(水)の記録》

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店情報: バー「ネルソンズバー・ガビァーノ」(銀座)

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  • 店名: ネルソンズバー・ガビァーノ(Nelson's Bar Gabbiano)
  • 電話: 03-3564-8600
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座2-5-16 2F,3F
  • 営業: 17:00-05:00(土日祝は15:00-24:00)、無休
  • 場所: 地下鉄有楽町線・銀座一丁目駅5番出口を出て左へ50mほど進み、左手角にあるバーの先を左の路地に入った先、左手2、3階。
  • メモ: 飲み物も食べ物も500円均一。ネルソン提督の名を付けた店だけに、店内は船をモチーフにした内装になっている。銀座4丁目や丸の内にも、同じく500円均一のネルソンズバー姉妹店がある。公式サイトあり。(2008年8月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (01.02.16)

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ドイツ風の歌う居酒屋 … ビアホール「ローレライ(Lorelei)」(銀座)

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 今日の銀座での2軒目は、泰明小学校のすぐ近くにあるドイツ風の居酒屋、「ローレライ」です。ここも前に、豊洲(とよす)が職場だったころに何度か来たことがあるのですが、ここ10年ほどはトンとご無沙汰だったのです。

 この店は昔から店中でアコーディオンなどの伴奏に合わせてみんなで大合唱をするということで有名で、歌声喫茶ならぬ、歌声ビアホールといった風情なのです。

 午後5時半の店内は、先客は一組のカップルのみ。カウンター10席とテーブル20席ほどの店内の、カウンターの奥側に並んで座っています。私もカウンターの手前のほうに座って、まずは生ビール(レーベンブロイ)をジョッキ(900円)でもらうと、一緒に出されたお通しは純和風の煮物です。

 店を切り盛りするのはマスターとママさんのおふたり。マスターがカウンターの中、厨房で調理等を担当し、ママさんはホールを担当しているようです。この二人とは別に、歌の時間(午後7時半から30分おき)になると、演奏スタッフが加わります。

 奥のカップルは、転勤で他の土地に行っていて、しばらくぶりに銀座に顔を出されたようすで、「ここのアイスバインが食べたかったのよ」と言いながら、出されたアイスバインのかたまり(3,600円)をフォークとナイフで切り分けています。アイスバインは豚のすね肉をじっくりと8時間ほど煮込んだものを、最後にちょっと炒めてできあがる、ドイツの伝統的煮込み料理で、トロトロと崩れるように切り分けられる様子を見ているだけでも美味しそうです。

 ボイルドソーセージの小盛合せ(1,000円)を注文すると、「できあがるのにちょっと時間がかかりますから」ということで、それまでのつなぎに赤城産だという、丸々と大きな粒の入った枝豆をすすめてくれます。これもまた生ビールに合うんですよねぇ。

 ビールは今いただいているレーベンブロイのほかに、アサヒスーパードライの生ビール(ジョッキ800円)もあり、さらには「世界のビール」ということで、ドイツやチェコ、オランダ、スコットランド、アメリカ、スリランカなどの瓶ビールが700~1,300円くらいでそろっていて、物によっては専用のグラスで供されます。

 ボイルドソーセージができあがってきたところでレーベンブロイもおかわりです。

 この店が盛り上がるのは、やはり演奏の人たちが入る7時半以降のようで、静かなこの時間帯の間に、ママさんに店の成り立ちなどを聞かせてもらいます。

「もともとは昭和30(1955)年にドイツ人が開いた酒場だったのを、昭和34年にそのまま引き継いで、今の店になったんですよ。二代目として私が引き継いだのは昭和55(1980)年のことです。店中、みんなで歌を歌うようになったのも、ちょうどそのころからねぇ。それまでは気分がのった人だけが歌ってるって感じだったのよ」

 なるほど。ドイツ人がスタートさせた酒場だったから、もともとドイツ風に歌を歌ったりしてたんですね。

 最後に冷凍庫でよく冷されたシュタインヘイガー(500円)をキュッと飲んで、1時間半ほどの滞在は4,510円でした。今度は「ローレライ」らしい、歌う時間にもやってこなきゃね。

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生ビールとお通し / ボイルドソーセージ小盛合せ / シュタインヘイガー

店情報

《平成20(2008)年8月13日(水)の記録》

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店情報: ビアホール「ローレライ(Lorelei)」(銀座)

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  • 店名: ドイツ風の居酒屋「ローレライ本店」(Lorelei)
  • 電話: 03-3571-5403
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座5-1-16
  • 営業: 17:00-02:00、日祝休
  • 場所: 地下鉄銀座駅C2出口を出たところで、右へ180度転回し、すぐ次の角を左折して数奇屋通りに入る。次の交差点まで進んで右折し(右手が泰明小学校)、上を高速道路が横切るところまで進んだ右手ビルの地下。
  • メモ: 昭和30(1955)年にドイツ人が開店した店を、昭和34年に日本人が継承して創業したドイツ風居酒屋。現在の店主は二代目。アコーディオンの伴奏で、みんなが大合唱するのも大きな特徴。カウンター10席とテーブル席20席の全30席ほど。
    レーベンブロイ(グラス)600、(ジョッキ)900、(大ジョッキ)1700、ケストリッツァー(黒生ビール)800、ほか世界のビールあり。ジャーマンポテト700、ボイルドソーセージ盛合せ1900(小盛合せ1000)、チューリンガー(焼きソーセージ)1300、アイスバイン(豚のすね肉煮)3600、チリチキン950、ミックスピザ950、ナポリタン1000、ザワークラウト550など。(2008年8月調べ)

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まずは大阪ハイボール … バー「銀座サンボア(ぎんざさんぼあ)」(銀座)

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 都内での仕事を終えて銀座に到着したのは午後4時半。今日、最初に出かけた店は、年中無休で午後3時から開店しているバー、「銀座サンボア」です。

 サンボアバーは大正7(1918)年に神戸で創業。今年で創業90周年となる老舗中の老舗的なバーで、そのグループ店は大阪に7店、京都に3店、そして平成15(2003)年に進出したここ銀座店を含めて、現在11店舗で営業中。前に来たときは違う場所だったのですが、今は地下鉄銀座駅近くの、エルメスの裏手の地下で営業しているようです。

 入口を入ると、目の前が横に長い直線の立ち飲みカウンターで、左に回りこむとフロア席になっていて、座って飲めるテーブル席が数卓用意されています。店内は渋い木目の濃い茶色を基調としたシックで落ち着いた色合い。白いバーコートに、髪をぴっちりとポマードで固めた数名のバーテンダーが迎えてくれます。

 まだ5時にもなっていない時間帯とあって、先客はひとりだけ。カウンターの一番奥に椅子を持ち出してきて、座って生ビールを飲んでいます。カウンターは基本的に立ち飲みですが、椅子が数卓用意されていて、好みによっては椅子に座って飲んでもいいようなのです。

「ハイボールをお願いします」

 名物のハイボールを注文すると、冷蔵庫からボトルごと冷されているサントリー角瓶を取り出して、サンボアマーク入りのオリジナルグラスにトクトクトクとウイスキーを注ぎます。そして炭酸の栓を抜いて、ドボドボドボっと入れると、ちょうど1本分が入ったところでグラスもきっちりと一杯です。特に計量はしていないのですが、グラスの底のほうが平たく削られている部分が分量の目安になっているのかもしれませんね。

 こうやって氷が入らないのがサンボア流。同じサンボアの流れを汲む銀座のバー「ロックフィッシュ」でも、同じような形のオリジナルグラスで、やはり氷なしのハイボールが出されます。こういうウイスキー、炭酸、グラスの三つが冷えた三冷ハイボールを「大阪ハイボール」と呼んだりするんだそうです。

 お通しに出されるのは小皿のピーナッツ。これをポリポリとかじりながら、濃い目のハイボールをちびりちびりといただきます。

 先客の男性が生ビールの後にハイボールを注文したところで新たな男性ひとり客が店に入ってきました。この人も常連さんのようで、先客の横に椅子を出してきて座り、やはり生ビールからスタートし、生ビールを飲み終えると、ブラックニッカのハイボールがすっと出されます。この流れがいつもの定番コースなんでしょうね。

 私のほうは、ここはちょっと軽めに1杯のみで終了し、約45分間の滞在で1,370円でした。店内には特にメニューもないので詳細は分かりませんが、ハイボールが1,000円にお通しが300円で、それプラス消費税といったところでしょうか。

 さぁ、明日からお盆休みなので、今日はたっぷりと飲みますか!

店情報前回

《平成20(2008)年8月13日(水)の記録》

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大正12年創業の老舗 … おでん「お多幸(おたこう)」(銀座)

おでん盛合せ


 銀座八丁目にある、おでんの「お多幸」にやって来ました。

 すでに古典的な名著となった感もある、なぎら健壱(なぎら・けんいち)さんの「東京酒場漂流記」(1995年、ちくま文庫。元になった単行本は1983年発売)でも、ここ「お多幸」が紹介されていて、以前から気にはなっていたのですが、実際に来たのは今日が初めてです。

 同じ銀座にあるおでんや同士で、『安いのが「お多幸」で、高いのが「やす幸」と、名前とは逆』なんてことも言われてるらしく、この「お多幸」は、どっちかと言えば大衆向けのおでん屋さんと言えそうです。それに比べると「やす幸」は接待などに使うための、高級料理屋さんという位置づけなのでしょうか。

 その「お多幸」。店内は右手がどーんと奥に伸びるカウンター席で、左手の壁際がずらりとテーブル席。奥に座敷席もあって、全部で130人くらい入ることができる大箱店です。

 テーブル席に座り、燗酒(菊正宗、450円)と、おでんは盛り合せ(950円)を注文すると、赤い器で出されたのは、串だんご(300円)、豆腐(200円)、ふくろ(450円)、大根(250円)の4品盛り。単品で注文すると1,200円のところが950円ですから、2割ほどお得になる勘定ですね。

 おでん盛り合せを注文するお客さんが多いので、他の人たちのも見てみると、盛り合せの組み合わせはいろいろとあるようで、人それぞれ、って感じです。何人かで来て、盛り合せを何人前か注文しているグループには、それぞれ別々の組み合わせにしてくれたりしているようです。

 おでん1品が200円から450円という価格帯なので、「安い」という感じではありませんよね。「銀座にしてはリーズナブル」といったところでしょうか。

 ところでこの「お多幸」。都内各地に何軒か同名の店があるのですが、チェーン店だったり、グループ店だったりするわけではなさそうです。

 銀座の「お多幸」にしても、この「お多幸」銀座八丁目店などは、大正12(1923)年創業の「町田屋グループ」というグループで、他に新宿、田町、神田、茅場町にも店があります。創業の地は銀座4丁目だそうです。

 「野田屋グループ」以外には、ご飯の上におでんの豆腐をのせた「とうめし」が名物の日本橋の「お多幸」や、「新橋お多幸」の他、上板橋(03-3931-9610、板橋区上板橋1丁目27-7)などにも同名の店があるようです。

 自家製のいか塩辛(320円)をもらって、燗酒(450円)をおかわりし、1時間ほどの滞在はふたりで2,170円(ひとり1,085円)でした。

店情報

《平成20(2008)年8月12日(火)の記録》

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店情報: おでん「お多幸(おたこう)」(銀座)

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  • 店名: おでん「お多幸」銀座八丁目店
  • 電話: 03-3571-0751
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座8-6-19(並木通り)
  • 営業: 17:00-00:30(土16:00-22:30、祝16:00-22:00)、日休
  • 場所: JR新橋駅・銀座口を出て横断歩道(信号交差点)を海側(ドラッグストアがある側)に渡り、次の信号交差点(新橋一丁目)を左折して、そのまま銀座方向に道成りに進む。そのまま難波橋信号交差点(右向こう角がホテルコムズ)を渡り50mほど進んだ右手。
  • メモ: 大正12(1923)年に銀座で創業した、東京のおでんの代表格。おでん以外のメニューも刺身から揚げ物まで豊富。都内各所に同名の店がある。公式サイトあり。
    おでん:盛合せ(1人前)950。豆腐、玉子、焼きちくわ、こんにゃく、わかめ、ちくわぶ、がんも、すじ、こぶ巻、げそ、厚揚げ、えのき茸 各200。大根、じゃがいも、しらたき、つみれ、シューマイ 各250。さつま揚、串だんご、ごぼう巻、いか巻 各300。信田巻、ほたて貝、いか、つぶ貝 各400。きゃべつ巻、ふくろ、あじつみれ 各450、はんぺん、いいだこ、ねぎま、玉子巻、牛すじ 各500。
    飲み物:清酒(菊正宗)450、純米酒(菊正宗)850、樽酒(菊正宗)850、吟醸酒(菊正宗)1600、麦焼酎(吹上グラス)450、梅酒(グラス)500、生ビール660、エビスビール(中瓶)670、ワイン(白・ロゼ、360ml)1300、ウイスキー(スーパーニッカ)ボトル4620、1/2ボトル2520、グラス(シングル)340。
    料理:とり貝酢の物600、とり貝ぬた600、焼き茄子550、冷しトマト500、茄子丸漬け350、枝豆700、冷奴400、生うに840、もずく470、〔刺身〕刺身盛合せ(松)3150、(竹)2650、まぐろ刺身1050、いか刺身790、まぐろぶつ740、たこ刺身680、〔揚物〕帆立フライ680、若鶏唐揚630、串かつ580、いかフライ530、川海老唐揚470、〔酢物〕酢物盛合せ580、たこ酢420、こはだ酢420、くらげ酢400、胡瓜もみ320、〔焼物〕いか丸焼740、くさや600、ししゃも500、〔一品料理〕まぐろぬた550、いかぬた470、たこぬた470、まぐろおろし470、なめこおろし420、しらすおろし420、山かけ580、月見530、野菜サラダ(ポテト)500、おひたし370、焼き海苔320、〔珍味〕いか塩辛(自家製)320、このわた630、明太子500、かにみそ500、〔お食事〕茶めし210、お茶漬け各470、茶そば580、お新香210、白菜新香210、なめこ汁320、わかめ汁160、しじみ汁160。(2008年8月調べ)

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銀座で魚を食べるなら … 大衆割烹「千里浜(ちりはま)」(東銀座)

特上盛合刺身


 先日の記事で「銀座のディープゾーン」としてご紹介した、銀座シネパトス(三原橋地下街)のすぐ近くに、魚料理が手軽に味わえることで知られた大衆割烹「千里浜」があります。以前、勤務先が豊洲(とよす)にあったときには、ときどき来ていたのですが、もう十年ぶりくらいになるでしょうか。

 けっこう広い店内は、右手がカウンター席、左手がテーブル席、奥が小上がりの座敷という造り。火曜日、午後9時の店内には先客は3組ほどで、比較的静かな状態で、Oさんと私もテーブル席のひとつに座り、大徳利(2合)の燗酒(加賀鶴、740円)をもらうと、一緒に出されたお通し(200円)はおひたしです。

 メニューは壁にずらりと短冊が張り出されているほか、日替りの主として魚メニューがホワイトボードに手書きされています。今日の刺身は、しまあじ(1,200円)、平目(1,200円)、たい(1,050円)、かつお(850円)、あじたたき(800円)。貝は、赤貝(850円)、竹貝(850円)、ほっき(800円)、ほたて(800円)、さざえ(850円)といったところ。煮魚や焼き魚も800~900円ほどで並んでいます。

 ちょっと迷って特上盛合刺身(1,500円)を注文します。メニュー上は「特上」となっているものの、刺身の盛り合せはこのメニューしかなくて、盛り合せを注文しようとすると、自動的にこれになります。今日は、しめさば、たい、しまあじ、ひらめ、いか、まぐろの盛り合せです。一切れずつ盛り込まれている刺身もあるので、本来はひとりに一皿ずつ特上盛合刺身をもらえばいいのでしょうが、ひとりならこの一皿でもう満腹になってしまうくらいのボリュームなので、今日はふたりで一皿にしたような次第です。質もよく、おすすめの一品です。

 銀座も、築地に近いので、魚を出す店は多いのですが、土地柄もあってか残念ながらあまり安くはありません。そんな中、ここ「千里浜」(銀座4丁目)や「三州屋」(銀座2丁目)、さっき行ったばかりの「泰明庵」(銀座6丁目)などは、比較的安価に魚を楽しむことができるお店ではないかと思います。(すぐ近くの有楽町や新橋だと安いお店が多いんですけどねぇ。)

 大徳利(740円)をおかわりして、ホワイトボードメニューから、ふぐ白子ポン酢(1,000円)をもらいます。これまた燗酒にぴったりの一品です。

 1時間半ほどの滞在は、ふたりで4,380円(ひとり2,190円)でした。どうもごちそうさま。

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「千里浜」 / 燗酒とお通し / ふぐ白子ポン酢

店情報

《平成20(2008)年8月12日(火)の記録》

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店情報: 大衆割烹「千里浜(ちりはま)」(東銀座)

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  • 店名: 大衆割烹「千里浜」
  • 電話: 03-3564-2386
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座4-8-4 三原ビル
  • 営業: 11:00-14:30、17:00-23:00(22:30LO)
  • 場所: 地下鉄日比谷線・東銀座駅A2出口を出て、そのままの方向(銀座駅方面)に40mほど進み、銀座シネパトス前で右折して、シネパトス正面に続く道に入る。50mほど進んだ左手ビルの1階。
  • メモ: 銀座シネパトス(三原橋)近くにある大衆割烹の店。魚料理がリーズナブルに楽しめる。刺身類は800円前後で種類も多いが、おすすめは1500円の特上盛合刺身。
    料理:特上盛合刺身1500、しまあじ刺身1200、平目刺身1200、たい刺身1050、しめさば780、まぐろ刺身1400、かつお刺身850、いか刺身800、あじたたき800、白えび刺身800、新さんま刺身900、めだいかぶと焼・煮1000、毛ガニ4500、赤貝刺身850、竹貝刺身850、ほっき刺身800、ほたて貝刺身・焼800、さざえ刺身・つぼ焼850、はまぐり焼800、バイ貝酒蒸し850、生うに800、海鮮サラダ800、きんめ煮900、あら煮800、岩かき850、生たこ酢750、ふぐ白子ポン酢1000、ほや酢500、もずく酢500、いさき焼800、かます焼(大)1200、あじ焼800、きんめ焼900、新さんま焼900、ししゃも700、いか焼800、あゆ塩焼700、谷中生姜500、冷奴400、茄子焼500、枝豆500、新香400、なす一本漬400、とまと400、エシャレット350、モロキュウ400、はまぐり汁280、いくら丼(大)1000、(小)700、お茶漬480、おにぎり250。
    飲み物:生ビール630、瓶ビール(アサヒ、サッポロ、キリン)630、梅酒(水割り・ロック)450、ロッソ・デラカーサ(赤・白)2800、〔焼酎(グラス売り各450〕古秘(芋900ml)3000、邑(芋720ml)3000、玄海(麦720ml)2700、鍛高譚(しそ720ml)3000、〔日本酒〕加賀鶴1合370、2合740、加賀鶴生酒(300ml)840、千里浜(朱鷺の里)(720ml)1890、(300ml)840、底ぬけ(500ml)1700、ひれ酒1000、〔サワー各430〕レモンサワー、グレープサワー、ライムサワー、梅サワー、ウーロンハイ、緑茶ハイ、水割り、お湯割り。(2008年8月調べ)

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〔コラム〕 平成の一膳めし屋 … 「かがみ」(芝浦ふ頭)

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 先日のコラムで「芝浦食堂」のことをご紹介したところ、「春は築地で朝ごはん」のつきじろうさんが、さっそく朝食を食べに行ってくださって、さらにその帰り道に「かがみ」という、なんとも素晴らしい“平成の「一膳めし屋」”(つきじろうさん命名)を見つけ出してくれたのでした。

 私も、古い酒場と同じくらい古い食堂なんかも好きなもので、その時のつきじろうさんの記事や、すぐその後に再訪されたときの記事を読むにつけ、行ってみたくて行ってみたくて。

 そんなところへ、ちょうど朝から都内に出かける仕事が舞い込んできました。いつもは大船駅の「大船軒」で天玉そばを食べてから都内へと出かけるのですが、今日はそのまま芝浦まで出て、件(くだん)の「かがみ」を探します。

 おぉーっ。おおぉーっ。これかぁーっ。

 産業道路(海岸通り)の浦島橋交差点横にポツンと残った三角地帯。その三角地帯のなかには、古びた建物が並んでいて、その一番手前が、つきじろうさんのブログで何度も画像を見た「かがみ」のようです。その向うには古びた(ほめ言葉です!)中華料理屋や寿司屋もあって、ちょっとした飲食エリアです。

 紺地に白で“そばうどん”と書かれた暖簾(のれん)をくぐり、開けっぱなしの入口から店内へと入ると、その店内はL字カウンター6席(角をはさんで3席、3席)だけの小さな造り。おばちゃん1人で切り盛りしているようです。

 水曜日、午後8時半過ぎの店内は、L字カウンターの手前側に年配の男性客がひとりのみ。私もLの縦の辺のところに座って、おもむろに壁のメニューを確認します。

 店の入口上部にある看板に、そば、うどん、肉丼、カレーライスと書かれていたとおり、メニューは肉丼が大(480円)、中(400円)、小(300円)。カレーライスも大(480円)、中(400円)、小(300円)。そばとうどんは、天ぷらそば(320円)、天ぷらうどん(320円)、あげ玉そば(250円)、あげ玉うどん(250円)の4種類。その他に、納豆ご飯が大(280円)、中(240円)、小(180円)。ご飯も大(240円)、中(200円)、小(150円)とあって、玉子(40円)と、おしん香(30円)ですべてという、盛りの違いや、サイドメニューの玉子やおしん香を含めても全部で18種類。盛りの違いやサイドメニューをはずすと、わずか8種類というシンプルさです。

 つきじろうさんのブログを見ると、どれもこれも美味しそうなのですが、初回の今日は大好物の天玉そばをもらってみますかね。

「えーと、天ぷらそば(320円)と玉子(40円)をお願いします」

「はい。天ぷらそばに、玉子ですね」

 と復唱して、二つ並んだ羽釜のひとつにそばを入れて温めつつ、

「天ぷらは玉ネギでいいですか?」

 ん? 玉ネギ以外には何があるんだろう。チラリと、カウンターの一番奥に置かれている、自家製らしき天ぷらをストックしてあるバットを見てみると、たくさんのかき揚げ天ぷらに、ちくわ天ぷらもあるようです。初回でもあるし、今回はおすすめの玉ネギにしますか。

「はい。玉ネギでお願いします」

 あっためた麺を丼に移し、玉ネギのかき揚げ天をのせ、玉子を割り入れて、もうひとつの羽釜から汁(つゆ)をかけたらできあがり。

「360円です」

 なるほど。キャッシュオンデリバリー(品物と引き換え払い)なんですね。いつものように、黄身をゆるく溶いて、それにからめるようにしながら、そばをすすり込みます。

「昼もやってるんですか?」と確認してみると、

「朝6時から、昼の1時までやってます。土日と祝日はお休みです」

 と教えてくれました。このあたりは倉庫街なので、そこで働いている人たちの朝食と昼食をまかなっているんでしょうね。

 あっという間に食べ終わって、どうもごちそうさま。

 これはいいや。今度はぜひつきじろうさんのブログにあるような、玉子のせ納豆ご飯+スープや、カレーライス、細麺と太麺が選べるうどんなども食べてみなくちゃね。

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「かがみ」 / 天ぷらうどん+玉子 / 品書き

  • 店名: 「かがみ」
  • 電話: (未調査)
  • 住所: 108-0022 東京都港区海岸3-24-15
  • 営業: 06:00-13:00、土日祝休
  • 場所: ゆりかもめ・芝浦ふ頭駅を西側(改札口を出て右、JR田町駅側)に出て、階段を下りた方向(新橋方面)に約350m(徒歩6分程)進み、二つ目の信号交差点を左折して150mほど進んだ浦島橋信号交差点の右手角。
  • メモ: 肉丼・大480、中400、小300、カレーライス・大480、中400、小300、天ぷらそば320、天ぷらうどん320、あげ玉そば250、あげ玉うどん250、納豆ご飯・大280、中240、小180、ご飯・大240、中200、小150、玉子40、おしん香30。(2008年9月調べ)

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老舗そば屋で蕎麦屋酒 … そば「泰明庵(たいめいあん)」(銀座)

「泰明庵」1階


 普段は新橋あたりで飲むことが多いという酒友・Oさんと共に、銀座の老舗そば屋、「泰明庵」にやってきました。

 以前、銀座で働いていたこともある太田和彦(おおた・かずひこ)さんが、その著書「ひとりで、居酒屋の旅へ」の中で、『ここは銀座の老舗蕎麦屋だが居酒屋としてもたいへん優れ、私が銀座でもっとも好きな居酒屋のひとつはここだ。蕎麦屋の酒の肴は板わさかせいぜい卵焼だが、ここは刺身、煮魚、焼魚、青物、珍味となんでも来いだ。酒も数種がそろう。蕎麦屋ゆえ昼から休みなく営業し、昼下がりに一杯ができる。蕎麦屋酒の妙味は最後にどの蕎麦を食べようかと考えながら飲む楽しみだ。豊富な種物がそれに応える。私のおすすめは「舞茸カレーそば」。まあ食べてみてくだされ。』と絶賛されている「泰明庵」。ぜひ一度行ってみなくてはと思いながらも、なかなか機会を作ることができず、やっと今日、念願がかなったのでした。

 しかしながら、横浜での仕事を終えてから、こちらに出てきたので、「泰明庵」に到着したのは午後8時。この店は8時半ラストオーダー、9時閉店なので、もうほとんど時間が残っていません。

 白地に「生蕎麦」と染め抜かれた暖簾(のれん)をくぐり、曇りガラスの引き戸を引いて店内に入ると、4人掛けのテーブル席が4卓、2人掛けのテーブル席が1卓という思っていたよりも狭い店内には先客はなく、ガラーンとした状態です。

「いらっしゃいませ」と迎えてくれる女店員さんに、

「ふたりですけど、まだいいですか」と、オズオズとたずねると、

「どうぞどうぞ」という快い返事。さっそく4人掛けのテーブル席のひとつに座り、まずはとりあえず瓶ビールを注文します。

「瓶ビールはアサヒ、キリン、サッポロとございますが」

「じゃ、サッポロをお願いします」とOさん。出されたのはサッポロ黒ラベル中瓶(550円)です。

 噂どおり、メニューの数はものすごく多くて、正面の壁一面を短冊が埋めつくすほど。全体に目を通すだけでも、かなりの時間がかかりそうです。しかも、そばのメニューと、その他の一品料理のメニューが渾然一体(こんぜんいったい)となって並んでいるので、どれがそばで、どれが一品料理か、我われのような「泰明庵」初心者には分かりにくいのです。Oさんとふたりで、「うーむ」と悩みながら、枝豆(580円)と小柱の佃煮(380円)を選びます。

 それらのつまみをつつきつつ、ビールを飲むうちに、実は2階にも座敷席があって、そちらにはグループ客がたくさん入っていそうなことが判明しました。会社帰りに立ち寄る飲み主体のみなさんは、はじめから2階に上がっちゃうんですね。

 1階にも、我われの後から、ひとり、またひとりと、いかにも常連さんらしき男性ひとり客がやってきて、かなり盛況な状態になってきました。なぜ常連さんらしいことがわかるかというと、お店の女店員さんたちから名前で呼ばれているからです。これだけ人が多い銀座の地にあって、名前を覚えられるほどの常連さんというのもすごいですよね。

「今日はもう遅いから、焼酎と、かしわせいろもすぐに出して」

 なんて注文をしています。我われも瓶ビールをもう1本もらって飲むうちに8時半になり、女店員さんが、

「お料理はラストオーダーになりますが…」

 と聞きに来てくれます。太田さんおすすめの舞茸カレーそばにも引かれますが、初回なので、もりそば(500円)を1枚だけもらうことにします。

 出されたもりそばは、きちんと作られた町場のもりそばって感じ。この店は、雰囲気全体が、きちんとした町場のそば屋さんという感じで、とても居心地がいいのです。悪い意味での銀座らしい風格とか、老舗らしい慇懃無礼(いんぎんぶれい)さのようなものは、まったくありません。

 そのもりそばを、ズズッ、ズズッと一気にいただいて、そば汁(つゆ)をそば湯で割って仕上げます。

 1時間弱の滞在は、ふたりで2,560円(ひとりあたり1,280円)でした。どうもごちそうさま。

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枝豆 / 小柱の佃煮 / もりそば

店情報

《平成20(2008)年8月12日(火)の記録》

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店情報: そば「泰明庵(たいめいあん)」(銀座)

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  • 店名: そば・軽食「泰明庵」
  • 電話: 03-3571-0840
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座6-3-14
  • 営業: 11:30-21:00(20:30LO)(土は -15:00)、日祝休
  • 場所: 地下鉄銀座駅C2出口を出たところで、右へ180度転回し、すぐ次の角を左折して数奇屋通りに入る。次の交差点まで進んで右折し(右手が泰明小学校)、その先の角を左折。70mほど先の左手。
  • メモ: 創業50年を超える銀座の老舗そば屋。メニューは刺身、煮魚、焼魚から、丼物、そばも含めて100種類以上。まったく気どることなく酒を飲め、しめのそば(もり・かけなら500円)が楽しめる、気さくで庶民的な店。1階テーブル席、2階座敷席を合わせて全52席ほど。
    メニューはカレー丼800、玉子丼730、たぬき丼680、鍋焼1400、もり500、かけ500、たぬき600、きつね650、月見650、とじ650、ざる650、大もりそば・うどん650、ミックス700、力750、おろし750、カレー750、肉南750、かしわ750、けんちん850、あんかけ850、そばコロッケ460、さつまあげ480、かき玉700、かしわかき玉900、肉かき玉900、肉南とじ850、かしわとじ850、鴨せいろ1050、かしわせいろ850、肉せいろ850、魚天ぷら1000、天ぷら1000、天南900、野菜天ぷら950、かき揚とじ950、かき揚850、舞茸天ぷら950、かき揚天もり1100、かき揚天ざる1200、辛味大根850、もり(ゴマだれ)650、大もり(ゴマだれ)800、青のりきつね850、青のり750、野菜天ぷら780、枝豆580、セット(カツ丼+もり・かけ)1050、セット(玉子丼+もり・かけ)950、セット(カレー丼+もり・かけ)980、とろろ850、おかめ800、冷おかめ850、水菜そば・うどん800、水菜かしわ900、平貝粕漬け焼580、鮪かく煮480、岩がき480、鮪立田揚450、白みるくんせい480、さざえつぼ焼580、つぶ貝煮580など。(2008年8月調べ)

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ずらりと並ぶ山海の幸 … 居酒屋「山忠(やまちゅう)」(麻布十番)

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 今日の2軒目は、六本木のとなり町、麻布十番に移動して、この地で30年以上営業を続けている大衆居酒屋「山忠」に入ります。

 店内は左手のL字カウンター10席程度に、右手壁際に並ぶ4人掛け3卓のテーブル席、奥には宴会もできる座敷席がある造り。土曜日、午後9時前の店内は7~8割りの入りといったところで、我われふたりは、テーブル席では1卓だけ空いていた、右手一番手前のテーブル席に座り瓶ビール(キリンラガー中瓶、600円)をもらって乾杯です。

 注文しなくても勝手に出される「お通し」という制度には賛否両論あるところですが、この店にはお通しはありません。そのかわり、カウンター上段に日替りの大皿料理がずらりと並んでいて、そこから1品目のつまみを選ぶようにすれば、すぐに料理にありつけるようになっているのです。

 そんな大皿料理の中から、丸々と美味しそうに並んでいるきぬかつぎ(480円)を注文すると、そのきぬかつぎの上半身(!?)の皮だけをクルリと取って、たっぷりと胡麻塩をトッピングしたのが、長方形皿に6個、きれいに整列して出されます。

 きぬかつぎを食べていると、無性に燗酒が飲みたくなって日本酒(一合、420円)をもらい、えび団子揚げ(500円)も注文します。同行しているここっとさんは、瓶ビールをおかわりし、手羽先焼き(1本350円)です。

 机上に置かれたメニューに載っている料理だけでも60品を越える上に、先ほどご紹介したカウンター上段の大皿料理や、さらにカウンターの上の壁や、テーブル席横の壁にずらりと並ぶ手書き短冊メニューも加えると、いったい何品あるんだろうという料理の数々。その内容は海の幸から山の幸まで幅広く、また調理法も刺身から、焼き物、揚げ物、そして鍋物やご飯物までと、これまた幅が広いのです。

 そうやって料理の幅が広いからか、店内のお客さんも、まさに老若男女色とりどりで、それぞれのグループがそれぞれの楽しみ方をしています。こういう、ごった煮的な雰囲気が、いかにも酒場らしくて大好きですねぇ。

 1時間ほどの滞在は、小計2,950円に消費税(10円未満は切り捨て)がついて3,090円(ひとりあたり1,545円)でした。どうもごちそうさま。

 このあと、さらにとなり町である白金高輪の居酒屋「大船」を目指したものの、なんと「大船」は土曜日(土日祝日)は定休日。事前のリサーチ不足でした。

 それじゃ、と渋谷にある年中無休の「とりすみ」に到着すると、なんと「本日臨時休業」。ついてないですねぇ。

 その「とりすみ」のすぐ近くに、つい最近、中目黒から移転してきたという人気の立ち飲み屋、北海道海鮮問屋「根室食堂」で軽く立ち飲んでお開きとしたのでした。

 今宵はご主人が飲み会ということで、久しぶりにおつきあいいただいたここっとさん、どうもありがとうございました。「三州屋」の鳥豆腐が家庭料理として再現できたら、ぜひご招待くださいね!

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きぬかつぎ / 手羽先焼き / えび団子揚げ

店情報前回

《平成20(2008)年8月9日(土)の記録》

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再開した六本木三州屋 … 居酒屋「三州屋(さんしゅうや)」(六本木)

とりどうふ


 平成18(2006)年末、ビルの建て替えにともなって、その30年の歴史に幕を下ろした六本木「三州屋」。もはや六本木には、我われ大衆酒場ファンが憩える場所はなくなったのではないかと非常に残念に思っていたところ、先月(2008年7月)のはじめに、このブログのコメント欄に「(六本木の「三州屋」が)ミッドタウン方面に復活しています」というコメントをいただいたのです。

 それはさっそく行ってみなきゃと、ネット上で検索して情報を集めたところ、どうやら去年(2007年)の8月末頃、ミッドタウン南側(六本木駅側)の小さな路地の中で営業を再開したようです。

 今日は久しぶりにここっとさんとともに六本木に出かけ、店に到着したのは午後7時過ぎ。ビルの1階にある真新しい「三州屋」は、障子(しょうじ)戸っぽく見えるすりガラスの窓の横に、紺地に白で「三州屋」と染め抜かれた暖簾(のれん)が掛けられた入口扉があり、外には「居酒屋 三州屋」と書かれた置き電灯看板が置かれています。

 各地にある「三州屋」の看板には「大衆割烹」と書かれているところが多いのです。こうやって「居酒屋」と書いている「三州屋」は、もしかするとここが初めてかもしれません。

 入口扉を開けて店内に入ると、入口左手に8人は掛けられる長テーブルが2台、どーんと並んでいるほか、入口右手に3人掛けのカウンター席が壁に向かって作りつけられています。メインは左手のテーブル席で、右手のカウンター席は満席のときの補助席的な位置付けなのかもしれません。

 奥側の長テーブルには、いかにもこの近所の人たちといった出で立ち(すっかり普段着)のおじさん、おばさん、おねえさんたちが4~5人、楽しそうに飲んでいます。それぞれ1~2人客ながら、互いによく知ってる常連さんたちといった様子です。

 店のおかみさんらしき女性に「こちらにどうぞ」と、我われは窓側の、まだ誰も座っていないほうの長テーブルに通されます。まずは瓶ビールを注文し、「三州屋と言えば、やっぱりこれでしょう」と鳥豆腐(とりどうふ、500円)を注文です。

 すぐに出された瓶ビールは、大衆酒場好きが喜ぶサッポロラガービール大瓶で、小鉢のお通しはイカゲソのワサビ和えです。

 そして鳥豆腐。チェーン展開ではなくて、暖簾分けで店舗が増えてきたという「三州屋」は、私が行ったことがあるところだけでも銀座神田新橋飯田橋と都内各所にあり、その共通点は必ず鳥豆腐というメニューがあるということ。鳥豆腐は、鳥の水炊きのような料理で、丼風の器に入れて出してくれます。これを添えられたポン酢醤油でいただくのです。

 店は、年配の男女と、若い女性の3人で切り盛り中。もしかするとご両親と娘さんなのかな。芋洗い坂下にあったときには、アルバイトらしい外国人女性もいたのですが、店の規模が小さくなったので家族経営でいけるようになったのでしょうか。それとも土曜日だからかな。常連のお客さんたちともとても仲良く話をしていて、店内はまるで近所の集会所のような温かいふんわり感です。

 瓶ビールをおかわりして、つまみには明太子(500円)をもらいます。小鉢に盛られた明太子は、大きく切ったかたまりが3切れ。すごく立派な明太子です。

 1時間ちょっと楽しんで、今日はふたりで2,600円(ひとりあたり1,300円)でした。どうもごちそうさま。

 大衆酒場閉店の情報が多いなか、こうやって老舗酒場が再開するというのはとても嬉しいことです。また来なくっちゃね!

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のれん / ビールとゲソのワサビ和え / 明太子

店情報前回

《平成20(2008)年8月9日(土)の記録》

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銀座のディープゾーン … 薩摩料理「おごじょ」(東銀座)

三原橋地下街


 南千住から銀座に移動して、やってきたのはとっても怪しげな「三原橋地下街」です。

 この地下街は、昭和27(1952)年に完成した、日本で2番目に古い地下街なのだそうです。三原橋(みはらばし)という名前のとおり、かつてはここに三十間堀川(さんじっけんほりかわ)という川(江戸時代に造られた堀)があって、銀座と木挽町の境界線になっていたんだそうです。戦後、昭和23年から埋め立てが始まって、埋め立てが完了した昭和27年に地下街ができた、という歴史のようです。

 ちなみに日本で一番古い地下街は昭和7(1932)年にできた「神田須田町地下鉄ストア」で、東京メトロ銀座線・神田駅の5番出口と6番出口の間の地下通路にあたる場所。浅草-上野間に日本初の地下鉄が通ったのが昭和2年のこと、その地下鉄が昭和6年に神田まで延び、翌昭和7年に京橋まで延びと延伸されていくなかで、この「神田須田町地下鉄ストア」も作られたんですね。残念ながら、この通路はJRへの乗り換え口の反対側ということもあって、現在は4店舗ほどが営業しているだけなんだそうです。

 その後、2番目にできたのが今いる「三原橋地下街」で、3番目に古いのが昭和30(1955)年にできた「浅草地下商店街」です。ここは今でも浅草やきそばの「福ちゃん」をはじめとする飲食店が並んでいて、レトロな商店街として人気のある場所です。

 閑話休題。現在の三原橋地下街には、映画館(銀座シネパトス1、2、3)や飲食店(季節料理「三原」、おでん・小料理「一柳」、松坂牛「牛かつ」、かごっま料理「おごじょ」、大衆食堂「三原」)、ギフトショップなど数軒が軒を連ねています。

 そんな中、立ち止まったのは地下街中央あたりにある「400円均一」の看板を掲げた“かごっま料理”の店、「おごじょ」です。400円均一というのも、鹿児島料理というのも引かれるではありませんか。

「銀座で400円均一って、本当かなぁ??」

 と多少いぶかりながら店の表に出されたホワイトボードを見てみると、そこには400円均一料理として、本まぐろの切落しや、カジキのバターローズ、タコとサーモンのマリネ、赤貝と小ダコの刺身、サンマ塩焼き、つぶ貝刺身、手造りメンチカツ、鶏のぼんじり、砂肝炒め、ぬか漬などなど、20品以上の品が書き出されています。あまり鹿児島料理って感じじゃないけど、刺身なども含めて400円というのが嬉しいではありませんか。

 ガラリと引き戸を開けて入った店内は、L字カウンター8席分程度の小さな造り。入口すぐ前に横に広がるL字の長辺に男性客がひとり、右手で縦に伸びる短辺のところに3人組(男性1人、女性2人)の合計4人が先客で、私はその二組のちょうど間に入る形でカウンター席に腰を下ろします。

 店を切り盛りしているのは、ご夫婦と思しき男女ふたり。いかにも板前さん風のご主人と、こぎれいなおかみさんです。

 目の前にずらりと並ぶ焼酎の一升瓶の中から、一番最初に目に入った「白波(しらなみ)」(400円)を湯割りでもらうと、お通し(サービス)として小皿に盛られたおひたしが出されます。飲み物もほぼ400円均一ですが、一部の地酒、1~2品ほどが500円のようです。

 店の外にあったのと同じ料理メニューが店内にもあり、その中からイカわた焼き(400円)をもらいます。注文を受けてから作られるイカわた焼きは、できあがるに連れて店内にも美味しそうな香りが立ち込めてきて、目の前に出てくる前から期待が膨らみます。コールスローも添えて出されたイカわた焼きは、予想どおりの濃厚さ。焼酎が進みますねぇ!

 常連さんたちは、お勘定のときに電車の回数券袋から切符のような紙を出して支払っています。これは400円均一の店ならではの回数券で、6枚つづりが2,200円(8.3%得)、11枚つづりなら4,000円(9.1%得)となっていて、回数券袋そのものを店にキープしておける仕組みです。

 2杯目は「黒伊佐錦(くろいさにしき)」(400円)を湯割りでもらって、料理は煮穴子と季節の野菜を和えたもの(料理名を失念!、400円)です。他のお客さんたちのところに出ているものも含めて、料理はすべて美味しそうです。

 1時間ちょっとの滞在は、2杯と2品(+お通し)で1,600円でした。どうもごちそうさま。

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銀座シネパトス / 三原橋地下街入口 / 「おごじょ」

 銀座から、野方まで帰ってきたところで午後9時。飲み終えるには、ちょっと早すぎるかなぁ、ということで「秋元屋」から「竹よし」をまわって、さらに「竹よし」常連のE夏さんと「エンジェル」、「ピアノピアノ」とハシゴして、結局、午前2時前に自宅に帰り着いたのでした。やぁ、今日もよく飲みました。

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「秋元屋」 / 「竹よし」のシメサバ / 「エンジェル」

店情報

《平成20(2008)年8月2日(土)の記録》

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店情報: 薩摩料理「おごじょ」(東銀座)

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  • 店名: かごっま料理「おごじょ」
  • 電話: 03-3561-0343
  • 住所: 104-0061 東京都中央区銀座4-8-7
  • 営業: 17:00-23:00(土は -22:00)、日祝休
  • 場所: 地下鉄・東銀座駅A1出口またはA2出口を出て、晴海通りを地下鉄銀座駅方向に50mほど。銀座シネパトスのある三原橋地下街の中央あたり。地下鉄・銀座駅からだとA5またはA6出口を出て、東銀座・築地方面へ150mほど。
  • メモ: 三原橋にある「かごっま料理」の店。L字カウンター8席を夫婦ふたりで切り盛り。料理も酒もほぼ400円均一(地酒の数銘柄のみが500円)。焼酎も複数銘柄そろっており、常連さんたちはお得な回数券(400円券つづりで6枚2,200円、11枚4,000円)で飲んでいる。料理は日替りでホワイトボードに書き出される。2008年8月某日のメニューは、本鮪切落し、本鮪ムニエル、銀鮭のトマトバター、カジキのバターローズ、タコとサーモンのマリネ、赤貝と小ダコの刺身、鯛ちくわ磯辺揚げ、サンマ塩焼き、イカわた焼き、(活)つぶ貝刺身、京なすオーロラソース、手造りハムカツ、手造りメンチカツ、麻婆豆腐、おこじょかき揚げ、鶏のぼんじり、タコウインナー、砂肝炒め、ベビーコーン・オイルソルト、ブロッコリーとカリフラワーサラダ、インゲン胡麻和え、ぬか漬、板ブロッコリーとちくわサラダという23品で400円均一。このほか、店内に定番メニューもあり、こちらも400円均一。(2008年8月調べ)

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2品と2杯で850円 … 大衆酒場「大坪屋(おおつぼや)」(南千住)

「大坪屋」店内


 南千住にある大正12(1923)年創業の老舗大衆酒場、「大坪屋」にやってきました。店に到着したのは、開店時刻である午後4時半過ぎ。のれんは出てるんだけど、店内は明かりがついてなくて、なんだか暗い。入口から店内をのぞいてみると、すでに何人かのお客さんは入っているようなので、私も入口引き戸を開けて店内へと入ります。

 店をぐるりと取り囲むような大きなコの字型カウンター20席ほどと、周辺にテーブル席が5卓で、こちらも20席ほど。店全体では40人くらい入れます。そのカウンター席に先客のカップル2組が座って、酎ハイを飲んでいて、おかみさんをはじめとして、店のみなさんは開店準備中といった様子です。

「なんにしますか」

 と聞いてくれるおかみさんに、

「酎ハイと煮込みをお願いします」

 と注文すると、

「煮込みは、まだ」

 と返事しつつ、カウンター奥の酎ハイ作成用テーブルで、タンタタンッと軽快にジョッキに氷と焼酎を入れて、炭酸の栓を抜き、目の前にトンと置いてくれます。

 この店の酎ハイは、なんと200円。以前は炭酸が強烈なニホンシトロンを使っていたのですが、今年の2月にニホンシトロンが廃業したあとはアズマ炭酸に切り替えたようです。

 他のお客さんはと見てみると、みなさん料理はまだ注文できていないようで、飲み物だけをチビチビと飲んでる様子。私もしばし酎ハイをちびりちびり。

 10分ほどして、近くのカップルが「料理を注文していいですか?」とおかみさんに声をかけて、まぐろぶつ切りなど何品かを注文しはじめます。それじゃ、私もと同じくまぐろのぶつ切り(200円)を注文します。ここ「大坪屋」も下町の老舗大衆酒場らしく、まぐろはこのぶつ切りのほかに、刺身(350円)、ネギトロ(350円)、中トロ(550円)とそろっているのです。

 2杯目となる酎ハイをおかわりするころに、時刻も5時を回って、常連さんらしき男性ひとり客が続々と入ってきます。なるほど、この時間帯になると何を注文してもそろってるんですね。

 私も、さっきは準備できていなかった牛煮込み(250円)をもらいます。ここの牛煮込みは、牛もつと玉ネギを、東京らしい甘辛い醤油味で煮込んだもので、長円形の小皿に盛られて出されます。

 店頭の看板に「元祖25度酎ハイ、どぜう、おでん、牛煮込」と書かれているとおり、ほとんどのお客が注文する酎ハイと、丸どぜう(350円)、どぜうなべ(500円)、柳川なべ(500円)、どぜうからあげ(600円)と4品がそろっているどぜう料理。コンブ、大根、しらたき、コンニャク、はんぺん、玉子、さつまあげ、じゃがいも、ゴボー巻、つみれ、がんもの中から3個選んで250円のおでん。そして、今食べている牛煮込み(250円)がこの店の名物のようです。

 カウンター奥の壁にずらりと並ぶ短冊メニューの大部分は200円か250円のもの。まわりのお客さんたちからの注文が多いのは、にらレバ(300円)や焼き餃子(200円)に、私ももらった、ぶつ切り(200円)と煮込み(250円)です。煮魚や鳥の唐揚げだって、それぞれ350円というのがすばらしいですねぇ。

 1時間ちょっとの滞在は、2品と2杯で850円でした。どうもごちそうさま。

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ぶつ切りと酎ハイ / カウンター席の様子 / 牛にこみ

店情報前回

《平成20(2008)年8月2日(土)の記録》

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〔コラム〕 せんべろな酒場、せんべろな飲り方

「やき屋」のメニュー


 先週(9月2日)号の「週刊SPA!」に「1000円でベロベロに酔える![せんべろ居酒屋]名店ガイド」という特集が載りました。

 千円で飲めるとなると、料理もさることながら、飲み物も安くなければなりません。千円で飲めるかどうかは、むしろ飲み物の値段が決め手といってもいいくらいなのです。飲み物が200円台位じゃないと、2品と2杯で千円以内におさまりませんものね。

 そんな「せんべろな酒場」の中で、酒場としてのクオリティも十分高くておすすめなのが、次の5店+アルファです。


1.立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

 平成11(1999)年7月に創業した、荻窪駅北口の立ち飲み屋。八戸直送の新鮮なイカ料理を中心としたつまみのほとんど(22品中20品)が170円均一。

 まずはホッピー(320円)を飲みながら、名物・いかなんこつ焼(170円)を食べ、次にかの太田和彦さんもおかわりしたという自家製いか塩辛(170円)で、日本酒「北の誉」(1合250円)をキュッとやっても910円です。

 刺身類も、普通のイカ刺身(170円)や、イカミミ刺身(170円)、ゲソわさ(170円)と各部位がそろっているほか、冬場だけの名物であるイカ大根(170円)なんて、イカよりもイカらしく煮込まれた大きな大根がドーンと入ってボリュームたっぷり。あぁ、今年も冬が待ち遠しい。


2.大衆酒場「斎藤酒場(さいとうさかば)」(十条)

 東京・北区の赤羽、十条、東十条を結ぶトライアングル地帯も、酒場マニア垂涎の名酒場がそろっているエリアです。そんな中、「せんべろ酒場」の雄として、中島らもさんの「せんべろ探偵が行く」の中でも「おれの町内に引っ越してきてくれたら一番いい」と紹介されているのが、昭和3(1928)年創業の老舗大衆酒場、「斎藤酒場」です。

 この店の日本酒は、なんと1合が160円。その日本酒を2本もらって、名物のコロッケと串カツのセット(220円)とポテトサラダ(200円)を食べても740円にしかならないのです。こんなに安いならもう1本と、さらに3合目となるお酒をもらっても、まだまだ900円。なかなか千円に届かないのでした。


3.もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

 名酒場がそろっているということでは、北区トライアングル地帯に負けてないのが京成立石を代表とする下町エリア。なかでも立石の「宇ち多゛」は、毎日、毎日、開店前から閉店まで、行列が絶えることのない人気もつ焼き店です。設定された閉店時刻は午後8時ながら、それより前に品切れ閉店となることが多くて、土曜日などは夕方をなるのを待たずに終わってしまうほどだというから驚きです。

 この店では、よく出るメニューのほとんどは180円、もしくは180円の倍数に価格設定されていて、安いうえに計算もしやすい仕組みです。

 焼酎の梅割り(180円)を2杯ほどいただきながら、人気のもつ煮込み(180円)にお新香(180円)、そしてもつ焼き(各種2本で180円)を1皿もらって、2杯と3品でも、900円ですんでしまうのですから、連日の長蛇の列も納得できますよね。


4.市民酒場「みのかん」(神奈川)

 横浜には、酒屋で立ち飲みできる(角打ち)店も数多く残っていて、安く楽しむことができるのですが、今日ご紹介するのは、横浜中央卸売市場の近くにある普通に座って飲む大衆酒場「みのかん」です。

 まわりに飲食店がない中に、ポツンと1軒現れるのが、看板に“市民酒場”と書かれた「みのかん」です。サービスで出されるお通しは、年中変わらずおでんが2品。1杯240円の酎ハイも焼酎の量が半端ではなく、それとは別に瓶入りの炭酸が出され、自分で割りながら飲む仕組みです。

 人気のもつ煮(260円)とポテトサラダ(250円)などをつつきながら、ゆうに2杯分程度はあるその酎ハイを飲めば、これですっかりいい気持ち。お勘定は750円です。さらにもう1杯、酎ハイ(240円)を追加してもお勘定は990円。これだけ飲めば、よそで飲むほぼ4杯分相当となり、まさにベロベロになってしまいます。

 市場が近いこともあり、まぐろ刺身(400円)や、いか刺身(270円)などの刺身類も非常にコストパフォーマンスが高いのです。


5.立ち飲み「いこい」(赤羽)

 おそらくコストパフォーマンスが都内随一ではないかと思われるのが、北区赤羽にある、立ち飲みの「いこい」です。メニューには1品110円の料理がずらりと並ぶほか、酎ハイも1杯180円。マグロ刺身(130円)に、人気のおから(110円)をもらって、焼ハイ(180円)を2杯飲んでも、600円にしかならないのです。

 この店には、これまで何度か足を運んでいるのですが、ひとりで行ったときも、そうでないときも含めて、ひとり分の支払いが千円を超えたことは、今までにありません。この店で2千円以上飲み食いしようとすることは、けっこうなチャレンジになるかもしれませんね。


 このほか、門前仲町の「魚三酒場(うおさんさかば)」も行列のできる人気店で、コップ酒(180円)2杯と、マグロぶつ(230円)と、あら煮(50円)で640円。さらにホタテ刺身(300円)まで追加してもまだ千円以内(940円)でおさまるという激安店です。

 それ以外にも四ツ木の「えびす」や、南千住の「大坪屋(おおつぼや)」など、特に下町方面を中心に「せんべろ酒場」は多いので、ぜひ行ってみてください。

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近所の酒場をハシゴ酒(4) … 「路傍」「アルフォンソ」「さぬき亭」

4軒目:樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)

樽酒とナスの煮浸し


 「川二郎」を出て路地を抜けると、その角にあるのが樽酒の「路傍」です。「石松」への行きがけ(午後8時半頃)にもちょいとのぞいてみたのですが、そのときは店内がいっぱいで入れなかったのでした。10時過ぎのこの時間帯は大丈夫。先客はJ字カウンターの手前側にふたりです。

 そのふたりの左側、ちょうどJ字に曲がった先端のあたりに腰を下ろすと、ちょうど目の前が小さな炉。この店ではこの炉で魚や野菜を炙ったりしてくれるのです。

 いつものように「千福(せんぷく)」の樽酒(800円)をもらうと、今日のお通し(500円)はナスの煮浸しです。夏らしくていいですねぇ。

 「路傍」の創業は昭和36(1961)年。現在の店主のお母さんがはじめられたのだそうです。非常に特徴的なのは、肴(さかな)が昔からあるような素朴なものばかりということ。豆腐や厚揚げなどのほか、目の前のカウンター上にはずらりと素材である野菜類が並び、注文を受けてから肴に仕上げていってくれるのです。この店の料理を食べていると、なんだか健康になっていくような感じがするほど。淡麗な味わいの「千福」がよく合います。

 店主ご夫妻や、お客さんたちと1時間ほど楽しんで、今日は1,300円。今度はまたじっくりとやってきますね。どうもごちそうさま。

・「路傍」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆

5軒目:バー「アルフォンソ(Alfonso)」(阿佐ヶ谷)

メーカーズマークのソーダ割り


 中野からJR中央線で2駅。阿佐ヶ谷にやってきました。この阿佐ヶ谷駅の北側・荻窪寄りガード沿いに、小ぢんまりとした隠れ家のようなバー、「アルフォンソ」があります。

 カウンター6席ほどと、後ろの壁に造りつけの補助席があるだけの小さな店内は先客は3名。それぞれ男性ひとり客です。私もカウンターの一番奥の席に座り、メーカーズマークをソーダ割り(700円)でいただきます。

 薄暗い照明に、静かな雰囲気。そして控えめで優しいマスターの笑顔。ここで飲んでいるとゆっくりと癒(いや)されて、これぞまさに酒場浴といった感じです。華々しく目立つ店ではないのですが、阿佐ヶ谷が誇る名店の1軒だと思います。

 お勘定はチャージ(チャーム付き300円)がついて1,000円でした。

・「アルフォンソ」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆

6軒目:手打うどん酒房「さぬき亭」(野方)

焼きうどん


 「アルフォンソ」をあとに、最後はやっぱり炭水化物でシメようというということで、今日の6軒目としてやってきたのは野方(のがた)にある手打うどん酒房「さぬき亭」です。「さぬき亭」は午前1時までの営業なので、ひとしきり飲んだあとにも立ち寄ることができるお店なのです。

 まずは生ビールをもらうと、今日のお通しはアジの南蛮漬け。この時点で、さっそく焼きうどん(650円)も注文しておきます。

 「さぬき亭」という店名のとおり、この店のうどんは讃岐うどん。焼きうどんも手打ちの讃岐麺で作られるのです。もちろん普通の、もり(500円)、かけ(500円)、ぶっかけ(500円)、醤油ぶっかけ(500円)、釜玉(かまたま、550円)といったうどんもあるのですが、私はつまみとしても食べられる、この店の焼きうどんが大好きなのです。他の讃岐うどん屋ではあまり見かけないメニューですしね。

 焼きうどんができあがったところで、飲み物は芋焼酎「一刻者(いっこもん)」をロックでもらいます。

 閉店時刻を少し回ることまで楽しんで、今日のお勘定は2,000円でした。どうもごちそうさま。

 そんなわけで、地元近くの酒場6軒をぐるりとめぐり、トータル7時間、8,700円(1軒あたり1,450円)ほどのハシゴ酒でした。やぁ、よく飲んだ。

・「さぬき亭」の店情報前回

《平成20(2008)年7月28日(月)の記録》

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近所の酒場をハシゴ酒(3) … 「北国」「石松」「川二郎」

1軒目:酒房「北国(きたぐに)」(中野)

かます


 1週間の夏休みに入ったので、近所の酒場をハシゴ酒シリーズ第2弾(第1弾はこちら)。今日は中野にやってきました。今日の1軒目は、中野駅南口の小さな路地の中にある酒房「北国」です。

 午後6時半の店内には、すでに4人ほどの常連さんが、カウンターで談笑しています。

 この店の常連さんは、ベテランの飲み手ぞろい。この店に初めてやってきたのは、今から7年前、平成13(2001)年4月のことなのですが、そのとき以来、この店に来るといつまでたってもペェペェの若輩者なのです。

 今日、一番奥の席に座っているのは、この店で月に一度行われる「十六夜(いざよい)会」で三味線を披露してくれる年配の男性客。なんとこの方は、私が子供の頃に見ていた「エイトマン」というアニメの主役・エイトマンの声優さんでもあるのです。まるでヒーローとご一緒させていただいているような、なんだか不思議な気持ちなんですよねぇ。

 瓶ビール(キリン一番搾り大瓶)をもらってスタートすると、今日のお通しは「冷や大根」。大根をカニ缶のダシで煮て、冷蔵庫で冷したもので、やわらかくて冷たい大根の食感と、口の中に広がるカニの風味がたまりません。

 ビールのあとは、ウイスキー(サントリー・ホワイトの水割り)に切り換えて、肴(さかな)には、カマス(430円)を焼いてもらいます。ここ「北国」には、メニューに必ずといっていいくらい、なにかしら焼き魚が書き出されていて、それがまた人気があるのです。今日のカマスもいいですねぇ。

 もう1杯、ウイスキーをいただいて、2時間ほどの滞在は2,100円でした。どうもごちそうさま。

・「北国」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆

2軒目:もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

牛ハツ刺し


 2軒目は、今度は中野駅の北口側に回って、早稲田通りに近いところにある、もつ焼きの「石松」です。平日の8時半だから余裕かと思いきや、すでに満席気味ではありませんか! さすがですねぇ。

 かろうじてカウンターの奥のほうに座り、キープしているキンミヤ焼酎を「おーいお茶」で割っていただくと、お通しは牛ハツ刺しです。このところ、お通しの定番といった感もある牛ハツ刺し。今日のハツ刺しも美しいですねぇ。

 あとはみなさんの注文に便乗しつつ、豚ナンコツ串焼(塩、100円)、牛ミノ串焼(醤油、150円)、そして若鶏ツクネ串焼(タレ、150円)をいただきます。

 「石松」のもつ焼きは、注文を受けてから、もつを切って串に刺し、その場で焼き上げるので、新鮮そのもの。プリッとした食感がたまりません。

 さらに特筆すべきは、その焼き加減。串に刺した肉の内部が見えてるんじゃないかと思うほど、絶妙な火の通り具合で出されるのです。

 今日は1時間ほど(お勘定は800円ほど)でさっくりと終了して次に向かいます。

・「石松」の店情報前回

            ◆   ◆   ◆

3軒目:うなぎ串焼き「川二郎(かわじろう)」(中野)

串巻きと日本酒


 「石松」を出て、中野駅方面にちょっと戻りつつ、漫画「美味しんぼ」にも登場した、うなぎ串焼きの「川二郎」の前を通りかかると、いつも満席の「川二郎」が空(す)いている。閉店時刻(午後10時)まで、あと30分しかないので、みなさん帰りかけているんですね。

 よーし。残り30分で、うなぎ串焼きを楽しもうではありませんか。

 燗酒(新政、270円)をもらって、「ひと通り」を注文すると、「もうひと通りはありませんから、あるもので焼きますね」という返事。よろしくお願いしまーす。

 まず出されたのは2本の串巻(1本200円)。串巻は長さ方向に細く割いたウナギの身を、くねらせるように串に刺して焼いたもの。くりから焼きと呼ぶ店もあります。1本は背中側の身で、もう1本は腹側の身。背中はタレで、腹は塩でと、味を変えて焼いてくれてるのも嬉しいですねぇ。

 続いては大好物のヒレ焼き(150円)です。これは文字通り、ウナギの背ビレや腹ビレなどのヒレを焼いたもの。ヒレという語感から骨々しい歯応えを想像するかもしれませんが、そんなことはまったくなくて、旨みをギュッと凝縮した味わいなのです。

「今日はこれで終わりです」

 と4本目に出してくれたのは、ゴボウにウナギの細身を巻きつけた八幡巻き(250円)です。ゴボウとドジョウはベストマッチですが、ウナギともまた合うのです。

 最後に自家製のお新香(キュウリ)をもらって、約40分の滞在は1,500円ほどでした。さぁ、次はどこだー!

・「川二郎」の店情報前回

《平成20(2008)年7月28日(月)の記録》

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宴席後にシメの日本酒 … 居酒屋「ねこ屋(ねこや)」(築地)

裏十文字 純米大吟醸 責め取り


 今日は「丁稚飲酒帳」のdetchさんの結婚披露宴二次会で、門前仲町の「魚三酒場」です。

 総勢四十数名という大きな宴会の幹事を務めてくださったのは「オテル趾骨」のトカゲさん。出席者にはjirochoさんや、「酔わせて下町」のFさん、やなちゃんジャンキーさんご夫妻、歩く酒場データベース・Kさんご夫妻、この日のために赴任先の札幌から帰京されたふるさんといったメンバーが居並ぶほか、横浜からも重鎮・iiさんやG.Aさんが出席されて、大盛会です。

 それにしても、さすがは「魚三」の宴会。食べ物の量が半端じゃなく多いのです。前にオフ会をしたときも、たくさんの料理が余ってしまったのですが、今回も残念ながら全部は食べ切れませんでした。

 「魚三」を出て、主賓のdetchさんご夫妻ほか、20人ほど次に向かったのは、同じ門前仲町の「だるま」です。この人数は入れないだろうなぁ、と思いながらも、入口に立つお父さんに「20人ほどなんですけど…」と声をかけてみると、なんと「入れますよ。奥へどうぞ」という返事。奥のテーブル席が、ほぼ貸しきり状態になってしまいました。

 「だるま」を出ると、門前仲町駅前で解散。熊さんと二人で「もう1軒行きますか」と地下鉄大江戸線に乗り込んで、築地市場まで。昨日もちらりと立ち寄った「ねこ屋」です。

 店に到着したのは午後10時。土曜日の「ねこ屋」は10時半までの営業なので、最後に一杯って感じですね。店内も座敷席に何人かのお客さんがいるだけで、カウンター席は空いていて、私自身は初めて見る、比較的静かな「ねこ屋」の店内です。

 最初は生ビール(600円)をもらってグイッと喉を潤します。けっこう飲んだ後でも、移動して次の店に行ったときにはビールがほしくなるんですよねぇ。そして日本酒。ここ「ねこ屋」は日本酒に力を入れている居酒屋なので、毎日、十数種類の厳選された日本酒(700~800円ほど)がそろっているのです。

 そろそろ閉店時刻だし、明日の日曜日は「ねこ屋」もお休みということもあって、美人女将も割烹着を脱ぎ、きれいな和服姿になって一緒に日本酒を楽しみます。

 さてこの「ねこ屋」。9月6日(土)発売予定の「食楽 10月号」の「美人女将のお店で1杯」というコーナーで紹介されるそうですので、ぜひ誌面でも見てみてください。

 detchさんご夫妻の末永い幸せを祈りつつ、たっぷりと飲んで食べた1日でした。

店情報前回

《平成20(2008)年7月26日(土)の記録》

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宴席前に寄り道ビール … 居酒屋「ねこ屋(ねこや)」(築地)

生ビールと冬瓜


 仕事関係の宴席で築地に出てきました。到着したのは午後7時前。宴席の開始は7時半からなので、まだ30分ちょっと時間があります。外は暑いし、せっかくなので「ねこ屋」で生ビールの1杯もいただいてから宴席に向かうことにしましょうか。

 築地の「ねこ屋」は、「まりみるのおいしい生活日記」の主宰である、まりみるさんが今年の3月に開店した居酒屋で、まだ開店5ヶ月にもかかわらず、美人女将の美味しい手料理と、厳選地酒の店として、予約しないと入りにくいほどの人気店になっています。

 美人ということももちろんですが、それよりなにより、まりみるさん自身がもともと居酒屋めぐり、中でも大衆酒場めぐりを趣味にされていて、お客の目線からみたいい酒場というのをよく知った上で店を切り盛りされているというのが、この人気の大きな理由なんじゃないかと思います。

 トントントンと鉄の階段を上がって2階へ。「ねこ屋」の入口は2階にあるのです。入れるかな? こんばんは。

「あぁーっ、浜田さーん」

 ニッコリと喜んでくれる美人女将。『来てよかったなぁ』と嬉しくなる瞬間です。

「7時半からこの近くで飲み会なので、今日は生ビール1杯だけ飲ましてもらえますか。ごめんね」

「いいえ、とんでもない。わざわざ寄っていただいて、ありがとうございます」

 と生ビール(600円)と、今日のお通し(席料込みで500円)の冬瓜の煮たのを出してくれます。

 そうそう。「ねこ屋」の営業情報は、先ほどご紹介した「まりみるのおいしい生活日記」に載ることも多くて、今日は冬瓜の煮物があることが書かれていたのです。これがその冬瓜ですね。どーれどれ。なるほど、カレー風味でとてもやわらかい。これは美味しいなぁ。

 今日は座敷席にはお客さんが入っているものの、カウンター席は私のほかは、女性がひとりだけ。この女性は「米山」(赤羽)の常連さんで、女将とも、店を出す前からの知り合いなんだそうです。

 楽しい時間はあっという間に過ぎて、もう出発しなければいけない時間です。お勘定は1,100円。

「行ってらっしゃーいっ!」

 カウンターの女性と女将のおふたりに見送られながら、宴席へと向かったのでした。

店情報前回

《平成20(2008)年7月25日(金)の記録》

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横浜らしい定番コース … バー「スリー・マティーニ」(横浜市・元町中華街)

マティーニ


 横浜中華街の台湾料理屋「秀味園」でビール(アサヒスーパードライ中瓶、600円)を飲みながら、煮込んだ手羽先、昆布、豚耳、干豆腐(かんどうふ)、玉子を一皿に盛り合わせた、魯(ルー)と呼ばれる煮込んだつまみ(1,000円)と、台湾風腸詰(1,000円)をいただいたあと、山下公園のほうへ移動して、バー「スリー・マティーニ」です。

 3週間ほど前にも、この2軒を巡るコースを回ったばかりですが、友人がやってきたりすると、ついつい横浜らしいこのコースにたよっちゃうんですよねぇ。

 このルート以外だと、たとえば「栄楽園」からバー「ウインドジャマー」とか、「馬さんの店 龍仙」からバー「ケーブルカー」とか。いずれも中華街で中華料理をつまみに飲んで、バーで洋酒を飲んで〆るという、かつて外国人居留区があった横浜の文化をプンプンと感じられるルートなのです。(呑ん兵衛の友人が来たときには、中華街よりもむしろ野毛(のげ)のほうが喜ばれたりもしますが…。)

 「スリー・マティーニ」は、今日もL型カウンターの短辺の位置。ここが店の奥側の、ちょうどレコードプレーヤーの前あたり。店内に流れるジャズは、LPレコードの味のある音質なのです。

 今日の1杯目はジントニック(1,100円)。マスターが、精魂込めて作ってくれます。前回来たときには、ちょうどマスターがお休みだったのでお会いするのは久しぶりなのです。

 料理ももらいましょうと、選んだ1品目は自家製レーズンバター(800円)です。お皿の上に小さめに砕いた氷が置かれ、その上にスライスしたレーズンバターが6切れ。それとは別に、食パンを4分割したくらいの大きさのパンをトーストしたものが6枚添えられています。トーストしたて熱々の食パンに、氷の上の冷たいレーズンバターをのせ、食パンの熱でレーズンバターの接地面が溶け始める様子を眺めながら、シャクッと芳ばしく焼けたパンをかじると、口の中にレーズンバターの甘~い味わいとバターの風味が広がります。

 そう。ここのレーズンバターは甘い味付けになっていて、ウイスキーやバーボンなどの蒸留酒にもよく合うのです。そんなわけで、今日の2杯目はメーカーズマーク(バーボン)のソーダ割りをいただきます。

 料理の2品目は手づくりレバーペーストのカナッペ(1,000円)です。先ほどと同じ大きさのトーストされたパンに、たっぷりとレバーペーストがのせられています。黒胡椒がよく効いていて、いいですねぇ。

 ここ「スリー・マティーニ」は料理の美味しさでも定評があるのです。オイルサーディンのパン粉焼き(900円)や、特製カツサンド(1,300円)、ナポリタン(900円)などなどのメニューが並びます。

 さらにはフレッシュ・フルーツを使った季節のフルーツカクテル(各1,300円)も人気の品。以前いただいた、トマト感たっぷりのブラッディマリーも美味しかったなぁ。

 そんなフルーツカクテルにちょっと引かれつつも、最後は店名にもなっているマティーニ(1,200円)でしめて、本日は終了。ひとり3杯ずつカクテルをいただいて、今日のお勘定は二人で10,500円(ひとりあたり5,250円)でした。どうもごちそうさま。

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「秀味園」の煮込んだつまみ / 台湾風腸詰 / 「スリー・マティーニ」のジントニック

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バーボンソーダ / 自家製レーズンバター / 手づくりレバーペーストのカナッペ

・「秀味園」 (前回) / 「スリー・マティーニ」 (前回

《平成20(2008)年7月24日(木)の記録》

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