2品と2杯で850円 … 大衆酒場「大坪屋(おおつぼや)」(南千住)
南千住にある大正12(1923)年創業の老舗大衆酒場、「大坪屋」にやってきました。店に到着したのは、開店時刻である午後4時半過ぎ。のれんは出てるんだけど、店内は明かりがついてなくて、なんだか暗い。入口から店内をのぞいてみると、すでに何人かのお客さんは入っているようなので、私も入口引き戸を開けて店内へと入ります。
店をぐるりと取り囲むような大きなコの字型カウンター20席ほどと、周辺にテーブル席が5卓で、こちらも20席ほど。店全体では40人くらい入れます。そのカウンター席に先客のカップル2組が座って、酎ハイを飲んでいて、おかみさんをはじめとして、店のみなさんは開店準備中といった様子です。
「なんにしますか」
と聞いてくれるおかみさんに、
「酎ハイと煮込みをお願いします」
と注文すると、
「煮込みは、まだ」
と返事しつつ、カウンター奥の酎ハイ作成用テーブルで、タンタタンッと軽快にジョッキに氷と焼酎を入れて、炭酸の栓を抜き、目の前にトンと置いてくれます。
この店の酎ハイは、なんと200円。以前は炭酸が強烈なニホンシトロンを使っていたのですが、今年の2月にニホンシトロンが廃業したあとはアズマ炭酸に切り替えたようです。
他のお客さんはと見てみると、みなさん料理はまだ注文できていないようで、飲み物だけをチビチビと飲んでる様子。私もしばし酎ハイをちびりちびり。
10分ほどして、近くのカップルが「料理を注文していいですか?」とおかみさんに声をかけて、まぐろぶつ切りなど何品かを注文しはじめます。それじゃ、私もと同じくまぐろのぶつ切り(200円)を注文します。ここ「大坪屋」も下町の老舗大衆酒場らしく、まぐろはこのぶつ切りのほかに、刺身(350円)、ネギトロ(350円)、中トロ(550円)とそろっているのです。
2杯目となる酎ハイをおかわりするころに、時刻も5時を回って、常連さんらしき男性ひとり客が続々と入ってきます。なるほど、この時間帯になると何を注文してもそろってるんですね。
私も、さっきは準備できていなかった牛煮込み(250円)をもらいます。ここの牛煮込みは、牛もつと玉ネギを、東京らしい甘辛い醤油味で煮込んだもので、長円形の小皿に盛られて出されます。
店頭の看板に「元祖25度酎ハイ、どぜう、おでん、牛煮込」と書かれているとおり、ほとんどのお客が注文する酎ハイと、丸どぜう(350円)、どぜうなべ(500円)、柳川なべ(500円)、どぜうからあげ(600円)と4品がそろっているどぜう料理。コンブ、大根、しらたき、コンニャク、はんぺん、玉子、さつまあげ、じゃがいも、ゴボー巻、つみれ、がんもの中から3個選んで250円のおでん。そして、今食べている牛煮込み(250円)がこの店の名物のようです。
カウンター奥の壁にずらりと並ぶ短冊メニューの大部分は200円か250円のもの。まわりのお客さんたちからの注文が多いのは、にらレバ(300円)や焼き餃子(200円)に、私ももらった、ぶつ切り(200円)と煮込み(250円)です。煮魚や鳥の唐揚げだって、それぞれ350円というのがすばらしいですねぇ。
1時間ちょっとの滞在は、2品と2杯で850円でした。どうもごちそうさま。
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