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300円均一に大変身 … 居酒屋「升本(ますもと)」(蒲田)

升本


 東京23区の南端に位置する酒場タウン、蒲田にやってきました。ここから多摩川を渡ると、そこはもう神奈川県(川崎市)です。(実はその手前に、多摩川に突き出すように雑色、六郷土手のエリアがあって、そこも私にとって課題地域なのです。)

 蒲田駅を降りると、どの出口に向かってもずらりと酒場がそろっているというのが素晴らしい土地ですよねぇ。そんな中、まずは前に一度行ったことのある「升本」に向かいます。大きな升の中にコップを置いて出される燗酒や、できたてサクサクでボリューム満点のかき揚げを、もう一度食べようと思っているのです。

 あれっ!?

 ここだよなぁ。店の名前はたしかに「升本」なんだけど、なんだか外観も違っていて、しかもいろんなところに、でかでかと「300円均一」と書き出されている。外の置き電灯看板にも、入口の暖簾にも、「300円均一 升本」の文字です。

 うーむ。ちょっとイメージが違いますが、入ってみますか。

「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」

 と案内してくれるのは若い外国人女性。店内の内装は、外に面する窓のところは大きなガラス(外にメニューが書き出され、中にはブラインドがあったりするので、完全に素通しというわけではない)に変わっているものの、内装そのものは、昔の店のものを継承しているようです。

 客席も以前の木製のテーブル席をそのまま使っていて、12人掛け1卓、6人掛け5卓、4人掛け1卓の、全46席。もしかすると厨房との間にあるカウンター席も使えるのかもしれません。案内されたのは、ちょうど店の中央に位置する12人掛けの長テーブルです。

 火曜日、午後5時の店内には先客は男性客ひとり。入口に一番近い6人掛けのテーブルに座り、チューハイ(300円)を飲みながら、カレイの煮魚(300円)をつついているのですが、このカレイの大きいこと。これで300円は安いなぁ。

 テーブル上に置かれたメニューを確認すると、食べ物は刺身9品をはじめ、天ぷらや焼き物、煮物から、ごはん類・麺類まで、その数なんと83品。これがすべて300円均一です。飲物も、生ビールから、日本酒(以前から続く高砂鶴に、地酒5種)、焼酎(8種)、サワー各種、梅酒、ホッピー、ウイスキー、ワインまでが、これまたすべて300円均一とわかりやすい。そのかわり、ホッピーの中身(焼酎のおかわり)やソフトドリンクも、これまた300円均一です。

 それ以外にも、店内の壁にはずらりと短冊メニューが並び、ホワイトボードには「本日のおすすめ」が書き出されていて、それらもすべて300円均一。いったい何品あるんだろうという品ぞろえです。

「何にいたしましょう」注文を取りに来てくれる先ほどのおねえさんに、

「生ビールとアジのたたきをお願いします」

 ビールは生ビール(アサヒスーパードライ)1種のみです。その生ビールは小ジョッキで出され、それと一緒にお通し(これも300円)の竹の子の煮物が出されます。アジのたたきは、大根のつまの上にたっぷりと盛られ、刻みねぎを散らして、おろし生姜が添えられています。

 店は店主らしき男性と、先ほどの外国人女性、奥の厨房の男性の3人で切り盛り中ですが、もっとピークの時間帯になると店員さんも増えるのかもしれません。前に来たときの、いかにも好々爺といった感じの店主はいなくて、現在の店主に代がわりしたようです。

「いつから300円均一の店になったんですか?」と聞いてみたところ、「去年の10月からです」という返事。代がわりに合わせて、店の業態も変更したのでしょうね。

 同じ長テーブルの反対側に入ってきた男性ひとり客が注文したのは、もつ煮込み。これが、ひとり用の土鍋にたっぷりと盛られているのです。先ほどのカレイ煮付けといい、このもつ煮込みといい、とても300円とは思えないようなボリュームです。

 私も、前に来たときの組み合わせ、燗酒とかき揚げ(海鮮かき揚げ)を注文しますが、残念ながら燗酒は普通の湯呑みで出され、かき揚げも揚げ立てながら、前回のようなボリュームはありませんでした。ちょっとがっかり。

 でも、代がわりすることができずに、閉店したりする酒場も多い中、こうやって継続していくというのは嬉しいことですよね。

 1時間ほどの滞在は、2品と2杯に、お通しで、1,500円でした。

080819a 080819b 080819c
生ビールとお通し / あじたたき / 海鮮かき揚げと燗酒

店情報前回

《平成20(2008)年8月19日(火)の記録》

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コメント

蒲田在住のなみさん(自分でさんは変?)です。
升本は、前のオーナーがやめる事になり、全く違う経営のお店になったのですが、店の名前と佇まいを残す事が条件で店舗を貸す事となったようです。(ビルの名前が升本ビルですので、先代はビル内に住んでおられるようです。)
全品300円は、ものによりコストパフォーマンスがかなり異なります。壱の蔵も三百円ですが、大きな升の中にコップを置いて出されます。
最初の出版パーティーには、参加させていただきましたが、又機会あれば、ご一緒したいです。宜しく!

投稿: なみさん | 2008.09.25 12:44

>なみさんさま
 なるほど、そういう経緯で300円均一の居酒屋に大変身したんですね。情報をいただきまして、ありがとうございます。
 次の機会には、ぜひ地酒を注文してみるようにします。

投稿: 浜田信郎 | 2008.10.05 11:29

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