銀座のディープゾーン … 薩摩料理「おごじょ」(東銀座)
南千住から銀座に移動して、やってきたのはとっても怪しげな「三原橋地下街」です。
この地下街は、昭和27(1952)年に完成した、日本で2番目に古い地下街なのだそうです。三原橋(みはらばし)という名前のとおり、かつてはここに三十間堀川(さんじっけんほりかわ)という川(江戸時代に造られた堀)があって、銀座と木挽町の境界線になっていたんだそうです。戦後、昭和23年から埋め立てが始まって、埋め立てが完了した昭和27年に地下街ができた、という歴史のようです。
ちなみに日本で一番古い地下街は昭和7(1932)年にできた「神田須田町地下鉄ストア」で、東京メトロ銀座線・神田駅の5番出口と6番出口の間の地下通路にあたる場所。浅草-上野間に日本初の地下鉄が通ったのが昭和2年のこと、その地下鉄が昭和6年に神田まで延び、翌昭和7年に京橋まで延びと延伸されていくなかで、この「神田須田町地下鉄ストア」も作られたんですね。残念ながら、この通路はJRへの乗り換え口の反対側ということもあって、現在は4店舗ほどが営業しているだけなんだそうです。
その後、2番目にできたのが今いる「三原橋地下街」で、3番目に古いのが昭和30(1955)年にできた「浅草地下商店街」です。ここは今でも浅草やきそばの「福ちゃん」をはじめとする飲食店が並んでいて、レトロな商店街として人気のある場所です。
閑話休題。現在の三原橋地下街には、映画館(銀座シネパトス1、2、3)や飲食店(季節料理「三原」、おでん・小料理「一柳」、松坂牛「牛かつ」、かごっま料理「おごじょ」、大衆食堂「三原」)、ギフトショップなど数軒が軒を連ねています。
そんな中、立ち止まったのは地下街中央あたりにある「400円均一」の看板を掲げた“かごっま料理”の店、「おごじょ」です。400円均一というのも、鹿児島料理というのも引かれるではありませんか。
「銀座で400円均一って、本当かなぁ??」
と多少いぶかりながら店の表に出されたホワイトボードを見てみると、そこには400円均一料理として、本まぐろの切落しや、カジキのバターローズ、タコとサーモンのマリネ、赤貝と小ダコの刺身、サンマ塩焼き、つぶ貝刺身、手造りメンチカツ、鶏のぼんじり、砂肝炒め、ぬか漬などなど、20品以上の品が書き出されています。あまり鹿児島料理って感じじゃないけど、刺身なども含めて400円というのが嬉しいではありませんか。
ガラリと引き戸を開けて入った店内は、L字カウンター8席分程度の小さな造り。入口すぐ前に横に広がるL字の長辺に男性客がひとり、右手で縦に伸びる短辺のところに3人組(男性1人、女性2人)の合計4人が先客で、私はその二組のちょうど間に入る形でカウンター席に腰を下ろします。
店を切り盛りしているのは、ご夫婦と思しき男女ふたり。いかにも板前さん風のご主人と、こぎれいなおかみさんです。
目の前にずらりと並ぶ焼酎の一升瓶の中から、一番最初に目に入った「白波(しらなみ)」(400円)を湯割りでもらうと、お通し(サービス)として小皿に盛られたおひたしが出されます。飲み物もほぼ400円均一ですが、一部の地酒、1~2品ほどが500円のようです。
店の外にあったのと同じ料理メニューが店内にもあり、その中からイカわた焼き(400円)をもらいます。注文を受けてから作られるイカわた焼きは、できあがるに連れて店内にも美味しそうな香りが立ち込めてきて、目の前に出てくる前から期待が膨らみます。コールスローも添えて出されたイカわた焼きは、予想どおりの濃厚さ。焼酎が進みますねぇ!
常連さんたちは、お勘定のときに電車の回数券袋から切符のような紙を出して支払っています。これは400円均一の店ならではの回数券で、6枚つづりが2,200円(8.3%得)、11枚つづりなら4,000円(9.1%得)となっていて、回数券袋そのものを店にキープしておける仕組みです。
2杯目は「黒伊佐錦(くろいさにしき)」(400円)を湯割りでもらって、料理は煮穴子と季節の野菜を和えたもの(料理名を失念!、400円)です。他のお客さんたちのところに出ているものも含めて、料理はすべて美味しそうです。
1時間ちょっとの滞在は、2杯と2品(+お通し)で1,600円でした。どうもごちそうさま。
銀座から、野方まで帰ってきたところで午後9時。飲み終えるには、ちょっと早すぎるかなぁ、ということで「秋元屋」から「竹よし」をまわって、さらに「竹よし」常連のE夏さんと「エンジェル」、「ピアノピアノ」とハシゴして、結局、午前2時前に自宅に帰り着いたのでした。やぁ、今日もよく飲みました。
・店情報
| 固定リンク | 0
コメント
怒!!三原橋「おごじょ」そりゃ儲かるでしょの巻。
銀座シネパトスで映画最終回を観た後「おごじょ」へ。カウンターの店内はほぼ満席、一人でうかがったため常連さんたちに挟まれる。棚のテレビではプロ野球日本シリーズ。頼みましたものは酔心樽酒500円に島美人ロック400円、カツオすきみ、ぬか漬け、カキフライ各400円の計2100円也。肴はいずれも1人前に合わせて小ぶりだが、ぬか漬けは小蕪ひとつ胡瓜1本と十分すぎるほど。樽酒はロックグラスに9分目で1合弱、焼酎はグラスたっぷり。
で、ここからが本題です。
浜田さんが記されている通り、当店には割引回数券というものがある。3年前訪れた際にすぐ再訪するつもりで6枚綴り2400円分(購入価2200円)を購入しておいたが、その後使う機会がなく(シネパトスにはしばしば来ているのだが)、今日こそ使おうとチケットを出したところ、思いがけなく、店主「使えません!」と有無を言わせぬ口調で。「相すみません」のひと言も、使えない理由すらない。常連が見ている中、訳をうかがえば、今はチケットが変わったからだそうで…。そんなのありますかい!? 納得いきません。経営が変わったとか店の事情があるのかとも思ったが、店主は同じらしいし。1円たりとも払い戻しには応じない様子に、1日の締めを不快な思いで満たされ、二度と来るかと腹の中で思いながら店を出た。みなさまもご注意あれ。
さらに言えば、シネパトスの当日半券を見せれば10%割引になると店内に貼紙があるのだが、前売券を見せても割り引かれません(日付がないので)。
投稿: べあ | 2009.11.05 12:33