常連さんと話も弾んで … 大衆酒場「いづみや」(日暮里)
日暮里駅前にある大衆酒場「いづみや」にやってきました。
金曜日、午後6時半の店内は、すでに酔客で満席気味。店を切り盛りしているおばちゃんが「ここにする?」と、カウンターにかろうじて空いている1席を指し示してくれます。その席に座りながら「瓶ビールと肉豆腐をお願いします」と注文を告げます。
瓶ビールはサッポロラガービール(赤星)の大瓶で470円。そのビールを飲みながら少し待ったところで、肉豆腐(300円)も出されます。
昼前(11時半)から、中休みなしで夜9時まで営業しているこのお店にとっては、午後6時半という今の時間は、すでに後半戦。カウンターの奥のほうに座っている年配のお客さんは、早い時間から飲んでいたのか、すっかりできあがった状態で、ろれつの回らない口調で店のおばちゃんに話しかけています。
店はホールを担当するおばちゃん二人と、厨房のおにいさんの合計3人で切り盛り中。おばちゃん二人は、注文を受けたり、できあがった料理を運んだりしながら、ニコニコと酔っ払いの相手もこなします。このあたりが、いかにも下町大衆酒場らしい風情ですよねぇ。
さてと、ビールに続いては何を飲もうかなぁ。壁にずらりと貼られたメニューに目をやると、梅割焼酎(210円)やチューハイ(300円)と並んで、ホッピー(400円)もあるようです。日本酒はコップ酒なら210円、徳利で出してもらうと450円。あ。ブラックニッカの水割りボトル(300ml)を発見。しかも1本380円ではありませんか。千住大橋「ときわ」の390円が、これまでの最安値だと思っていたのに、記録更新ですね。
さっそくそのウイスキー水割りボトルを注文すると、氷入りのジョッキと一緒に出してくれます。こんなに大きなジョッキに入れると、1本全部入ってしまうんじゃないかなぁ、と思いながらやってみると、なんとボトルの半分分くらいしか入りません。へぇ、氷の入ったジョッキの液体容量って、意外に少ないんですねぇ。
つまみにはチーズ(240円)をもらって、ウイスキーと一緒にパチリと写真を撮っていると、2列平行カウンターの正面に座っているおじさんから、
「お。にいさん。写真を撮って、ブログか?」と声がかかります。
「えぇ。そうなんですよ」
「書かないほうがいいよ。書くと若いカップルとか来ちゃうんだよなぁ」
「そうそう。しかも1回だけな。1回来ると、店の客が我われのようなおじさんばっかりだから、もう来なくなるんだよなぁ」
私のとなりに座っている別のおじさんも話に加わってきます。
「じゃ、書くなら最初から『1回だけ来てください』って書いておくのがいいのかもな(笑)。ところでにいちゃん、どっから来たんだい?」
「私ですか。自宅は中野区なんですけど…」
「ほぉ。中野区からわざわざここになぁ。そんなわざわざくるようないい店か? ここは?」
「いや、いい店ですよ。山手線の駅のすぐ近くで、これだけ昔の酒場の雰囲気を保ったお店はあまりないですから」
「ふーん。オレなんか、もう20年以上通ってるから、普通の酒場なんだけどなぁ」
「昔はネクタイ締めた客なんか、ほとんどいなかったよなぁ」
と他のお客さんたちも話してくれます。こういう向かいあったカウンターというのは、お客同士の会話がはずみやすいのです。
「にいちゃん。マリちゃん(店のおばちゃんのひとり)が怖いって書いといてな」と言うお客さんに、
「何言ってんのよ。おにいさん、私、本当はやさしいんだからね」
とマリちゃんも話の輪に入ってくれたところで、前回もいただいて美味しかったハムポテトサラダ(350円)を追加注文します。
ワイワイと1時間半ほど楽しく過ごして、今日のお勘定は1,740円。やっぱり下町大衆酒場はいいなぁ。
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